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カセットテープ

かせっとてーぷ

カートリッジに収めた磁気テープのこと。特に、一般用途音声記録用の3.8mm磁気テープを幅10cm程度のプラスチックカートリッジに収めた「コンパクトカセット」を指す。
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広義にはカートリッジに収めたテープを指し、DATビデオカセットなど音声以外に映像や情報などのデータを記録するものも含むが、一般的には音楽を録音・再生するための磁気テープを扱いやすいようにカートリッジに収めたものをいう。

概要

録音・再生用途

音楽の録音に磁気テープが使われだした頃はオープンリール式といってテープがリールに巻かれているだけの状態で使われていた。しかし、これでは使い勝手が悪いので、カートリッジに収めたものが登場した。これがカセットテープである。
音楽用オープンリールテープ同様A面とB面があり、A面とB面の入れ替えはカセットを裏返すことによって行う(形式によってはB面は存在しないことがある)。後年のプレイヤーは走行方向が自動的に切り替わる「オートリバース」が多くなった。また、留守番電話や会議用テープレコーダ等には寸法の小さいカセットテープが用いられていた(後述する通り、マイクロカセットと呼ばれる)。

データメディアとして

パソコン(当時はマイコンとよばれていた)の記録媒体として、フロッピーディスクがまだ高価なものだった時代に使われていた(CMTと呼ばれる)が、元々デジタルデータには向いておらず記録の際に信号変調を行い録音できる音声信号にして記録していた。もっとも記録密度は低く、記録時や読み込み時にデータエラーがよく起きた。そのため、当時のパソコンのインタプリタ型プログラミング言語(BASICなど)にはデータエラー確認のための命令が存在した。
また、パソコンの周辺機器として機能を特化したカセットテープレコーダも存在し、データレコーダと呼ばれた。当時のパソコンのデータを記録したカセットテープを再生すると「ピーーーーガーガザザザザ…」と言った感じにあたかも雑音であるかのような音が再生されるが、これがカセットテープに記録できるように変調した信号音である。
これらとは別に、デジタル信号記録用に設計され、最初からデータ記録用に特化した仕様のものも存在する。

主な仕様

新メディアの登場時の常として、(広義の)カセットテープ登場時にもいくつかのメーカーから異なる仕様のものが発表されている。主なものを以下に示す。

主に音楽用途

RCAサウンドテープカートリッジ

1958年に、テープのパッケージ化としてアメリカで試みられたフォーマット。オープンリールテープと同じ6.3mm幅テープを13cm程度の幅のカートリッジに収めたもの。走行速度はオープンリールと同じ毎秒9.53cm。この時点で誤消去防止用の爪が搭載されるなど、後年のコンパクトカセットに繋がるアイディアもすでに取り入れられているが、コンパクトカセットの規格が席巻すると、この規格は自然消滅し、この規格の音質面での優位性を惜しんだ技術者が後述するエルカセットを開発することになる。

RCAサウンドテープカートリッジ発売当時のプロモーション映像


コンパクトカセット

3.8mm幅テープを10cm程度の幅のカートリッジに収めたもの。テープの送り速度は毎秒4.76cmで、これはオープンリールでよく使用された毎秒9.53cmの半分であり、音質よりも小型化や簡便さを目的としている。しかし、後に各メーカーが音楽用途でも使用できる高性能テープを発売、それにより幅広く普及し、デファクトスタンダードとなった。現代では「カセットテープ」と単純に言った場合はこれを指す。
外国のおもちゃにはこれに録画・再生できるビデオカメラがあった。(ただし映像は白黒で、解像度も低い)

