ニンジャが出て殺す!!
概要
ブラッドレー・ボンド&フィリップ・ニンジャ・モーゼズのコンビが世に送り出しているサイバーパンクニンジャ小説。
現在、日本語訳版がTwitter上で連載中。'24年5月時点で物理書籍版第21巻(第3部第9巻)まで刊行中。
主人公であるニンジャとしての「ニンジャスレイヤー」については彼の本名である「フジキド・ケンジ」項にて。
ここでは作品としての「ニンジャスレイヤー」について記述する。
書籍版第一巻公式PV
ストーリー
世界全土を電子ネットワークが覆いつくし、サイバネティック技術が普遍化した未来。
宇宙殖民など稚気じみた夢。
人々は灰色のメガロシティに棲み、夜な夜なサイバースペースへ逃避する。
政府よりも力を持つメガコーポ群が、国家を背後から操作する。
ここはネオサイタマ。鎖国体制を敷く日本の中心地だ。
(「メリークリスマス・ネオサイタマ」より)
ネオサイタマに暮らす平凡なサラリマンだったフジキド・ケンジは、ある日突如として妻子をニンジャに殺され、自身もまた死に瀕していた。だが彼の心身に謎のニンジャソウルが宿ることで、彼は一命を取り留め、そしてニンジャとなる。
復讐を誓うフジキドはニンジャスレイヤー(ニンジャを殺す者)として、血塗られた戦いに身を投じていく。
第一部 ネオサイタマ炎上
ニンジャ組織の抗争に巻き込まれ妻子を殺されたフジキド・ケンジは謎の存在ナラク・ニンジャのソウルをその身に宿しニンジャスレイヤーとなって復活。ネオサイタの闇を支配する暗黒組織ソウカイヤを滅ぼすために、ニンジャスレイヤーの過酷な戦いが始まった!
第二部 キョート殺伐都市
ソウカイヤとの戦いにケリを付けたフジキド・ケンジであったが、これを好機と見た西の強豪組織ザイバツ・シャドーギルドがネオサイタマを強襲。ザイバツが仇の片割れであることを知ったニンジャスレイヤーは、敵の本拠地キョート・リパブリックに乗り込む!
第三部 不滅のニンジャソウル
妻子の仇討ちを遂げたニンジャスレイヤーに安息の時は無かった。暗黒管理社会を実現せんとするニンジャ組織アマクダリ・セクトの暗躍によって、ネオサイタマはじわじわと蝕まれていたのだ。絶望のデイストピアを打ち壊すべく、フジキド・ケンジの最後の戦いが始まる!
第四部 改め 続編 エイジ・オブ・マッポーカリプス
世界を征服せんとしたアマクダリ・セクトはニンジャスレイヤーに滅ぼされた。しかし、それは新たなる混沌の世紀、マッポーカリプスの到来を意味していた。かつて人類を支配していた邪悪なるリアルニンジャ達が遂に目覚めたのである。国家も秩序も消滅した世紀末の世界に、新たなるニンジャスレイヤーが出現!世界を股にかけた戦いの火蓋が切られた!
作品紹介
個性的で魅力的な登場人物たちが織り成す人間模様や壮絶な闘い、王道的ながら巧妙なストーリー展開など内容は濃密かつよく整っており、80年代の海外製ニンジャムービー要素、神話要素、レトロフューチャー的要素、西洋ファンタジー作品や古典的SF作品のパロディも織り込まれている。
ニンジャという要素を抜きにしても、サイバーパンク小説として完成度の高い作品である。
……のだが、いかんせん作中の日本描写がどうにも不思議なことになっている上、原作における描写と翻訳の妙によって奇天烈な日本語(通称:忍殺語)が頻出するため、極めて独特な世界となっている。
しかし、古来だけでなく現代の日本を良く観察していなければ出てこない描写や言い回しが決して少なくないし、世界的に知名度のある日本産のポップカルチャーや従来まかり通っていた間違った日本観、日本人すらもよくわかっていない日本の因習などを極端に戯画化することで、パロディや風刺にして組み込んでいる。
要は「何も知らない奴がステレオタイプを元に作品を作っている」のではなく「知った上でステレオタイプを元に作品を作っている」というほうが正しい
謂わば、おかしな日本描写や言葉はガジェットであり、それら一つ一つが組み合わさって、独特すぎる世界観を巧みに構築しているのである。
また小説という形式でありながら、Twitterという媒体を使うことでアニメのように『大勢の人間が同時に同じものを見ている』という状態が生まれており、『ニンジャヘッズ』と呼ばれるファン達が話の流れを追いながらハッシュタグで実況を行い盛り上がっている。
