「あとは頼みましたよ」
解説
CV:Stephen Hughes
金色の装飾を持つ黒いローブに身を包んだ老齢の科学者。
フォーレニアのE.M.M.I.ゾーンにてE.M.M.I.-06WBの奇襲を受けたサムスを、すべてのE.M.M.I.を機能停止させる事で救う。警戒してアームキャノンを向けるサムスに対し、お辞儀をして敵意がない事を示し、警戒を解いたサムスを自分の部屋に招き、自分の身の上と、ある真実を語った。
そして彼女の協力者となりこれから行く道を開くが……。
性格
従来の鳥人族と同じく、その名の通り(クワイエット=穏やかな)の温厚で争いを好まない性格。言動も礼儀正しく、謎の鳥人族ことレイヴンビークの襲撃もあってか警戒していたサムスが銃口を下げるほど。
科学者であるため戦闘能力は皆無だが、その代わり機械操作などに優れており、素早い端末操作でサムスを危機から救っている。
劇中の行動
鳥人族の中でも、温厚な民族である『ソウハ族』の生き残り。
そして、惑星SR388の開拓者の一員であり、寄生生物Xに対抗するためにメトロイドを開発した者達の1人。
彼らソウハ族にはメトロイドをコントロールする力があり、メトロイドを操ってXの討伐に成功したものの、SR388の環境下でメトロイドが成長した事によりコントロールが受け付けなくなり、武闘派の『マオキン族』の協力を得て、メトロイドを封印する。
それによりSR388の開拓をやむを得ず諦める事となり、メトロイドの危険性を考え、SR388を爆破してメトロイドの殲滅を試みようとした。
しかし、その試みは強硬な手段で阻止されてしまった。
マオキン族の長であるレイヴンビークがメトロイドを軍事兵器として利用して銀河を支配しようと企み、その場にいたソウハ族を皆殺しにしてしまう。
クワイエットローブだけはメトロイドをコントロールする手段のために生かされ、フェーレニアの一室に軟禁されたのである。
だが、SR388から帰還した兵士がXに擬態された事を皮切りに、鳥人兵士の全滅によるメトロイド移送計画の中断、計画再開を企むもサムスによってSR388のメトロイドが絶滅、生き残ったベビーメトロイドもサムスを庇って死に、銀河連邦のタカ派がメトロイドのクローンを作り出して軍事利用を目論むも尽く失敗、などなどと様々な事情が絡んでメトロイドが銀河から根滅した事により、レイヴンビークの野望が潰えるかと思われた。
ただ1つ、サムスに移植されたメトロイドのDNAという例外を除けば。
クワイエットローブは、レイヴンビークがサムスの中のメトロイドのDNAを狙っていると語り、E.M.M.I.はそのためにハッキングされて利用されていた事も明かす。
しかし、サムスは「問題ない。私がすべてを終わらせる」と言い、彼女の力強い宣言にクワイエットローブは優しく微笑みながら頷き、バルエニアにあるサムスが向かうべき道への巨大なゲートをアンロックし、「あとは頼みましたよ、サムス」と微笑みを浮かべ優しく語りかける。
だが、その直後レイヴンビークがけしかけたロボット鳥人兵士に背後から撃たれ、クワイエットローブは絶命してしまう。
メトロイドをコントロールする手段として生かしていたとはいえ、自分の計画の邪魔になると判断され、用済みとして始末されたのだ。
ロボット鳥人兵士を倒したサムスは、クワイエットローブの遺体に静かに黙祷を捧げると、先を急ぐためにその場をあとにした。
その後、先程のクワイエットローブの操作によって、ZDR内のすべてのE.M.M.I.が機能停止しているため、しばらくはE.M.M.I.に追いかけられる心配はなくなる。
余談
彼らソウハ族の設定が登場した事により、その性質を見るに、サムスが幼少期に交流を深めたオールドバードとグレイヴォイスもソウハ族であると示唆された。
最終決戦前、アダムに扮したレイヴンビークは「メトロイドにはマオキン族を敵とみなすようにプログラムされているようだ」と語っていたが、この時はメトロイドの力に覚醒したサムスを懐柔しようとした時の発言であるため、真偽は不明。
仮にレイヴンビークの言葉が真実である場合、クワイエットローブ達ソウハ族がそのようにプログラムした理由はメトロイドの悪用をしにくくするためであると考えられる。
現に、レイヴンビークはソウハ族を皆殺しにしたものの、メトロイドのコントロールのためにクワイエットローブだけを生かしている。
