概要
特撮作品における、「現実の物理法則を無視した強引な場面転換」の揶揄。
というのも、撮影に派手なアクションや火薬を使用した特殊効果を伴う作品の場合、一々そういった撮影を行ってもいい環境へ移動するカットを差しはさんでいては尺が足りないうえに、大ジャンプして移動するなどの合成も面倒なため、そう言った無茶な場所移動が行われることとなる。
そう言った場合、場面転換後の場所は「なんかここ前にも見たぞ」というようなお決まりの撮影現場であることが多い。
が、時代が下り視聴者の目も肥えていくと、流石に説明も無しにやりすぎるのもアレというわけで、戦隊シリーズの移動用メカや、宇宙刑事シリーズの「戦闘時には特殊な空間へ転送される」等、特撮ワープについてあれこれ理由付けをする作品も増えていく。
また、特撮ワープを敢えてあまり使わなかった作品も存在する。特に高寺成紀プロデューサーがこの手の設定に熱心であり、『激走戦隊カーレンジャー』では「怪人発生を感知できる装置」を設定し車戦隊だけあって車で移動させ、『仮面ライダークウガ』では警察が情報提供するという設定で、特撮ワープを行わずに「戦闘に適した場所へ怪人を如何にして引っ張りだすか」という視点を作劇に組み込んだ演出を行ったことで話題となり、『仮面ライダー響鬼』では、協力者の作る草の根ネットワークによる組織的な通報体制の構築や、多数のディスクアニマルを使っての搜索で怪人(そもそも生育環境が限られているため、序盤の敵は田舎に出現することが多かった)の位置を特定するなど、「怪人の出現場所に都合よく仮面ライダーが登場している訳ではない」という理由付けの描写が盛り込まれている。
対して白倉伸一郎プロデューサー(&井上敏樹)の作品ではむしろワープを積極的に使用し、『仮面ライダー555』や『仮面ライダーカブト』などでは盛り上がり重視で何故か別の仮面ライダーが都合よくいることが多い。整合性を求めるファンからは批判もあるが、商業的にはこちらの方が成功していたりする。詳細は後述の井上ワープを参照。
近年はCG合成技術の発達により、爆発エフェクトやアクションの一部をCGである程度代用できるようになったことで、街中での撮影でも済ませられるケースも多くなってきてはいる。
しかし、それでも火薬を使った本物の爆発にはCGでは出せない迫力があり、特殊効果無しのアクションであっても撮影場所によっては制約も多く撮影許可の問題もあるため、やはり「いつもの場所」というものが頻出することになる。
特撮ワープの一例
- 敵が攻撃し爆発が起こる→いつの間にか広い場所へ
- 敵怪人に殴られて吹っ飛ばされる→今まで戦っていた建物はどこ行った
- 「行くぞ怪人! トゥ!」→明らかに数百m先に着地
- 敵から突き落とされ、ビルの屋上から落下→怪人達が先回りしている
- 巨大な敵が都市部で暴れ、主人公が変身したりロボットに乗って迎え撃とうとすると、なぜか都市のド真ん中に巨大な空き地が現れたり(通称怪獣広場)郊外にワープしていたりする
そういった場合にありがちなロケ地
いつもの採石場
- 旧・三栄土木
昭和期のウルトラシリーズや、『仮面ライダー』などを初めとした特撮のアクションシーンと言えば大体赤土が特徴的なこの場所。東映生田スタジオが存在した1970年代前半を中心に多用された。
- 埼玉県大里郡寄居町
- 栃木県栃木市岩舟山採石場跡
- 埼玉県比企郡吉見町・白い壁
いつもの廃墟
- お化けマンション
1991年に取り壊され、現在は「能ヶ谷きつねくぼ緑地」となった。
- コンクリート廃墟
その前身は1960年代に、恐らくはコンクリート原料としての砂利採取の拠点として建設された施設であろうと見られており、現在では自然の侵食や解体などもあって往時の姿はほぼほぼ留めていない。
いつもの廃工場