さらに『ザ・インタビューズ』やYouTubeなど他のwebサービスと連動する、複数の連載アカウントを利用してひとつの場面を多視点から同時に語る、話を進行させつつ作中人物が読者とリプライで会話する、Twitterのトレンドを作中に取り入れるなど、webやtwitterの性質を最大限に利用した極めて先鋭的・革新的な試みを次々と行い、従来の小説やweb小説とはまったく異なった実際新しい体験を生み出している。
主人公の復讐劇が主軸とはなっているが各エピソード毎の独立性が高いのも特徴で、基本的にどのエピソードから読み始めても支障は無い(ただし第二部・第三部の後半と第四部全体は連続性の高いエピソードが続く)。
その方向性もバイオレンスアクションからハードボイルド・サスペンス・バイオホラー・西部劇・青春ジュブナイル・学園ガールミーツガール・グルメバトル・野球回・シュールギャグetc…と多岐に渡り、舞台や視点人物を変えて語られるジャンルの引き出しの多彩さも作品の魅力である。
連載について
日本では、Twitter上で謎に包まれた「ほんやくチーム」の手によって私家翻訳版が連載されている。下記外部リンク参照。
この手のweb連載作品は、他のメディアで展開されるとweb版が消されてしまう傾向にあるが、この作品に限り、ほんやくチームは「今後どのような展開があろうとweb連載版は絶対に消さない」と明言している。あまりしつこく聞くとエルフのせんしがひかる。いいね?
エピソード連載はカットアップ方式で、時系列がランダムにばらけているのが特徴。
この形式は「蛮人コナン」などをリスペクトしたものと明言されており、ほんやくチームによれば『水戸黄門やキャプテンアメリカを第1話から観ている人は少ない』(だから途中から見ても大丈夫)とのこと。
更新の合間に登場人物紹介「ニンジャ名鑑」がツイートされる事がある。
これはすでに登場したニンジャだけでなく、未登場のニンジャも紹介されるため、「名鑑の紹介では弱そうだったが実際に登場したらとても格好良かった」といったケースもままある。
現在は第1部「ネオサイタマ炎上」・第2部「キョート殺伐都市」・第3部「不滅のニンジャソウル」が完結(ただし未翻訳の短編はあり、稀に更新されたり、物理書籍版に収録されたりする)。
第4部「エイジ・オブ・マッポーカリプス」以降は事情が大きく変わり、メインシナリオはTwitterで時系列順に連載され、サブシナリオはNOTEで完全有料式に変化。
途中からは「ニンジャスレイヤーAoM」と略される等、次世代続編じみた扱いに変わり、2022年以降は各シーズンが終了するごとに不定期休載を間に挟むようになった。
作中のニンジャについて
ニンジャとは
主に古代~平安時代にカラテによって歴史を裏で牛耳った半神的異能力戦士のことである。
過酷な自己鍛錬と精神修行というプロセスを経ることで、最終的に己の体内で「ニンジャソウル」が発生し、超常の力を持つに至った者が「ニンジャ」なのである。
ニンジャ達ははるか昔に凄惨なニンジャ大戦を引き起こした挙句、謎の儀式「ハラキリ・リチュアル」を行って歴史から姿を消したのだが、近代になって彼らのニンジャソウルが世界に解き放たれてしまった。
現世に出現したニンジャソウルは一部の例外を除き無作為に人間に憑依していき、憑依された人間は本来なら必要である修行のプロセスをすっ飛ばしてニンジャになってしまった。
作中に登場するのは、ほとんどがこのニンジャソウルに憑依されることで成ったニンジャ達である。
ニンジャ化した者は体細胞が一般的な人間のそれからニンジャ特有の構造に置き換わることで、筋力や感覚機能を始めとする身体能力が、まさしく超人と呼ぶべきレベルまで引き上げられる。特に強力なニンジャソウルを宿す憑依者は老化が著しく遅延したり、固有の特殊能力『ユニーク・ジツ』を行使できるようになる。
現代のニンジャの多くは、普通の人間にニンジャソウルが憑依することでニンジャ化した者達だが、バイオ技術によって生まれた異形のバイオ・ニンジャ、死体にニンジャソウルを憑依させて作られたズンビー・ニンジャ、ごく稀だが自己鍛錬と精神修行という古代と同じ方法に則りニンジャと化したリアルニンジャと呼ばれる者もいる。