それだけでなく、メトロイドはソウハ族によってコントロールされるという性質から、スペースパイレーツも完全にコントロールできないばかりか、多数の犠牲者を出すほどメトロイドの凶暴性に持て余しており、銀河連邦も『刷り込み』という新たなコントロール方法を見つけるも、その刷り込みを担当する者の反逆で研究施設が壊滅・銀河の危機に発展しそうになる等々、ソウハ族以外は幼体メトロイドですら運用に四苦八苦している。
SR388にて、彼も含むソウハ族達はSR388諸共にメトロイドを根滅しようとしていたが、後にサムスがSR388のメトロイドを絶滅させ、天敵がいなくなった事でXが活動再開したのを見るに、結果論ではあるがメトロイドだけでなく、Xの掃討を考えればSR388の爆破というソウハ族の判断は、極端であるものの理にかなっており、のちにソウハ族のDNAを受け継いだサムスがそれを実行している。
本作のチョウゾメモリーを見るに、本作のボスの1体である実験体Z-57号を作ったのは彼であると思われる。また、E.M.M.I.ゾーンに入れる事と、E.M.M.I.のコントロールができる事から、E.M.M.I.の管理も行っていたと考えられる。
しかし、E.M.M.I.をハッキングする時のイラストや、メトロイドのコントロールのために自分だけが生かされたと語る時の表情から、レイヴンビークに脅されて不本意だった事が示唆されている。
しかし、自分たちを裏切り、ソウハ族を皆殺しにしたレイヴンビークの事を『同じ鳥人族』と同胞扱いしており、サムスとの会話においてもレイヴンビークの計画について話しても、彼に対して恨みを口にしたり、彼を倒すように誘導するような事も言っていない。
なお、ソウハ族は英語で『Thoha』と表記され、「h」が1つ多い事を除けば「ハト」のアナグラムである。
マオキン族が『猛禽類』から来ているとするなら、タカ派のマオキン族に対して、ハト派である事を示していると思われる。
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以降、彼の死後のネタバレが記述がされています。 |
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レイヴンビークによって隔離エリア『エルン』から大量のXがZDR中に解き放たれてしまい、その内の赤いXがクワイエットローブの死体に寄生し、蒼白な肌をしたゾンビのような姿に擬態してしまう。
クワイエットローブに擬態したXは「あとは頼みましたよ」とうわ言のように呻きながら端末を操作し、機能停止させていたE.M.M.I.を全て再起動させてしまう(なお、このイベントの後にクワイエットローブの部屋に行くと、当然ながらクワイエットローブの遺体も、彼に擬態したXの姿がなくなる)。
そんな事も知る由もないサムスとアダムは、E.M.M.I.の再起動もレイヴンビークの仕業であると考えるのであった。
エンディング(※ネタバレ注意)
その後は音沙汰もなく、メトロイドの力を完全に覚醒し、メトロイドスーツを装着したサムスは、レイヴンビークと、決戦後に彼に寄生したXを、その強力な力を使って倒した。
しかし、ZDRから脱出しようとしたサムスだったが、メトロイドの力を制御できず、左手で触れたモノのエネルギーを吸収する能力がサムスの意思に関係なく発動してしまうため、スターシップの操縦がままならなくなってしまう。
そして、途方に暮れるサムスの背後に、突如としてクワイエットローブに擬態したXが現れる。
咄嗟にアームキャノンを向けるサムスだが、クワイエットローブに擬態したXは敵意が無いようにお辞儀をする。その行動に驚くサムスの目の前で、クワイエットローブは一瞬だけ優しく微笑んだ後にXに戻り、自らサムスに吸収される。
すると、サムスの中のソウハ族のDNAことメトロイドをコントロールする力が完全なものとなり、メトロイドスーツが解除された。
寄生元の意思をコピーしないはずのXが、何故サムスを救ったのか?
サムスが生き残る事でXの繁栄に繋がると見なしたのか?
進化する天敵に一矢報いようとした捨て身の行動か?
単にクワイエットローブの記憶や行動パターンをなぞっただけか?
あるいは、クワイエットローブの意識がXの本能を制御し、サムスを救うべく奇跡を起こしたのか?
今となっては、真相は宇宙の塵と消えたものの、彼の行動によりサムスが救われたのは言うまでもない。
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