概要
サイバーパンクニンジャ活劇小説『ニンジャスレイヤー』の物語に登場する土地の一つ。
第一部と第三部の主な舞台である。
東京都や埼玉、その周辺の諸地域、東京湾の一部を埋め立てた陸地を領域とする、サイバー化が非常に進行した近未来都市であり、カスミガセキ・ジグラットを中心とする日本の首都。
空は磁気嵐、海はツナミや殺人マグロが荒れ狂って物理的電子的に鎖国状態にある日本の中心地でもある。
「ネオサイタマ市議会は日本政府より上位にある」とされ、日本政府や国会はネオサイタマ市政の操り人形と化している。
この為、ネオサイタマ知事は実質的な日本の最高指導者でもある。
解説
社会
政府よりも力を持つ超ド級ブラック企業であるオムラ・インダストリ、ヨロシサン製薬等の暗黒メガコーポが多く集まっていることもあって経済的にも発展している。しかし、住民間の経済的格差は極めて深刻なレベルで進行している。
また暗黒メガコーポ群を牛耳る暗黒経済組織ソウカイヤというニンジャの組織を始めとして様々なヤクザ・クランや武装暗黒メガコーポ等が密集しており、ソウカイヤを頂点とした力こそ正義の地獄めいた大都会である。超人的な存在であるニンジャはソウカイヤというネオサイタマ最大の権力機構を支配する他、企業でも戦力として活躍している。
民主主義や言論の自由が存在するが、メガコーポやニンジャの秘密に触れた者は告発前に消されてしまう為、その実効性は疑わしい。ニンジャの存在自体が、一般市民の間ではおとぎ話の一種だと認識されている。
ちなみにフロムアニメイシヨンでの描写から、アニメイト、グッドスマイルカンパニーが存在する模様。
環境・治安
暗黒メガコーポの環境を省みぬ開発・経済活動によって自然環境はほぼ完全に破壊されている。
空は猛毒の重金属酸性雨を降らせる雲で常に曇っており、太陽が顔を覗かせるのはごく稀。昼も夜も極彩色のネオンサインが暗い街並みを照らしている。また河川には汚染された有害な工業排水や重油が垂れ流しになっている。特に重金属酸性雨の破壊力は凄まじく、耐性のある衣類等を着用せずに晒されると24時間程度で死亡するとのこと。
治安レベルは富裕層の住宅街やオフィス街では比較的良好なものの、繁華街や中~下層民街では強盗やツジギリ、ファック&サヨナラ(強姦殺人)、ハック&スラッシュ(強盗殺人)等が頻発するなど極めて劣悪である。ネオサイタマ市警は、マケグミ(下層)の凶悪犯なら(市民の安寧の為ではなく)マッポスコアという業績点数を稼ぐために捜査するが、カチグミ(上層)が関わる事件では捜査結果は権力がある方に有利となるよう捏造してしまう。治安も酷い格差社会となっている。
なぜサイタマなのか
「サイタマは今の時点でもかなりテクノ的に先進した地域と聞いている。ゆくゆくは東京湾がまるごと埋め立てられサイタマが二倍以上の広さとなると聞いたときはファンダメンタルなショックと共に着想がスパークしたんだ。ああ、なるほどサイタマだ、とね。」
「サイタマっていうのは、東京湾を埋め立てて作られた巨大な人工の陸地なんだよ。すでに今この時代においても、かの土地が日本の経済の中心となりつつある。そのリアリティを踏まえていかなければいけないと思ったのさ。」
(原作者ブラッドレー・ボンド氏へのインタビューより抜粋)
・・・埼玉、海に面してなアバーッ!!?
おそらくお台場あたりとさいたま新都心を混同したものと思われる。
その後、物理書籍版「ウェイティング・フォー・マイ・ニンジャ」において、既に東京が滅んでいる事、ネオサイタマがそれを飲み込んで領土を拡大したこと(程度は不明)が明かされた。
地域
- エンガワ・ストリート
とても治安が悪い通り。
開発計画から取り残された雑居ビルが並び、電柱に張り巡らされた無数のケーブルがアーケード的役割を果たしている。
ニンジャ戦隊サーカディアン・スリーのシマだったり、サークル・シマナガシのアジトがあったりする。
- オオヌギ・ジャンク・クラスターヤード
タマ・リバーの「絶望の橋」を渡った先にある最貧困階級の吹き溜まり。
もはや家すら持てぬ訳ありの人間がキャンプトレーラー等で過ごしている。
フジキドが忍具の調達先として懇意にしているドウグ社は江戸時代よりこの地に店を構えている。
オオヌギ・ジャンク・クラスターヤード傍を流れる河川。下流域には重金属ヘドロ沼沢地が広がる。
そのような水質にもかかわらず毎年のようにラッコが現われて、ニュース番組や新聞を賑わせている。ラッコであってアザラシではない。
カスガ区やノビドメ区といった、オオヌギとは対照的な華やかな区域もタマ・リバー沿いのどこかに位置している模様。
- コメダ・ストリート
性犯罪サイコが跋扈するなど治安がかなり悪く、女性の一人歩きは即アウト。
一時期フジキドが潜伏していたアパートがあり、アガタ=サンもここに住んでいる。
ネオサイタマ最大の漁港。
無数のマグロ撲殺施設や冷凍コンテナ、大小様々のイタマエ・ドージョー、チベット宗教要塞めいたオイラン砦などが猥雑に立ち並ぶ。
