キボシマルウンカ
きぼしまるうんか
標準和名 | キボシマルウンカ |
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別名 | イグチマルウンカ |
学名 | Ishiharanus iguchii |
分類 | 半翅目 頚吻亜目 ハゴロモ型下目 ビワハゴロモ上科 マルウンカ科 マルウンカ亜科 Hemisphaeriini族 Hemisphaeriina亜族 Ishiharanus属 |
体長 | 5~6mm |
分布域 | 日本(本州、四国、九州)、朝鮮半島南部、済州島、中国南部、ベトナム? |
黄色~橙色の地色に黒斑が並ぶ前翅と、半円状の体型が特徴の昆虫。脚には棘がある。
一見テントウムシ(特にトホシテントウ)の様な姿をしているが、実際は近縁でもなんでもない。
テントウムシは甲虫目だが、本種が属するマルウンカ科はカメムシなどと同様の半翅目(カメムシ目)であり、その中でもハゴロモや、農業害虫として悪名高いウンカなどに近い仲間。
なお、マルウンカ類自体が害虫とされる事はない。
このテントウムシに似た見た目は、苦い汁を出す為に鳥などの天敵から狙われないテントウムシに擬態して身を守る為と考えられているが、ハチに擬態するスカシバガ、ハチモドキハナアブ、ハチマガイツノゼミなどや、アリに擬態するアリグモやアリカマキリ、カバマダラに擬態するツマグロヒョウモン、ベニモンアゲハに擬態するシロオビアゲハ、ハエトリグモに擬態するオオナミモンマダラハマキやシロオビホソハマキモドキ等、他の虫に擬態する昆虫は基本的に歩き方や飛び方も似せている種が多い(珍しいが匂いや鳴き声まで似せている種も存在する)のだが、本種の擬態は見た目だけで歩き方や飛び方等の行動はウンカそのものであり、全くテントウムシには似ていない。
成虫は3~11月に出現し、山地~平地の林内~林縁や、その周辺の草原、緑地公園などの低木や草本上で見られ、やや薄暗い環境を好む。
長い口吻で様々な植物の汁を吸うが、特にナガバヤブマオなどのイラクサ科植物を好む。
危険を感じると翅を半開きにしたり前脚を広げて威嚇するが、それでも効果がなければ逃げる。
捕獲しようとすると瞬間移動と見紛う程の目にも留まらぬ早さで跳躍して一瞬で逃げ去ってしまう為、素手での捕獲は困難。
採集の際は捕虫網を使おう。
幼虫は黒っぽい体で脚に扇状の突起が付いておりテントウムシとは似ても似つかない奇妙な姿をしており、アブラムシやカイガラムシ、ツノゼミなどと同じく、蟻に甘露を提供し、その見返りに天敵を追い払ってもらう相利共生の習性も持つ。