「私はカメジム。お見知りおきを。ヌフッ」 (第2話)
データ
体長/197cm(異常成虫時/49.0m)
重さ/138kg(異常成虫時/343.6t)
分布/シュゴッダム(暗雲)
好物/虫ケラの争い
観察ポイント/かつて、ラクレスの側近ボシマールになり代わり、シュゴッダム国内でスパイ活動をおこなっていたようである。
概要
地帝国バグナラクに仕える宰相。昆虫型機械生命体を研究している科学者でもある。
士官を思わせる本のような襟をしたコートを纏い、カメムシと博士帽を組み合わせた様な形状の細長い顔が特徴的。手には昆虫標本用の虫ピンを模した杖・「長針杖ムシマルピン」を常備している。
行動隊長となる怪ジームの指揮が主な担当で、怪ジームの巨大な異常成虫にさせる何かの食物を所持もしくは管理しており、バグナラクが地上へ侵攻するための支援も行っている。
一方で後方支援・指揮を担当しているため直接戦闘は不得手……という事は無く、ムシマルピンを用いた杖術の使い手である他、口辺りから放つ丸ピン型ビームで王様戦隊とも正面から渡り合えるだけの実力を有する。
またカメムシらしく悪臭を含む緑色のガスを噴霧して牽制する事も可能。
撤退にはムシマルピンで地面を叩いて発動させる、瞬間移動を用いる。
昆虫最終奥義は、遠くにいる相手をムシマルピンから放つビームで自由自在に捕縛するウンカクソーサーである。
一人称は「私(わたくし)」で言葉遣いは丁寧だが、ねっとりとした慇懃な態度を取っており、その口調の中にも時折、狂気が垣間見える不気味な人物である。また「虫のいい話」「虫の知らせ」「虫の息」等虫が入った慣用句を多用するのが口癖。
主君デズナラク8世に対しては基本的に忠実だが、彼に対しても秘密を多く隠して隠密活動を独断で行っていたり、時折不遜な軽口を叩いて怒らせる等、絶対的忠誠を誓っているとは言い難い部分があり、その腹の奥底は読めない。
その隠密活動でゴッドスコーピオンの在処をつかむ等、バグナラクの目的である3大守護神捜索も行っていることが示唆され、シュゴッダムとほぼ同時期に手がかりをつかむ等その手段には謎が多かったが……。
主な動向
第5話
ジゴクジームがキングオージャー達を陽動している間、ザイバーン城を襲撃。
第6話
前回、ゴッドスコーピオンのシュゴッドソウルを奪った事を受け、五王国にデズナラク8世と共に犯行声明を出す。ハッタリではない証としてバグナラクが力を蓄える巨大な繭を出現させた。
「正に皆様、虫の息……で・す・が、一つだけ生き延びる道がございます」
デズナラク8世 「ギラ・ハスティーを我々に差し出せ」
「そうすれば繭を引っ込めなくも、なくも、ありません。ウッフッフッフッ……傑作ですねぇ」
更に、シュゴッドをコントロールできる素質があり、ラクレスの実弟であるギラの身柄を開け渡すように迫る。
「お探しの物はこれですかぁ?一緒に来ていただければ、渡さなくも、なくも、なくも……」
その後、ゴッドスコーピオンのシュゴッドソウルをちらつかせながらギラの前に姿を現して挑発する最中、カグラギからシュゴッドソウルを奪われる。直後にカマキリオージャーと交戦する事になるが、彼女を転ばせてあしらった後、そのまま撤退。
3大守護神のシュゴッドソウルを奪い返されたにも拘らず、まるで痛くも痒くもない様子だった。
第7話
「つい、うっかり不覚にも…油断して奪われてしまった秘宝のおかげで千載一遇の好機が…!」
前話でゴッドスコーピオンのシュゴッドソウルをギラに奪わせたのは、伝説のシュゴッドを一箇所に集め、ゴッドカブト諸共強奪するチャンスを狙っていた為。上記の報告をした後にシュゴッドソウルを奪われた件が計画の内だったことをデズナラク8世に指摘されるも、計画の一部とはいえゴッドスコーピオンを奪われたことについて叱責を受けることは無かったため、デズナラク8世もカメジムに信頼を寄せている、或いはその性質をよく理解していることがうかがえる。
そして、ギラがコントロールを失ったゴッドスコーピオンの毒によってシュゴッドが行動不能に陥った為、ゴッドカブトを奪う為にグンダジームをシュゴッダムへと送り込んだ。
第8話
グンダジームを使っての二大守護神強奪計画が失敗に終わり、キングオージャー側に奪還を許してしまったカメジム。そして、何処からかギラとラクレスの決闘裁判の情報を聞きつけてギラを誘拐を画策するも、みすみす奪還を許した事にデズナラク8世の怒りを買い、触手で締め上げられ折檻される羽目に陥った。
第9話
前回の通り、ギラの誘拐を企んでいたが実はデズナラク8世が巨大な繭を育てるためのウソに過ぎず、同時にヒメノやヤンマを始めとした仲間たちに重症を負わせその上五王国を牛耳るための策略であることが明かされた。
