「失望させてくれるなよ。これでは俺の『ベッピン』が静まらんではないか」
説明文
◆殺◆ニンジャ名鑑N02【ダークニンジャ】◆伐◆
本名フジオ・カタクラ。「ハガネ・ニンジャ」のソウルを宿し、妖刀「ベッピン」を操る恐怖のニンジャ。ラオモト・カンの懐刀として裏社会を暗躍するが、忠誠の奥底に潜む思惑は謎。ニンジャスレイヤーとは宿敵同士として何度も殺しあう。
解説
人物
本名はフジオ・カタクラ。
圧倒的なレベルのカラテの使い手であり、ずば抜けたニンジャ洞察力や妖刀『ベッピン』の剣術と相まって作中でも最強クラスの実力者。
その身には失伝したニンジャ六騎士の一人、ハガネ・ニンジャのソウルを宿している。
サラリマン時代のフジキド・ケンジの妻子を直接手にかけ、ニンジャスレイヤーとなるきっかけを与えることとなった張本人であり永遠のライバル。
ニンジャスレイヤーと幾度となく激突し、死闘を繰り広げる。
性格は寡黙で冷徹。感情を表に出すことは滅多にないが、その内面には貪欲な闘争心と残虐性を秘める。殺戮はあくまでも必要に応じて行う。ニンジャ的残虐性の権化であるデスドレインが、何故お前はそれだけの殺戮衝動を秘めながら人間を殺し暴れ回らないのかと叫んだ時も、ダークニンジャは「殺す理由がない」の一言で切り捨てている。
古文書や古代ニンジャ知識にも精通しており、ザイバツのグランドマスターたちですら知る者の少ない複雑怪奇な礼儀作法も完全マスターし、『古事記』も全篇読破している。
当初は自分の就く組織のために動いていたが、ハガネ・ニンジャの秘密と自らの因縁を知ってからは、自らの呪われし運命を断ち切るべく暗躍する。
ニンジャスレイヤーとはまた双璧を成すダークヒーローである。
不遇な過去と変なあだ名
ライバルキャラと設定されている割には第二部まで目立った活躍が少なく、寡黙で口数が少ない性格も災いしてぶっちゃけ影が薄かった。
その影の薄さに一部ヘッズには『ダークなんとか=サン』だの『なんとか=サン』だの『ダークドメイン=サンじゃないほう』だの散々なあだ名でいじられている。
第2回キャラクター人気投票では、ライバルキャラなのに36位。
牛や海老(無効票)やポンコツにすら劣る有様であり、『36位=サン』の異名を新たに獲得した瞬間であった。
第二部中盤で彼を主人公としたエピソードが連載された辺りから怒涛の活躍を見せており、『36位=サン』呼ばわりされる頻度は減り、ヘッズからも宿敵キャラとして認識されるようにはなったが、代わりにフジオと呼ばれるようになった。タメグチ!
ところが第二部後半、彼のニンジャソウルの由来話で真剣なアトモスフィアの中唐突に現れた単語「ツチノコ」、第二部最終章でのとある行動を地の文=サンから「トコロテン」「ナメクジ」と形容されてしまったため、再びオモシロイ・ニックネームが増えてしまった。
第三部連載開始後はしばらくtwitterでの本連載では出番がなかったが、物理書籍第三巻でニンジャ装束を脱いだ姿を披露。後ろ姿で顔が見えないのだが妙にお尻がセクシーなためしばらく「美尻=サン」の名前で呼ばれた。
2013年のバレンタインデーにほんやくアジトにチョコやバイオインゴットが届けられた際には宛名入りのチョコレートは彼宛のものが最も多かったことが明かされ、新たに『ダークチョコ1位=サン』『ダークカカオ=サン』の呼称を獲得した。
もはや変な異名をつけられるのが彼の呪われた運命のようである。
原作者曰くVTOLが好きらしい。
容姿
灰色の髪にハガネ色の瞳、オブシディアン(黒曜石)色のニンジャ装束に身を包む。
書籍版第一巻ではフルフェイスのメンポとニンジャヘルムによって完全に素顔を覆い隠すような見た目になっている。
また、書籍版第五巻からはニンジャヘルムを外し、ニンジャアーマーの上からザイバツの紋章が染め抜かれたコートを羽織っている姿に描かれている。
平時には黒いシンプルなコートを着ていることもあるが、自分の意志でソウルを媒介に自由にニンジャ装束に変化させることができる。
