概要
Wiiで発売されたメトロイドシリーズの一つ。開発はコーエーテクモのTeam NINJA。
音楽は仮面ライダーカブトやウルトラマンマックスの劇伴を手掛けた蓜島邦明。
キャッチコピー・コンセプトは「最新技術を使ったファミコンゲーム」で、ボタンの少ないWiiリモコンを操作体系としつつ、各アクションをシチュエーション毎に半自動的に選択し発動されるなど、ダイナミック且つ爽快感のある操作を実現させた。
本作独自のアクションとしてビームや敵の攻撃を紙一重で避けるセンスムーブ、ダウン時の敵に近づき強力な一撃を叩き込むリーサルストライク、敵の上に跨りチャージビームをゼロ距離で放つオーバーブラストといった技がある。敵の攻撃を利用して倒す事が多く、後の作品に登場する「メレーカウンター」に通ずるものがある。
ストーリーの方にも重点的に描かれており、CGムービーや声優によるキャラクターボイスなどが挿入されている。ボイスの方はシリーズ初となる日本語音声が収録されており、従来の英語音声もオプションで選択が可能となっている(字幕も日本語・英語の両方から選択可能で、字幕オフも可能)。
本作は『スーパーメトロイド』と『メトロイドフュージョン』の間を描いた話となっている。
あらすじ
惑星ゼーベスにて死闘の末スペースパイレーツの親玉「マザーブレイン」を打ち破ったサムス・アランだったが、その代償にメトロイドの最後の生き残りでありサムスにとって特別な存在でもあったベビーメトロイドを失ってしまう。
満身創痍で帰還した後に連邦でのコンディションチェックを終えたサムスは、スペースパイレーツの崩壊と惑星ゼーベスの消失、メトロイドの絶滅を報告した。
それからしばらくの月日が流れた後のこと、宇宙を航行していたサムスに突如救難信号(Baby'sCry)が入ってくる。
救難信号が発信されていたのは辺境宙域にあるスペースコロニー、ボトルシップ。その内部にてサムスはかつての同僚である銀河連邦軍のアンソニーや元上官であるアダムらと再会する。
ボトルシップ内を探索する中で、惨殺された研究員の死体や数々の危険生物が放たれていることを確認したサムスは、アダムの指示のもと彼らと行動をすることとなる。
破棄されたはずのボトルシップにて何が起こっているのか?銀河連邦軍が何故ここにやってきていたのか?
事件を追うに連れ、サムスは裏に渦巻く銀河連邦軍の陰謀へと巻き込まれていく……。
登場キャラクター
※担当声優は日本語音声時。
ご存じメトロイドシリーズの主人公。
銀河の危機を幾度となく救ってきたフリーのバウンティハンター。
航行中に救難信号をキャッチしてボトルシップへ向かうが、かつての上官であるアダムと再会する。
銀河連邦軍第07小隊
- アダム・マルコビッチ(CV:小山力也)
銀河連邦軍の司令官で、かつてのサムスの上官
現在は第07小隊の指揮を務めており、異変が発生したボトルシップへ赴いている。
イアンという弟がいたが、破損した宇宙旅客機のドライブユニット修復任務で殉職している。
ストーリー中盤にてボトルシップでの違法研究に関わっている可能性が提示され、更にそのタイミングで通信も途絶えてしまうが……。
- アンソニー・ヒッグス(CV:乃村健次)
第07小隊の一員。陽気な性格の持ち主であり、非常に大柄な体格をしたスキンヘッドの黒人。
サムスの連邦軍時代からアダムの部下をしており、当時からサムスの事を「プリンセス」と呼んで気にかけている。
高威力の危険兵器であるプラズマキャノンを扱う部隊内唯一の隊員であり、使用の判断を一任されるなどアダムからの信頼も厚い。
- モーリス・ファンボロー(CV:山本満太)
第07小隊の一員である整備兵。
寡黙で真面目、職人気質な性格。
試験監視センターの端末を見て自己破壊されたことを看破しある程度のデータを復旧、連邦軍の違法研究計画の存在を明らかにした。
セクター2にて生存者の捜索を行っていたが、デリーターに暗殺されてしまう。
- ケイジ・ミサワ(CV:河田吉正 ※ノンクレジット)
第07小隊の一員である偵察兵。小隊の中では最年少。
メガネをかけており、感情を表に出さないタイプ。なんと劇中のセリフが2つしかない。
居住区で生存者の捜索をしていたが、アダムの招集命令を受けてセクター3に移動した所でデリーターに暗殺された挙句遺体を溶鉱炉に突き落とされてしまった。
サムスはその現場を見ていないため、最後まで行方不明扱いになっている。
- ジェイムス・ピアース(CV:最上嗣生)
第07小隊の一員である通信兵。
