「我は将軍ダイゴーグ! 暴力の化身、荒ぶる死神! 死して尚、王の為、我が一撃で命を刈り取らん! 愛する者に感謝を捧げよ、未練があらば諦めよ、さあ…死ぬる覚悟はよいか!!!」 (第17話)
データ
体長 | 198cm(異常成虫時/215.9m) |
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重さ | 151kg(異常成虫時/1722.2t) |
分布 | シュゴッダム(朝、昼、夕、夜) |
好物 | シュゴッドソウル |
観察ポイント | はるか昔のバグナラクの王を決める戦いで命を落としたが、シュゴッダムの技術提供を受けて復活したようである。 |
CV | 高口公介 |
スーツアクター | 小森拓真、藤田洋平(第21~23話) |
概要
かつてバグナラクに仕えていた猛将軍で、太い角とずんぐりした体を持つ甲虫「ダイコクコガネ」のBNAを備えし「一撃将軍」。
今よりも昔、まだ地底世界がバグナラクに統一されず群雄割拠だった頃、デズナラク8世の下でその力を振るい地底世界統一に大いに貢献した。
その肉体はあらゆる攻撃を寄せ付けず、その一撃は千人もの兵を容易く葬る圧倒的な力からバグナラクの英雄と讃えられている。
その戦いにて戦争を止めようとするネフィラにトドメに刺されて死亡し、長い眠りについていたが、同盟を結んだラクレスから提供されたシュゴッダムの技術によって蘇生・覚醒を果たした。
外見
甲虫の脚でできた髭を蓄え、牙が見え隠れする大きく開いた口を持ち、胴部分の大きく膨らんだ甲虫の外殻の様な甲冑に身を包んだその姿は、まるでドワーフや鎧武者を思い起こさせる。また、身体の各部に桃色の花を模した意匠がある。
性格
カメジムとは対照的な堂々とした武人肌で、何かと仰々しく長ったらしい芝居がかった様な喋り方が特徴。
能力
武器としてつるはしの様な斧『破壊斧ダイコクラッシャー』を携えており、その斧を振る際の風圧だけで瞬時にトンボオージャーとスパイダークモノスが大きく吹っ飛ばされ、変身解除に追い込む破壊力を生む桁違いの膂力を誇り、「一撃将軍」の肩書に恥じぬ力の持ち主である。更に力を込める事で巨大なエネルギー円盤、より力を溜める事で地面を容易く引き裂く程の強力な斬撃を繰り出す昆虫最終奥義・大豪軍軍撃も駆使する、昆虫界のジャイアントキング。
更にレジェンドシュゴッドのシュゴッドソウルを糧に異常成虫を果たした事で、最大200m級の超サイズへと巨大化。そこへ極限まで力を溜めて繰り出す大豪軍軍撃の一撃で、シュゴッダムを国土丸ごと吹き飛ばし壊滅させる方法で奈落に落とそうとした。
その桁違いのパワーにより、より多くの相手を一撃で薙ぎ払う正に一騎当千の無双戦を得意とする一方、逆に一撃を乗り越えられた上で白兵戦を仕掛けられると防戦気味になってしまう様で、一点を極めたが故の戦闘能力の歪さも垣間見える。
更に力を溜めれば溜めるだけ放たれる一撃の威力が上がるが、国一つを吹き飛ばす威力まで溜める際は思考や判断能力等も力に変換させてしまうらしく、その反動で知能が著しく低下。同等サイズの敵へは闇雲に武器を振り回すだけな木偶同然の動きしか取れなくなる。
その、生きた戦略兵器とも評せるレベルの異常な攻撃力を始めとした実力と強大さから、ゲロウジームから彼が蘇る事を聞かされたジェラミーは動揺を隠せず(同時にかつて母ネフィラが倒した相手でもある為)、「最悪」と称される程強い警戒心を持たれている。
各話の動向
第17・18話
ラクレスとの和平条約を結び、シュゴッダムの不可侵を約束した事で、提供されたシュゴッダムの技術によって復活。