テープの種類は4種類あり、磁性体に酸化鉄(後年は高域特性向上のためにTYPE-IIの磁性体を流用したものも高性能モデルを中心に増えた)ノーマルポジション(TYPE-I)、二酸化クロム又はコバルト被着酸化鉄を使用したハイ(クローム、CrO2)ポジション(TYPE-II)、ノーマルとハイの磁性体を二層塗りしたFe-Cr(フェリクローム)ポジション(TYPE-III)、純鉄(実際は酸化防止のために合金となっている)を使用したメタルポジション(TYPE-IV)がある。録音・再生時のイコライザ(周波数特性の補正値)時定数はノーマルが120μ秒、それ以外が70μ秒である。(その為再生だけであれば時定数が70μ秒に設定できるデッキであれば全てのテープが使用可能である。)
ノーマルはその中にLN、LH、SLHとランク分けされている。音楽用はLH、SLHとされた。
ダイナミックレンジの広さはメタル>ハイ>ノーマルだが、中低域の実用最大出力レベル(MOL)はメタル>高級ノーマル>ハイ(例:ARとのMA-X及び後期MAはどちらも+6.5dB、中期XLI-Sと同時期のMXがどちらも+7.5dBと、メタルと同等のMOL値を獲得したノーマルテープも存在する)、ノイズ特性はハイ>メタル>ノーマルの順で優れており、それぞれ一長一短であり、それぞれ得意とする音楽ジャンルも違った。(歌謡曲、ロックなどはノーマル、クラシックなど小さく繊細な音が多い場合はハイ、オールマイティなのがメタルといった具合である)
Fe-Crはメタル登場前にノーマルの中低域とハイの高域を2つ兼ね備えたテープとして発売されたが、対応デッキの少なさやその後直ぐにメタルが登場するなどして短命に終わった。テープ自体はノーマルポジションで高級ノーマルとして使用することも一応可能である。なお、特性の異なる二層の磁性体という設計思想は後の各ポジションのカセットテープで利用されることとなる。(AXIAのダブルコーティングなど)

TYPE-IIに二酸化クロム(CrO2)が使用されなくなった理由としては、当時公害として問題となっていた六価クロムが工場から排出されること、クロムの硬度が高いためヘッドを早く摩耗させてしまうことが挙げられる。また、性能的にもコバルト被着酸化鉄、コバルトドープ酸化鉄などの代替磁性体の方が優れている。
国内では全社TYPE-IIの磁性体を(DUADテープの高域層も含め)代替磁性体としたが、ドイツのBASF社は最後までTYPE-IIに二酸化クロムを使用し続けた。
また、録音がTYPE-IIまでしか対応しないデッキでメタルテープのパワフルなサウンドを楽しめるよう、メタル磁性体を使用したハイポジも登場した(TDKのHXなど)が、メタルテープに迫る価格(That'sはTDKよりは低価格で発売している)、そのようなデッキを使用している層の多くはメタルテープの性能自体に興味がないこともあり、後継モデルは出ることなく終わった。

各ポジションはカセットハーフの背にある検出口で見分けることができる。
誤消去防止用爪の内側に穴が開いているのがハイ、それに加え中央付近に穴が2つ開いているのがメタル(初期のものには存在しなかった。その為これを利用するオートテープセレクタ付きのデッキでは正常に使用できない。)何も無いのがノーマル・Fe-Crである。(かつてFe-Cr用検出口が考案されたが認可されなかったという説がある)テープの色も違い、ノーマルは茶色(LNグレードは特に茶色い、コバルト等を添加し高域特性を改善したLHグレード以上は黒っぽくなる)、ハイは黒色、メタルはそれに加え独特の輝きがある。

このように音楽用途として独自の進化を遂げ、事実上の標準規格にまで上り詰めたコンパクトカセットだが、元はこのような仕様は想定していなかったため、ある問題が発生する。それはデッキごとのテープスピードの差である。規格では毎秒4.76cmであるが、元々の用途を考慮してか2%までの速度誤差を許容している。これはかなりの差であり、-2%のデッキで録音したテープを+2%のデッキで再生するとピッチがかなり上がってしまう。ポータブルデッキや楽器系デッキの一部にはスピードコントロール機能がついている場合があるのでそれを使用したり、DCサーボモータでテープスピードを決定するキャプスタンを駆動しているデッキではコントロールユニットにあるVRを調整することで同じにすることは出来るが、それがないもの、高級デッキで流行ったクォーツロックブラシレスモータダイレクトドライブ式だと調整が不可能なため、ピッチの差を許容する必要があった。もっとも、そのような機器は基本的にかなりの精度で規格どおりの速度になっており、近年のミニコンポにビルトインされた安価なカセットデッキ等は、テープスピードが+2の最大まで高められているものが多い。これは、テープの諸特性がテープスピードに比例して向上するため、少しでも音質の向上をさせるために行っているものと思われる。