ハッキング等に精通しており、ボトルシップのデータを閲覧するためにハッキングを行った。生真面目な好青年タイプ。
その正体は、ボトルシップの秘密を知るものを始末するために第07小隊に紛れた始末屋「デリーター」。セクター1の試験監視センターに先回りして生体兵器開発のデータを消そうとするが、サムスが現れたため断念(この時、舌打ちするかのような仕草をしている)。試験監視センターを時限装置で爆破すると、余計な事実を知ってしまった第07小隊と生存者の暗殺を目論む。
モーリス、ケイジをフリーズガンで銃撃して暗殺し、更にセクター3でサムスとアンソニーがリドリーと交戦する最中、アダムを襲撃するが殺害に失敗。
その後ある人物を暗殺しようとしたが返り討ちにあって死亡し、亡骸をサムスに発見された。
- ライアル・スミソニアン(CV:田中一永)
第07小隊の一員である特殊工作兵。
かなり血気盛んな性格だが意外にも臆病であり、作中では研究員の死体から出てきたバラッグに錯乱して銃を乱射し、他のメンバーから咎められた。
当初はセクター1の調査をしていたが、試験監視センターに全員集合する中1人だけ遅れ、その後謎のクリーチャーに襲われて惨殺された姿で発見された。
ギャラリーモードの設定資料によると、当初は温厚な性格という設定だったが変更されている。
ボトルシップ関係者
- マデリーン・バーグマン(CV:日野未歩)
銀河連邦軍の女性科学者にしてボトルシップの責任者兼研究主任。
ボトルシップから救難信号を送った張本人。
- メリッサ・バーグマン(CV:伊藤静)
ボトルシップの女性研究員で、サムスがボトルシップ内で初めて出会った生存者。
何やら危険に巻き込まれているようだが…。
マザーブレインの思考パターンをコピーして作られたAI。ボトルシップ内にいたスペースパイレーツのクローンを操りサムスや連邦軍を襲う。マデリーンはこの事について何か知っているようだが…。
その他
- 連邦検疫官(CV:河田吉正)
惑星ゼーベスから帰還して銀河連邦本部に報告しに来たサムスを検疫検査した男。本作のチュートリアルも彼が担当している。
実はパワードスーツ洗浄の際にメトロイドの細胞を極秘に回収したが、誤ってリドリーの細胞も回収してしまっていた。
- 連邦軍司令(CV:宝亀克寿)
連邦軍部隊の隊長の壮年男性。
性格はアダムとは正反対で、表向きは好々爺だが実態は腹黒く、自分が前線に出ることはほとんどない。
ボトルシップ内で行われていた違法研究を指示していた首謀者。
敵キャラクター
スペースパイレーツの最高司令官の一人で、サムスの両親の命を奪った宿敵。
『スーパーメトロイド』にて惑星ゼーベスでサムスに倒されたが、彼女のパワードスーツに細胞が付着し、メトロイドの細胞と共に回収されてボトルシップ内でクローン再生し復活を果たす(ボトルシップのスタッフも再生された個体がリドリーだとは知らなかった)。
生前の記憶があるかどうかは不明だが、研究員を死んだふりで騙して不意打ちし殺害したり、敵をボロ切れのようになるまでズタズタに引き裂くなど、残虐さと狡猾はオリジナルに引けを取らない。
再生された当初はウサギとひよこを合わせたような第1形態「リトルバード(Small Bird)」となり、研究員を殺害して脱走。また、脱皮して羽毛の生えたトカゲのような第2形態、おなじみの姿である第3形態に変貌し、サムスや第07小隊の前に立ちはだかる。
- ヒュージ・バラック
目玉のような模様を持つエンペラー・バラックを核とし、無数のバラックと呼ばれる小型虫型クリーチャーが集合し、一つ目の怪物のような姿になったもの。
本作における最初のボス。
弱点は核であるエンペラー・バラックだが、虫の集合体であるため通常のビーム兵器は通用しない。第7小隊のフリーズガンで凍結した部分をミサイルで破壊し、エンペラー・バラックを引きずり出さなければならない。
- ガルマン星人
カメレオンに似た姿をした紫色のエイリアン。中ボスとして何度も戦うことになる。
体の色の周囲と同じにすることで透明になることができ、これで相手を撹乱する。長い尻尾で敵を捕らえて叩きつける他、口から酸を吐いて攻撃する。
透明化している間はその場から動かず、サーチングビューでロックオンできる。
- キング・キハンター星人
スペースパイレーツの構成員の1体であるキハンター星人の親玉。セクター1のボス。
巣と一体化しており、部下のキハンター星人やフラワナを操って身を守る。リトルバードの声に反応し、サムスに襲いかかる。
