暗黒種デーボス
あんこくしゅでーぼす
身長:226cm(巨大化超増殖身長:70.6m)
体重:184kg(巨大化超増殖体重:575.0t)
配合:ショック触手、捕ショックジョーズ、ホロビレバースト
特記事項:カオスの右手にうごめいたのは…???
太古の昔より、幾多の星々を滅ぼしてきた邪悪な宇宙生命体。本作の敵組織・デーボス軍の創造主にして、彼等から神として崇められる存在である。
襲った星において最も栄えている種族の感情や様々な情報を吸収して進化し、最終的にはその種族を星諸共絶滅させる生物で、この事から「星の病」とも呼ばれる。
外見は、恐竜と芋虫やサナギを掛け合わせたキメラか怪獣の如き姿をしており、背中の部分は城のような構造物が並んでいる。その姿だけでかつて滅ぼした恐竜達の生き残りである獣電竜達を震え上がらせ、キョウリュウジャーを圧倒する程の存在感を持つ。
戦闘能力は当然ながら高く、頭部の触手で相手を拘束してエネルギーを流し込んだり、口からの強力な破壊光線で攻撃したり、加えて純粋にその巨体と圧倒的なパワーを活かして怪獣の如く暴れ回る。更に両腕の口で自身から生まれたデーボス軍の者を吸収して取り込む事もできる。
この姿は、今まで滅ぼした種族の情報を取り込んで進化して姿を変える能力により、異星の昆虫型生命体や地球の恐竜の情報を体内に取り込んだ姿で、つまりは対恐竜用に進化した姿であり、これもデーボスの数ある進化形態の一つに過ぎない。
因みに地球や昆虫型生物の星へ襲来する前は氷結城の姿をしており、デーボス軍の拠点である氷結城は精神を凍結されたデーボス自身の肉体、巨大な骸そのものである。メイン画像の姿でも中に乗り込む事は可能であり、劇中ではカオスが暴走するデーボスを内部から制御していた。
また、自身の細胞からその時に抱いた感情や意思に応じて部下を生み出す能力を持ち、デーボス軍のメンバーは大幹部の神官から末端の戦闘員に至るまで、全構成員がデーボスの細胞から生まれたデーボスの子供達である(正確な関係はクローンか分身に近いと言える)。
封印されている間も、部下が氷結城内の感情の柱に触れて意思を伝える事で、デーボスがその求めに応じて神官から戦騎、デーボモンスターまで様々な構成員を生み出す。ただし、戦騎以上を生み出す権限があるのは神官のカオスのみであり、部下を生み出すには一定のエネルギーや収集した感情を消費するので、特にデーボスが力を取り戻せていなかった序盤~中盤の頃は、戦騎以上の戦力をおいそれと作る事はできず、デーボモンスターも複数同時に生み出す事は難しいといった生産能力に制限があった。
その為に、カオスとしても主に自軍の戦力増強には、“大地の闇”の幽霊デーボモンスター達を再利用する事を目論んでいたが、終盤にデーボスの力が回復した事で生産能力が向上し、5人兄弟のデーボ・ヤナサンタや新たな戦騎を生み出す事に成功している。
また、体内ではデーボス細胞を復元できる後述の「復元水」を生成しており、この復元水を「スクスクジョイロ」で汲んでラッキューロに使わせている。
およそ1億年前、昆虫型生物の星を滅ぼした後に百面神官カオスと共に恐竜時代の地球に飛来し、当時の地球の支配種族である恐竜を滅ぼそうとし、それを阻止しようとした賢神トリンや彼が進化させた獣電竜達と戦った。
そして、獰猛の戦騎Dが集めた感情を使ってメイン画像の姿に進化し、対恐竜用に作ったデーボモンスター・ゼツメイツと共に恐竜を絶滅まで追い込んだが、黄金の地(後の劇中の日本)での最終決戦で、ブラギガスの「ギガント砲」によって貫かれて精神を凍結され、肉体は氷結城として封印された。
しかし、カオスを通じて部下達に人間の感情を集めさせ、1億年の時間をかけて力を取り戻す事で着々と復活へと近づいていく。これによって各時代で覚醒が近づいて力が活性化する度にカオス達が暗躍し、それを各時代のキョウリュウジャーや獣電竜やトリンが迎え撃ち、デーボス軍の活動とデーボス復活を阻止するという戦いが続いていた。
