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目覚めたら最強装備と宇宙船持ち

めざめたらさいきょうそうびとうちゅうせんもち

小説家サイト【小説家になろう】で連載中のオンライン小説。なろうでは珍しいSF作品
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概要

正式なタイトルは

「目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい」

2019年2月から小説家になろうにて連載されているライトノベル。著者はリュート氏。カドカワBOOKSより書籍化。イラストは鍋島テツヒロ氏が担当。既刊10巻。
またComicWalkerニコニコ静画内の異世界コミックにて松井俊壱氏作画でコミカライズも連載されている。既刊6巻。
リュート氏の長編作品では、「29歳独身は異世界で自由に生きた…かった。」、「ご主人様とゆく異世界サバイバル!」に次ぐ3作品目。なお、いずれも書籍化、コミカライズ化されている。

略称は「最強宇宙船」

現代日本から突然ゲームに似た異世界に転移したいわゆる異世界転移ものだが、この作品の最大の特徴が、先の2作品がファンタジー世界を舞台をしているのに対し、書籍化されたなろう出身作品では珍しいSF作品であるということファンタジー世界にロボットがあったりと、SF要素のある作品はそれなりにあるが、VRMMOを題材とするものを除けば純粋なSF作品としてなろうから書籍化されたのは『僕と彼女と実弾兵器(アンティーク)』『リビルドワールド』などごく少数である)。
もっとも、SFはSFでも、「サイエンスフィクション」というよりは「スペースファンタジー(あるいはスペースオペラ)」と言ったところ。

あらすじ

広大な宇宙を舞台としたSFオンラインゲーム「ステラオンライン(SOL)」のヘビーユーザーであるサラリーマン「佐藤孝弘」は、ある日、いつものように帰宅後に普通にゲームをした後で寝た……はずだったのだが、目覚めると宇宙を漂う宇宙船の操縦席に座っていた。
混乱する孝弘だったが、次第に状況がわかってくる。この船はSOLで愛用していた高性能船「クリシュナ」だった。どうやら経緯は不明だがSOLそっくりなSFチックな異世界に来たらしい。
孝弘はSOLのように傭兵として生きていこうとあっさりと気持ちを切り替え、SOLでのプレイヤー名である「キャプテン・ヒロ」の名で傭兵稼業を始める。
行き場を失った元一般人の「ミミ」や、傭兵の先輩でもある宇宙エルフ「エルマ」たち美少女とチームを組むことになったヒロは、SOLで磨いた腕でたちまち頭角を現していく。夢は惑星の居住権を買って一戸建て!

登場人物

主人公一行

  • キャプテン・ヒロ/佐藤孝弘

主人公。元は普通の27歳の会社員。
転移ものによくある『ステータス画面を出す』などの露骨なチート能力はないが、
『息を止めて集中すると時間の流れがゆっくりに感じる(=反応速度が爆発的に上がる)』
『ほぼすべての人が生後すぐに受ける言語解析用のインプラント手術を受けていないのにあらゆる言語がわかる』
などの能力はある。だが、最大の能力はクリシュナの性能を十全に生かすSOL仕込みの操縦技量と戦術
その反面、生身での戦いは苦手と自称しているが、あくまで船での戦闘に比べたらであり、上記の特殊能力もありそちらでも高い戦果を上げている。
後にメイの猛特訓により、生体改造を受けた白刃主義者たちをも圧倒するほどの剣術を身につけた。改造を受けていないためさすがに身体能力では劣るので、基本は相手の動きを先読みしてのカウンターを多用する。
しかし、結果として剣が使える白兵戦要因としてセレナに駆り出されることも増えている。
第9巻でエルフの故郷である「リーフィル星系」を訪れた際に、高いサイオニック能力(いわゆる魔法)を秘めていることが発覚した(上記の能力も、部分的にサイオニック能力が発動していた模様)。

