「我が名はイシャバーナの女王、ヒメノ・ラン! 只我がままに、我が道を征く!」
「散る事を知らぬ花! その気高きを知るが良い!!」
演:村上愛花、アンダーソン・メロディー(幼少期)
概要
美と医療の国「イシャバーナ」の女王。カマキリオージャーに変身する。
唯一オージャカリバーを持ち歩かず、セバスチャンに運ばせている。
「神の怒り」により両親を失い、幼くして王となった経緯を持つ。
人物像
美しいモノ、可愛いモノに目が無い超ワガママな女王。自分の我儘を突き通す為なら手段を選ばない、正にチキューに蘇ったマリー・アントワネットとの事。
大事な五国同盟でさえ、時間厳守を「嫌(や)」と拒否して自身のおめかしを優先する程だが、決してヒステリックでは無く、落ち着いた屈託の無い笑顔でワガママを貫く等、女王としての愛嬌と気品を忘れないのが特徴。
一方でそのワガママさは「人命を救う」事にも向けられており、躊躇無く患者を診る熱意ある医師としての一面も持ち、第1話でも怪我をして倒れたコガネと動揺から動けないでいたギラを庇い、彼女はまだ助かるから早く逃げる様に促す等、自ら死地で戦う最中でも助けられる命があれば全力で守ろうとし、自国の民1人の為に自らが汚泥を被る事も厭わない。
この信念には「神の怒り」で両親が毒で殺害され、幼くして女王に即位する過酷な運命に見舞われながらも、支える国民からの優しさを受けて現在に至るという経緯から、国土、文化、そして民に抱く本心からの愛が影響している。
それゆえにヤンマからラクレスがゴッドカブトを洗脳して強制的に従わせていると聞いた際には露骨に不機嫌になる等、心を持つ者の意思を踏み躙る行為を嫌悪するなど、ワガママであるがゆえに大事なものを見失わないという稀有な行動原理を有している。
自分の道を恥じる事無く、真っ直ぐに歩く優しさと正義感を持ち合わせた美しきドクタークイーン。
実際に権威ある女王としては多方面で有能であり、贅沢三昧な社交会でも楽しめる裏付けである教養や礼儀作法を弁えるほか、専門分野であり「イシャバーナ一の実力」を自負する医療行為においては、立場上最も得意である救命救急では執刀に加えて自ら陣頭に立って的確な医療チーム指揮をこなす上に、DNA鑑定といった臨床検査、未知の薬草や解毒剤すら短時間で調合できる薬学分野、さらにツボ押しで一時的に人体を活性化させる医業類似行為に至るまで、同年齢を超越した技術を一通り習得している。そして剣術でも一度剣を取れば、華麗な足捌きと正確無比な斬撃を披露しており、純粋な剣技でいえば(搦手を用いるメンバーが多い)王様戦隊でトップクラスの技術を持っているなど、女王として相応しい相当な研鑽を積み重ねてきたことがうかがえる。
その一方で生来の派手好きゆえに、「美しくない」理由でボロボロになった家をダイナマイトで爆破したり(但し、住民に対しては後にもっと良い家を手配している)、たまたま発見したガーディアンスネイルを呼び寄せキングオージャーの右腕にスネイルガトリングとして装備するや高笑いしながら乱射する破天荒な一面もあり、バグナラクとの戦いが終わった後には、後述の通りハメを外しすぎてその嗜好が裏目に出たことも。
容姿
ブロンドの髪を縦ロールにしており、頭頂部は盛り髪でティアラを付けている。ヘアースタイルは時折変えており、第6話では茶髪に近い色合いに変わっている(公式曰くヒメノの服装や髪型は回によって変わるとの事)。
華やかなデザインの黄色い肩出しのワンピースドレスにレースの手袋、銀のサンダル等、服装も女王(或いはプリンセス)らしい。脚はラメ加工が施された肌色のタイツを履いており、生足ではない。
