「我はデーボス軍の首領・兜武神デーボス!この星の支配種、人間を全て排除する!!」 (第32話)
「時は満ちた……絶対種の人間を、一人残らず始末するッッ!!」 (第33話)
データ
身長/210cm(巨大化兜増殖時身長/52.5m)
体重/179kg(巨大化兜増殖時体重/447.5t)
集める感情/ブレイブ
成分/カブトムシ、武将、甲虫甲冑、ブレイブ、最終進化、など
配合/デーボスウォード、デーボストール、テンカブトアーマー
特記事項/蝶絶神を超越した、カブトムシの化身。
概要
『王様戦隊キングオージャー』の第二部から2年ほど前(つまり本編開始とほぼ同時期)に、ダグデド・ドゥジャルダンによって作られ、「キョウリュウジャーがいる地球」に送り込まれ、再興したデーボス軍を率いる新たなデーボス。
原典のデーボスとは、人格からして完全に別人であり、復活したデーボス等ではなく、あくまで「兜武神」と言う別の存在である。
普段は謎の植物で構成された、大樹型の日本城郭を思わせるシルエットを持った「デーボス城」にて、自身の完全復活の為に待機しており、直接的な侵略行為(正確には地球征服後に取り漏らしたブレイブの強奪・貯蓄)はセンキングに任せていた。ちなみにデーボス城は原典の氷結城と蝶絶神デーボスの関係性からして、兜武神へ進化した際の副産物である自身の以前の身体を拠点へ転用したのではと思われるが詳細不明(そもそも原典のデーボスと違って、最初から人類を滅ぼす目的で作られた兜武神が何故元々巨体だったのかが謎)。
顔や口元等は蝶絶神デーボスと酷似しているが、魔術師と緑色の蝶を組み合わせたデーボスの容姿とは異なり、銀色の装甲『テンカブトアーマー』で全身を覆った、カブトムシをモデルとした武神あるいは戦国武将の如き容貌をしているのが特徴。
一方、頭髪に見える触手や身体の各部へ配された無数の目に見える黄色い部位、胸部にある腕組みをした両脇の意匠、巨大化のスイッチに用いる首の『デーボストール』、モデルになった昆虫の羽を模した口元(カブトムシの前翅で模られた面頬と後翅の髭)等、蝶絶神と共通する部位も見受けられるが、デーボスがこれまで滅ぼした星の知的生命体の情報を取り込み、進化・最適化した姿である筈の蝶絶神と何故同じような姿をしているのかは不明。
そもそも一応デーボスという名前を語ってはいるが、『創造主デビウスに造られた星を滅ぼす戦闘生命体』だった原典のデーボスと違って、こちらはダグデド・ドゥジャルダンによって作られ送り込まれた存在なので、原典のデーボスと何か関係があるのかどうかも不明。
少なくとも、超増殖細胞を利用して巨大化していた原典のデーボスと違って、こちらは「兜増殖」と呼ばれる能力で巨大化しており、一見似ているようで持っている能力は異なる。
これについては兜武神は、ダグデドがデーボスを真似て作った、ただのよく似ているだけの全く別の生物という可能性もある。
性格
基本的には、原典のデーボス同様に自分自身以外の存在は敵味方問わず見下し、自身の目的を達する為の踏み台程度にしか考えていない傲慢で身勝手な本性を持つ。
一方で、デーボスと違ってキョウリュウジャーの持つブレイブと獣電竜の存在を、しっかり脅威として認めて評価しており、同時に人類の事も見下しつつも地球における絶対種としては認めている等、原典のデーボスより慢心は少なくて器も大きく、むしろ敵としてはより厄介な相手となっている。
また、純粋に生物を滅ぼす事を快楽として楽しんでいた原典のデーボスと違って、こちらは人間を滅ぼす事については自分の使命として成し遂げようとしている面が強い。
劇中では、配下のデーボ・センキングを産み出し、地球人達からブレイブを奪い取って無気力状態にするだけでなく、ガブティラ達等の主だった獣電竜を捕らえてキョウリュウジャーの力を封じる事で天敵の力を封殺。
こうして、粗方の抵抗勢力を弱体化させた上で時間を掛けて奪ったブレイブを取り込み、自己の復活と成長に専念する戦術で地球を瞬く間に征服した上に2年間も支配したという非常に優れた実績を持つ。
この事からも、自分の利益になるなら忍耐強く構えて待てる、合理的で辛抱強い性格であるらしく、その高い実績といい知略といい、原典のデーボスより遥かに首領や指揮官としての能力は優秀である。
戦闘能力
蝶絶神が所持していた、『デーボステッキ』の柄(シャフト)部分が、幅広の両刃に置き換わった様な黄金の大剣(刃先は黒)『デーボスウォード』を携えており、それを用いた豪快剣技『ビートルネード』で敵を薙ぎ払う。