本人曰く女性には手が早いらしいが、どちらかと言えば紳士的(後述のようにこの世界の性風俗がヒロが引いてしまうくらいに緩いのもあるが)。他にも下戸ということもあり酒や博打に走ったりもしないので、本人に自覚はないが一般的な傭兵よりもかなり真面目。
好物は炭酸飲料。特にコーラが大好きだが、この世界では炭酸飲料が廃れており(宇宙では炭酸は暴発しやすいから)、一戸建てを目指すのも惑星などの重力圏内に炭酸が残っている可能性があるため、そこで炭酸コーラを存分に楽しみたいためだったりする。ただし、いくつか炭酸飲料や炭酸なしのコーラは見つけられたのだが、いまだ念願の炭酸コーラには出会えていない。
周囲には「ハイパードライブ(この世界のワープ航法)で事故にあったらしく記憶喪失で、船の寄港履歴も消えてしまって素性がわからない」と、異世界人であることはボカシており、怪しんだエルマと(直接の描写はないが)ミミに、後にメイやティーナ&ウィスカにも明かしている。他にもグラッカン帝国皇帝にはバレており、その場に居合わせていたルシアーダとエルドムアも知っている。

自他ともに認めるトラブル体質。フラグめいたセリフを言うとすぐ災難にぶち当たるほどだが、よく言えば仕事に困らない状態であり、自身とクリシュナの能力もあり傭兵ギルドに登録してすぐに中堅どころであるシルバーランクに昇格。その後も書籍版第3巻でゴールドに、第7巻で最高位のプラチナに昇格している。
第6巻で描かれた『結晶戦役』と後に呼ばれることになる結晶生命体との大規模戦闘で勝利の立役者となり、その命知らずに見える戦い方からキャプテン"クレイジー"・ヒロとも呼ばれるようになる。この時の戦果から、最高位の勲章「一等星芒十字勲章(通称ゴールドスター)」を授与。身分上は名誉子爵となる。その後、御前試合の報酬として一等市民権も取得している。

実は、この時に得た一等市民権とそれまで稼いだ大金で、当初の目的である「惑星に一戸建てを建てて悠々自適な生活」は十分達成できるのだが(本来は、市民権を買うのに大金が必要だったが、その必要がなくなった)、家を建てる惑星を決めていないことや、まだ炭酸コーラを見つけていないことなどもあり、傭兵家業は相変わらず続けている。
第1巻の描写によれば、後世の歴史ではこれらを含めた数々の偉業を成し遂げた英雄として取り上げられている模様。

  • ミミ
メインヒロインその1。
最初にヒロが滞在していた「ターメン星系」のコロニーに住んでいた元一般人。年齢は10代半ばのロリ巨乳な美少女。
コロニーのインフラ整備をしていた両親を仕事の事故で失った上に、その時に生じた賠償金が払えずに路頭に迷ったところでヒロに出会い、見かねた彼に賠償金を払ってもらいクリシュナのオペレーター見習いとして引き取られる。
この世界の常識の一つに「男の船に乗る女は一般的にその情婦として見られる」というものがあり、ヒロはそこまでする気がなかったが、彼女にしてみればそれが普通であり、「夜伽もできなければ捨てられるのでは」と不安に感じ、安心するためにヒロに頼み込み結ばれ、恋人(愛人?)関係となる(さらに言えば、この世界は15歳以上は法的には成人なので、同意ならセーフ)。命の恩人ということもあり彼を「ヒロ様」と慕う。一行の良心的存在。
食いしん坊の気があり、ヒロに「何か目標を持った方がいい」と勧められたこともあって、「宇宙を旅して様々なグルメを制覇したい」という目標を掲げている。当初はさすがにゲテモノは苦手だったが、慣れてきたのか最近は普通に食べている。書籍版では滞在先でご当地グルメを食べまくったりと食事描写が増えている。
また、書籍版の追加設定では、幼少期に一度だけ会った祖母は非常に若々しく(=金をかけてサイバネティックス等の若返りを施していた可能性が高い)、成功した傭兵だったのではないかと考え、片手間ではあるが消息を探している。

コロニー生まれのコロニー育ちの一般人のはずなのだが、ダレインワルド伯爵や帝国軍のお偉方などが彼女の顔に見覚えがあるようなそぶりを見せるなど、その出自に疑念が生じだしていた。
第7巻で登場したルシアーダ皇女と瓜二つであったことから疑念が一気に深まり、遺伝子検査を行ったところ帝室と血縁関係であることが発覚。上記の祖母が若い時に帝室から家出した現皇帝の妹で伝説の傭兵「セレスティア」であったことが判明した。
本人は帝室に引き取られることは「恐れ多い」と固辞しており、皇帝の計らいもありルシアーダとは他人の空似ということにしてもらい、血縁関係については公表していない。
ただ、それでも「皇女にそっくりな美少女」ということで貴族などに狙われる可能性があるため、第7巻の書下ろしによると、念のためにエルマが手を回して彼女とヒロとの婚姻手続きを(ヒロに内緒で)いつのまにか終えており、立場上は妻として名誉子爵である彼の庇護下となっている。