戦闘時は服装が若干変化し、パフスリーブのドレス、ひじ位までの長さがある手袋を着用。
医者としての治療行為を行う際はドレス姿から一変し、黄色を基調にした執刀医然とした姿となる。
その可憐さと微笑みから、ヤンマは当初「ヒメノちゃん」と呼ぶ程にデレていた(しかし前述のダイナマイト爆破を目にしてからは普通に接する様になった)。
- 2年後
第2部では身体的変化こそ少ないが、ドレスのデザインが一新され、スカートの横に腰布の様な装飾が施された衣装を着用している。
第33話では私服として首元に黄色いスカーフを巻いたギャルっぽい恰好になっている。
活躍
五国同盟のためにセバスチャンを伴ってシュゴッダムへ向かうも、ヤンマが拒否したので同盟自体は成立せず。
その後はバグナラク侵攻に対してカマキリオージャーに変身し、キングズウエポンも駆使した二刀流で奮戦。
この時負傷したコガネと共にいたギラに会っており、彼を庇った後、コガネを見て 「まだ息がある……この子は任せて、アナタも早く逃げなさい!」 と促している(無数のサナギムと斬り合う中で、診察を一切せず瞬時に判断しており、彼女の医者としての優れた才が垣間見えるシーンでもある)。
ギラがクワガタオージャーとして覚醒しキングオージャーを呼び出す際には、合体の為に飛び立つゴッドカマキリ達を見て「何処へ行くの!?」と思わず呼びかけていた。
出番は無かったがコガネの命を助けた事が明示された他、ラストにてキングオージャーから合体解除したゴッドカマキリがイシャバーナに直帰せず、行き掛けの駄賃とばかりにギラとヤンマをギュッと抱えて飛び去っており、彼女の意思による可能性がある(しっかり聞くと彼女の声が聞こえる)。
初のメイン回。
イシャバーナに連れ帰ったギラに手錠を掛け、「ゴッドクワガタを渡せば解放してあげる」と要求。
セバスチャンに「何か交換条件を与えては」と提案されても「嫌。この国の全部が私のお気に入りだもの」と拒否する。
外出時は通路が泥で少し汚れたのを見ただけで卒倒しかけ「私にこの汚れた道を歩けと?」と口走ったり、一晩で造らせた花畑が良く見えないからと民家を爆破する等の超絶ワガママぶりを発揮(これには最初露骨に鼻の下を伸ばしていたヤンマも「うっわ、やっぱねぇわ…」と呆れ果て、ギラもまた唖然としていた)。
外出の帰途、仕立て屋のカーレに絡まれる。
「娘のエッダは、お前の手術を受けても歩けないままだ」と罵倒する彼に立腹する事も無く、特別援助金を与えた。
去り際にエッダに「アナタはソレで良いの?」と意味ありげな言葉を掛けて……
このワガママぶりにギラからは「無理難題を強いる王に民が付いて行くモノか」、本来は25歳のセバスチャンに老人の特殊メイクをさせて改名させる事を聞いたヤンマからは「何であんな超絶ワガママ女が王様やれてんだか…」と評されていた。
そんな中バグナラク襲来の報を受け街に急行。
逃げ遅れたエッダがフンジームの攻撃の巻き添えを喰らいそうになったのを見て、身を挺して彼女を庇う。
ドレスが泥塗れになったが、「こんなの新しく作れば良い。でもアナタは、そうはいかないでしょ?」と意に介せずエッダの無事を優先した上で、走って逃げる様促す。
実はエッダの足は本当に完治していたのだが、仕事の無い父の為に特別援助金目当てでワザと歩けないフリをしていたのを、ヒメノは見抜いていた。
「ワガママになれば良いじゃない。あなたの望みは、誰でもない、アナタにしか叶えられない!夢も、未来も、ワガママから始まるの!そして世界を、アナタの思うままにしてやりなさい」とエッダを諭した上で、上記の台詞を名乗った後に王鎧武装(この際名乗りと同時に陽が登り、影が晴れ、周辺の花が咲き誇り、ゴッドカマキリも赴く…とかなりかっこいいシーンになっていた)。
