分類
和名 | ヨコヅナピクミン |
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学名 | Pikminidae yokozunum |
分類 | 歩根類・ピクミン科 |
解説
『ピクミン2』の序盤でオリマーが発見する事となった紫色のピクミン。花の色はピンクで、声はやや低め。
和名に違わず力士のようにずんぐりとした体型をしており、四股を踏むかのような動作も確認されている。また、頭には毛の様なものが数本まばらに生えている。
体色の濃く艶やかな紫はブドウと同じ、抗酸化作用の強いポリフェノールによるものらしい。
他のピクミンより若干大きめな程度の体躯だが、その体重は10倍もあり、地面に投げ落とせば衝撃波と共に小規模な重力波も発生し、ごく僅かだが空間を歪めるほど。
筋繊維の密度も非常に高く、他のピクミンと比較し10倍の重さを持ち運べる膂力を持っている。
一方その重さゆえに動きは鈍く、種全体の気質も外見どおり大らかでマイペース。
遭難者や調査員によってオニヨンが発見された例は無いらしく、基本的には地中奥深くに咲く紫色のポンガシグサにピクミンを投げ入れることでのみ増やす事ができる。
出し入れする待機場所も『2』ではドルフィン初号機のコンテナ、『4』では他の色のオニヨンとの共同生活。
公式サイト「PIKMIN GARDEN」によると、その鈍足が祟ったのか、他のピクミンと十全に共生関係を築けず、地下に移り住んでなお数を減らしてしまった希少種にあたる模様。
それ故、現在でも発見例は、ポンガシグサから生まれヒトに管理されている個体ばかりで、純粋な野生体は絶滅してしまったのではとさえ考察されている。
一応、太古の名残が残る大地深くのどこかにはオニヨンが眠っているとする説もあり、それは『4』のクリア後で実を結ぶ事に。
絶対数が少ないため扱いには注意が必要だが、地下に赴いて数を増やしておけば、先々の大きな助けになるだろう。『3』ではストーリーモードには登場せず、チャレンジモードとビンゴバトルでのみ使用可能。
特徴
- 力持ち
設定通り一匹で10の重さを持ち上げて運ぶ力があり、チャッピーのような大きな獲物も一匹の紫ピクミンで運ぶことが可能。
『2』に存在する重さが101以上の宝は事実上紫がいなければ持ち帰る事が出来ない他、運ぶピクミンが足りない時の数合わせにする使い道もある。
また張り付き攻撃の攻撃力が最も高く、『2』では他のピクミンの2倍、弱体化された『3』『4』でも赤ピクミンと同等の火力を出せる。
- 重たい
重量も他のピクミン10匹分で、物体を押しつぶしたりシーソー式の仕掛け等を攻略する時に効果を発揮する。『2』の有名なボスキャラであるアメボウズに対抗できる唯一の手段でもある。紫ピクミンがトラウマブレイカーと呼ばれる由縁でもある。
その重さは戦闘面でも大いに活かされており、地面に着地した時の揺れでコガネモチやエレキムシをひっくり返すこともできる。
更にヤキチャッピーやコンコ・キンキンチャッピー、ハナガサケメクジなどの厄介な敵にも後述する衝撃波でダメージが通るため、敵に素早く投げつけて倒した後、死なないうちに素早く笛で呼び戻せば実質的に属性攻撃を無視できるというメリットもある。その分属性敵に対する氷ピクミンや赤ピクミンの面目が丸潰れではあるが……
ただしハナガサケメクジはしっかりとエラを狙いつつ攻撃しないとダメージがあまり入らないので注意。また、素早く倒せないと属性によっては焼死などで貴重な紫ピクミンを失うことになる。特に『2』の頃のヤキチャッピーは『4』に比べ固いので、ゲキニガやゲキカラ使用の赤ピクミンのみで倒した方が無難。
そして空中にいる敵に紫ピクミンを1匹でも張り付けると確定で落下させられる。更にサライムシ系の敵や厄介なサクレウラメは紫ピクミンを振り払う事ができない。サクレウラメに関しては紫一匹張り付けておくだけでバクダン岩を生成できなくなり無力化できるため上手く使いこなせれば非常に便利(『2』と『4』。『3』ではサライムシにも振り払われるので注意。また、サクレウラメも投げつける位置やタイミングによっては後述する爆弾誤爆の危険性もあるので気を付けなければならない)。
更に『2』では投げつけて落ちる際に強烈なダメージと震動判定があり、確率で敵が気絶する効果がある上、ホーミング機能まで兼ね備えた最強の攻撃手段となっている。あまりの強さに『3』では弱体化された。