最近では、オペレーターとしての能力も上がってきただけでなく、ブラックロータスの高い積載量を生かしての交易なども任されている。

  • エルマ・ウィルローズ
メインヒロインその2。
ヒロがターメン星系で出会ったエルフの女性傭兵。傭兵歴5年の自称ベテラン。実際、ヒロほどではないが実力はかなりのものでランクはシルバー。若く見えるが53歳(この世界のエルフの寿命は500歳以上であり、エルフ的には十分若い)。
エルフだけあり美人だが貧乳で、ヒロからは「残念宇宙エルフ」などと呼ばれる。
面倒見のいい性格で、この世界に来たばかりのヒロの世話を焼き、ミミが引き取られたときも彼女の手助けをした。
その後の戦闘中の事故がもとで多額の賠償金を背負ってしまい、払えずに監獄送りになりそうになったのを彼女もヒロに助けられ、クリシュナの副操縦士となる。こちらもヒロは抱く気はなかったが、体目当てだとエルマが勘違いしたためそういう関係になり、彼女もすぐヒロにデレる。
ゲーム知識だけでこの世界の一般常識のないヒロや元一般人で新米のミミをフォローする常識人枠だが、お酒に目がなく衝動買いしたりと、そっちの意味でも「残念」な一面もある。

実は帝国貴族「ウィルローズ子爵家」の末娘であり、望んでいない婚約から逃げるためとセレスティアへの憧れから家出して傭兵になっていた(上記の賠償金の時はさすがに実家に泣きつこうとしたが、返済期限に間に合わなかった)。第7巻で家族と再会するが、ヒロが貴族たちも一目置かれる存在になっていたこともあり、なんとか仲を認めてもらえた。

エルフではあるが宇宙に進出した一族の出なため、リーフィル星系とは関係が薄く、魔法も初歩的なものしか使えない。

  • メイ
リゾート地「シエラ星系」でヒロが購入したメイドロイド
元々はヒロが「オリエント・インダストリー」社のメイドロイドのカタログアプリを見ながら自分の趣味全開の見た目と護衛や戦闘も難なくこなせる採算度外視の高性能を両立させたぼくのかんがえたさいきょうのメイドロイド」を遊び半分でデータを組んだところ、それに目を付けたリゾートの管理AI「ミロ」が体を仮組みして誕生(ミロ曰く「営業ノルマ達成のため」)。リゾートでのヒロの世話用にお試しで提供した。
外見は黒髪メガネっ子のクール系。感情は希薄だが主への愛情や忠誠は高めのクーデレ。
ミミには「友人が彼氏をメイドロイドに寝取られた」という過去から警戒されていたが、女性陣同士の話し合いの末、どこをどう説得したのかすっかり仲良くなり、結局正式に購入することになった。
購入後、製造元で体を本来のものにアップグレードし、パワーアーマー(いわゆるパワードスーツ)を凌駕する戦闘能力と高性能の小型陽電子頭脳による高い演算能力を併せ持つ万能メイドロイドとして完成した。
主であるヒロへの忠義は強いが、ヒロのためになるのなら時にはヒロの意思を無視するかのような行動をとることもある。後にブラックロータスの操縦、制御も担当するようになる。
なお、この世界のメイドロイドはいわゆるセクサロイドから発展したため、そういう機能も持っており、アップグレード直後に「動作確認」と称して半ば強引にヒロとそういう関係になっている。

