Metal-Vertex
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めたるばーてっくす
Metal-Vertex(メタルバーテックス)とは、日立マクセルが1980年代末期に発売した超高級メタルポジション(TYPE-IV)カセットテープである。
SONYのMetal-Master、TDKのMA-R・MA-XG Fermo、That'sのSUONOと並ぶ高級カセットテープの1つ。
このカセットテープの一番の特徴は何といっても特殊樹脂製ハーフのど真ん中に鎮座するヘアライン加工された金属製プレートだろう。その意匠的効果も然ることながら、特殊樹脂+金属という異素材を組み合わせることによりハーフの振動低減にも寄与している。
更にその金属プレートにはシリアルナンバーが刻印され、マニア心をくすぐる逸品となっている。
ラベルも非常に凝っており、黒色のラベルにゴールドの転写カーボンを使用し、金色の文字でタイトルを書くことができる。
肝心のテープは、スーパー・エナジー・ピュア・メタル磁性体を使用。ベーステープやハブの精度にも徹底的にこだわり、更にテープ裏側にテクノ・シルバー・バックコートと呼ばれる滑り止め加工を施した。これによりテープ走行系の一部であるキャプスタンにテープが食いつき、安定した走行を実現する。その効果はカセットテープが本来苦手とするピアノソロの曲すら安定して録音・再生してしまうほど。(勿論使用するデッキのワウ・フラッター性能にもよるが・・・)この技術は回転ヘッドを利用するビデオテープでよく採用されている。
MOL値等は書いていないが、筆者が使用したところ、+7~8dB程の入力でもひずむことなく耐えるほどの性能を発揮した。
あまりに高性能な為、COCOMの戦略物資に該当し、輸出規制品とされた。
ヤフオクでは新品未開封が1本1万円以上で落札されるなど、カセットテープとしては有り得ないレベルの超高額商品となっている。とは言え、販売当時の定価も約2000円と非常に高価であった。
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