また、音質を左右する要素としてアジマスとワウフラッターもある。
アジマスとはテープに対するヘッドの当たり角度であり、理想は90°とされているが、デッキごとの個体差、経年劣化によりずれが生じる場合がある。また、ヘッドが動くオートリバースデッキの場合はフォワード側ととリバース側でアジマスに差が出てしまう場合もある。
別のデッキで録音したテープを再生したら音がこもる場合はほぼこれによるものと言える。
アジマスの調整はテストテープとオシロスコープを使用することにより行わなくてはいけないが、最悪自分の聞きなれたテープで最も高域が出る位置に調整するという方法もある。(アジマスのずれたデッキで録音されたテープを基準にした場合は音は良くなるが当然正しい位置にはならない)
デッキメーカーのナカミチはこれを解決すべく、アジマス微調整機構を組み込んだデッキや、ヘッドでなくカセット自体を回転させるデッキを発売している。(カセット自体を回転させる手法は赤井電機のインバート・マチック等他のメーカーでも採用されており、ナカミチ独自ではない)

ワウフラッターは簡単に言えば再生中の速度偏差であり、CDプレーヤー等現世代のデジタルメディアプレーヤーの場合は「測定限界以下」となっているものが大多数でで気にする必要はほぼないが、カセットテープ等のアナログメディアでは死活問題となる。
ダイレクトドライブ式の高級デッキでは0.02%程度まで抑え込まれておりほとんど気にならないが、低価格なデッキの場合0.1%以上のものもある。こうなった場合一番大きく影響を受けるのがピアノパートやオルゴールの音などである。
酷い場合には音楽として聴けないレベルまで悪化する場合もあるため、昔からカセットテープとピアノソロ曲は相性が悪いといわれてきた。(低価格デッキのテープスピードが速いのはワウフラッターを少しでも抑え込むためという理由もある)

エルカセット

オープンリールテープと同じ6.3mm幅テープを15cm程度の幅のカートリッジに収めたもの。高性能が売りだったが、価格帯やサイズの大きさから市場に受け入れられなかった。

マイクロカセット

3.8mm幅テープを5cm程度の幅の小型カートリッジに収めたもの。留守番電話の録音媒体等として採用されるケースが目立つが、一時は超コンパクトポータブルオーディオ用メディアとして普及させようとしていた時期もあり、コンパクトカセット同様の4チャンネル仕様、LHグレードテープ、メタルポジションテープ、それらを活かす本格マイクロカセットデッキが発売されたりもした。(有名なメタルテープであるSONYのMETALLIC、TDKのMA、マクセルのMXには全てマイクロカセット版がある)しかし、テープ速度が半速の毎秒2.4cmということもあり(長時間録音用の毎秒1.2cmもあるが、音質はかなり低下する)、メタルであっても周波数特性は安物コンパクトカセットデッキ程度(最高12kHz程度)であり、音楽用途としてはすぐに廃れた。

8トラック

通称ハチトラ。6.3mm幅エンドレステープを縦長のカートリッジに収めたもの。名前の通りの8トラック仕様。カラオケ用の媒体として採用されるケースが目立ったが、もともとはカーオーディオ用途だったとのこと。トラック幅が広いため音質は比較的に良好である。

DAT

デジタル録音用。3.8mm幅テープが10cm程度の幅のカートリッジに収められている。R-DATとS-DATの2仕様が存在するが、出回っているのはほぼ前者のみ(「新世紀エヴァンゲリオン」作中でシンジが使っていたのは後者)。
高周波信号を扱うため磁気ヘッドの付いたドラムを斜めに高速度で回転させ、高周波信号を記録するために必要な磁気ヘッドの移動速度とテープ使用効率を上げている。

DCC

デジタル録音用。3.8mm幅テープが10cm程度の幅のカートリッジに収められており、外観は上記のコンパクトカセットを少し厚くしたものになっている(対応デッキはコンパクトカセットも再生できる)。

