廉価版の音楽用テープで、上位銘柄がAHF、下位銘柄がCHF(会議録音用)であった。
デザインはいずれも緑色を基調とするラベルで、若者がFMやレコードを録音するなどの用途へ盛んに用いられた。
(AHFは青、CHFは朱色を基調としていた)
年式別の詳細
前期型(第2世代)
昭和53(1978)年にデビューした。
黒いハーフに紙製のラベルを貼った「第2世代」と呼ばれる形態のカセット。
従来は会議録音用のLNと、音楽用のHFによる2段階設定であったが、後者を細分化させて高品質版と廉価版を用意することとなった。
それに伴い登場したのが初代BHFである。
音楽用とはいうが、当時は磁性体開発が途上であった為、まだまだ高音域を苦手とする程度のスペックであった。
しかし、この音質を愛好する中高年のおっさんもいるという。
後期型(第3世代)
昭和58(1983)年頃に改良されたBHF。
外見は紙ラベルがメタリック状に変化しただけで従来のデザインを踏襲したものとなったが、スペックは飛躍的に向上し高音域をある程度録音出来るようになった。
また、SONYのデッキ用に調整された仕様となり、低音域よりも高音域に若干偏った出力となっている。
同時期に上位のAHFも同様の改良が加えられたが、下位のCHFに関しては継続生産となった。
HF-S
BHFではないが、直系の後継であるHF-Sについてもこの場で触れる。
1985年頃に登場した第4世代のカセットテープで、文字はハーフへ直接印刷、大型窓が採用されるなど大幅なデザイン変更が行われた。
ハブは、製造年代により通常ハブとラージハブの2種類が存在している。
従来のAHF、BHF、CHFといった名称は露骨なランク付けであるとして批判が生じ、これをHS-ES、HF-S、HFと改めることとなって誕生した銘柄だった。
(但し、往年の音楽用テープ"HF"の名称を下位銘柄へ付ける事への批判もあった)
この世代で現在のカセットテープに通じるスペックが発揮されるようになり、事実上の完成形となった。
しかし、この銘柄でもBHF後期型に引き続きSONYデッキに特化した高音域偏向の性能である。
当時のCM(前期型通常ハブ)
当時のCM(後期型ラージハブ)
作動映像...、コレシカナカッタorz
この後、時代はCDやMDといったデジタル音源の時代へ突入し、従来より続いたBHF系列の血統は終演を迎えることになる。
(会議録音用のCHF→HFは残存し、現在も継続販売されている)
そして、SONY音楽用カセットテープ界には「CD録音」に特化したCDixシリーズの時代が到来するのである。
関連タグ
DUAD(同世代のFe-Crテープ)
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詳しい人は補足をお願いします。