草花を踏み潰しながら襲って来るサナギムを、対照的に花一輪踏む事無く、華麗な動きで翻弄した後、「ゴッドクワガタを頂戴!この国の全部が私のお気に入りなの。誰も死なせない!」と宣言し、そのワガママぶりが気に入ったクワガタオージャーと共闘して巨大戦に突入。
ガーディアンスネイルを呼び寄せて「オッホッホッホッホッ!」と某教官殺しの様な高笑いを上げながら大乱射を浴びせ、フンジームが転がした巨大瓦礫球を薔薇の彫刻に変える器用ぶりを見せ付けた上で撃破した。
戦いが終わった後、真相を知ったカーレを責めもせず、新しいドレスを仕立てさせる形で仕事を与えた。
爆破した家も、古びていたので新しい家に建て替えてあげる約束をしていたと知って、ギラとヤンマはヒメノの真の姿を理解した。
ギラは第1話でヒメノの「民を想う姿」を既に見せられていた事を思い出し、「ヒメノのワガママに救われる者も居る」イシャバーナの王と民の在り方を理解し、ヤンマと同じく「仲間になれ」と命令したが、当の本人は今回の戦いの怪我人を全員1人で治療する事を優先。
3人はゴッドクワガタに乗せられて、一緒に逃走する羽目になってしまった。
ゴッドカブトの迎撃を受けトウフに墜落(いつの間にか来ていた)。セバスチャンの迎えによりヤンマと共にはぐれてしまったギラを探すべくタキタテ城へ向かう。
その際ヤンマに対してゴッドカブトと三大守護神の事を聞き、私のものにすると我儘を言っていた。但し、ゴッドカブトの制御の話を聞いた途端興味が無くなったかのように大人しくなった。
- 第28話
胡乱のゴーマの術でカグラギと精神を入れ換えられ、一時的に彼の肉体でトウフに移住しなければならなくなるが、トウフの食材を一度イシャバーナに送ろうと計画していた。働きすぎで熱中症を起こしたトウフ国民達に持ち前の医療とトウフに自生していた薬草で治療を行い、カグラギの側近のクロダらトウフ国民に感謝の意を伝えられ心境に変化を起こしていた。
ダグデドによって『キョウリュウジャー』の地球に送り込まれた際には、シュゴッドの居ない影響で変身能力を一時的に失うが、偶然洞窟で石碑調査に赴いていたイアン・ヨークランドらと共にデーボス軍と激突する。この時は生身で戦闘を行っており、さながらバレリーナかの様な華麗な動きで敵を撃破していった。
兜武神デーボスの来襲から撤退後には避難所にいた人間らに自慢のピアノの演奏(もっふんの歌)を披露し、2年間もの間デーボス軍に苦しめられ歌を楽しむ心をなくしていた人々を再び動かした。その後、デーボスを嘗て倒した「地球のメロディ」を呼び起こす為に「美しいモノは決して滅びない」と真の地球のメロディ=「VAMOLA!キョウリュウジャー(『キョウリュウジャー』のオープニング)」を演奏し、キョウリュウジャー達のブレイブを復活させ変身能力を取り戻す大役を果たした(自分たちの変身問題もゴッドコーカサスカブトで相棒のシュゴッドが輸送されたため解決した)。
前話にてイシャバーナをカメジムに乗っ取られてしまうが、意外にもアッサリと奪還した。
ンコソパ奪還戦には「後処理が大変だから」と不参加(因みにリタも不参加だったがこっちは囚人の再投獄の為)となったが、何故かセバスチャンの姿が見えない上に、小指を立てる仕草をしており…。