なお、ニンジャとなったものは生殖能力が例外なく失われてしまう。生殖行為そのものは可能だが子を成すことは絶対にできない。それ故、彼らは世代を媒介するものとして、生殖行為により遺伝子を継ぐのではなくインストラクションを通じてミーム(模倣子)を継ぐことを重要視する。これは本作を理解するうえで重要な要素である。
様々な色・材質・形状のニンジャ装束にメンポ(面頬)を装着した姿が基本だが、西洋の騎士や西部劇のガンマン風の姿をしている者、光学迷彩やジェットパック等のハイテク機器を装備している者、ガトリングガン等の銃火器を装備している者、身体をサイバネ改造し、その一部ないしは大半をサイボーグ化した者など、その容姿は日本人が想像するいわゆる一般的な『忍者』とは違い自由に描かれている。
アメコミに登場する超人やヴィラン達を想像すればわかりやすいかもしれない。
ニンジャは死亡すると、多くの場合その身体を爆発四散させてしまう。
これは憑依しているニンジャソウルがエネルギーの供給先を失って暴走してしまうためと考えられている。
ただし、病死や衰弱死などの場合では爆発四散しないこともあるほか、ソウルが体外へ放出されて爆発四散せずに死亡するケースも確認されている。
ニンジャの多くはその強大な力に溺れて良心等の人間性を喪失し、自らの欲望の赴くままに悪行を働く邪悪な存在になってしまう。
しかし、自分を見失わずに必死に正しい生き方をしようとするニンジャも少ないながらも存在し、中にはフジキドの協力者となるニンジャもいる。
ニンジャリアリティショック(NRS)
歴史を影から操ってきたニンジャ達だったが、その存在は歴史上から周到に隠蔽・改竄されており現代の歴史では表向き完全に空想の産物という扱いを受けている。
そのため普通の一般人が初めてニンジャ存在と遭遇したり、ニンジャ真実に接触したりすると価値観や常識、精神的支柱の急激な崩壊、DNAに刻まれたニンジャへの根源的恐怖によって急性ニンジャリアリティショックと呼ばれる精神錯乱を引き起こしてしまう。
大抵の場合、「アイエエエ!?ニンジャ!?ニンジャナンデ!?」と錯乱しながら嘔吐や失禁、失神して記憶の一部を喪失したりするが、運が悪いと心停止したりするケースも存在する。
ただし、非ニンジャの一般人でも強靭な精神力を持っていたり先入観に囚われていない人間や想像力に乏しい人間、初めからニンジャ存在について察知していたりする人間はNRSを引き起こさないこともある。
ノーカラテ・ノーニンジャ
作中におけるニンジャ同士の戦闘における基本概念。
ニンジャの基本は物理攻撃の戦闘術であるカラテであり、それを怠ってはどんなに強力なユニーク・ジツも意味が無いということ。
原作者のボンド氏曰く、「この物語の根底にある戦闘哲学」。
そのため強力なニンジャソウルとジツを持つニンジャが、格下のソウル憑依者でジツを持たないがカラテの技量に優れるニンジャに手も足も出せずに叩きのめされるというシーンも多く見られる。
これによって、現実離れしたジツを持つニンジャの戦闘も緊張感あふれるカラテ・アクションから離れることなく描くことができ、同時にデスドレインのような例外的なジツ特化型ニンジャの戦闘を逆説的に輝かせてもいる。
人間、役立つ応用(≒ジツ)を身に着けると、得てして急成長したと錯覚しがちだが、単にそれだけでは基本(≒カラテ)がしっかりした者にはどうしても及ばない、というのはリアリティがある。
同時に、戦闘能力の安易なインフレを防ぐ効果も高い。逆にカラテの威力や設定面はインフレしているような描写もあるにはあるが。
登場キャラクター
【3部までのニンジャ】
【非ニンジャ】
フジキドの協力者 | ナンシー・リー デッドムーン ユンコ・スズキ |
---|---|
マスラダの協力者 | タキ/コトブキ |
一般人 | アサリ シガキ・サイゼン シキベ・タカコ ヨモギ エトコ |
アマクダリ・セクト | ラオモト・チバ |
イッキ・ウチコワシ | バスター・テツオ |
INW(イモータル・ニンジャ・ワークショップ) | リー・アラキ(リー先生) |
アイドルヤッター! | ネコネコカワイイ |
アイエエエ!?テング!? | ヤクザ天狗 |
ザッケンナコラー! | クローンヤクザ |
マグロナンデ!? | 知性マグロ |
ザ・ヴァーティゴ=サンの愉快な(?)仲間達 | キツネ・ウエスギ卿 ミーミー |
【4部以降のニンジャ】
主人公(ニンジャスレイヤー) | マスラダ・カイ |
---|---|
