アダム「トラブルを引き起こしている犯人が判明した。そいつの正体は…」
「サムス、君に擬態したXだ。以後、この敵を"SA-X"と呼ぶ事にする。」
アダム「トラブルを引き起こしている犯人が判明した。そいつの正体は…」
「サムス、君に擬態したXだ。以後、この敵を"SA-X"と呼ぶ事にする。」
概要
サムス・アランに寄生した際に得たDNA(遺伝子)情報と切り取られたパワードスーツのバイオ素材から得た情報を基に、ベストコンディションのサムス・アランに擬態した最強のX。
寄生元の生物の存在を許さないXの生存本能と天敵のメトロイドの存在を感知したため、サムスを周到に付け狙う。執拗過ぎる程にサムスを付け狙う一方で抹殺対象には優先順位があり、純度100%のメトロイドを感知した場合は、あくまでメトロイドの要素を持つのみのサムスを無視して純粋なメトロイドに苛烈な攻撃を仕掛けるという習性を持つ。
能力を喪失する以前の完全なサムスに擬態しているため、基本的にプラズマビーム以外の攻撃を一切受け付けず(スクリューアタックも相討ちとなる)、アイスミサイルで足止めもほとんど意味を成さない上にパワーボムですら僅かなダメージも与えられない。Xに対する耐性とメトロイドの低温に弱い体質を受け継いでしまったサムスにとって、アイスビームは致命傷となってしまう。故に対抗する術を持たない内は追跡を振り切るまで逃げ続ける以外に方法は存在しない。
能力
スーパーメトロイド時点のサムスをほぼ完全にコピーした存在であり、理不尽としか言い様の無い圧倒的力を容赦無く振るう。通常攻撃のスーパーミサイルさえ容易く地形を変え、その爆発の余波のみでステーションのエレベーターを停止させてしまえる上、特別保管庫の惨状から如何なる生物も即座に蒸発させるパワーボムの威力も一切の劣化無く発揮されている。
また一部の漫画媒体等でサムス自身が見せた様にスクリューアタックによる突進攻撃も繰り出し、単純な接触ダメージも規格外に大きい。
何より脅威となるのは主砲として連射されるアイスビーム。命中箇所のエントロピーを停止させる時間停止(厳密には今ある時間から切り離す局地的な時空凍結)によって様々はものを凍らせるアイスビームは、本作では冷凍兵器としての側面が強調されメトロイドの体質を受け継いだサムスには一発のみでも致命傷になってしまう。
更に知識も模倣するXの性質上、あらゆるエネルギーを吸収する特性と防御力のためにほとんどの攻撃が通用しないメトロイドへの唯一の対抗策 凍らせてからミサイル 戦術も把握しており、サムスに対しては一貫してアイスビーム→スーパーミサイルのコンボで猛攻する。
防御面に関してもフルチャージされたプラズマビームかスクリューアタックを除く全ての攻撃にミリのダメージも受けない。アイスミサイルを撃ち込んでもせいぜい短時間の足止めが限度である。
幸い、気持ち次第でどうにでもしてしまえるサムスの心(精神面)は全くコピーしていないためステーションや惑星規模の爆発なら倒せる筈だが、あくまで戦法の一つであり大人しく爆破させてくれるような知性ではない。
遠近共に隙が無く、超常的戦闘力を誇る一方でシークレットラボでの一幕や頑なにチャージせずにビームを連射するごり押しな戦闘スタイル、追跡の荒さはゲームの仕様上仕方ないものの、サムスへの妨害手段が物理的な施設の破壊のみという脳筋ぶりからちょっと可愛いと溢すプレイヤーもいるとかいないとか。
劇中での行動
※本編のネタバレを含みます
セクター1『SRX』にて起こったトラブルの解決のため、各セクターに繋がるメインデッキに赴くサムス。その時、エレベータールームの左側の壁が突如爆発、そこから現れたのはバリアスーツを纏った、紛れもないサムスだった。まるでプレイヤーの存在に感づいたかのようにこちらを一瞥、バイザーの奥に在るのは人の顔。ただし、その目には瞳がなく、異様な雰囲気を醸し出していた。
そして(エレベーターの入り口を何故かスクリューアタックで飛び越えると)、ハッチをスーパーミサイルで爆砕し、その場を後にする。
その後、データルーム(※サムスのパワーアップに必要な部屋)への入り口を封鎖するなどの妨害行為を行いつつ、セクター2、セクター5、セクター6と部屋を徘徊する。時折遭遇することもあるが、その時に眼前に立ってしまうとBGMが変化して襲いかかってくる。
