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解説

warp。原義は「歪み」。

宇宙船等が空間を歪ませる事で近道を作り上げ、光年単位の遠方さえも一瞬で移動する航法である。

良く挙げられる比喩としては「地図上の二点を繋ぐ最短距離は?」と言う問いに対し「地図を折り曲げて距離0」と答えるもの。

SFとは関係ない所では瞬間移動と同じ意味合いで使われている。

アインシュタイン相対性理論により「質量を持つ物体が光速以上になる事は不可能」と言う事になってしまった為に作られたSF設定。それ以前のスペオペヒーローは「光の5倍の速さの宇宙船」とかで宇宙を飛び回っていた。

現実的には、

三次元空間を歪めるために必要なエネルギー量が、全宇宙が内包出来るだけの分量を上回っている為、結局は不可能

……とされているが、今なお多くの者がこの夢の無い説をひっくり返してくれる天才……もとい神の降臨を待ち望んでいる。

上述の「必要なエネルギー量が、全宇宙が内包出来るだけの分量を上回っている」ことがわかると同時に、既知の全質量・エネルギー量では説明のつかない重力の強さがあることから、ダークマターの存在が議論されるようになった。

近年のSF作品においては、現時点では仮説の域でとどまるものの、そういったものを説明するための理論(大統一理論・M理論)と整合のつく程度に科学公証が行われる事が多い。

スタートレックにおけるワープ

日本のSF作品で一般的な」ワープは、上記の通り「空間を歪ませて近道を作り上げる」であり、結果のみ(移動した距離と所要時間の比率)を指して超光速としているが、宇宙船の速度そのもの(近道を移動する際の速度)は光速より遅い

しかし、スタートレックで使われるワープは「船体を異空間で包みこむ事で、相対性理論による限界に縛られない超光速航行を可能とする」と言うものである。

近道など使わず、実際に光速を超える速度で移動しているのだが、より厳密には「船体を包む亜空間フィールドそのものが超光速で移動し、船自体はフィールド内で静止している」。

移動速度については、『宇宙大作戦』までは光速×係数の3乗であり、『制限は無かった』。

しかし『新スタートレック』以降、ワープフィールドの層の数によって係数が定まり、光速×係数の10/3乗で求められ、『ワープ10は無限速とされ到達できない』。

(やろうと思えばできるが、宇宙のどこにでも同時に存在している状態になって制御できず、しかも人体に重大な影響をもたらす)

このバリエーションとして「一度相対性理論が存在しない異世界に移動して超光速航行をした後に元の世界に戻る」と言うものも存在する。スターウォーズのハイパードライブはこれにあたると思われる。

まぁこれらも「異空間を作り出したり異世界に行き来したりする為に必要なエネルギー量は?」と言う話になるのだが。これが可能なら理論上「タイムマシン」も作れるわけだし…。

自分たちで作り出すのではなく、自然現象(『ワームホール』)等を利用することで、必要なエネルギーの問題を解決している作品(「星界の紋章」)もある。

宇宙戦艦ヤマトにおけるワープ

時空間歪曲型

『宇宙戦艦ヤマト』を語源とするタイプのワープで、極めて単純に言えば宇宙空間内のある点AからBへ移動する際、宇宙空間の構造を利用した「ショートカット」を使って目標地点との空間的距離を無視して移動する方法を「ワープ」と呼んでいる。

この原理は冒頭と同じく、紙自体を折り曲げて紙の上に書かれた2点を近づけるという例えで説明される。つまり、紙という平面(2次元)での距離は変わらなくても、空間(3次元)内では接近している。ここで、紙同士が接近するポイントを利用すれば、途中の経路を通ることなく到達できるというわけである。

この方法により、目的地に到達するまでに要する時間が短くなり、ワープを繰り返すことでヤマトは148,000光年彼方の惑星イスカンダルまで半年程度で到達している。

『宇宙戦艦ヤマト』の場合、宇宙空間が初めから4次元的に“曲がっている”ことを利用して近道しているが、作品によっては紙を折り曲げるように宇宙空間そのものを歪曲(これがワープの語源である)させて現在位置と目的地を4次元的に近づけることになっているものもある。空間を折り曲げたり突き抜けたりする理論的根拠としては、アインシュタインの唱えた一般相対性理論や量子力学のトンネル効果などが作品中で言及されている。

このワープは出口となる場所にデブリがあった場合、宇宙船に致命的なダメージを与えてしまうために1回のジャンプに対し厳密な測定と計算が必要になる。逆に帰路は既にデータがあるからか一回のワープで太陽系に到達している。

なお『超電磁マシーンボルテスV』ではあらかじめ無人の偵察機を跳ばす事で進路を確認している。

関連タグ

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