エンドレスカセットテープ

コンパクトカセットの1つ。オートリバースデッキでなくとも同じ内容を延々リピート再生出来るように1本の輪になったテープがハーフに収められている。言うならば4トラや8トラのコンパクトカセット版である。スーパーの食品コーナーで白いエンドレスカセットテープが回るラジカセから延々セールストークを流しているのを見かけた人は多いだろう。
非常に特殊な構造のため、A面のみでB面には録音不可、オートリバースデッキ・デュアルキャプスタンデッキ・サプライ軸側が停止するとオートストップがかかるデッキでは使用できないなど制約が多い。(後にそれらでも使用可能な製品が登場する。)TDK製が有名。
長さは10秒から12分まで様々。TDKの1・3・6分が一番多い。

主に映像用途

ビデオテープ項目を参照。

主にデータ用途

上記の通り、かつてコンパクトカセットを流用する方式が存在した(CMT)が、本項では割愛する。

Linear Tape Open

略称LTO。8mm幅テープを使用する仕様(Accelis)と12.6mm幅テープを使用する仕様(Ultrium)があるが、現在商品が出ているのはほぼ後者のみ。ハードディスク並みの書き込みスピードがあり、また最新世代の物だと一巻で数TBもの容量がある。実験室段階ながら実物の製造に成功した技術も用いれば理論上数百TBの容量の実現も見えている。

Digital Data Storage

略称DDS。3.8mm幅テープを使用する仕様(DDS-1~DDS-5)と8mm幅テープを使用する仕様(DDS-6~)がある。特にDDS-5までは音楽用途のDATと同じ仕様のテープを使用していたことから、DATと呼ばれることもある(が、DATとのアクセス互換性は無いことが殆ど)。

関連タグ

カセットロン カセットボット けいおん! アンプ スピーカー ヘッドホン MSX レトロPC オッサンホイホイ

SONYの銘柄

ノーマルポジション

AHF
BHF
CHF
HF(現行、現在生産されているものの中身はマクセルURのOEM)
HF-S
HF-X
HF-ES
HF-PRO
CDiXI

ハイポジション

CDixII
JHF
UCX-S
UX
UX-Master(後述するMetal-Masterの中身がハイポジションになったもの)

Fe-Crポジション

DUAD

メタルポジション

Metal-ES
Metal-XRS
CDixIV
Metal-Master(超高級カセットテープの1つ。Super~も同様。カセットハーフがセラミック製なのが特徴。)
SuperMetalMaster

TDKの銘柄

ノーマルポジション

D
SD
TDK実用カセット
DS
AE
AD
AD-S
AD-X
AD1
AR
AR-X
CDing1
DJ1
BEAM1(リールやラベルに蛍光塗料が塗装されており、暗闇で光る。2も同様。)

ハイポジション

AD2
SA
SA-X
SR
SA-X
CDing2
DJ2
BEAM2

メタルポジション

CDing METAL
DJ METAL
MA
MA-R(ダイキャスト製カセットハーフで有名。重量増による振動低減策の先駆け的存在。)
MA-X
MA-XG(MA-Rの後継。SAテープが入ったハイポジのSA-XGも輸出向けに存在していた。)
MA-XG Fermo(超高級カセットテープの1つ。)
MA-EX(国内最後のメタルテープ、ランク的にはMAと同等といわれる。結構な数出回っているので入手は比較的容易。)

MAXELLの銘柄

ノーマルポジション

UR(現行)
UL(現行)
UJ
UD(2016年11月25日に復刻版が限定発売された。但し中身はUR相当のLNグレードである。)
UD-XL
UDI
XLI
XLI-S
CD'sI
MY1
ノーマル
Juke Box(カラオケ用、10分と20分のみである。)

ハイポジション

UDII
XLII
XLII-S
ハイポジ
CD'sII
MY2

メタルポジション

METAL UD
METAL CD's
MX
MX-S
Metal-Vertex(超高級カセットテープの1つ。振動低減のために特殊な樹脂で出来たハーフの真ん中に金属製のプレートが入り、そこにシリアルナンバーが打ち込まれている。戦略物資に該当するため輸出規制品となる。)

AXIAの銘柄

ノーマルポジション

A1
J'zI
PS-I
PS-Is
PS-Ix
K1
GT-I
GT-Ix
HD-Master
Range2
Range4
Range6

ハイポジション

A2
J'zII
PS-II
PS-IIs
PS-IIx
GT-II
GT-IIx
K2
Range4x

メタルポジション

Super-Range
J'z-METAL
PS-IVx
PS-METAL
AU-IVx
K Metal
Metal Slim

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