マスラダの協力者(ニンジャ) | シルバーキー ディテクティヴ フィルギア |
宿敵 | サツガイ |
サンズ・オブ・ケオス | ブラスハート アモクウェイブ エゾテリスム ジェイドマムシ デシケイター メイレイン |
過冬(カトー) | シンウインター カークィウス オーガフィスト カシマール キンジャール サイグナス サキュバス ザルニーツァ スノーマン |
ネザーキョウ | アケチ・ニンジャ 邪竜オオカゲ アケチ・ジョウゴ インヴェイン クセツ クワドリガ ザンマ・ニンジャ ヘヴンリイ リディーマー |
ダークカラテエンパイア | セト ティアマト コンヴァ―ジ サロウ アヴァリス ブラックティアーズ ベルゼブブ マークスリー メイヘム |
ソウカイ・シンジケート | ラオモト・チバ ネヴァーモア テンプテイション ガーランド ヴァニティ カバレット シガーカッター ホローポイント インシネレイト ブルハウンド |
ザイバツ・シャドーギルド | ダークニンジャ ニーズヘグ パープルタコ ネクサス パーガトリー ヘラルド(後にヌケニン) |
オムラ・エンパイア | メガオーダー ショーグネイター |
ヨロシサン・インターナショナル | サブジュゲイター |
カタナ・オブ・リバプール | エリザベート・バサラ ライオンハート マークスリー ケイトー・ニンジャ |
ボロブドゥール帝国 | シャン・ロア コンヴァ―ジ |
ネオワラキア | レッドドラゴン カシウス ツインテイルズ オー・オー |
コブラ秘密教団 | アイアンコブラ メイヘム |
所属不明 | ケイトー・ニンジャ シナリイ |
作者
ブラッドレー・ボンド
1968年生まれ。ニューヨーク在住。90年代にインターネット上で相方のモーゼズと知り合い、共作でニンジャスレイヤーを執筆した。言語学・歴史・伝統文化への造詣が深く、ニンジャ神話と北欧神話の類似点をいち早く指摘した人物。
日本に甥が住んでおり、現代日本の流行最前線を伝える資料を送ってもらっているらしい。
一応「原作者コンビのまともな方」ではあるが、殺人野球対決などブッ飛んだエピソードなども手掛けており、そのアイディア力にヘッズのみならず相方のモーゼズすらドン引きする事も。
フィリップ・ニンジャ・モーゼズ
1969年生まれ。ロス近郊在住。ニンジャの脅威に警鐘を鳴らしつつ、ボンドと共に作品を執筆。コンピュータ工学を専攻していたため、サイバーパンク的なガジェットの考証も担当している。アップルパイが好物で、何故かメキシコと日本が地理的に近いと思っているフシがある。
普段から「ニンジャセッション」に勤しんでいたり、インタビューで窓から登場してインタビュアーにカラテを仕掛けるなど「原作者コンビのクレイジーな方」としても有名。
ほんやくチーム
海外小説である『ニンジャスレイヤー』の日本における全ての権利を取得し、私家翻訳版をTwitter上で連載しているニンジャめいて隠密的ななぞの組織。
ニンジャスレイヤー本編以外にも時折、珍妙なヨタ話やブーブス・バンド等の即興小説を発表する他、「ほんやくチーム語」と呼ばれるひらがなや「なんか」を多用する独特の言い回しを使い、低姿勢だったのが唐突に威圧的になったり、突然意識を宇宙に飛ばしてヘッズを煙に巻こうとしたり、質問や疑問に丁寧に対応していたかと思えばいきなり逆ギレめいて説教を始めたりするなど、ヘッズのニューロンや腹筋に度々ダメージを与えてくる(彼らの言からすると、彼らは「アナウンス言語」なる言語体系に長けていない故にこのような言葉遣いになるようだ)。
世界の何処かにある秘密の電子ようさい『ほんやくアジト』から世界中にニンジャ・アトモスフィアを届けるべく、日夜命を懸けてニンジャ・コンテンツーを発信している。
翻訳やタイプをミスをすると指をケジメされたりマンゴー研修に送られたりする体制が採られているようで、ザ・ヴァーティゴ曰くヘッズをも「暗黒独裁体制」で支配しているらしい。
二次創作について
なお、現在全権利を取得しているほんやくチームによって二次創作活動が公式で許可されている。
詳しくは有志によるまとめ『ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」』を参照してほしいが、とりあえず常識的な範囲を逸脱した引用・転載行為(翻訳文をそのまま転載して出版するなど)が無ければ