実際はカメジムが化けた偽物のヒメノであり、本物はイシャバーナ地下にある牢屋に他の民や部下達と一緒にオージャカリバーを奪われた上で閉じ込められていた。しかし自身が受けたカメジムの毒を解析し解毒剤を作り、住民達を解毒した後助けに来たクレオの手で脱獄。玉座に辿り着くと本来の姿になり逆転の機会を狙っていたセバスチャンの手によりオージャカリバーを取り返し、イシャバーナを好き勝手に弄んだカメジムを退けイシャバーナ奪還に成功した。戦いが終わった後はギラと(チキューにも支店があると思われる)某玩具店のキリンのマスコットと共に子供達にキリンのぬいぐるみを配り、トウフ奪還に動き出す。
カグラギ、リタを除いて因縁の相手であるグローディと戦おうとするも空腹のために王鎧武装した直後にダウンしてしまい(ジェラミーは永らく生きている中で食事をせずとも平気な体質になっていた)、流れでグローディが飯を振る舞うと言い出し因縁の相手が米炊きをする場面を見守ることとなる。
グローディが使う超特級希少種の米「すずめのなみだ」が炊きあがる匂いにギラ、ヤンマ共々鼻腔をくすぐられるが違和感を覚え···
その後、「すずめのなみだ」で握られたおにぎりが出されギラとヤンマは炊きたて、握りたてのそれにかぶりつこうとするが突如オージャカリバーで制止する。
「食べちゃダメ!
···このおにぎり···すこピの匂いがする。」
実はこのおにぎりには神の怒りの時のトウフの貯蔵米と同様すこピ=ゴッドスコーピオンの毒が混ぜられており、グローディは毒入りおにぎりでギラ、ヤンマ、ヒメノを毒殺する算段であった。
ギラ「食べ物を粗末にするのは···子供にも分かる邪悪だ!!」
ヤンマ「食いもんの恨みは···怖ぇぞ。」
グローディが怪人態となったのに合わせ再度4人で王鎧武装、今度こそグローディとの戦闘に入るがグローディの「触れた部位を弱体化させる能力」で視界を奪われたのを皮切りに全員変身解除させられ、トドメの一撃を食らいそうになる。
そこへカグラギ/ハチオージャーが駆けつけたことで難は逃れ、ハチオージャーのオージャフィニッシュでグローディが退けられる様を見届けた。
ぶっちゃけ彼女がすこピの毒に気づかなければ詰んでおり、もしも鼻詰まりか何かで気付けなければ3人揃っておにぎりを最後の晩餐にそのまま毒死していたと思われる。危なかった···
余談
- 名前の由来はハナカマキリの別名であるランハナカマキリから。
- メンバーの中で唯一日本人っぽい名前であるため勘違いされがちだが、「ヒメノ」が名前で「ラン」が苗字である。
- 撮影時のブロンドヘアーは(当然ながら)ウィッグであり、演者の村上女史は茶髪。
- 第21話のギラと四大国の王との決闘において、ヒメノはピアノでギラと対決しているが、そのピアノの演奏は村上女史による吹き替え無しの生演奏。元々特技としてピアノを挙げていたので、制作陣がそのまま採用したと思われる。
- 役だけに留まらず、演者自身も才媛であり、理系の難関大学としても知られる東京理科大学を2023年3月に卒業している。
- また、芸能界デビュー前の高校時代に全国高等学校クイズ選手権に出場歴があり、2017年大会では福島県代表として全国大会に出場した経歴を持つらしく、今後はクイズ番組で頻繁に見る機会が増えるかもしれない。
検索の際の注意
平仮名で「ひめのらん」と検索すると同音のセクシー女優が混じってヒットするので注意。片仮名で検索すると検索避けが可能。
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マリー・アントワネット:イメージモデルになっている歴史上の人物。医者としてのモデルはこちらだろうか?
我儘の極意:ヒメノの生き様から連想する人も。変身者も似たような台詞を言っている。
鬼頭はるか←ヒメノ・ラン