地下に危険なズンビーニンジャが徘徊する複雑怪奇な謎の地下都市迷宮ツキジ・ダンジョンが広がっており、その下層部分には伝説の冷凍高級オーガニック・マグロが封印された巨大倉庫が存在する。
他の地域とは比較にならぬほどに高密度で極彩色の巨大ネオン看板が並ぶネオサイタマ有数の大繁華街。
気の良い人間も多く集まるが、猥雑と非常識が混濁した場所の為か外部の反発は年々高まってきている。
ここの二チョーム・ストリートにはセクシャル・マイノリティ達による飲み屋やポルノショップが軒を連ねており、ネザークイーンが経営するゲイバー『絵馴染』がある。
闇稼業の人間には比較的有名と思われる殺人カラテドージョーが存在する。
ちなみに実際にグーグルー=センセイに「karateman roppongi」と打ち込んで検索をしてみると・・・。
- ヤカタバンナ・ストリート
暖かいオレンジの明かりが滲む飲屋街。
エーリアスがバイトをしている老舗スシ屋ワザ・スシは此処に店を構えている。
- リョウゴク・ストリート
ネオサイタマにおけるスモトリ興業を一手に引き受けるコロシアム・シティ。
リョウゴク・コロシアムの外にはスモウファイト中継をスクリーンで観覧しながら、バッファロー肉料理やスモトリ・チョコを楽しめる相撲バーが軒を連ねている。
施設
- トコロザワ・ピラー
ソウカイヤの公然ダミー会社、ネコソギ・ファンドの事務所があるビルであり、ソウカイヤ首魁ラオモト・カンの居城。
窓の外には空からの攻撃を防ぐ為の数十基のサーチライトが、地下には制裁用の人食いズワイガニの群がるプールが備え付けられている。
- カスミガセキ・ジグラット
ネオサイタマ市役所や国会等の主要政治施設が入居する巨大ビル。
高さは700階、1000mともいう(第一部時点)が、さらに拡張が続いている。
- マルノウチ・スゴイタカイビル
中央政庁カスミガセキ・ジグラットを睨むようにそびえ立つネオサイタマ第2の高層ビル。
フジキドにとって、マルノウチ抗争に巻き込まれて喪った妻子の墓標でもある。
所在はカスミガセキ・ジグラットからみてキモンの方角。
ネオサイタマの郊外
ネオサイタマの南西郊外には重金属酸性雨に耐えるバイオイネとバイオネギの二毛作でネオサイタマの食卓を支えるタンボ平原がある。北はバイオバンブーとバイオパインを主とするタマチャン・ジャングルが広がる中国地方となっている(中国地方ってずっと西じゃないdグワーッ!)。このジャングルのどこかにドラゴン・ゲンドーソー、ドラゴン・ユカノらが修行に励むドラゴン・ドージョーがある。また、このジャングルにはヨロシサン製薬から脱走したバイオニンジャたちも潜んでいるらしい。
ネオサイタマから空路で7時間飛ぶか、あるいは武装シンカンセンで無法の荒野を越えた先に、日本から独立したキョート共和国がある。外国に移動するには、キョートから独自テクノロジーで磁気嵐を突破できる国際線の空路を使うしかない。
関連タグ
第二部以降の情勢の変遷(ネタバレ注意な)
以下、第二部のネタバレな
第一部ラストにおいてニンジャスレイヤーがソウカイヤの首魁ラオモト・カンを暗殺した直後に、キョートを本拠とするザイバツ・シャドーギルドがネオサイタマに侵攻して全てのソウカイヤの拠点を制圧、壊滅せしめた。これを受けた第二部では、ネオサイタマの大部分をザイバツが制圧している。一方で、カスミガセキ・トコロザワ・マルノウチという僅かなテリトリーを支配地域として、新興のアマクダリ・セクトという地元のニンジャ組織が出現している。アマクダリとザイバツは不可侵条約を結んでいるが、実質的にはザイバツが何をしようとアマクダリに阻止する力はない状態。
以下は、第三部のネタバレスッゾコラー!
第二部の最後でザイバツの脅威が去り、ネオサイタマは混沌とした情勢に陥った。
アマクダリ・セクトは革命テロリスト組織イッキ・ウチコワシや重工業のオナタカミ社等と同盟し、ネオサイタマの支配を進めていった。その手段はフランチャイズ方式で、
アマクダリの傘下に中小のヤクザ・クランや企業などを次々と加えていくものである。
だがやがて市議会や日本政府にまでアマクダリのエージェントが加わるようになり、アマクダリとその支配下にある警察機構ハイデッカーによって、ネオサイタマは一元的な管理社会へと変貌していった。
以下、第三部および第四部序盤のネタバレ重点
月をも割り砕いたアマクダリ・セクトとの決戦の後、諸外国との交流を断絶していた磁気嵐が晴れ、同時に巨大な支配基盤を無くしたネオサイタマは、世界中の暗黒メガコーポが流入し、復興したソウカイヤ等の地元勢力も交えて鎬を削り合う、戦国時代めいた危ういバランスの中で発展を続ける自由と混沌のマッポーの都市と化した。
ニンジャという存在もある程度ながら認知され、空想の産物と断じられる事は最早無い。また、月破砕とほぼ時を同じくして、自我に目覚めるオイランドロイドが次々と現れ、「ウキヨ」と呼ばれる新たな種族を築き上げていった。
10年ほどの月日が流れ、割れた月も当たり前の日常になり始めた頃、新たなニンジャスレイヤーがこの都市に姿を現し、世界を股にかけたイクサに身を投じていく事になる。