少なくともpixiv上での創作活動や、イベントでの頒布などは問題なく可能である。
ただし商業作品の場合は事前許可必須。
さらに、今後原作がどのように展開していっても、基本的にこのスタンスを変えるつもりはない、とも明言されている。これなら近所のボブも安心。
また、二次創作物や後述のメディアミックス作品などに関しては公式で多様性の重点を明言しているが、この「多様性」は「全ての作品を等しく認めろ」という押し付けではなく「様々な作品を好みに合わせて各ヘッズが自由に選んでよい」という意味合いである事も言及されている。
書籍版について
2012年春頃に、物理書籍版がエンターブレイン社から発売されることが発表された。
そして第1部「ネオサイタマ炎上」編が2013年3月末に発売された第4巻を以って完結。
2013年6月からは引き続き第2部「キョート殺伐都市」編の単行本が刊行され、2014年1月に発売された第2部第8巻で完結した。
第3部「不滅のニンジャソウル」編の単行本は2019年に第9巻で完結した。
また一部のエピソードはオーディオドラマ化されており、CD付きの特装版として販売されている。
また、スピンオフ小説「スズメバチの黄色」も発売されている。こちらはニンジャスレイヤーが登場しない異色の作品であり、一般人の視点からネオサイタマ社会に切り込むハードボイルドな内容となっている。
表紙・挿絵は漫画家で元pixivユーザーでもあるわらいなく氏が担当。
連載時の意図を反映し、各エピソードの時系列はランダムにカットアップされて収録されている。
また、初翻訳の書き下ろし新エピソードも収録される。これに関してはwebで公開されず、 物理書籍限定のコンテンツである。
ちなみにわらいなく氏&翻訳チーム曰く、
『書籍版イラストはあくまでも読者のイメージの補完や手助けをするための一例であって、今まで通り読者各人がそれぞれ好きなようにキャラや情景をイメージして自由に二次創作やファンアートを描いて欲しい。
今までイメージを掴み辛くてファンアートに躊躇していた人がいれば、書籍版イラストがそのきっかけや参考になれば幸いである』とのこと。(2012/05/22での告知を要約)
前述した通りweb版と併存する形で販売されているが、書籍版は全面的に改稿されており、特に戦闘描写についてはより詳細になっている。このことでフジキドが苦戦する描写が良く挟まれることから、物理書籍版は「ハードモード」とも呼ばれる。
AOMの書籍化は行わない予定のため、今現在のメディアミックスはコミカライズのみである。
メディアミックス
コミカライズ
物理書籍版の好調な売り上げやニンジャ・ヘッズ達の狂信めいた布教活動に後押しされたのか、ついに「アクメツ」「真マジンガーZERO」の作者で知られる余湖裕輝=サンと田畑由秋=サンの名コンビによってコミカライズが決定した。
これだけでもヘッズ達に失禁&急性NRSを発症させたのだが、連載場所がいわゆるカワイイ重点な雑誌である「コンプティーク」と「コンプエース」に決まったことが更に拍車を掛けた。(二誌で連載されるエピソードは同一)
さらに、コンプエース2016年4月号よりニ誌で異なるエピソードが同時並行連載されることになった。
第一部ネオサイタマ炎上編の完結を持ってコンプティーク・コンプエースでの連載は終了したが、掲載の場を秋田書店の赤い実験場ことチャンピオンREDに移動し、第二部キョート殺伐都市編がスタートした。
また、2013年7月、突如pixivコミック上にてさおとめあげは=サンの手で耽美系にアレンジされたグッドルッキングガイズ重点コミカライズ版『ニンジャスレイヤー グラマラス・キラーズ』がスタート。
目の前で行われる公式のやりたい放題に放心状態となった多数のニンジャヘッズのニューロンに多大な損傷を与えた。
本編や田畑&余湖版コミカライズが第三者視点で描かれてるのに対してこちらはよりキャラの主観や心情を掘り下げる作風で描かれており、読み比べるのも一興である。
加えて、2014年1月22日よりwebサイト「水曜日のシリウス」にて、関根光太郎=サンによる『ニンジャスレイヤー殺(キルズ)』の連載が開始された。翻訳チームにアンナウンスンーによれば『孤独な特撮ヒーローじみたアトモスフィアを放つ少年漫画行為な』とのこと。
