概要
この術はくノ一のハニートラップのための技……というのは後世にできた話。本来の房中術は、房事(すなわちセックス)に関する古代中国の養生術(健康法)の一種であり、易経や陰陽思想に基づき、快楽を目的とはせず、医学的に性行為から気を操作することにより健康状態を保ち、長生きするための指南のこと。
伝承においては九天玄女と素女というふたりの仙女が黄帝に伝えたともされる。
ちなみに儒教や道教にも解釈によって影響を受けていたものの、古代に記述されたこの術の文献は時がたつにつれ散逸し、古代におけるこの術のきちんとした研究が行われるようになったのは20世紀後半、墳墓が発掘されこれまで知られていなかったこの種の文献が発見されるまではあまり研究が行われていなかったとされる。また、日本においては医学書である医心方にてこの術に関して引用された文章が存在する。
以下はこの術の内容の一例である。
- 楽しみに節度があれば、心は穏やかで長生きできる。溺れて顧みなくなれば病が生じ、命が損なわれる。
- 女性が十分に興奮した状態で交わること。男性は快楽に身を任せず精(気の一種のこと)を漏らさないように交わること。
むろん、ここに上げたのはその一例である。
本来この術は、性という人間の必須の行為に対して節制を保ち「適度な楽しみ」とし、無用に体力を消耗しないことで身体を保養し、男女の身心の和合を目指すものであったとされる。
創作上
現実にできるかは不明だが、創作作品では房中術を治療や能力強化、相手の弱体化などに用いるキャラクターが登場することもある。90年代の青年漫画誌だと、房中術に通じる邪仙や妖魔の美女が、若い男から精力どころか生命力そのものを吸い上げ、疑似的な不老不死を得る「東洋版サキュバス」みたいな扱いも散見された。
関連項目
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折原マヤ:房中術を得意とする美人工作員。
元工作員である彼女の母親から直接仕込まれたとされる房中術を駆使し、彼女を追ってきた屈強なロシア人の諜報員を殺害した。