- 東洋熱工業吉井工場(旧・高崎金属)
2000年代中頃から10年ほど、工場での大乱闘や、怪人に破壊された都市部の廃墟として頻繁に登場。『仮面ライダーディケイド』のRXの世界、『MOVIE大戦アルティメイタム』のアクマイザー軍団のアジト、『サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯!』の冒頭で鎧武がインベス軍団と戦っていた廃墟などもここである。
2017年8月時点では既に完全に取り壊され、一面ソーラープラントになってしまった。これも全部乾巧って奴の仕業なんだ。おのれかゴルゴム。
ゲーム「仮面ライダー クライマックスファイターズ」には、この廃工場をモチーフにしたステージも登場している。
いつもの埠頭
- 晴海客船ターミナル
東京都中央区晴海。海が見える晴海ふ頭公園と隣り合った場所にある。
1991年の開業から程なくしてエクシードラフト本部が置かれたり、クラーケンイマジンがピアノマンにピアノを届けたり、フォーゼがリンクス・ゾディアーツと戦ったり、ジオウで海外にいた津上翔一が帰国時に降り立ったりと、数々の特撮ロケに使用された。
本編の撮影のみならずヒーローの集合写真もよく撮られている。
2022年2月、惜しまれつつも閉館・解体の運びとなった。
いつもの空き地
- 日本高圧コンクリート埼玉工場
『仮面ライダーオーズ』ではここでカザリがタトバキックを邪魔した。
いつもの階段
怪人にライダーが突き落とされたりする場所。『スーパーヒーロー大戦Z』ではフォーゼに呼び出された歴代戦隊やライダーがずらりと勢揃いした。
闘技場とかの設定では大概ここが貸切られて使用される。
通称「長石階段」。初代ライダーから戦隊等を経て平成ライダーまで関わった長石多可男監督が多用した階段で、よく怪人が出没する日本一危険な階段であった。
長石の逝去から程なくして、東京外郭環状道路工事のため立入禁止となった。
- 光が丘公園
主だったところとしては、ソウジキジゲンへの怒りに燃える結城凱が歩きながら変身したり、ウインスペクターのEDでバイクルとウォルターが子供達に囲まれたり、メイとラミイが七変化を繰り返しながら対決に及んだのもここである。
この階段付近に限らず公園の他のスポットや、公園と駅の間にある商業施設「光が丘IMA」なども、同様に特撮作品における頻出スポットとして知られている。
いつもの橋
- 大宮ほこすぎ橋
- 夢の大橋
主だったところではデカレンジャーの5人が毎週のように駆け抜けたり、復活した仮面ライダーダブルがエナジー・ドーパントを撃破して物語を締めくくった事も。
隣接する「水の広場公園」も、特撮作品における頻出スポットの一つに数えられる。
いつもの川
- 東京都練馬区比丘尼橋
- 埼玉県川越市水上公園
いつもの寺
- 善光寺(小田氏史跡)
いつもの広場
- 埼玉県さいたま新都心けやき広場
- シーバンス
都心部でのアクションシーンを中心に、ガラス張りのアトリウムである「シーバンス ア・モール」や、その正面にある「水の広場」などが使われることが多く、主だったところでは一条刑事が誘拐犯を取り押さえたり、龍騎がディスパイダー リ・ボーンを撃破したり、カブトとドレイクが激戦を繰り広げたりといった場面もここでの撮影である。
1990年代後半から2000年代中頃まで多用され、これ以降は登場頻度も大幅に減少・・・したかに思われたが、2010年代後半から再びちょくちょくロケ地として使用されるように。
いつもの公園
- 茨城県つくば市吾妻つくばセンタービル前
階段の多い公園は大概ここ。オープンからまもなくしてバイオマンが名乗りポーズを決めたのを皮切りに、現在に至るまで数多くのヒーローの激戦の舞台となった。
