◆忍◆組織名鑑#3【アマクダリ】◆殺◆
アマクダリ・セクトとも。ソウカイ・シンジケートの残党や、かつて傘下にあったリアルヤクザ・ファンド等を中心として結成された暗黒経済組織。首魁は若干12歳の少年、ラオモト・チバであるが、実際の組織運営は執事であるアガメムノンが行っている。
概要
ネオサイタマにて暗躍する暗黒組織である。ニンジャスレイヤーによって滅ぼされた秘密組織ソウカイヤの残党を中心に「ネコソギ・ファンド」を母体として再編成された新興組織であり、登場したのは第2部の途中からである。
首魁はラオモト・カンの遺児であるラオモト・チバだが、チバはまだ未成年の少年であることもあって実質的に組織を運営しているのはチバの執事であるアガメムノンである。
対抗勢力であるザイバツ・シャドーギルドがニンジャスレイヤーに倒されたことを契機に一気に勢力を拡大し、第3部においては一大勢力を形成していたニンジャスレイヤー最大の敵である。
特徴
極端な実力至上主義のソウカイヤ、組織の序列に終始しがちなザイバツ・シャドーギルドの弱点を反省したかのような、現実的でシステマチックな組織運営を行っている。
勢力拡大の方法も独特であり、ヤクザ組織や非合法ニンジャ組織などをフランチャイズ形式で傘下に収めることで暗黒社会にじわじわと根を張っている。
これらフランチャイズ化された組織はそれぞれの管轄テリトリーや情報伝搬が厳しく制限されており、ニンジャスレイヤーがいくら下部組織を襲撃しても中枢に繋がる情報は出てこない。
能力優先主義であるため理念自体は薄く、最高幹部であろうと替えの人員が用意されているため、ソウカイヤなどのように敵を倒していくだけでは倒した端から補充され、組織へのダメージは常にリカバーされる、という泥沼の状態に陥る。
人材の配置も能力や適性を最重視した適材適所が徹底されており、ザイバツやソウカイヤに比べてシステマチックに運営されている。
ネットワーク関連にも力を入れており、本部と支部の連絡や実働部隊との通信、現場での情報共有などを目的とした「天下網(アマクダリ・ネット)」を構築しているが、アクセス者ごとに扱える情報を制限している。
また、それまでのニンジャ組織と違って政治・経済・軍事の分野にも積極的に手を広げることで表社会にも影響力を広げており、体制側にも支配権を拡大している。
サイバネ戦士ゼロゼロナインに登場する暗黒非合法組織「ブラックユーレイ団」をイメージしてもらうと分かりやすいだろう。
恐るべきはその影響力の広がり方で、何とネオサイタマ全域の行政・政財界はもとより、メディアや企業、暗黒メガコーポに至るまでアマクダリの影響下に置かれている。
これら密接な癒着を利用した、敵対者の社会的抹殺が組織としての基本の戦い方であり、ニンジャスレイヤーも素性を完全に抑えられ、マスコミや世論を通じて動きを封じられかけていた。
ザ・ヴァーティゴ=サン曰く、永いニンジャの歴史においても、これ程大規模なニンジャ組織は後にも先にもこのアマクダリだけだったという。
これら、徹底した情報統制とフランチャイズ・システムにより膨れ上がる特性から組織の構造は複雑を極めており、名目上とはいえ首領のチバですら全貌を理解できておらず、全てを把握しているのはアガメムノンただ一人である。
大半の構成員も「本拠地はどこにあるのか、幹部は誰なのか」という事項すら知らず、アマクダリのネットワークから下される匿名の指令を達成するのみであり、それによって組織が維持されている。中にはチバの存在すら知らないメンバーも散見されるほど。
裏表を問わず、社会をアメーバのごとく飲み込み、ヒドラのごとく再生し続ける、この支配システムがアマクダリの力なのである。
目的
アマクダリ・セクトの目的は日本を影から支配し、全ての人間を管理統制する暗黒管理社会の実現である。ザイバツ・シャドーギルドの掲げたニンジャによる絶対支配とは違い、アマクダリの支配対象には人間もニンジャも含まれている。
アマクダリは管理社会の実現のため様々な悪法の制定を推し進めており、社会的マイノリティへの迫害や格差拡大の合法化などなど挙げれば切りがない社会的犯罪を繰り広げている。
ただしアガメムノンにとってはこれらすら最大目標の前の一事に過ぎず、その真意は長らく謎に包まれていた。
3部終盤ではネオサイタマの政治を完全掌握し、ニンジャスレイヤーを始めとする抵抗者達をかつてない苦境に追い込んだ。一方勝利を確信したせいか、最終計画の段階で致命的な采配ミスを連発することにも繋がった。
構成員
アマクダリ・セクトはフランチャイズ形式で組織を拡大しているため、全体像を把握するのは困難である。所属しているニンジャ達もアマクダリ上層部からの指令を遂行しているだけの場合が多く、多くは衛星組織の末端である場合が多い。これらを大別すると、アマクダリの構成ニンジャは「アクシス隊員」「アマクダリ・エージェント」「下部衛星組織所属」の3つに分類される。
アクシス隊員
アマクダリにおける精鋭部隊。アマクダリ・アクシスとも呼ばれる。
アマクダリ・エージェント
アマクダリ隊員と同じくらいの権限を持つ構成員。主に組織拡大の尖兵として企業やヤクザクランを従わせている。
下部衛星組織所属
フランチャイズでアマクダリに吸収合併されたニンジャ組織の構成員である。アマクダリ構成ニンジャの大多数にあたる。
アマクダリの中枢部が抱えている実働部隊は「アマクダリ・アクシス」と呼ばれており、セクト直轄の組織である。ニンジャスレイヤーとも渡り合える強者が多数所属しており、精鋭部隊と言って差し支えない実力者集団である。
12人
アガメムノンを筆頭としたアマクダリ運営の核を握る最高幹部。それぞれが表向きの顔を持った各界の名士であり、裏社会でも表社会でも影響力を持っているのが特徴である。
アマクダリが掲げる暗黒管理社会の実現のために必要な人材で構築されているため、非ニンジャであるマッドサイエンティストのリー・アラキもその座に納まっている。
12人の役割とはアマクダリというシステムを円滑にすすめるためのものであり、例えメンバーの何人かが倒されても、即座にそのポジションに見合った新しいメンバーが補充される決まりとなっている。これは実質的な指導者たるアガメムノンも例外ではない。
12人の正体はアマクダリ内部でもトップシークレットであり、アマクダリ構成員であってもその情報を知らない場合が多い。
ソウカイヤにおけるシックス・ゲイツやザイバツのグランドマスター位階のような戦闘力の強さで選ばれるチームではなく、あくまで表社会における影響力の大きさで選ばれた集団である。が、初期メンバーはリー先生を除きいずれも一筋縄ではいかぬ強力なニンジャである。