有り余る力を現代のチキューに知らしめるべく、ラクレスに対して特に不信感を抱くヤンマが統治するンコソパへと赴き、ゲンジボダルジーム撃破したヤンマ/トンボオージャーらキングオージャーの前に朝日をバックに、瓦礫を吹き飛ばしながら出現。
トンボとスパイダーの放った銃撃を物ともせず、ダイコクラッシャーから繰り出す一撃で変身解除に追い込む強大な力を見せつけ、ボロボロになっても忠誠を誓う事を拒み続けるヤンマに対してラクレスの指示で一撃を見舞うが、咄嗟に助けようと飛び出したギラが参上。
一度は命を奪った筈の弟が現れた事にラクレスはオオクワガタオージャーへと王鎧武装、「自身の手で息の根を止める」とダイゴーグを制止してまで、ギラを今度こそ亡き者しようと戦闘に入った。
これにダイゴーグは「我の首、我の誉、渡さぬわぁ!」と激怒。ダイコクラッシャーを振りかざしてオオクワガタオージャーに襲い掛かるが、取り出したオージャクラウンでキングオオクワガタオージャーへとパワーアップしたオオクワガタオージャーの力を見定めるや、矛を収めた。
第19話
ラクレス敗退の隙を突き、(共存という名目の元)シュゴッダムを制圧、支配下に置いたバグナラクから奪還する為に新たな同盟を結んだ・『五王国異様事案対策用戦略救命部隊』こと王様戦隊キングオージャーと交戦。
自身はギラ/クワガタオージャーと戦いになり、その強固な鎧で攻撃を受け付けず、エネルギー円盤を放って相手を圧倒するも、パワーアップしたキングクワガタオージャーのオージャフィニッシュを叩き込まれて形勢逆転。
すると、カメジムの進言でダイヤモンドダンジームに後の戦いを任せて撤退した。
第21・22話
単身シュゴッダムを襲撃し、ラクレスに代わり新たなる王となったギラと交戦。
遅れてやってきた残りの王様戦隊の面々も加わり、6対1でありながらほぼ互角に渡り合っていたが、ここでダイゴーグはあるものを取り出した。
それは予めシュゴッドハンターから得ていた三大守護神とゴッドタランチュラのシュゴッドソウルであり、ダイゴーグはこれを食らい異常成虫を果たしたのだ。
(これにより今までの怪ジーム達は、シュゴッドソウルを食べる事で巨大化していたということになる。)
そうしてダイゴーグは巨大化するが、三大守護神+レジェンドシュゴッドのソウルを食らった事もありキングオージャーでさえも見上げる程の超巨大な巨躯を得てしまった。
これに対し王様戦隊はエクストリームキングオージャーで迎え討とうとするも、合体の要である三大守護神とゴッドタランチュラが動けない状態の為基本形態のまま戦わざるを得なくなる。
加えて「シュゴッドソウルを食らう敵」が現れた事もありゴッドクワガタ以外の全シュゴッド達が恐怖に震えて行動不能と言う事態に陥ってしまった。
そして「愛する者に感謝を捧げよ…!未練があらば諦めよ…!!」と、初期の台詞を言いながら、ダイコクラッシャーを前に向けた後、「死ぬる覚悟はよいかあぁぁぁ!!!」と叫びながらダイコクラッシャーを振り降ろして大豪軍軍撃を放つが、三大守護神とレジェンドシュゴッドソウルの力を得た事もあってか、その一撃の威力がもはや今までの比等ではなく、シュゴッダム近辺の地区や山々が一瞬にして焦土と化した(しかも焦土の範囲を見るに、仮にシュゴッダムに直撃したらまず確実にシュゴッダムは滅亡していた。)。
「足掻けど空し。逃げるも無駄よ。一撃将軍ダイゴーグ、地の果てまでも薙ぎ払わん…!!」
その後は更に巨大化、今度こそシュゴッダムを更地に変えるべく、力を溜める為に休眠状態に入った。
(因みに王様戦隊やシュゴッド達はギリギリのところで一撃を回避しており、住民達もスパイダークモノスのお陰で避難できていた為に犠牲者は少なかった)