第二部で真の神器の一つ『聖なるブレーサー』を入手して以降は自身の防具として腕部に装備している。
さらにストームタロン戦後はブレーサーが変形、両手甲部にエンシェント漢字で『刃』『鉄』と刻まれた大型のガントレットとなった。
(初回翻訳時は『鋼』『鉄』表記だったが、後に原作者両名より翻訳ミスの指摘をうけ、以降は『刃』『鉄』と翻訳される旨がアナウンスされた)
第二部最終章で聖なるブレーサーを失ったものの、後に裾の長い修道僧めいたフードを備えた黒くシンプルなニンジャローブ(ダークローブ)を纏うようになる。
なおコミカライズ版においては「グラマラス・キラーズ」では(グッドルッキングガイ重点ゆえに)1部の時点で既に顔を露出させたタイプのメンポを着用しており、「殺(キルズ)」では逆に顔を覆い隠したフルフェイスヘルムとニンジャアーマーがさらに強調され、ロボットめいた風貌となっている。
ジツ・カラテ等
作中でも最高クラスのカラテに加え、ヤモト・コキらのイアイドーとは異なる妖刀ベッピンを用いた独自のイアイドーを用いて戦う。(本作では剣術もカラテの一部として扱われる)
また使用頻度は低いが飛び道具としては、スリケンではなくクナイ・ダートを用いる。ジツ・カラテ比率は宿敵ニンジャスレイヤー同様0:10のカラテ特化型。はっきり言って強い。恐ろしく強い。憑依したハガネ・ニンジャがマスター・カタナの異名をとる剣豪だった為か、剣の腕は作中最強と言っても過言ではない。また剣術主体で戦うが、徒手格闘のカラテも恐ろしく強い。ちなみに原作、「無印」、「殺(キルズ)」及びアニメイションでは逆手で剣を振るっていたが、「グラマラスキラーズ」では順手の両手持ちだった。
第二部最終章でダークローブを纏うようになってからは、ローブから発せられるカラテ斥力によって空間中を自由自在に立体機動を行う事ができるようになり、強力な三次元戦闘が可能となった。
- 妖刀ベッピン
ダークニンジャとなる前のフジオが古代エジプトニンジャ遺跡で見つけた、謎めいたカタナ。
この幻惑的なカタナを見ようとする者は視界がぼやけ、太刀筋を追うことができない。
ダークニンジャとは並々ならぬ因縁を持つ武器ながら、初期のエピソードであっさりと折られている。
しかし、後にこのカタナを鍛えた神話級ニンジャサンダーフォージ自身の手により聖なるブレーサーのオーラを用いて修復された。
- デス・キリ
ダークニンジャの代名詞とも言えるヒサツ・ワザ。「キリステ・ゴーメン」のコトダマを呟いた後、超高速の踏み込みで相手の胸を斬り払い、一瞬にして背後に回り込む。
ベッピンが無けれれば発動不可能と思われていたが、ワザ名のシャウトこそ無かったものの同様の技を使っていた描写があるため、威力が落ちるだけで使える可能性が高い。
ニンジャスレイヤーですら防御することができなかった強力な技だが、デス・キリを出してもナラク化したニンジャスレイヤーには一度も勝てていない。
- ヤミ・ウチ
ベッピンの真の能力。ニンジャの心臓を貫いてそのニンジャソウルを吸収、ベッピン本体の力と自身のカラテに変換する。
心臓にカタナを突き立てると同時に、相手のソウルの在り方を見つめダークニンジャの呪詛を込める。技を受けたニンジャは呪詛を直接叩きつけられる恐怖と共にヌケガラめいて死に至る。
ソウルによっては吸収にかかる時間に差異があり、強大なソウルほど時間がかかると思われる。
- カンジ・キル
ベッピンが吸収したソウルの力を一気に放出しながらデス・キリを連打する大技。吹き出した血が剣閃の軌道によって漢字を描くほどの超高速の斬撃を繰り出す。
敵に漢字を刻み込み、その漢字に則った効果をもたらす。
ダークニンジャ自身にも激しい負荷がかかり、聖なるブレーサーとベッピンの両方が揃うことで発動が可能となる。第3部では聖なるブレーサー無しでも発動出来た(但し漢字の画数は3の「亡」だった)
- ダークローブ