「バナナ!」「バロンだ!!」や、『レッツゴー仮面ライダー』の処刑台広場、ロストアンク臨終の地などもここ。
アニメでは『怪獣娘』第2期でGLRLSとシャドウジェネラルとの最終決戦に使用された。
いつもの丘
- ぐんま天文台
いつもの地下施設
『クレヨンしんちゃん』で知られる埼玉県春日部市地下。洪水時に放水し水位を下げる施設。無数の柱が立ち並ぶ幻想的な風景であり、『仮面ライダー555』ではアークオルフェノクとの最終決戦に、『ディケイド』ではカブトの世界でのハイスピードバトルに使用された他、映画『ULTRAMAN』でも使用されている。ちなみに同作劇中で使用されたドーム状の天蓋を持つ施設も555や響鬼で使用されている。
そのインパクトの強さからか、特撮以外にも登場する事がある。漫画『HUNTER×HUNTER』(アイザック=ネテロとメルエムの戦った地下兵器実験場のモデルになった)や、格闘ゲーム『アルカナハート2』(アンジェリア・アヴァロンとの初戦ステージ)など。
スマホゲーム 『fate/grand order』の5周年広告企画でも登場した。
いつもの通路シェルター
庁舎は『仮面ライダーカブト』のZECT本部として登場。『仮面ライダー電王』ではOPの野上良太郎の変身カット背景に使われたり、『仮面ライダービルド』にも定番のスポットとしてよく登場したりした。あまりに色んなシリーズで使われ過ぎたせいか『仮面ライダージオウ』ではスウォルツによって統一化された平成ライダー全世界の敵が召喚され、事実上の「ジオウの世界の終わり」の拠点にされてしまった。
いつもの街
説明不要。高層ビルが多かったためか、都会の象徴として地下街も含め昭和作品によく出てきた。西新宿にはゴレンジャーの基地が置かれていたこともある。
平成ゴジラでは何度かゴジラに襲撃されて壊滅的な被害を受けている。
ウルトラマンネクサス及びその関連作品でも登場する。
開発が進んだ1990年代より定番の撮影スポットに。たまにテレ朝やテレ東なのにフジテレビ本社ビルが出てくる(特徴的な玉の部分はさすがに隠されることが多い)。
なんせ臨海部なので怪獣王が来ることも多い。
1990年代以降の戦隊や平成以降のライダーシリーズでは、幕張メッセ周辺もよく使われている。
いつもの赤レンガ
正式名称は「横浜税関新港埠頭倉庫」。
みなとみらい21地区の一つで、経済産業省による近代化産業遺産に認定されている。
仮面ライダー1号が蜘蛛男と戦ったり、アニーが毎回OPで車に襲われたり、ヒビノ・ミライとマドカ・ダイゴが出会ったりしている。
アニメではプリキュアオールスターシリーズでもたびたび登場。
- 三角広場
ビル全体の大規模改修を経て、2020年にこの広場も全天候型イベントスペースとしてリニューアルされており、かつての面影は殆ど残されていない状態にある。
いつもの城
- 大理石村ロックハート城
移設完了から程なく『忍者戦隊カクレンジャー』のクリスマス回で使われたのを皮切りに、以降も『魔法戦隊マジレンジャー』のエンディング映像にも登場。近年に至っても『仮面ライダーゴースト』、『仮面ライダーエグゼイド』、『仮面ライダージオウ』、『仮面ライダーセイバー』、『仮面ライダーギーツ』、『王様戦隊キングオージャー』等でロケ地として多用されている。
いつものレトロな街
- 東映太秦映画村
その名からも察せられる通り、東映京都撮影所のオープンセットの一部を転用・一般公開したもので、東映制作の時代劇に登場する街並みと言えば大体ここといって差し支えない。
特撮においても、『爆竜戦隊アバレンジャー』などで見られる「江戸時代にタイムスリップした」エピソードや『仮面ライダーW』などでの「夢の中の世界での戦い」を描いたエピソードなどにて度々登場することの多い場所であるが、中には『特捜戦隊デカレンジャー』や『仮面ライダーフォーゼ』のように、「作中での実在の施設の一つ」として登場する場合もある。