  • ティーナ&ウィスカ
「ブラド星系」にある造船会社「スペース・ドウェルグ社」でエンジニアをしているドワーフの双子姉妹。この世界のドワーフの女性はいわゆる合法ロリな小柄な体格であり、彼女たちも同様だが、これでも27歳。姉のティーナは赤毛で豪快な性格で似非関西弁な口調。妹のウィスカは青い髪で内気。腕は一流だが、実はウィスカの方がピーキーすぎるものばかり作っておりマッドの気がある模様。
スペース・ドウェルグ社でブラックロータスの購入・納品待ちだったヒロに迷惑をかけてしまったことがきっかけで、会社からの(懲罰も兼ねた)出向という形でヒロ達の専属メカニックとなる。第一印象こそ最悪だったが、何だかんだですぐにヒロ達と打ち解ける。ただし、ミミたちとは違い今のところヒロとは肉体関係になっていない。本人たちは構わないどころかむしろ望んでおり、最近では積極的にアプローチしている。ヒロが異世界転移したことは第9巻でようやく知り、10巻で遂にヒロとそういう関係になった。
姉妹仲は良いが実は2年前まで離れ離れで、特に荒っぽいギルドに所属していたティーナは後ろ暗い連中とも付き合っており、妹との再会を機に苦労して足抜けしたという結構重い過去を持つ。書籍版ではその関係でウィスカが攫われ、ヒロ達が救出したことで恩義も感じている。

準レギュラー・ゲストヒロイン

  • セレナ・ホールズ

グラッカン帝国の軍人でホールズ侯爵家の令嬢。
ヒロよりも若いがかなりのやり手。狙った獲物は逃がさない主義で、非常識レベルの強さのヒロに目を付けている。
プライベート時や酒に酔ったりするとポンコツ化する憎めない一面もある。
登場当初はターメン星系軍の大尉だったが、隣国のベレベレム連邦との軍事衝突をヒロの違法行為同然の奇策(後述)とクリシュナの活躍で完勝し、その功績で以前からの希望だった「対宙賊独立艦隊」を設立し少佐に昇進。艦隊司令となり各地を転戦することになる。

ヒロを軍に勧誘しようと執拗に迫ったところ「アレイン星系」に逃げられたため、艦隊ごとアレイン星系まで追いかけヒロに正規の依頼として宙賊相手の戦術を指南してもらいながら勧誘の機会をうかがうが、最後までヒロが応じなかった上にポンコツな面を見せてしまったこともあり、彼を軍にスカウトするのは諦めざるを得なかった。
しかしその後も、バルタザールに雇われた宙賊の大群がヒロやクリスを襲撃しているのに出くわしたり、結晶戦役でヒロと共に戦うなど腐れ縁と化している。第7巻で中佐に昇進した。
艦隊指揮はもちろんのこと、貴族のたしなみとして剣術にも長けており、必要とあらば(自分と同等の腕を持つヒロを巻き添えにして)剣を手に前線にも出る。

ヒロからはその面倒くさい性格を露骨に警戒されており(一応、自覚はある)、自分を女性とすら見てくれないことには複雑な思いを抱いている。
後世の歴史では、姫将軍と呼ばれ、ヒロと共に英雄視されている。

  • ショーコ
アレイン星系の製薬会社イナガワテクノロジーの研究員。メガネっ娘かつ巨乳美女。
医師資格も持っており、系列病院に健康診断に来たヒロ達を担当した。実はその少し前に乗っていた船が宙賊に襲われていたところをヒロ達に助けられている。その件も含めて3回(web版では2回)もヒロに危ないところを助けられており、彼に匹敵するトラブル体質。

  • クリスティーナ・ダレインワルド(クリス)
ダレインワルド伯爵家現当主の孫娘。年齢は推定12歳。
当主の座を狙う叔父のバルタザールによって両親と共に乗っていた船が襲撃され、両親が殺され自分は父にコールドスリープポッドに乗せられ脱出。ポッドは宙賊に拾われたところを成り行きでヒロが助け、祖父に保護されるまでの間、ヒロが護衛することになる。祖父と合流後も捨て身のバルタザールに襲撃されるが、乱入したヒロとメイにバルタザールが倒されたことで助かった。
彼女もまたヒロを強く慕っており、ヒロの方も憎からず思っているのだが、
  1. 年齢が低すぎる。
  2. 護衛対象に手を出すなど傭兵として言語道断。
  3. 何より貴族の女性に手を出したらかなりヤバいことになる。少なくても、地位などに縛られ気楽な生活が送れない。
等の理由でヒロがなびこうとしない(ただし、3つ目に関しては、後にエルマが貴族の娘であることが発覚したためと、ヒロが名誉職とはいえ貴族になったことで今更となっている)。
結局、今の傭兵生活をヒロが選んだ上に伯爵家の跡取りになったことで嫡子としての教育を受けることに専念せざるをえなくなってしまうが、メイに色々吹き込まれたこともあり、ヒロにふさわしい女性になろうと決意しており、まだまだ諦める気はない模様。