恐ろしいことに、これらの連載コミックはすべてweb上にて無料閲覧が可能であるのみならず、本編同様のTwitter連載が行われている。
さらに2018年にはアメコミ系出版社G-NOVELSより久正人=サンによる第3部コミカライズが刊行される予定であったが、こちらは諸事情で延期している模様。
『ニンジャスレイヤーフロムアニメイシヨン』
2014年4月2日、ニンジャスレイヤーのアニメ化がほんやくチームにより発表され、2015年4月16日よりニコニコ動画を皮切りに全世界で一斉配信された。
折しも発表の前日はエイプリルフールであり、ほんやくチームも公式アカウントでセルフパロディ『忍者スレイヤー』をやらかしていたこともあって、さすがのヘッズ達からも「…エイプリルフールは昨日だぞ?」「あっちは時差でまだ4月1日なのか?」との反応をされてしまった。だが事実である。
メインテーマはBOOM BOOM SATELLITESの「BACK IN BLACK」。
製作はキルラキルの制作で名高い暗黒メガコーポTRIGGERが担当。
メインキャストはオーディオドラマ版から続投。
アニメ版公式トレーラー第一弾
肝心の内容であるが、ストーリー進行はまさかのインフェルノコップ方式であり、ニュービーから歴戦のヴェテランまでの全ヘッズ達を驚愕(あるいは愕然)させた。
とはいえストーリーの内容やセリフ回しはおおよそ原作に忠実で、時折挿入されるアクションシーンはTRIGGERならではのダイナミックさを見せてくれる。ストーリー展開も独特で、一話につき15分未満(OPとEDを含む)というショートアニメながら、原作の各ストーリーにおいて印象的な部分をピックアップするというダイジェストとはまたひと味違うやり方を取っている。
このアニメーション展開はヘッズの間でも賛否両論にきっぱりと分かれるが、静と動のギャップが大いに受けたからなのか中毒者になるヘッズも少なからずいるようである。重篤ヘッズからは「シヨン」と略され親しまれている。是非はともかく、これは紛う事なきニンジャスレイヤーの一つである。ちなみに、ほんやくチームには「リアルなデザインであまり動かないニンジャスレイヤー」と「独自のデザインでとても動く(TRIGGERの)ニンジャスレイヤー」のどちらがいいかと問われ原作者たちは即答で後者を選んだとのこと。
『ニンジャスレイヤープラス』
文章配信WEBサイトnoteにて2016年から公開されている有料コンテンツ。
第4部「エイジ・オブ・マッポーカリプス」編のスタートと共に公開が始まっており、ツイッター連載エピソードの加筆修正版を皮切りに、原作者ブラッドレー・ボンド&フィリップ・N・モーゼズへの質問コーナー、登場キャラクター一人一人にスポットを当てたミニ短編、note限定の長編エピソードの公開など、多種多様なコンテンツを配信している。
2022年以降はmidjourneyがヘッダー画像に使用されるようになった。
『NINJASLAYER : AREA 4643』
興奮する真のゲーム
ゲーム化作品。
トップビュー型シューティングゲーム。
プレイアブルキャラクターはヤクザ天狗、イビルヤモト、ドールハウスの3名。
『スズメバチの黄色』
外伝作品。
全1巻。
外部リンク
- 公式Twitterアカウント:フォローすると、あなたのTL上に刺激的なニンジャ世界が届きます。(公式より)
- ネオサイタマ電脳IRC空間:日本語版公式ファンサイト。
- ニンジャスレイヤーWiki:有志によるまとめサイト。2014年3月に起きたatwiki騒動の影響を考慮し決断的に移転。人名・語彙などの解説が充実しており、各エピソードを時系列順に整理してまとめた項目もある。
- NJSLYR.jp:書籍版公式サイト。試読コーナーもある。
- @njslyr_ukiyoe:余湖&田畑コミカライズ版連載アカウント。
- @diehardtales:ほんやくチームによる、忍殺以外の創作・ヨタ話を扱うアカウント。ザ・ヴァーティゴや、マディソンおばあちゃん、ブーブスなど多岐にわたる内容を取り扱っている。
別名・表記ゆれ
表記ゆれタグとして、NINJASLAYER、忍殺、njslyrなどが存在する。
関連タグ
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