ハラキリ・ディセンションでベッピン中のソウルを吸収してパワーアップしたダークニンジャの新たなるニンジャ装束。
ダークニンジャ自身のカラテエネルギーから生成されており、戦闘時にはローブ自体が命を持つかのように動き、カラテ斥力を発生させてダメージの軽減や無慣性機動を可能とする。
斥力を妨げないようにするため、第三部以降のダークニンジャはローブと布装束以外に防具や装甲の類を身に着けていない。
劇中での活躍(ネタバレを含みます)
第一部
第一部では暗黒経済組織ソウカイヤの首魁ラオモト・カンの懐刀として暗躍、ソウカイヤのエリートニンジャ部隊シックスゲイツをも凌ぐ地位を与えられていた。
秘密の自然公園にてニンジャスレイヤーを追い詰め、その師ドラゴン・ゲンドーソーを殺害するが、最後のインストラクションを得たニンジャスレイヤーに敗北し、ベッピンも叩き折られて昏睡状態に陥る。
その後、昏睡状態から復帰。第一部最終章にてソウカイヤ本部に殴りこみをかけてきたニンジャスレイヤーとの対決の最中、『運命者』と名乗る者らに導かれてソウカイヤを出奔、キョートに向かう。
第二部
第二部では秘密結社ザイバツ・シャドーギルドに所属。
高い実力と礼儀をわきまえた奥ゆかしい態度で組織内でのし上がっていくが、イグゾーションなど一部のザイバツ・グランドマスターには警戒されている。
神話級ニンジャ・サンダーフォージにベッピンを修復させた際に、彼から神代のニンジャの歴史とカタクラ家の人間がいずれはハガネ・ニンジャにまつわる呪いによって史上最古のヌンジャカツ・ワンソー再臨の依代とされてしまうことを知り、自らの運命を変えるべく暗躍を始める。
中盤で不正を働いたザイバツニンジャや野良ニンジャを粛清することを主任務とする懲罰騎士に任命され、グランドマスターに匹敵する地位、待遇を獲得。ホウリュウ・テンプルの書庫閲覧権を得たことで書庫から古代のニンジャ知識を吸収し、コフーン遺跡で発見されたコーデックスも合わせて計画を練る。
またザイバツ・シテンノのパープルタコ、アイボリーイーグルやシャドウウィーヴらは彼に心酔して忠誠を誓っており、さらに彼の実力に惚れ込んだグランドマスター・ニーズヘグの後ろ盾を勝ち得るなど自身の派閥をじっくりと作り上げていく。
またデスドレインとも何度か交戦しており、そのいずれの勢力にも与しない気まぐれさと凶暴性に目をつけ、ダークニンジャの運命を掻き乱すトリックスターとしての役割を担わせるべく、彼にカンジ・キルによる『咎の呪詛』を刻みつけて放逐している。
そして第二部最終章、ニンジャスレイヤー一行のキョート城討ち入りを機に自身の派閥のニンジャ達を率いて武装蹶起、ロード・オブ・ザイバツに対してムーホンを引き起こす。
ロード暗殺を試みて返り討ちにされ重傷を負うが、カツ・ワンソー再臨のハラキリ・ディセンションを自ら敢えて決行する賭けに臨み、ベッピン中に蓄えられた再臨のためのエネルギーだけを逆に取り込み、傷の回復とパワーアップを果たして復活。
再び天守閣に乗り込み、ニンジャスレイヤーに敗北して戦闘不能となったロードにヤミ・ウチでトドメを刺し、乱入したデスドレインの残したアンコクトンの暴走によって崩壊するキョート城と共に姿を消した。
第三部
ニンジャスレイヤーとアマクダリ・セクトからはキョート城崩壊によって死んだものと認識されていた。
しかし実はオヒガンと現世の間に浮かぶキョート城でザイバツ残党のニンジャ達を従えて新たなるロードとして君臨しており、秘密裏に配下のニンジャを次元跳躍ニンジャ・ネクサスの能力で現世に送りこみ、来たるべきカツ・ワンソーとのイクサに備えて有能なニンジャのスカウトやニンジャ真実にまつわる古代の遺物収集、カツ・ワンソー復活を目論む勢力の討伐を行なっている。
だがダークニンジャ本人はロードを殺害した際の影響か、キョート城の琥珀玉座に緊密に結び付けられており、非常に限られた条件下でしか現世に下りることができなくなってしまった。