第7巻でヒロ達と帝都で再会。彼らを介してルシアーダとも親交を結んでいる。
第8巻では伯爵家嫡子としての教育の一環で、伯爵家が主導の惑星への入植作業の指揮をすることになったりと、忙しい日々を送りながらも主に精神面で成長を見せており、時にはヒロすらも翻弄することも。

  • ルシアーダ
皇帝の孫娘。15歳。
帝室のしきたりで最近まで公の舞台に出なかったのだが、その容姿はミミと瓜二つ(強いて言えば胸が少し小さい)であり、そこからミミの素性が判明することになった。
気さくな性格で、ミミとも打ち解けている。外の世界にあこがれているおてんば娘な一面もあり、冒険ものの小説などが大好き(さすがに腐女子ではないが……)。第7巻書き下ろしではミミと服を入れ替えて、お忍びで帝都の城下町にヒロのエスコートで繰り出している。
怒るとかなり怖く、同書き下ろしではヒロに因縁を吹っかけてきて返り討ちにされたエルマの元婚約者にブチ切れ、駆けつけた官憲に身分を明かして社会的にトドメを刺した。

  • ティニア
リーフィル星系のエルフの有力氏族「グラード氏族」の族長の娘。
他氏族の族長の息子との婚約式典の最中に宙賊に襲撃、拉致されたところをヒロに助けられた。
web版ではチョイ役なのだが、書籍版ではヒロと共に遭難するなど大幅に出番が増えており、第9巻の事実上のゲストヒロインとなっている。

その他

  • アブラハム・ダレインワルド

ダレインワルド伯爵家現当主。頑健そうな体格をした初老の男性。
跡取りであった長男夫婦をバルタザールに殺され、唯一の肉親となったクリスを引き取る。
ヒロのことは信頼しているが、やはり貴族の当主ということもありクリスが傭兵であるヒロを慕っていることには表向きは賛成していない。ただ、積極的に反対もしていない。

  • バルタザール
アブラハムの次男でクリスの叔父。当主の座を狙い兄夫婦を殺害し、生き残ったクリスと、遂には父も殺そうとした。
劇中では明確な手段が描かれていないため詳細は不明だが、他者を意のままに操る術に長けており、宙賊の大群や帝国宇宙軍の部隊までもヒロに刺客として差し向けてきた。
それもことごとく撃退され、最後の手段として貴族同士の一騎打ちに持ち込み父を追い詰めるが、決闘など知ったことではないといわんばかりに乱入したヒロとメイに倒されて捕縛された(明言されていないがその後処刑された模様)。
彼が使っていた二振りの剣は、ダレインワルド伯爵を介してヒロに授けられ、彼の愛剣となる。

  • 皇帝
グラッカン帝国現皇帝。本名不明。
見た目は中年だが、年頃の孫がいるので、延命処置を施していると思われる。
僅かな情報からヒロが異世界人であることを突き止めるかなりの切れ者。
ヒロのことは気に入っているが、彼の意向を無視して無理やり御前試合を組んだりと迷惑もかけているため、ヒロには内心「ファッキンエンペラー」と呼ばれている。

  • エルンスト・ウィルローズ
エルマの兄。エルフの美系キャラであるが重度のシスコン。
妹を傷物にしたヒロのことが気に入らず、勝負を吹っかけようとするが、一度目はエルマに「嫌い」と言われて卒倒し、御前試合での再戦時にはヒロに返り討ちに合った。
ただし、ヒロの実力や人柄自体は評価しており、「義兄(あに)と呼ぶな」と言いながらも情報提供などで協力している。

  • エルドムア・ウィルローズ
エルマの父で現ウィルローズ子爵。エルフだけあり美形で若々しい。
妻のミルファと長女のエルフィンには頭が上がらなく、ヒロがエルマとすでに性的な関係になっていると聞いて激怒……しそうになったところでヒロの目の前で二人にボコされ、すっかりおとなしくなってしまった。
なお、皇帝とヒロの対面時に同席しており、ルシアーダと同様にヒロが異世界人であることを聞いているが、彼がどう思ったかは不明。

