概要
アフリカ原産。
日本の記録には平安時代の書物に「大角豆」とあり、江戸時代には重要な農作物として栽培されていた。
生態はツルを伸ばすものと伸ばさないものがある。他のマメ科の植物と同じように蝶形の花を咲かせ、花の色は紫ないしはピンク色。
蔓性のものはグリーンカーテンのために栽培されることもある。
さやが10-30 cmで固く、豆は1 cm程度の腎臓形で赤紫色や白色、黒色に紫色のものが多く、我が国では赤紫色のものが多く一般に販売されている。
白い豆には一部に色素が集中して黒い目のような姿になるため、ブラック・アイ・ピーとも呼ばれ、欧米諸国での利用が多い。
「ジュウロクササゲ」などのナガササゲはさやが100cmに達したことがあるほど長い。
寒さには弱いが、反面暑さには耐えるため、熱帯では野菜としてしばしばナガササゲが市場で売られている。
江戸の武士の間では赤飯に小豆の代わりに使われるようになった。小豆は水に浸してから加熱すると、加熱する際に割れてしまうことがあったため、それが切腹を意味させるため、そうした現象の少ないササゲに取って代わられたのであった。関東地方などでは今でも皮が破れにくく煮崩れしにくいササゲを用いる地域がある。
近縁種にハタササゲと呼ばれるものがあり、こちらは栽培種のササゲより草姿が全体的に小さく、上向きに実るさやも短い。
我が国では畑地で野生化しており、アメリカでも多くは家畜の飼料用に栽培されるが、人間の食用としても利用でき、救荒植物としての顔も持っている。さらに同じく近縁種であるメガネササゲは、熟すとさやが丸まり、それがメガネのようであるからこの名称がある。
利用法はハタササゲに全く同じ。