そして、1億年の時を経ていよいよデーボス復活の時が近づき、ブレイブ1で過去最大級に力が活性化した事でカオスがデーボス軍復活を宣言、それに対してこちらも遂に獣電戦隊として完成したキョウリュウジャーとの戦いが再び黄金の地で始まったのである。
その後、デーボス細胞破壊プログラムを実装したプレズオンの帰還に対抗すべく、カオスの計略によってこの時点で蓄積された喜怒哀の感情を消費し、更にデーボ・ウイルスンの能力で増殖させた大量の復元水を貯めたダムに、氷結城を沈める事でブレイブ22で強制的に復活させられる。
強制的な復活だったので精神が凍結されたままであり、復活早々上記の能力でウイルスンを吸収するような理性のない暴走状態ではあったが(実際にカオスもそうなる事は想定済みで、この段階のデーボスの事は半ば兵器のように扱っていた)、それでも力は圧倒的でパラサガンとザクトルを薙ぎ払ったり、ライデンキョウリュウジンを一撃で倒すなどキョウリュウジャーを半壊状態にまで追い込んだ。
しかし、それでも怯まない桐生ダイゴのブレイブを理解できず逆に怯んでしまい、ダイゴとの戦いを避けるように今度は目に止まった戦騎達に襲いかかったので、カオスがラッキューロに復元水を吸収する「シュクシュクボール」を使わせて等身大に縮小させ、無理矢理拘束する事で押さえ込んだ。
その後は、状態が安定するのを待って再び巨大化させてキョウリュウジャーを追い込むが、弥生ウルシェードのブレイブで復活したプレズオンが駆けつけ、誕生したバクレツキョウリュウジンによって倒された。
しかし、倒される間際にカオスの右手に精神を移し、肉体は一度滅びたものの精神が無事だったので、カオスが後に海中で密かにデーボスの肉体を氷結城として復元した。
ブレイブ41では、デーボ・ヤナサンタが集めた怒りの感情とデーボスの体内で発見された超増殖細胞を使い、生み出されたクローンデーボス複数体が世界各地に現れた。
外見や大きさはオリジナルのデーボスと全く同じだが自我は無く、やはりただ暴れ回るだけである。ただし、クローンではあるもののデーボスの力自体が強まった結果、能力はほぼそのままで当時のオリジナルのデーボスより強化されており、プレズオンに搭載されたデーボス細胞破壊プログラムの効き目も弱まって苦戦を強いられている。
また、トリン曰く「デーボスの本当の力は、滅ぼす対象の感情を完全に吸収する事で発揮される」らしく、あくまでも対恐竜特化のこの姿では、人類やキョウリュウジャーに対してはその真の実力は発揮しきれていない。
そしてブレイブ44では、黒マントの男と白マントの男が収集した悲しみ・喜びの感情を圧縮したレコードを、カオスが取り込んだ事で精神が完全に解凍され、翌話ではその精神が氷結城と完全に融合した事によって、遂に地球における人類滅亡用の最終形態への進化を果たした。
デーボス細胞
デーボスの身体を構成している万能細胞。
この細胞からデーボス軍の構成員達はおろか、彼等の専用の武器やアイテムといった無機物すら作り出せる。この細胞にはデーボスが様々な星で吸収した様々な生物の情報が蓄えられており、それ故にそのデーボスの細胞から生まれた者達は、外見も能力も非常に多種多様になる。
デーボス軍の構成員だけでなく、彼等が保有するあらゆる武器やアイテムも全てこのデーボス細胞製であり、他にもダイゴの秘石のペンダントの偽物や、デーボ・ヤナサンタが配るプレゼント等、地球上のあらゆるアイテムや道具まで再現でき、その汎用性は凄まじい。
ただし、生産能力はあくまでもデーボス自身の状態や蓄えた感情やエネルギーに依存している為、力が不足していたりデーボスの状態が悪い場合は生産能力は制限される。加えて、デーボス軍の構成員達の身体も当然ながらデーボス細胞で出来ているので、プレズオンのデーボス細胞破壊プログラムは彼等全員に対して特効である。また、デーボス細胞でできたものが完全に倒されたり壊された場合、そのまま細胞が溶けて消滅する。
因みにこの生産能力を持っているのは、あくまでオリジナルのデーボス自身の細胞だけで、デーボス軍の者達が身体に持つデーボス細胞にその力はない。
復元水