用語

  • ステラオンライン

英語表記は「Stella Online」。劇中では「SOL」と略されることが多い。
孝弘(ヒロ)が現代日本でやりこんでいたオンラインゲーム。非常に自由度の高いゲームで、広大な宇宙を股にかけて冒険をする、傭兵や交易をする、などとプレイヤーの数だけプレイスタイルがあるというのが売りで、孝弘は傭兵「ヒロ」として宙賊退治などを主に行っていた。
ヒロが飛ばされたこの世界は、流通している装備など基本はSOLとそっくりなのだが、SOLでは実装されていないエルマのようなエルフなどの異種族の存在、星系の情報やグラッカン帝国をはじめとする星間国家などが違うなどのSOLとの相違点も多く、この世界が「SOLの世界」なのか「SOLに似た別の世界」なのかはいまだ不明となっている。
ただし、そのおかげでヒロがゲーム知識を鵜呑みすることがなく慎重に行動するようになっているため、(いわゆる俺TUEEE要素のある物語ではあるが)ヒロが慢心しないという利点もある。

  • グラッカン帝国
物語の舞台となる星間国家
貴族制を導入している。
帝国貴族は絶対的な権力を持ってはいるが、品位と誇りを大事とされているため、平民相手に過剰に威張り散らしたり無礼討ちを繰り返すような貴族は他の貴族からの評判が落ちて爪弾きにされるなど、腐敗貴族を防ぐような慣習が出来ている。ただし、悪徳貴族やダレインハルド伯爵家の件のようにお家騒動が無いわけではない。
また、貴族の多くは貴族の証として帯剣している(一応、貴族以外が帯剣していけないわけではなく、ヒロはダレインワルド伯爵から譲られた物を帯剣している)上に、生体改造を自身に施して身体能力などを大幅に上げている。そのため剣の達人が多く、使用する剣自体も単分子素材製の理論上最強の切れ味があるため、銃弾やビームを剣で切り払うという某ジェダイのようなことすらできる者もいる。ただし、そうした一部の貴族の間には、剣術や決闘を必要以上に重んじる思想に染まった「白刃主義者」と呼ばれる者も多く、そうでない貴族や帝国軍人の悩みの種となっている。

  • 結晶生命体
体が水晶のような結晶質で構成された謎の宇宙生物。漫画版のイラストなどを見る限りは某アニメの宇宙怪獣E○Sを足して2で割ったような外見。
意思の疎通は全くできない上に、人間のような有機生命体を執拗に狙い、宇宙で遭遇すれば体当たりしてきたり、エネルギー弾を撃ってきたりと問答無用で襲ってくる人類の天敵。個々の能力は高いわけではないが、大概は数百~数千の大群で行動するため非常に厄介。
「歌う水晶」という謎のクリスタル状の物体を壊すことで意図的に召喚することもできる。ただし、この水晶、SOLではただのレイドバトルを起こすためのアイテムなのだが、その危険性からこの世界では第一級の禁制品である。
偶然「歌う水晶」を手に入れたヒロはこの性質を逆手に取り、ターメン星系に攻め込んできたベレベレム連邦の艦隊にクリシュナ単艦で奇襲攻撃するついでに「歌う水晶」をテープで括り付けた対艦反応魚雷を中枢に打ち込み、大量発生した結晶生命体に艦隊を襲わせ壊滅的打撃を与えた(さらには、その大混乱の最中に再度奇襲し、約250隻の敵艦の5分の一を沈めた)。

この世界では生態に関することの大半が不明だったが、ヒロはゲーム知識から群れの中枢である惑星クラスの巨大結晶生命体「マザー・クリスタル」の存在などを知っており、(もちろん、情報の出どころは誤魔化したが)結晶戦役でセレナ達帝国軍にも情報が共有され、戦役での勝利につながった。
なお、残骸からとれる結晶体は様々な素材に転用できる資源でもあり、結晶戦役でヒロに倒されたマザー・クリスタルの体は後世に至っても資源惑星として利用されている。