- グルガンジー
樹木に擬態する6本足で長い首を持つ巨大なクリーチャー。中ボスとして何度も戦うことになる。
腹部のコアが弱点だが、時折体勢を表裏反転させ攻撃方法が変化する。サムスを追尾する毒弾が武器。
- サイボーグゼーベス星人
銀河連邦の一派がゼーベス星人のクローンを培養し、遺伝子工学とサイボーグ化によって生体兵器としたもの。中ボスとして何度も戦うことになる。
胸部に銀河連邦軍のエンブレムが刻印されている。
赤い体色の「エリート」も確認されている。
チュートリアルではサイボーグ化されていない個体とシミュレーションで戦うことになる。
- ナミヘ・フーネ
メトロイドシリーズでお馴染みの敵だが、本作では中ボスとして登場。
部屋中の穴から顔を出し、光弾を吐いて攻撃する。
- アスボロー星人
カブトガニに似た姿をしたエイリアン。セクター3の中ボスとして何度も戦うことになる。
甲羅のような装甲は非常に硬く、中盤までの装備では歯が立たず、オーバーブラストでも大したダメージにならない。さらに手足を収納して地面を高速で滑走できる他、壁に張り付いて待ち伏せることもある。
両腕のハサミを武器にする他、サムスを追尾する無数の分身体「ゾエア」をばら撒く。
弱点は腹部にある赤いコアと、リーサルストライクで引きずり出せるイモムシ状の本体。本体を引きずり出すとしばらくして自爆攻撃してくる。
- ゴヤケード
セクター3のボス。
火山内の溶岩に生息する、長い首と長い腕を持つクリーチャー。長い腕をムチのように振るって攻撃する他、溶岩弾を飛ばして攻撃する。
また、体が凍結しても、しばらくすると溶岩の中に潜って解凍してしまう。
- カイラス星人
カエルのような両生類に似たエイリアン。セクター2の中ボスとして何度も戦うことになる。
可動式のアームを備えた特殊なアーマーを装着しており、背中のコイルで発電した電気で攻撃する。脅威的なジャンプ力を持ち、機敏な動きで相手を惑わせる。
体力が少なくなると、全身をオレンジ色に発光させてビーム兵器を無効化する。
水没した場合即死する。
- RB-176
セクター2のボス。
サムスとメリッサを始末するためにデリーターが操縦する大型作業重機。
巨大なアームによる格闘戦や巨体による体当たりの他、レーザーや森林伐採用のカッターで攻撃してくる。
- バラモーク
セクター3のボス。
溶岩内を泳ぎ回る、巨大肉食魚クリーチャー。セクター3を探索するサムスを捕食しようと度々襲いかかる。
ゴミ処理場を兼ねたマグマ生成高炉内にて戦闘することになるが、グラップルポイントを獲物と誤認して飲み込んでおりそれが攻略の糸口になっている。
- レドギア星人
アノマロカリスのような見た目の怪物。
長い腕を持ち空を自在に飛べる他、ビームやミサイルを発射する。更に溶岩の中を移動できる。
非常にトリッキーかつスピードも速い強敵。
ボトルシップ内を探索するサムスに、度々襲いかかる。
『メトロイドフュージョン』にも登場したボスだが、時系列的にはこちらがオリジナルに当たる。
セクター5のボスであり、重力を自在に操る。
遺伝子操作によって寒冷環境下や低温武器に対して完璧な耐性を持ったメトロイド。
極秘エリアであるセクターZEROで大量繁殖していた。
- クイーンメトロイド
本作のラスボス。
銀河連邦がクローン再生したベビーメトロイドが成長した姿で、この成長は研究員たちにとっても予想外だった模様。
オリジナルの生体情報を保存する目的で遺伝子操作が行われておらず、セクターZEROのメトロイドと異なり冷気に弱いまま。
- デスバルク星人
テントウムシのような見た目をしたエイリアン。普段は丸い金属製の外殻に閉じこもって壁に張り付き休眠しているが、司令塔からのテレパシーやパワーボムの爆風に反応して覚醒する。
俊敏な動作に加えて瞬間移動することができ、さらには自己再生能力を持つ。ストーリーモードではラスボス戦後のイベント戦で戦うがこの時は要救護者を庇ってサーチングビューで戦うため倒すことが難しく、あることをしてイベントを進めるしか方法がない。基本クリア後にのみ戦うことができる。
サムスのスクリューアタックやパワーボムに対して反撃・完全防御する強敵。
『スーパーメトロイド』で難破船に登場した幽霊のような生命体。条件を満たすと出現する裏ボス枠。
本作にて別次元の生命体であるという設定になった。
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