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テントウムシ

てんとうむし

テントウムシ科に分類される甲虫の総称。またはその中の一種「ナミテントウ」の別名。
目次 [非表示]

🐞概要

テントウムシ(天道虫)とは、テントウムシ科に属する甲虫の総称。古くはその中の一種ナミテントウの別名でもあった。

大きさが3mm〜13mmほどの小型の昆虫で、触角は短く、体形は半球形をしている。

黄色など鮮やかで、星と称される水玉模様などの特徴的な模様を持つものが多い。


オセアニア地方には青いテントウムシも生息し、「自然界の宝石」とも称されている。


生態

テントウムシ缶バッチ

卵→幼虫→蛹→成虫の形態をとる完全変態の昆虫で、幼虫の姿は成虫とは似ても似つかない。


肉食ナナホシテントウなど)と草食ニジュウヤホシテントウなど)の両方の種類が存在するが、肉食の種が大多数を占める。

その他、うどん粉病などの菌類を食べる菌食性 (キイロテントウなど) の種類も存在する。

肉食の種でも、花の蜜や花粉を食べる事もある。

餌が足りないと共食いする事もある。

飼育下では昆虫ゼリーやゆで卵、蜂蜜、リンゴなども食べる。


基本的にツヤツヤした輝く羽を持つものが肉食、毛深いものが草食であることが多く、肉食種はアブラムシカイガラムシキジラミカメムシハムシハダニなどの小型害虫を好んで食する習性を持つ(幼虫も非常に獰猛であり、これらの虫を捕食する)。

その為に野菜を栽培する農家からは益虫として重宝されており、ワタフキカイガラムシ天敵であるベダリアテントウオーストラリア原産)などは現在もなお生物農薬として商取引が行われているほどである。


敵に襲われると死んだフリをするか、強烈な悪臭を放つ黄色や赤色の体液を分泌する。

体液には悪臭以外にも強い苦味があり、これにより鳥などの生物から身を守っている。

鮮やかな色彩と派手な模様は、自分は不味いから食べないほうがいいと天敵に知らせる警告色の意味がある。

その為、テントウムシは天敵(主に)に襲われにくく、その事実を利用してテントウムシに擬態し、身を守る虫が数多く見られる。


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秋が深まると越冬準備の為に、崖や電柱、建物の壁などの目立つ場所に集まる様子が見られ、冬になると落ち葉や木の皮の下、岩や家屋の隙間などに数匹~数百匹、時には数万匹が集まって越冬する。

越冬時には数種類のテントウムシが同じ集団に混じる事もある。

日本ではナミテントウが数百匹の大集団を形成するが、他の種類は数匹~数十匹で越冬する事が多い。


「天道虫」の名の由来は、太陽に向かって飛行する習性を持つことからとられている。


表記揺れが多い。

主な表記揺れをOR検索



また、てんとう虫のように小さくまとまった形状から富士重工乗用車『スバル360』(販売期間:1958年~1970年)の愛称でもある。


主な種類

肉食性

日本全国に分布し、海外ではユーラシア大陸全域とアフリカに分布する。

体長は5~8mm程で、赤い体色に黒い七つの斑点を持つ。

一般的なテントウムシのイメージはこの種類。

アブラムシを食べるが、稀にハダニも捕食し、花の蜜を吸う事もある。

一匹~数十匹で越冬し、ナミテントウの越冬集団に混じる事もある。

似た種類に、斑点が九つのココノホシテントウや、小型で11個の斑点をもつアイヌテントウ(ジュウイチホシテントウ)がいる。


日本全国に分布し、日本本土では最も普通に見られるテントウムシ。体長は4~8mm程。

模様のバリエーションが多く、体色や斑点の数も様々。

一般的には、黒地に赤い二つの斑点をもつ姿でイメージされる。

数十~数百匹の大集団で越冬する。

様々な種のアブラムシを捕食する。


日本国内では本州~南西諸島に分布し、松林などで見られる。

ナミテントウにそっくりで、識別は困難。

翅の先が少し尖る。

の木に付くマツオオアブラムシしか食べない偏食家。

ナミテントウと違い、単独で越冬する。


日本国内では本州~南西諸島・小笠原諸島に分布し、海外では中国、東南アジア~アフガニスタン、南米まで広く分布する。模様にはバリエーションがあり、ナミテントウに似た模様をもつ個体も多いが、体長は3.7~6.7mmとナミテントウより小型な事で見分けられる。