『4』では衝撃波に敵に対するダメージ判定(他ピクミンの張り付きの火力とは別判定)が付与された上で1匹あたりの攻撃範囲が広がり、複数の小型原生生物を一網打尽にできるようになり、前作から強化された。
というか、投げつけた際の衝撃ダメージだけであれば赤ピクミンはおろか『2』の紫をも凌ぐ程で、コチャッピーやショイグモ程度の小型サイズの敵には数匹、アカチャッピー程度の中型サイズには十数匹程の紫を素早く投げつければ被害を出さずに倒すこともできる。
張り付き攻撃のダメージは赤ピクミンと同等だが、衝撃波のダメージが追加で入るため敵に投げつけた際の火力は上記したとおり赤以上。但し裏を返せば衝撃波を起こせない場合は赤と同等の火力であり、投げつけずに突撃・トッシン張り付きさせると数によってはかえって火力が低くなってしまうこともあるので注意。
体力の多いボスは基本オッチン+ピクミンの猛トッシンの方が早く倒せるが、道中の敵であれば紫を手で投げつける方が(即攻撃に移れる上に投げつけた紫ピクミンと別行動ができる、トッシンのパワーを貯める時間がいらない、トッシンは小型サイズの敵に当てづらく、複数匹の処理も何度か往復しないと難しいなどの理由から)ダンドリが良くなることも。
反面、『2』であった気絶効果はオッチンの猛トッシンやしびれサンダーが代替となっているため失われたままとなっており、敵によっては『2』のノリで戦おうとすると手痛い反撃を受けがちなので、特性や使用感の違いには注意。特に注意したいのがイモガエル系で、スタンとホーミングがなくなった関係で、出会い頭にいきなり投げつけると敵がジャンプした際にロックオンが外れてしまい、踏み潰しで思わぬ犠牲が出てしまうことも多いので注意。これらは相手が一度ジャンプし着地後に素早く投げつけたり、トッシン張り付きで対処する様にしたい。
また『2』と異なり着地前に呼び戻してしまうと着地の衝撃波を発さずに戻ってきてしまうため、『2』の感覚で倒しきれなかった周りの生物から襲われるリスクを抑えるために着地前に呼び戻してしまうのはかえって危険。基本的に「やられる前にやる」戦法で戦うことになる。
ホーミングはなくなっているが『3』以降で敵に対する自動ロックオン機能が全ピクミンに実装されているのでこの点に関してはホーミング精度は落ちてはいるが一応ほぼ据え置き。
一方その重さ故に、軽い黄ピクミンとは対照的に投げた時の飛距離に乏しくほぼ真横にしか飛ばないため、上述の圧し掛かり攻撃も大きな相手には効き辛いことが多い。特に弱点が登頂部にあるダマグモ系の敵とは相性がかなり悪く、紫一辺倒では意外と無双できないタイプの敵もそこそこいる(ノーマルのダマグモには一応足に衝撃波を出して倒すことも可能だが、それなりの数がいないと踏み潰されるので注意)。
ただ、バクダン岩にこいつを投げると衝撃で即爆発するため要注意。特にサクレウラメを無力化させるために叩き落とそうとして誤爆させたという報告もしばしば。
- 足が遅い
紫ピクミン唯一の弱点。太った身体故か、移動スピードが他のピクミンと比べてもかなり遅く、紫の花ピクミンより白の葉ピクミンのほうがはるかに速い。
重さ10の獲物を持ち運ぶ場合でも、1~10匹の紫より他のピクミン10匹を導入した方がはるかに効率的なケースも多い。紫ピクミンが100匹必要になる「超重ギガンティス」の回収に至っては、他に運搬を任せられるピクミンがいないとはいえ拠点からすぐ近くにあるにも拘らず1日の5分の2ほどは費やされてしまう。バトルの際も敵の攻撃から逃げきれないことがしばしばで、上述の凶悪な攻撃性能を持つ反面、回避や防御には全く向いていないと言える。
特に弾速が速くある程度プレイヤーを狙いながら銃撃してくるダマグモキャノン、ホーミングしてついてくるゴロムシなどには相性が非常に悪く、気が付いたら紫ピクミンが殆ど死んでしまう……というアクシデントになりやすい。前者は生息地域の「地下の秘密基地」が比較的紫を増やすのに有益であるのも微妙にタチが悪く、初見でごっそりとピクミンを減らされたプレイヤーは数知れず。
ただしゴロムシは紫ピクミンの攻撃力をもってすれば数次第ではワンターンキルも可能なため、慣れればむしろ他の色で時間を掛けるよりも安全な側面もある。
しかし『3』以降では葉の状態でもそこまで遅くは無く、重さ10のものを単独で運ばせても『2』ほど時間は掛からなくなった。本格的に再登場した『4』ではオッチンに100匹乗って移動が可能なので、実質この弱点はあって無い様なモノに。また、今作の紫ピクミンが100匹必要なお宝である「金の跳び箱」の回収も、改善された脚のおかげでそこまで時間は取られなくなっている。