第16話
ラクレスとデズナラク8世による和平が結ばれ、ようやくチキューに平和が訪れる……筈がンコソパに出没して侵攻を決行する間、自身はゴッカンにシロン抹殺の為に長年配属されているヲゲラジームに改めて抹殺を命令。
すると和平交渉の仲介をしたジェラミーから和平を結んだ様子が見られない事を問われるが、「今のは個人的なおつかいをお願いしただけですよ?」とはぐらかすだけだった。
第18話
ギラとの一騎打ちに敗れて戻ったラクレスを出迎えた後、人間とバグナラクが共存する新たなシュゴッダムの誕生と嘯き、事実上のバグナラクによるシュゴッダムの占拠を告げた。
第19話
シュゴッダムを奪還する為に乗り込んだ王様戦隊と交戦。
カマキリオージャーとパピヨンオージャーと相手取るも徐々に圧倒され、デズナラク8世を気遣いながらダイヤモンドダンジームに王様戦隊の相手を任せて撤退した。
第20話
風の便りか、ギラとラクレスとの決闘裁判が再度行われる事を聞きつけたカメジムはこれを利用しての作戦を提案しようとするも、いきなり「たわけっ!!」とデズナラクから鉄拳制裁を喰らう。
「何をっ……!?」
デズナラク8世「もう小細工には頼らぬ!全戦力を投入する!命を捨てて戦えぬ者には、死んでもらう…!!」
せっかく占領したシュゴッダムを奪還されて怒りが収まらず、総力を上げての制圧に方針を切り替えたデズナラクに脅迫され、後がなくなってしまったカメジムは自らの手でギラ抹殺作戦を遂行しようとする。
そして、決闘裁判の日。裁判の邪魔するかの如く案の定バグナラクが出現し、更にはバグナラクに占領された際に逃亡した事を不問とする代わりにオージャランスの奪取をラクレスに命じられ、ジェラミーからそれを奪ったボシマールが裁判の最中に突っ込んできた。
すると、ジェラミーがすり替えておいた偽物のオージャランスの仕掛けが発動、大きく驚き転倒するボシマールだったが、何とその姿がみるみるとカメジムの姿へと変わった。
「ラクレス様……ん?クヘ〜ッ!?」
カグラギ「これはこれは……なんたる想定外。ジェラミー殿に作っていただいた囮のランスが、よもやこんな事態を招くとは」
実はラクレスの側近の一人・ボシマールの姿に擬態していたことが判明。シュゴッダムと同時期に情報がバグナラク側にも伝わっていたのも、自らがスパイとなって情報を横流ししていた為。そして、裁判のどさくさに紛れてギラを抹殺しようと目論んだのだった。
ラクレス「お前がスパイだったのか、いつからだ?本当のボシマールは、殺したのか……?」
「とっくに骨になっている頃でしょうかねぇ?操られていた気分は最悪でしょう。さぁ!皆殺しです!」
本物のボシマールはとっくに死んだ事を告げると、サナギム達を呼び出して証拠隠滅がてら全員を抹殺しようとするが、決闘裁判を続けさせる為にヤンマ達が割って入り交戦開始。ムシマルピンを使っての槍術で巧みにやり合い、口からの丸ピン光線を放って応戦するもスパイダークモノスの放った蜘蛛の巣弾で視界を封じられて、無防備な隙に連続必殺技を叩き込まれる。
そのまま止めを刺されそうになるが「まだ死ぬわけには……!」とムシマルピンを地面を突き刺し瞬間移動、逃亡した。
第22・23話
シュゴッドソウルを貪り、際限無く巨大化して行くダイゴーグを目の当たりにしたギラの前に現れて絶望を煽り、明日の夜明けまでの猶予を与えて撤退した。
帰還後、長年のスパイ活動でオージャクラウンランスやコーカサスカブト城に隠された秘密を報告。
長年人間に擬態していた事を初めて知ったデズナラクに責められそうになるが、「敵を欺くにはまず味方から…」と飄々とはぐらかした上、今回の作戦を万全なものにすべくシュゴッドハンターたるイラガジームを送り込んだ事を伝えた。
しかし、イラガジームはシュゴッド達の力を借りたギラによって倒され、シュゴッダム国民が一致団結してコーカサスカブト城の修復に取り掛かり始めた為、自ら休眠中のダイゴーグの時間稼ぎと妨害作戦を決行。修復に必要な最後のパーツの歯車を走って持ってきたブーンの前の現れ、それを弾き飛ばして破棄、修復できない様に仕向ける。
しかし、すぐさまジェラミーによって回収され、コーカサスカブト城の真の姿・キングコーカサスカブトの変形を許し、ダイゴーグもキングコーカサスカブトによって討伐。これまでの地道な工作は虚しく作戦は失敗に終わった。
カメジムの正体と裏切り(第24~27話)
デズナラクから召集され、自らが巨大化してチキューの核へと飛び込み、内部から木っ端微に壊し尽くす『チキュー破壊計画』を聞かされて驚愕。