  • クリシュナ
型番は「ASXー08 Krishna」。孝弘がSOLのイベントで手に入れた高性能の小型宇宙船。定員は5名。
設定上は「一世代前のハイエンド軍用機の横流し品を原形をとどめないレベルで魔改造した」となっているが、あくまでSOLの設定でありこの世界では同型機の存在しない事実上のワンオフ機。ジェネレーター出力が大型艦並みという化物船であり、機動性やシールド出力もずば抜けている。このジェネレーターはこの世界では再現不可能な半ばブラックボックス扱い。
武器は武装腕に取り付けられているため可動範囲が広い上、同サイズの船ならシールドごと一撃で破壊する軍用の重パルスレーザーが四門、射程は短いが近距離で絶大な威力を発揮する散弾砲「キャニスターキャノン(劇中ではシャードキャノンとも呼ばれる)」二門、弾薬費が高いが大型艦も沈められる対艦反応魚雷四発と非常に火力が高い。
限定品だけあってヒロ曰く「小型艦の機動性に重巡洋艦級の火力を併せ持つヤベー奴。条件次第では戦艦級も撃破できる」で、ヒロの技量も合わせると一騎当千の「最強宇宙船」と化す。
重パルスレーザーを使用する際は武装腕が展開するので「腕付き」とも呼ばれる。

ミミを引き取ってしばらくして、宙賊退治で稼いだ大金を使い、最高級の自動調理器「テツジン・フィフス」をはじめとして、寝具、入浴設備、空調などの内装を最新鋭の高級品に交換したため、豪華客船並みの居住性を持つようになっている。
純粋な戦闘艦であり、カーゴの容量や居住スペースが小さいのが欠点。そのため、ブラックロータス購入後は戦闘に専念するようになっている。

  • TMPA-13 RIKISHI mk-3
ヒロがSOLで愛用していたパワーアーマー。クリシュナと共にこの世界に転移してきた。
両掌の電流放射装置『HARITE』、脚部の衝撃増幅装置『SHIKO』、両肩部のレーザーガンの『SHIKI-RI』、シールドを張りながら体当たりを行う『BUCHI-KAMASHI』など、多彩な内蔵兵器、機能を持つ重装甲パワータイプ。
ずんぐりとした見た目と上記の機体名や内蔵兵器のネーミングの通り、モチーフは力士なのだが、見た目やネーミングとは裏腹に非常に高性能。SOLでは最強クラスのアーマーとして愛用者も多い人気装備だったが、この世界では同レベルのアーマーは今のところなく、こちらもワンオフ扱いとなっている。
漫画版では若干ではあるがスマートな外見となっている。

  • ブラックロータス
スペース・ドウェルグ社製の中型母艦「SDMS-020 Skizbrazunil(スキーズブラズニル)」をベースとしてカスタマイズされた一行の新たな母船。カーゴの要領も大きく、速度は遅めだが重装甲型。メイが自分の陽電子頭脳で制御することを前提として作られている。ドッグはクリシュナクラスの小型船を2隻まで収納できる。
当初の予定では非武装の防御型になるはずだったが、もっとヒロの役に立ちたいというメイの強い要望と交渉により、重武装の砲艦も兼ねるように製作された。

メイン武器は大型EML(いわゆるレールガン)。この世界のEMLは射程や威力は高いのだが、レーザーと比べて弾速が遅めなことと砲身が固定されて狙いにくいために命中率は悪く、使用者がほとんどいない、いわばロマン砲の類として扱われている。しかし、高い演算能力を持つメイが制御することで命中精度は大幅に上がっている。他にも中口径レーザー砲やシーカーミサイルを多数装備しており総合的な火力や射程はクリシュナ以上。しかも武装の全ては普段は装甲で隠されているので、非武装船と思わせて油断させたところで武装を展開して叩くという「釣り」にも使える。
内装面もテツジン・フィフスを入れるなどクリシュナ同様のグレードに引き上げられているため客船の真似事もでき、カーゴが大きいため輸送はもちろん宙賊戦での戦利品を大量に回収でき、ドッグの設備が最新なのとティーナ&ウィスカの腕がいいため損傷の小さい宙賊船を回収・修理して売り捌くことも出来たりと、クリシュナとは違い既存技術で製作されているが、最先端の技術を惜しみなく投入した結果、ある意味クリシュナ以上の「最強宇宙船」と言えるチート艦となっている。

関連タグ

小説家になろう SF 
異世界転移

外部リンク

小説家になろう版
ComicWalker版コミカライズページ
ニコニコ静画版コミカライズページ

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