デーボスの体内=氷結城内部で湧き出している黄金の水。
この水を浴びせるとデーボス細胞の状態をその名の通り復元でき、デーボス軍の者達に浴びせると傷付いた身体が再生した上で巨大化する。これは巨体なデーボスの細胞から生まれた彼等は、活動しやすいように等身大サイズに縮小されて生成されるだけで、巨大な姿こそ本来の姿だからである。
この作用を利用し、復活後の獰猛の戦騎Dは大地の闇で得た新たな力で自壊しそうになる身体を、定期的に少量の復元水を飲んで再生する事で維持していた。他にも少量の復元水を塗る事で、破損したデーボス軍の構成員の武器を再生させたり強化するといった応用もできる。
本作の巨大化アイテムとして長らく使われていたが、下記の超増殖細胞の発見によって完全に用済みとされてしまった。
詳細はスクスクジョイロの記事項目も参照。
超増殖細胞
デーボスが過去に滅ぼした、細胞増殖力の高い生物がいた星で取り込んだと推測される細胞。その名の通り凄まじい代謝作用で細胞を増殖させる事ができる。
デーボスが復活により近づいた事で、ブレイブ41の手前で新たにその力が覚醒、デーボス自身の力の回復とこの細胞の発見によって、前述したデーボス細胞の生産能力は一気に向上する事となり、まずデーボ・ヤナサンタ達と彼等が配るプレゼントを量産化し、更にこの細胞と子供達から集めた怒りの感情を使ってクローンデーボスの量産にも成功している。
おまけにブレイブ44ではこの性質を応用・発展させ、組み込んだエンドルフら幹部達が任意で自在に巨大化と縮小ができる技術が確立され、デーボス自身も当然ながらこの細胞を使って自由に巨大化と縮小ができるようになった。クローンデーボスやヤナサンタの体内にもこの細胞が仕込まれていたが、ブレイブ41の段階ではまだ細胞だけでなく大量の感情のエネルギーも巨大化に必要としており、クローンデーボスやヤナサンタはこの技術を完成させる為の実験体でもあったと思われる。
一方で、この細胞の登場によって以降は前述した復元水は不要になった為、巨大化を担当していたラッキューロはカオスから解雇宣告を受けてしまった。また、この細胞が実装されていない初期幹部達は、この時点で既に切り捨てられていた(ドゴルドの場合は角に付けられた制御装置にこの細胞を仕込まれ、巨大化もエンドルフに制御される事になった)。
しかし、この細胞はあくまで埋め込まれた本人の任意で発動しなければならないので、復元水と違って本人が倒されると発動できないという弱点が存在する。その弱点を考慮せずに巨大化要員であるラッキューロと復元水を切り捨てた結果、進化したデーボスと超増殖細胞を取り込んだ幹部達は、誰一人巨大化によるリベンジ戦ができないまま退場するという本末転倒な事になった。
ラッキューロを過小評価し過ぎた事で、彼の能力や復元水の利点を見落としてしまったが故の結果だと言える。
デザインのモチーフは、オズの魔法使いの主人公・ドロシー一行の目的地である大魔法使いオズが住む「エメラルドの都」。その為、身体の各所にエメラルドの意匠がある他、全体的に背中の部分に構造物が並んで街のようになっている。
また、最終進化した姿が蝶なので、こちらは羽化する前の幼虫やサナギもモチーフになっている。
このような本作における最大の敵と言える恐ろしい存在でありながら、そのビジュアルはどことなく愛嬌があり、見方によってはちょっと不気味なゆるキャラなように見えなくもない。実際にファンからは「可愛い」と好評で、デザインしたK-SuKe氏はショックだったとの事。
しかし、公式完全読本に掲載されているデーボスのデザイン画では、デザインは本編と全く変わらないのだが、かなり不気味で悍ましい怪獣然としたビジュアルをしているので、どうやら着ぐるみ化した事で印象が丸くなってしまったようである。
因みに劇中でのダイゴ達のリアクションを見る限り、劇中世界の視点でのデーボスはこのデザイン画通りの姿になっている模様。
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