- 風とパニックの耐性
また、重いということで連想出来る人は即思いつくだろうが、実は風に耐性があり、フーセンドックリ等の息を受けても全く怯むことがない(『2』と『4』。『3』では普通に吹き飛ばされる)。
他のピクミンがパニックに陥ってしまう、タマゴムシという原生生物が放つ匂いに動じず、仕様上同じ処理がされていると思わしきダイオウデメマダラの雄叫びにも怯まない(『2』のみ)。
ただしカマドフマの音波に惑わされている際にカマドフマを倒した場合に限り、他のピクミンと同様にパニックを起こしてしまう。
『4』ではパニック耐性が失われた代わりに、風と同様の処理となったためかホトクラゲ科等が行う吸い込みへの耐性が追加されている。
- その他
ピクミンの花を確定で散らすゴロムシの腕による攻撃を受けても何故か紫のみ花が確定で散らず、通常の振り払い判定と同程度の割合で花を維持することができる(尤も、前述の通り対ゴロムシ戦においては万人に勧めづらいところではあるが……)。
また、匂いなどには強い分属性攻撃への耐性は持っていないため、四大属性を操る上にパーツがかなり高い部分に配置されているラスボス・ヘラクレスオオヨロヒグモとは全く噛み合っていないので、基本的に後方に待機させられるのが宿命(モンスター・ポンプで溺死させられないよう気を付けるべき)。
エレキムシやヤキチャッピー等は対応した属性のピクミンより紫ピクミンの方が楽に処理できていたが、ここは流石に黄ピクミンや赤ピクミンに任せよう。
『4』の紫は火力と対地上特化という性能で、比較的少数でも高い火力がコスパ良く出せるのが魅力。30匹もいればボス以外の地上敵であれば投げつければ殆ど敵なしで、地上にいるボスに関してもトッシンを使えばある程度カバーできる。どちらかといえばボス戦よりも道中にいる厄介な敵たちとの戦闘で輝くことが多いだろう。
反面、やはりダマグモ(『4』ではハゲダマグモ)の様な投げつけであまり届かないうえに一度に突撃しづらい様な敵が苦手であり、紫だけでは時間がかかることもある。そういった敵は対地上のスピード面で少し弱く、素の火力は低いがゲキカラを使えば火力を補う事ができ空中の敵にも突撃で直接攻撃できる羽ピクミンが得意なので、この2種を組み合わせた編成だとバトルのダンドリが良くなる……かもしれない。力の紫、技の羽。
また、ボス以外の道中ではトッシン張り付きよりも投げつけでの戦闘の方がコスパがいいため、『2』でも同様だが紫100匹のような過剰な編成だと持て余してしまう。本当に必要な人数だけを連れて行くようにしよう。『4』であれば多くて41~50、適切なのは30~40匹ぐらいか。
ピクミン間の能力差が本編シリーズほど意味を成さない『Pikmin Bloom』では、足の遅い本編と異なり他のピクミンとさほど変わらない速度で移動している。ただし力持ちの要素のお陰で他のピクミン5人分の力があるうえ、おつかい帰路での運搬速度は羽ピクミンオンリー編成に次ぐ。
余談
声についてゲームでは『3』までのナンバリング作品及び『Pikmin Bloom』では他のピクミンと一緒だが、『4』では黄ピクミンのように投げた時と笛で呼ばれた時の声が低くなっている。声自体が甲高くなった白ピクミンと異なりその他の声は赤黄青と同様。
ショートムービーでは他のピクミンより声が低くなっている。
また、ピキノツユクサに数匹張り付くと重さの影響でしなる(大量につければ他のピクミンでもしなる)上、水に投げた時の音が紫(と岩)は『トプン』と他のピクミンより大きくなっている。
以前まで『4』では、ドスンの影響なのか紫ピクミンのみポンガシグサでの無限増殖バグが存在していた。これはポンガシグサがタネを吹き出したぐらいのタイミングで紫ピクミンを投げると何故か投げ入れたピクミンよりも多くタネを吹き出すというバグである。このバグを使うとなんと本来の上限であるはずの100匹を超えるピクミンを地上に出すことが可能となる。
ちなみ隊列のピクミンは120匹まで自由に動き、それを超えるとピクミンはその場から動かなくなる。
9月27日に配信された更新データにより、このバグは修正されたため、現在は不可能となっている。
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ムラサキショイグモ:ショイグモの紫担当。他のショイグモの体力が150なのに対し、ムラサキショイグモの体力は350と2倍以上もある。