概要
スタートレック世界に登場する宇宙艦はワープ・ドライブと呼ばれる機関を搭載している。
これを装備した艦は、艦の周囲に亜空間フィールドを展開することで相対性理論を突破、
フィールドの枚数(ワープ係数)×10/3乗×光速という凄まじい加速を実現する。
ただし、ワープ・ドライブによる加速には技術的な限界があり、
亜空間フィールドを張れる枚数は最大9枚(ワープ9)に限られている。
フィールド出力を強化することでワープ係数を上げることは出来るが、
惑星連邦最速艦であるUSSエンタープライズEでもワープ9.985(光速の6000倍)が限界、
これ以上の加速を行えばワープ・ドライブや船体が崩壊する恐れがある。
また、物体の移動を伴わない亜空間通信ですらワープ9.9999(光速の20万倍)が限界であり、
無限大の速度であるワープ10に到達することは出来ない。
トランスワープとは、このワープ・ドライブの限界を超え、
光速の数十万~数百万倍以上の加速を実現する技術の事を指す。
惑星連邦は23世紀後期に、USSエクセルシオでトランスワープの実験を行ったが
実現には至らなかったらしい。
7万光年離れたデルタ宇宙域に転送されてしまったUSSヴォイジャーは、
地球帰還の為にトランスワープ技術を必要としており、劇中では様々な形で実験を行っていた。
一度はワープ10に到達するトランスワープ・ドライブの開発に成功したこともあり、
その際はトム・パリス中尉が、全宇宙のあらゆる空間に遍在する現象を経験しているが、
副作用で人体が異常進化するという弊害があった為、開発は中止された。
ボーグはトランスワープ・コイルという亜空間の通路を作り出す技術を有しており、
これを搭載したボーグ・キューブは惑星連邦の艦より遥かに高速で航行可能。
更にボーグは銀河全体にトランスワープ・チューブと呼ばれる亜空間通路を張り巡らせており、
これを利用して銀河全域にボーグ艦を侵攻させることが出来る。
前述のUSSヴォイジャーもこのチューブを利用することで旅程を大幅に短縮。
他のトランスワープ技術や、旅の途中で発見したワームホールなどを併用したことで、
本来なら75年掛かる筈だった旅を7年で終わらせることに成功している。