概要
惑星SR388で生態系の頂点に君臨していた寄生生命体。ゲルやアメーバのような姿をしている。常に空中を浮遊し壁や床等の影響を受けずに移動する。
他の生物に寄生して体内で分裂・増殖し、最終的に寄生対象を殺害後、その際に得たDNA(遺伝子)情報などを基に宿主そっくりに擬態する能力を持つ。
ただ外見を真似るだけでなく、寄生元の生物が所持していた能力・技術、知識や記憶などの後天的な学習要素も正確にコピー可能で、ゲーム内では宿主よりも幾らか巨大化したり、複数体で合体し変化する等他のXから得た情報を基に姿を組み替えて強化することも出来る。
知識や技術も完璧に得る為、機械類を始めとした複雑な機構も難無く理解し使いこなせてしまう。
行動の基本は寄生・増殖することでの種の繁栄であり、種の障害となりうる存在に対しては如何なる犠牲を払ってでも排除しようとする傾向がある。
あらゆる能力や技術を獲得可能な一方で心だけはけっしてコピーしようとせず、どのような生物に擬態してもただ種を増やすべく自己複製を繰り返す。
メトロイドは、元々はXが将来宇宙に大きな禍をもたらすと判断した鳥人族が天敵として生み出したものである。そのためメトロイドはXに宇宙で唯一寄生されることが無く、それどころか一方的にXを捕食可能な絶対的優位性を持つ。
Xにとっては最も排除すべき対象ではあるが、基本的にX側に取れる手段は無く、サムスがSR388のメトロイドを絶滅させるまで活発な行動は出来なかった。
メトロイドフュージョン
サムスと初邂逅した作品。メトロイド殲滅成功後にSR388の生態調査に来ていたサムスやBIOLOGIC宇宙生物研究所(B.S.L)の研究員らに寄生。その場では何も起きなかったものの、サムスがスターシップに乗り込んだ際に活性化。サムスの中枢神経に作用し意識不明の重体へと追い込む。
しかし、ベビーメトロイドの細胞から精製されたメトロイドワクチンによってメトロイドの遺伝子を得たサムスが唯一Xに対抗可能な存在となって復活。以後擬態解除状態のXはサムスには為す術無く吸収されてしまう。
尚、ワクチン投与に基づく外科手術の際に切り取られたパワードスーツは付着していたX諸とも回収されてしまう。
その後、B.S.L内にてパワードスーツから増殖したXが活性化。サムスと戦うことになる。
黄(エネルギー回復)・緑(ミサイル補充)・青(冷気耐性&冷気属性持ち・エネルギー大回復)・赤(エネルギー4個分、ミサイル大回復)の4色のタイプと、刺々しい外殻を持つ大型のコア-X(赤Xと同じ効果を持ち、任意の能力が1つ覚醒する)のタイプが存在している。
惑星ゼーベスやSR388に生息していた生物、観察や保護の為に飼育されていた貴重生物やリドリーなどのスペースパイレーツの姿に擬態していた。
また、パワードスーツから擬態した全盛期のサムスの能力全てを備えたX・SA-Xも登場し、Xにとってただ一つの脅威となったサムスを抹殺するべく執拗に追跡してくる。
ダチョラとエテコーンを保護したイベントによると、銀河連邦軍は相手が擬態したXであるか否かを判別するスキャン技術を持っている。彼らがスターシップに入れて貰えたのはそのためである。
最終的にアダムとサムスの独断により、B.S.Lを惑星SR388にぶつけることでB.S.L内で増殖したものも、SR388にいたものも絶滅したものと思われていたが……。
メトロイドドレッド
フュージョンの続編『メトロイドドレッド』では、絶滅したはずのXの存在を示唆する映像が惑星ZDRから銀河連邦へ送られた。分析の結果フェイクでない事が明らかとなり、此を受けて連邦軍は7体のE.M.M.I.を派遣するも、ZDRに到着した途端E.M.M.I.の消息は途絶えてしまう。
あらゆる生物の天敵であるXに対し唯一対抗可能なサムスはXの存在の真偽とE.M.M.I.消息の謎を探るべくZDRに向かう。
ゲーム中盤、サムスは鳥人族の中でも穏健な民族であるソウハ族の「クワイエットローブ」に出会う。