- ワープステーション江戸
『機界戦隊ゼンカイジャー』ではレトロワルドと激闘を繰り広げており、『仮面ライダーギーツ』の劇場版『4人のエースと黒狐』では、4人に分裂した浮世英寿の1人、知的ではあるもののドジでおっちょこちょいな「知恵の英寿」と鞍馬祢音が邂逅し、街を駆け回ることになる。
2023年現在は撮影専用施設としてのみ営業しているが、2020年3月までは一般向け公開も行われていた。
いつもの建物&立体駐車場
- Gメッセ群馬
『仮面ライダーゼロワン』本編と劇場版『REAL×TIME』で使用されたことを皮切りに『仮面ライダーセイバー』本編、『仮面ライダーリバイス』本編とVシネマ作品『リバイスForward』でも使用されており、今後もロケ地として活用されていくことが期待されている。戦隊シリーズだと『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』でも使用されている。
ちなみに、どの作品も建物前と道路、駐車場といった屋外での撮影が主となっている。
いつもの日本
『パワーレンジャー』シリーズの初期では戦闘パートで原作映像(日本)を丸々流用していた為、変身した途端いきなりアメリカから日本へワープするのが当たり前だった。勿論ロケ地は上記の物がほぼ全て該当。近年では現地で原作に似た風景のロケ地を探し出し、そこで撮影して原作の戦闘パートとすり合わせて違和感を無くすケースが多くなっている。
理由付けがされているタイプの特撮ワープ
戦闘専用の空間が存在するもの
- 魔空空間、幻夢界、不思議時空…宇宙刑事との戦闘時に怪人のパワーが3倍になる異空間へと引きずりこむ(尤も、毎回負けるので「宇宙刑事のパワーは4倍になる」とも)。小林義明監督回では、宇宙刑事が幻覚や謎の空間に引き込まれ、特撮ワープをしまくりつつ怪人に襲われるという内容の回が多い。
- 本シリーズでは特撮の都合以外に、メッキスーツにカメラマンや撮影機材等が映り込むのを防ぐための(薄暗い)空間と言う理由もある。そのため明るい場所での撮影ではは非メッキスーツが使われていた。技術が進歩した現代では、メッキスーツに余計なものが映り込んでもCG加工で修正できるから問題ないとされる。
- サタンゴースゾーン(巨獣特捜ジャスピオン)…本編で大サタンゴースが、『スペース・スクワッド』ではサタンゴース(リメイク版)が使用。ブラックホールから発生する負のエネルギーで構成される超空間で敵達はこの空間内にて戦いの際、優位に立てる。
- ガオームゾーン…『重甲ビーファイター』にて敵ジャマールの首領ガオームが作り出す空間。魔空空間などと同じ目的で使用されるが使用回数は少ない。
- トーセンボー…『ビーロボカブタック』でキャプテントンボーグがスターピース争奪戦に使用するバトルフィールド。キャプテンの気分次第で場所が変わる。
- ランキングアリーナ…『テツワン探偵ロボタック』でマスターランキングがシュビドゥバッヂ争奪戦に使用するバトルフィールド。
- ウルトラマンネクサスのメタフィールド…ディバイディングドライバーと大体似たようなもので、異空間を作り出して周囲の被害を気にせず戦える。要はミニチュアセット作成の省力化。
- 仮面ライダービルドのパンドラタワー…エボルトの意のままに空間を作り替えることができる。
- ミラーワールド(仮面ライダー龍騎)…本作のライダーシステムはミラーワールド(鏡の中の世界)を利用したシステムなので、現実世界で戦う方がイレギュラーである。
- ヘルヘイムの森(仮面ライダー鎧武)…そもそもヘルヘイムの森で取れる果実の争奪戦がメインなので、物語が進むほどヘルヘイムの森のシーンが増えていっている。