無許可でのセキュリティレベル4の解放や、暴走した警備ロボット『ボクス』の完全撃破などを交えつつ、セクター6にある『極秘エリア』に足を踏み入れるサムス。そこには、絶滅したはずのメトロイドが複数匹ガラスケースに入れられており、進化形態も別の部屋に納められていた。探索を続けていくと、突如ガラスが割れる音がけたたましく鳴り響く。その音を便りに戻ると、そこにはサムスを無視して一心不乱にメトロイドに攻撃を仕掛けるSA-Xの姿があった。
SA-Xがメトロイドの抵抗を受けて身動きがとれない間、サムスは極秘エリアから脱出する。そして、エリアは切り離されて自爆、SA-Xは脱走したメトロイドと共に宇宙のチリとなった――――はずだった。
死滅したはずのSA-Xだったが、Xの自己増殖能力によって最低でも10体に増殖していたことが、アダムの口から語られる。同時に鳥人族の懸念通り、XひいてはSA-Xの可能性に惹かれた連邦政府の上層部は、研究材料にしようと捕獲作戦を断行したことが発覚する。当初は連邦本部もXの危険性を危惧して、唯一Xに対抗できるサムスに協力を惜しまなかったが、段々とその協力を渋るようになった。データを完成させたプラズマビームと事前に用意されたであろうディフュージョンミサイルを、実は出し惜しみしていたこともその表れである。もっとも、セクター2で金の鳥人像のコアXを吸収して自力でプラズマビームを覚醒させたり、手違いで送信されていたディフュージョンミサイルをセクター4で発見したりと、その目論見が外れることとなった。
無論、連邦政府のよこした軍隊がベストコンディションのサムス、ましてや10人に増えたそれに敵う術はない。それどころか通常のXにすら対抗できるか怪しく、その結果は火を見るより明らかだった。サムスはSA-Xを「”心”を持たないもう一人の自分」とし、これを阻止するため自らの命と引き換えにB.S.L.を爆破しようとする。それを一度惑星SR388に現存するものを考慮し「現実的ではない」とアダムに一蹴されるが、その直後に下された意外な指令によって最終ミッションに進んで行く。
それは、ステーションの進路をSR388に設定し、衝突させることによって双方に存在するXを殲滅することだった。
最終ミッションを受けたサムスは、コントロールルームへと向かう。その時、爆発音と共に現れたのは紛れもなくSA-Xだった。お互いに向かい合っての最初で最後の最終決戦が始まる。
潜在能力のほぼ全てを取り戻したサムスによるチャージプラズマビームを撃ち込まれるSA-X。ダメージを重ねていくにつれ擬態が維持できなくなっていくのか、段々とモザイクが濃くなっていく。
やがて戦いは佳境を迎え、膝をついくSA-X。その時、彼は完全なクリーチャーの姿となる。
カラーリングなどにサムスの面影が確認されるものの、牙の連なる大きな口となった裂けた胴体、複眼のように頭部に現出した複数個のバイザー、枝分かれしたアームキャノン、指のように足に連なった腕のようなものなど、まるで露悪的に描き殴ったような風貌の化け物でしかない。攻撃方法は踏みつけだけになっていたり、チャージプラズマビーム3発くらいで倒れたりと、ベストコンディションのサムスと比べ明らかに劣化している。
それでもサムスにチャージプラズマビームを撃ち込まれ、水色のコアXになりながら抵抗を試みるも敗北。殻を破られ、吸収されそうなところを辛うじて逃亡する。
かくして、最終決戦の軍配を挙げたサムスは、コントロールルームでステーションの進路を変更。脱出のためにスターシップのもとへ向かう。だが、停めていたはずの船はなく、代わりにかなり大きなメトロイドの脱け殻が。その時、現れたのは巨大な怪物――――オメガメトロイド。
プラズマビームもミサイルも通用せず、サムスはオメガメトロイドの一撃を受けてしまう。エネルギーは一瞬にして1にされ、あまりの衝撃に膝をつく。
万事休すか、そう思われたその時、突如SA-Xが間に割って入る。一見サムスを助けた様にも見えるが、これはオメガメトロイドという完全にメトロイドそのものである存在を感知し本能に従っているのみであり、極秘エリアでの描写を鑑みると何らおかしくはない。ついでにメタ視点で言うならスーパーメトロイドへのオマージュである。
SA-Xはアイスビームを発射し、それがオメガメトロイドに大きなダメージを与えた。しかし、それでも倒すに至らず逆に殴られ、擬態を解除させられる。そこをサムスが吸収し、彼女の反撃の狼煙となるのだった。
やがてオメガメトロイドは敗北、サムスは外に待機させてあったスターシップに乗ってB.S.L.から脱出する。ステーションに現存していた残り約9体のSA-Xは、もろとも惑星SR388にぶつけられ消滅したのだった。