彼は謎の鳥人族ことレイヴンビークの事、SR388やZDRで起こった事、そして敵の目的について全てを明かす。
事の始まりはSR388から帰還したマオキン族の兵士の1人が擬態したXであり、そこからXが増殖し兵士全員に寄生、レイヴンビークが辛くも封印したとの事からなる。
メトロイドを用いた銀河支配を掲げたレイヴンビークだったが、事態の収拾に追われる内にサムスがメトロイドを殲滅。野望は潰えたかに思えたが、サムスが持つメトロイドDNAに着目。E.M.M.I.によって其を抽出ないし、ZDRの激闘を通しサムスを完全にメトロイドとして覚醒させる狙いだった。
Xの存在は事実だったのだ。
レイヴンビークの野望を止めると進言するサムスにクワイエットローブはあとを託し進むべき道を示すも、突如背後から現れたロボット鳥人兵士がクワイエットローブを殺害。間髪入れずにサムスへ襲い掛かる。
これを撃破したサムスは、聡明な鳥人族の遺体へ短い黙祷を送り、沈黙のまま打つべき敵へ急ぐ。
ZDRを探索するサムスは、重厚な壁で隔離されたエリア『エルン』に辿り着く。無数のスキャナーによる検査を受けて中に入ったサムスの前に、いよいよXが現れる。
この地こそ、レイヴンビークがXを封印した正にその場所なのだった。分子レベルの消滅を引き起こすプラズマビームの接射で立ち塞がる鳥人兵士Xを消し飛ばしたサムス。
その帰路で彼女が見たのは、エルンの外壁が開け放たれ、夥しいXが自由となり、惑星中へ跋扈を始めた光景だった。
その内の赤いXはクワイエットローブの遺体に寄生し、機能停止させたE.M.M.I.を再起動してしまう。
言わずもがな、これ以降は完全な機械を除くZDR中の敵全てがXが擬態したものに変貌。
今作のXは、変異する際黒いタール状の物質に変質し生物に擬態するようになった。またフュージョン同様に擬態した生物に他のXも融合して別の生物になったり、進化さえしてしまう。その為、Xが放出された後はキメラ系エネミーが各地に出現。
倒すと擬態が解け、触れる事でサムスに吸収され回復できる事もフュージョンと変わらない。
劇中では黄色、緑、赤に加え、オレンジ、紫の他、小型の群体生物を倒すと半透明で小さいミニXに変化。新たに登場したオレンジXはパワーボムの回復を担当。
鳥人兵士を除く擬態X系ボスを倒すとコアXに変身し、これを倒して吸収する事でアビリティを習得できる。
劇中での描写から、全てを破壊するクラスの途方もなく凄まじい攻撃ならXを消滅可能と発覚した。
レイヴンビークがXをエルンに封じられたのは正に過剰極まりない力を持つハイパービームによるものと推測されている。とはいえ、接触が即アウトである大量のXを右手から放つ超極太巨大レーザーのみで隔離、封印まで持っていけるのは戦術としても卓越しており、武器のみならず彼自身の技量、戦闘力あってこそなのも間違いない。
前述の通り激闘を通じたDNAの覚醒を促すべくXを解放したレイヴンビークだったが、最終的にメトロイドそのものへ変貌したサムスに圧倒され、更にレイヴンビーク自身もXに寄生されてしまう。サムスは其すら滅ぼし、突如作動したZDRの自爆装置によってXは星と運命を共にしたのであった。
尚、奇妙なことにクワイエットローブに擬態したXは、ほぼ暴走状態の為にシップに触れる事が叶わぬサムスの前に現れ、一礼と共にサムスに自ら吸収される事で彼女のメトロイドパワーを制御。
心を模倣しない筈のXが生前の彼の性格をなぞるような献身を示し、メトロイドドレッドの物語は幕を下ろす。
ちなみに脱出シーケンス中の背景では、自爆装置作動前は停泊していた鳥人族製の戦闘機が姿を消している。Xの生態を考慮すれば、新天地を求め滅び行く星から去った擬態Xがいても何らおかしくはない。
───戦いは、まだ終わっていないのかもしれない。
関連タグ
遊星からの物体X・・・・・元ネタになったと思われるSFホラー映画。
ワーム(仮面ライダーカブト)/シビトゾイガー/パラサイト(寄生獣)・・・・・似たような性質を持つ。