マメ科
まめか
被子植物真正双子葉類マメ目の一群。大豆をはじめ、小豆、インゲンマメ、ヒヨコマメ、落花生など、種子が「豆」として利用される植物の多くが属する。
この科に属する植物は1万8000種とも2万種とも言われ、双子葉類の中でキク科に次ぐ種数を誇る(大半がマメ亜科)。葉は複葉(三出複葉または羽状複葉)になる種類が多く、夜に葉を閉じるものもある。マメ科植物の種子(いわゆる「豆」)は莢(さや)の中に納まっている。窒素固定細菌との共生関係を発展させているため、やせ地でも育つことができる。
花の形態により伝統的にマメ亜科(ハギ、スイートピー、カラスノエンドウ、エニシダ、ハリエンジュなど)、ネムノキ亜科(アカシア、ネムノキ、ギンネム、オジギソウなど)、ジャケツイバラ亜科(ジャケツイバラ、サイカチ、ハナズオウ、タマリンドなど)の3亜科に分類されてきた。ただし、マメ亜科とネムノキ亜科は系統的なまとまりと見て良いが、ジャケツイバラ亜科は比較的原始的なマメ科植物の寄せ集めである。
マメ亜科の植物は上記のハギのような特徴的な「蝶形花」をつけることが多く、ルピナスのような草花やフジなど花木として栽培される園芸種もある。ただし、マメ亜科であっても集合花をつける種の中にはシャジクソウ属(クローバーの類)のように蝶形花と分かりにくいものもある。
ネムノキ亜科の花は花びらは小さく、雄しべが目立つものが多い。
ジャケツイバラ亜科の花は左右相称で、5枚の花びらが大きく開くものが多い。
多くのマメ科植物の根には根粒菌が共生しており、菌の作用で大気中の窒素を固定することで、やせた土地でも良く育つ。ここに着目し、農業では土地を肥やすため、田畑の裏作(緑肥)としてレンゲソウやクローバーなどのマメ科の植物を植える事がある。
ハリエンジュなどは材木としても利用されるが、幹の形が真っ直ぐではなく反りが強いのでやや扱いにくい。