「なりません!バグナラクの目的はチキューの支配であり、破壊ではない!」と即刻中断するよう進言するが、デズナラクはすでに準備の為にザリガジームを送り込んで本気で実行に移そうしていたため聞く耳を持たず、触手で首を絞められ自分達も道連れにしようとしている事を察するや逃亡。そのまま行方を眩ました。
…だが、デズナラクとジェラミーの決闘に決着がつき、ギラも人類を守るためとはいえ、バグナラクの兵士らを倒したことを謝罪、戦いが終結しようとした瞬間、突如投げ飛ばされたムシマルピンがデズナラクを貫いた。
「いけませんいけません……最後まで戦っていただけなくては……!」
「喧嘩両成敗、引き分け、痛み分け……吐き気がするほどつまらない!私が"丁寧にお膳立てした戦い"を、台無しにはさせません……!」
唖然とする王たちの前に飄々と現れたカメジムはその真意を語った。
「2000年……よりは更に前、人類とバグナラクに憎しみの種を撒き、戦いの火をつけ、地獄の業火に燃え上がらせたのですよ……この私が!」
実はカメジムこそが2000年以上前からバグナラクと人類の戦いを仕組んだ真の黒幕。
敵味方も騙し通した、悪辣なる昆虫界のライアーキングとしての本性を見せた彼は動けないデズナラクを「死と滅亡は戦いの花。敗残の虫ケラには、それに相応しい惨めな死を!」と嘲笑いながら天から謎の光を落として殺害、自身も異常成虫で巨大化して王たちを奈落に落とさんと襲いかかる。
「ヌフフ……!!王でありながら戦いを捨てるなど、くだらない!永遠に憎み合い、戦うのです!」
カメジムに激しい怒りを燃やす王達はゴッドキングオージャーを召喚、自分の隠し球であるウンカクソーサーで応戦するも、デズナラクの思いを踏み躙った共通の敵を前に団結した王たちには歯が立たず、全員の思いを一つにした神の一刀を呆気なく受けてしまい、「しかと見届け2000年……人類の完全勝利~!!」と芝居がかった断末魔を残して爆散した。
こうして、2000年にも渡る戦いは終わったが結局のところ、カメジムが何故これほどの大きな戦争を引き起こしたのかは明らかになっていない。
彼の言動からもバグナラクの王になる野心を持っていたとも考えられないが、果たして……。
以下、重大なネタバレが含まれます! |
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デズナラクの遺言を受け取ったジェラミーが新たな王として即位し、地帝国バグナラクは「狭間の国バグナラク」と名を改め、人類との共存に一歩を進め始めて2年が経った頃、何者かの襲撃を受けてジェラミーとゲロウジーム以外の者は全滅、国は滅亡に追い込まれてしまった。
未曾有の事件を起こした4人の戦犯の中には、2年前に戦死したはずのカメジムの姿が……。
ジェラミー「お前の出番は、終わったはずだ……」
「ウッフッ……これからが本番なのですよ。虫ケラの語り部よ、伝えなさい。“宇宙の王が来た”と……」
彼の正体やその後動向については、こちらを参照。
余談
- 声を演じる三木氏はスーパー戦隊シリーズの出演は今作が初。本作への出演をもって三大特撮およびニチアサキッズタイム3作品を制覇するに至った。
- 名前の由来はカメムシのアナグラム。
- カメムシをモチーフにした怪人は天装戦隊ゴセイジャーに登場した流感のウチュセルゾー以来13年ぶりとなる。
- 初期の情報では「バグナラクの構成員に虫のパワーを付与して、怪ジームに変貌させる技術を備えている」と言われていたが、そのような描写は一度も無かった。
- 実はバグナラクとも異なる別の陣営に所属しているのではないか?と予想していた視聴者もいた。
- ボシマールの遺体が白骨化するまでの長期間スパイをしていたこと(バグナラクが復活したのはつい最近)
- 武器の「ムシマルピン」が昆虫標本用の虫ピンを模している
- 自身も虫の怪人であるにもかかわらず「虫けら」や「虫のいい話」など“虫”を蔑称として用いる発言が見られる
- 同じバグナラクでもデズナラク8世は人間を「下等生物」と一貫して呼んでおり、虫を見下すような言動は全く存在しない。
- かつてボシマールの名前の由来としてあがった「マルボシヒラタハナバエ」が、カメムシに寄生する寄生虫であり、カメジムも別の存在に寄生されているのではという説
- 第26話終了後のテレ朝公式サイトの「バグナラク害虫記」コーナーでは、カメジムの情報もupされたが、他の構成員と違って彼のみ「【(モチーフとなった生物)】のBNAを備えた~」という記述が無い。
- ラクレスの件も含めれば彼は人類とバグナラクを長年に渡って弄んでいたとも言える。