また、自身のパワーを注いで強化されたゾーリ魔の軍勢を、無尽蔵に生成しての物量戦も侮れない。
困難に立ち向かう魂の力=ブレイブを糧にした影響か、強力な攻撃技を多数取り揃えていた原典の蝶絶神に対して、こちらは純粋な身体能力とパワーによる白兵戦に特化した戦闘力を得ている。
あるいは彼の前述した用心深い性格を考えても、将来的に獣電竜を奪還して復活したキョウリュウジャーを返り討ちで叩き潰す事も想定し、この方向性をあえて選択した可能性もあるかもしれない。
しかし、キョウリュウジャーの方には切り札である『地球のメロディを媒体に無限のブレイブを引き出す』手段があった事、更にそれを意図的に導く方法をキングオージャーの一人が実行する想定外が発生した結果、実質自分一人しかいないのも裏目に出て真っ向勝負で押し負ける事態に陥ってしまった。
活躍(第33話)
ブレイブを吸収しての勢いのまま、ビートルネードでプリンスやキングオージャー6人を直接攻撃するも、一気に取り込んだブレイブが身体と拒絶反応を起こしたので一時撤収。己が細胞に馴染ませる為にしばらくの休養期間を経たのだが、その間にアミィが獣電竜達の監禁場所を発見。
ゾーリ魔を差し向けて捕らえる事は出来たが、彼女の連絡で駆け付けたプリンスと、それを追って来たギラが現れた結果、キングキョウリュウレッドの一撃で獣電竜達の拘束は解かれてしまう。
「貴様らが新入りか。完全態として甦った我に、人間の力など通用せん!」
だが、それとほぼ同タイミングで休養期間を終え、地球を滅ぼす為に無数のゾーリ魔を造り出し一斉侵攻を開始。生身のキョウリュウジャーやキングオージャーが必死で応戦する中、プリンス達3人の前に姿を現し猛然と襲い掛かる。
しかし、その内に『地球のメロディ』の事を聞いたヒメノが、自らのピアノ(エレクトーン)演奏で人々に歌う事を促した事で、無限のブレイブがキョウリュウジャーに注ぎ込まれ、各々の獣電池が復活。更にギラの宇宙を跨いだテレパシーを受け取ったゴッドクワガタの促しによって、地球へ飛び立ったゴッドコーカサスカブトにシュゴッド達も搭乗して参戦し、キングオージャーも王鎧武装が可能に。
そして、キョウリュウチェンジと王鎧武装時に放たれた、エネルギーイメージをまともに浴びた兜武神デーボスは背後の岩をぶち抜きつつ弾き飛ばされてしまう。
飛ばされた先で、変身能力を取り戻した2大戦隊11人と正面激突。
「人間如きが…!一息に滅してくれるわぁ!!」と息巻いて無数のゾーリ魔を差し向けるも、無限のブレイブを受けたキョウリュウジャーとシュゴッドの加護で本調子になったキングオージャーの手で難無く殲滅され、キングキョウリュウレッドとキングクワガタオージャーの連携に翻弄された挙句必殺斬撃の同時攻撃で吹き飛び膝を付く。
そしてその隙に、11人より渾身のブレイブスラッシュとオージャフィニッシュをまともに浴びせられて敗北。
直後に、悪足掻きの兜増殖を行い巨大化するも、キングオージャーの呼び出したシュゴッドの攻撃で足止めを喰らい、その間でキングキョウリュウレッドが中心となってガブティラ・ステゴッチ・ドリケラを繰り出され3体より捕縛されたお礼参りと言わんばかりの波状攻撃も貰う。
更に2大戦隊はキョウリュウジンと守護神キングオージャーを繰り出し、それへデーボスウォードを振りかざして向かっていくも、二大巨神は大ジャンプでこれをかわし逆に大上段からの一撃で反撃。
最期は、二大巨神の放つ必殺剣をビートルネードの乱射で阻止しようとするも、斬撃の嵐を掻い潜った二大巨神にすれ違いざまで斬り捨てられ、「幾度滅びようと、我は不滅…ッ!!」という言葉を残しながら爆散・戦死した。
自身の学習不足を最期にようやく理解して、それを惨めに嘆きながら死んでいった蝶絶神よりは、潔い最期だったと言える。
余談
演じる江川氏は『ヨドンナ』のヘルン役以来のスーパー戦隊シリーズへの出演となる(TVシリーズに絞るとライモン・ガオルファング以来)。
ゲスト怪人とは言え、組織のリーダー格を演じるのは『魔法戦隊マジレンジャー』の凱力大将ブランケン以来となる。
また、カブトムシがモデルとなっている為か、ゴッドカブトとモチーフが被っている。正確には銀の武者鎧を身に着け黄金の剣を振るう事から、オオクワガタオージャーとライニオール・ハスティー(怪人態)を意識している物と考えられる。
関連タグ
暗黒種デーボス/蝶絶神デーボス:原典におけるデーボス軍の創造主。前述した通り開発者が違うので、同種なのかよく似ているだけで無関係の別種なのかは不明。