- 悪霊世界(光の戦士ダイヤモンド・アイ)…前世魔人の棲む暗黒の領域で「悪霊界」ともいう。骸骨状のゲートから出入りする。主に退却用だが、たまにダイヤモンド・アイを引きずり込んで戦闘を有利に持ち込もうとする。
能力によってワープするもの
- スピルバン・バイパススリップ…『時空戦士スピルバン』で使用される能力。市民や街を戦渦に巻き込まない様、物質移動波を出して戦場を一時的に別の場所に移す。
- イナズマンのテレポーテーション能力…敵を異次元に連れ込むことも可能。
- デンジジャンプ&デンジダッシュ(電子戦隊デンジマン)…最大150メートルまでジャンプし、100メートルを3秒で走る。要はライダージャンプ。
- オーロラカーテン(仮面ライダーディケイド、仮面ライダージオウ)…ディケイドらが使用する「何か」。ディケイドはほぼ偶発的に使用していた。
- 仮面ライダーエグゼイドのステージセレクト…こちらはコンピューターゲームの力を利用しているのを逆手に取り、実際にゲームエリアを選択する能力。単純なワープだけでなく、仮想空間も作成してそこにワープすることができるため、味方サイドが使う場合は現実世界への被害を抑えることもできる。
- アストロジャンプ(流星人間ゾーン)…ゾーンファイターが使用するテレポート能力。生放送中のテレビのブラウン管を通して戦闘の現場へ移動したこともある。ゾーンエンジェルとゾーンジュニアも使用可能。
- ミラースパーク(ミラーマン)…鏡京太郎がミラーマンに変身すると同時に空間をワープする。反射物があればどこにでも移動できるが、敵であるインベーダーもそれを逆に利用した罠を色々と張り巡らせる。
設備や道具によってワープするもの
- ボップ(超人バロム・1)…白鳥健太郎と木戸猛がバロム1に変身するためのアイテムで、後半から所有する一方が投げるともう一人も自動的にテレポートするようになる。ドルゲ探知機にもなる。
- エゴス怪人探知装置(バトルフィーバーJ)…反応が出ると各秘密ルートを通ってすぐ移動できる。問題は番組前半、バトルジャパン以外の集まりが悪い事。
- マシンドルフィン(星雲仮面マシンマン)…高瀬健がテレパシーで悲鳴を聞くと変身アイテム「ワープスロットル」で召喚、マシンハイウェイで転送できる。(ただし移動自体は瞬時にではない)
- スターコア(兄弟拳バイクロッサー)…水野兄弟の部屋のタンスの中にある異次元に待機している母艦。デスターの被害者の悲鳴を兄弟にテレパシーとして送信し、兄弟の要請により発進・変身させる。タンスが異次元と通じているのはナルニア国物語からのオマージュ。
- サイバースライダー(電磁戦隊メガレンジャー)…メガレンジャーが使用する空間移動用のサーフボード型飛行マシン。メガシルバーはプロトタイプのオートスライダーを所有。
- シューター(特命戦隊ゴーバスターズ)…エネルギー管理局のある東京都心は計画都市として改造されており、バスターマシンへの地下通路が張り巡らされている。一部のファンからは『電脳警察サイバーコップ』のブラックチェンバーが元ネタだと噂されている。
- 星雲荘(ウルトラマンジード)…事実上のワープ装置であるエレベーターでどこへでも瞬時に移動できる。
- ブックゲート(仮面ライダーセイバー)…ソードオブロゴスの本拠地ノーザンベースへ速やかに移動できる。
- 銀河新星グレイトZの転送ドローン(ドゲンジャーズ ナイスバディ)…自身の戦いに関わる者や物体を瞬時に転送する。特撮ワープ自体は第1期からあるものの特に理由付けはなかった。
- テレポート装置(パワーレンジャー初期シリーズ)…敵モンスターが出現するとアルファ5によって現地に移動させられる。
- ドンブラスター(暴太郎戦隊ドンブラザーズ)…モンスターが出現すると変身アイテムが自動で出現し、アバターとして転送される。