一撃将軍、城を模した守護神の一撃の前に墜つ。(第23話)
「サァァ…! 死ヌル覚悟ハヨイガアァァッ!!!」
ギラ 「貴様がなぁっっ!!!」
翌朝遂に力を蓄え切って再起動。シュゴッダムを滅ぼすべく極限の一撃を放たんとする。
だがそこに現れたのは、シュゴッダム国民らが総出の協力で突貫修復し、ギラ/キングクワガタオージャーの操作で2000年ぶりに起動を果たしたコーカサスカブト城。そしてそれが変形したキングコーカサスカブトが真っ向から立ち塞がる。
立ち向かって来る黒鉄の巨体に対し、力を極限まで蓄えた反動で自意識が半ば朦朧状態ながら、シュゴッダム同様一撃で粉砕すべくダイコクラッシャーを振り下ろす…
ギラ 「何というパワー…。……ふん、なーっはっはっ! 貴様など相手にはならんわ!なーっはっは!!」
…が、その一撃は相手の右腕に喰い込まされる方法で止められ、逆にカウンターの左フックで殴り倒される羽目に。おまけに貫いた右腕のダメージも自己修復により無効化されてしまった。
そして立ち上がった所を、相手が呼び出したガーディアンヘラクレスにより拘束され、それが変形したヘラクレスアックスより放たれた『キングコーカサスカブトフィニッシュ』の一撃により逆に真っ二つに両断され、「グワアァァァァ!!」と悲鳴をあげながら、辞世の句すら読む暇無く爆散・戦死。更に両断された瞬間に、体内のレジェンドシュゴッド達のソウルもジェラミーに回収されたのであった。
かくしてバグナラクの英雄は、自らの異名を倍にして返される形で敗北したのである。
そしてこれを持って王としての在り方を民に示し、改めて皆に認められたギラは万雷の喝采と祝福の中即位式を行い、名実共にシュゴッダムの新たな王となったのだった。
第41話
ダグデドが作り出したコピー体として異常成虫化を果たし状態で登場。
余談
- CVの高口は戦隊シリーズでは天装戦隊ゴセイジャーのビッグフットの筋グゴン以来で、特撮全体では仮面ライダーゴーストの槍眼魔以来での出演となる。
- メインアクターの小森は数々の仮面ライダーを演じたライダー常連で、今回が初の戦隊怪人役となる。
- モチーフは大型の糞虫で知られるダイコクコガネ。ちなみに第3話と第10話に登場した怪ジームも糞虫がモチーフとなっている。
- 顔のデザインは『ニンジャスレイヤー』のラオモト・カンがイメージされている。ちなみにこの後、漫画版ニンジャスレイヤーのデザイナーが手掛けた(それも初期案ではその作品のキャラみたいな)敵幹部が登場する。
- 図らずともほんの数話程度で退場する事になったとはいえ、ラクレスの力添えで蘇生を遂げての初登場から、新たな王になったギラの手で打倒された末路より、皮肉にもハスティー兄弟に生殺与奪を握られていたとも言える生涯と相成った。一方のハスティー兄弟も、ダイゴーグの登場を境に対立関係の推移と互いの立場の逆転が劇的に進んだ為、彼の参戦は重要なターニングポイントとなった。
- 因みにデズナラクをたった一人で圧倒していたスパイダークモノスを吹き飛ばす戦闘力を持つダイゴーグが、何故デズナラクを慕っていたかは不明。(第26話ではデズナラクが、小さなシュゴッドを護る優しさを持っていると判明したことから、視聴者の中では「デズナラクを慕うくらいの恩義を感じているからでは?」と推測する者達もいる。)
- ダイゴーグは新幹部でありながら本編初の退場者である上、デズナラク8世は最期にキングオージャーと和解しており、カメジムはそもそもバグナラク人ではなかったので、バグナラクでは(怪ジーム等を除けば)唯一、『人類の敵』のまま退場した幹部でもある。それ故に、第49話で、彼が再登場しなかった事を惜しむ者もいる。