日本本土では黒地に赤い4つの三日月状の斑点をもつ4紋型、南西諸島では赤地に黒いジャック・オ・ランタンの様な模様をもつダンダラ型が多い。

成虫、幼虫共にアブラムシを食べる。


北海道~九州に分布し、体長8~11mm程の大型のテントウムシで、黒地に赤い亀甲模様をもつ。

河川敷のオニグルミの木でよく見られ、クルミハムシドロノキハムシヤナギハムシミヤマヒラタハムシなどのハムシ類の幼虫を捕食する。

数匹~数十匹の集団で越冬し、よくナミテントウの越冬集団に混じっている。


北海道~南西諸島まで広く分布し、黄色い体色にカメノコテントウに似た黒い亀甲模様をもつ体長3、4mm程の小型のテントウムシ。

こちらはアブラムシを捕食する。

模様にはバリエーションがあり、黒い個体や、4つの斑点をもつ個体、模様がない個体などがいる。

山地には、見た目で区別できないコカメノコテントウが生息する。


体長1.1~1.3cmになる日本最大級のテントウムシ。

体色は赤~黄色で、翅に13つ、前胸に1つの黒い斑点をもつ。

本州~南西諸島まで広く分布するが、なかなか見られない珍しいテントウムシ。

の一種、ホウライチクに付くタケツノアブラムシタイワンツノアブラムシを捕食する。


橙色の体色に、前胸背部に2つ、翅に14つの斑点をもつ。

名前の通り、腹側が黒い事が特徴。

関東~九州に分布し、体長は1.2cm程と、カメノコテントウ、オオテントウに並ぶ大型種。

キジラミの一種であるクワキジラミを捕食する。

エノキワタアブラムシを捕食した例もある。


その名の通り、全身灰色のテントウムシ。

日本では沖縄で見られる外来種であり、本来は南北アメリカ大陸、東南アジア、オセアニアに広く分布する。

ギンネムに付くギンネムキジラミを捕食する。


北海道~九州に分布し、体長は5.6~6.2mm。

縦長のハムシの様な体型が特徴的で、黄色~橙色の体色に、黒い13個の斑点を翅にもつ。

が茂る河川敷や池などの湿地帯に生息する、ちょっと珍しいテントウムシ。

成虫、幼虫共にアブラムシを食べる。

似た種に19個の斑点をもつジュウクホシテントウがいる。


体長は6~8mm。

翅は真っ黒で模様はなく、胸が赤い事が特徴。

中国・タイ・ベトナム・ミャンマーに分布し、日本では関東~関西の一部で見られる外来種。

の葉に付くマルカメムシなどのカメムシの幼虫を食べる。


体長は4、5mmで、北海道~沖縄まで分布する。

黄褐色~赤褐色の体色に、黄色い斑点をもつ。

長らくシロホシテントウと同じくうどん粉病菌を食べるとされていたが、ケヤキコナラに付くアブラムシを捕食する事が判明した。


体長3.3~4mm。北海道~九州に分布する。

ヒメカメノコテントウと似ているが、黒地にクリーム色の斑点が6つある事で識別できる。

似た種にムツキボシテントウがいる。

アブラムシを食べる。


体長は5.8~7.2mm。北海道~九州に分布する。

光沢のある黒地に赤い縦長の大きな2つの斑点をもつ。

の木に付くタマカイガラムシの仲間を捕食する。


体長3.3~5mmの比較的小型のテントウムシ。

北海道~九州まで分布する。

光沢のある黒地に赤い小さな二つの斑点をもち、様々なカイガラムシの仲間を捕食する。

九州南部・南西諸島・トカラ列島・先島諸島には、近縁種のエサキアカホシテントウアマミアカホシテントウタカラアカホシテントウイシガキアカホシテントウが分布する。


体長4mm程の比較的小型のテントウムシ。

日本では本州~九州と石垣島に分布する。

赤褐色の地色に黒い6つの斑点があり、その間に黄色い斑点がある。

アオバハゴロモやキジラミの幼虫を捕食する。


体長は3mm程で、赤地に三日月状の斑紋4つと、中央に1つの斑点をもつ。