アニメにおける特撮ワープ的なもの
- ディバイディングドライバー(勇者王ガオガイガー):周りの被害を防ぐ為に空間を歪めて自力で「怪獣広場」を作り出す装置。要は背景作画の省力化。
- 軌道演習ZONE(出撃!マシンロボレスキュー):通称「ゾーン」。一種のバリヤーの役目を果たし、現場の被害を最小限に抑えるべく、この中に敵を閉じ込めて戦闘を行う。他の作品では『マジンボーン』のリベレーションコクーンや『シンカリオン』の捕縛フィールドが類似例である。
- ポドリアルスペース(夢戦士ウイングマン):ポドリムス人が戦闘中、三次元人に騒ぎを気づかれないために空間を反転させたもの。ウイングマンの変身時間も無限になるが、必殺技「デルタエンド」は「変身可能時間が残り3分を切らないと使えない」ため使用不可能になる。作画的には上下反転しただけで背景は普通に描かれているので省力化よりも宇宙刑事シリーズへのオマージュが大きいと思われる。
- シリアス玉(とんでも戦士ムテキング):ホットケソーサーが射出する花火玉型の立体映像発生装置で、遊木リンがムテキングに変身する際に敵の目をくらませるのとムードを盛り上げるための物。中盤でストックが尽きたため、戦闘は現実世界で行われるようになる。
- デリシャスフィールド(デリシャスパーティ♡プリキュア):ローズマリーが用意するブンドル団からレシピッピを保護するための能力で展開した特殊な異空間の名称。
- 疑似デジタルワールド(デジモンゴーストゲーム):デジヴァイスの機能で作られた疑似空間。周囲に被害を出さないためのもので、デジヴァイス使用者のパートナーデジモンの能力を増大させる効果もある。
井上ワープ
特撮ワープとは別に、平成ライダーの一部で行われる演出を揶揄した俗称の一つ。すなわち、
- 悪の怪人が暴れ回る
- 一般人や主人公の味方が通報(例「たたたたた、たっくん!オルフェノクが」)
- そのわずか数秒後にヒーローが怪人の元に辿り着き戦う
- 逃げる通報者
井上敏樹が脚本を担当したライダー作品(主にファイズ)でよく見られたために言われるようになった俗称だが、こうした演出は別に井上の専売特許ではなく、平たく言えば昔からあるお約束の演出であることに留意されたい。
そもそも特撮ワープと呼ばれる展開ができたのは、井上敏樹の父伊上勝の作風にあったりする。また、井上敏樹が特撮ヒーロー物を学んだ1980年代~1990年代の戦隊は、現在よりも尺が短い25分枠であったことから、話のテンポアップなどを目的としてワープが多用されていたという事情もある。
ちなみにTRPG『ワープス』では、「実はそこに居た」と言う主人公特技として実装されていたりもした。
こうした演出が取り沙汰されるようになったのは、『クウガ』での緻密な連絡や、『アギト』『龍騎』ように超常的な能力で怪人を探知するような物が『555』には特に存在せず、携帯の普及や携帯がベルトになっている事もあってこうした演出の使用頻度が高く、非常に視聴者の目に撮まりやすかった事、さらには啓太郎の「たたたたた、たっくん!オルフェノクが」がテンプレと化していた為であり、これが『555』を手掛けていた井上の唐突で整合性の無い特徴としてやり玉として挙げられていたのだが、単純に「ワープ」という点が独り歩きし「井上が担当したライダー作品の特撮ワープ」という誤用及び誤解をされていることが多い。
繰り返すようであるが、前出の通り井上に限った演出では無いので、二重で本来の意味から誤用及び誤解されているという事態に陥っている。
関連項目
マジレス お約束 採石場 ロケ地 聖地巡礼 ご都合主義
仮面ノリダー、非公認戦隊アキバレンジャー:作中で特撮ワープをネタにしている。
無敵超人ザンボット3…特撮ワープ(怪獣広場)の存在しない世界の悲劇・・・