柑橘類の害虫であるワタフキカイガラムシ(イセリアカイガラムシ)を捕食する。

本来はオーストラリアに分布し、日本では外来種。

前述のカイガラムシを駆除する為の生物農薬として移入された。


北海道~九州、対馬まで広く分布する。体長は3.9~5.4mm。

翅の縁と中心が赤色で、そのほかは黒い。

成虫、幼虫共にオオワラジカイガラムシを捕食する。

幼虫はオオワラジカイガラムシに擬態している。


体長が1.9~2.8mmしかない小型のテントウムシ。

北海道~九州に分布しアブラムシを捕食する。

体色は黒く、頭部と翅の先が橙色。


体長1.2~1.mmの極小テントウムシ。

北海道~九州に分布し、体色は黒一色。

農業害虫として名高いハダニを捕食する。

近縁種に、外見では区別できないキアシクロヒメテントウがいる。



草食性

本州~南西諸島に分布する。

大きさは5~7mmほどで、黄褐色~赤褐色の翅に、28個の黒い斑点をもつ。

ナス科の植物の葉を食べ、農家からは害虫として嫌われている。


体長6~8mmほど。

斑紋はニジュウヤホシテントウと同じく28個。

北海道~九州まで広く分布する。

ナス科やウリ科の植物の葉を食べる。


体長5~7mm程で、北海道~九州に分布する。

体色は暗赤色で、10つの斑点をもつ。

カラスウリなどのウリ科植物の葉を食べる。

幼虫で越冬する。


北海道南部と本州の一部に分布する珍しいテントウムシ。

アザミの葉を食べる。


山梨県と長野県で見られる外来種。

黄褐色~赤褐色の体色に16個の斑点をもつ。

いんげん豆などのマメ科の植物の葉を食べる。



菌食性

本州~南西諸島に分布する。

体は黄色く、翅に斑点がない事が特徴。

ナミテントウやナナホシテントウと比べると少し小型。

成虫、幼虫共にうどん粉病菌を食べる。

数匹~数十匹の集団で越冬し、ナミテントウの越冬集団に混じる事もある。


黄褐色~赤褐色の体色に黄色い12個の斑点をもつ。

ムーアシロホシテントウ、シロジュウシホシテントウシロジュウゴホシテントウシロジュウロクホシテントウシロトホシテントウアラキシロホシテントウなど、よく似た種類が多い。

うどん粉病菌を食べる。


体長2、3mmの小さなテントウムシ。

淡い黄褐色の体色に黒褐色と淡褐色の複雑な斑紋をもつ。

成虫、幼虫共にうどん粉病菌を食べる。

日本では外来種で、北米原産。



その他

北海道~九州の山地に生息し、体長は6.7~8.5mm。

黄褐色の体色に白く縁どられた黒い16個の斑点をもつ大型のテントウムシ。

食性は不明だが、おそらくアブラムシを食べると考えられている。


体長4mm程で、光沢のある黒一色のテントウムシ。

関西以西の本州・四国・九州に分布する。

イチイガシの樹上に生息し、冬はイチイガシの葉裏で集団越冬する事以外の生態は謎に包まれているが、おそらくイチイガシに付くアブラムシやカイガラムシなどを食べると考えられている。



テントウムシに擬態している虫

など


この他に、カメムシカミキリムシアワフキムシの仲間にも擬態する種類がいる。


テントウムシがモチーフのキャラクター

スーパー戦隊シリーズ

仮面ライダーシリーズ

メタルヒーローシリーズ

アニメ

ゲーム

漫画

その他


関連イラスト

切り株と天道虫Casquetento


関連タグ

生物 動物  昆虫 甲虫

幼虫  成虫 

 オレンジ色 黄色   模様 水玉 水玉模様

別名・表記揺れ

テントウムシ てんとう虫 てんとうむし 天道虫 テントウ虫

ladybug ladybird

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