ディバイディングドライバー
でぃばいでぃんぐどらいばあ
重機動スーパーメカノイド『ガオガイガー』が使用する『ハイパーツール』のひとつ。戦闘時に於ける市街地や人口密集地で行われるケースでの被害を最小限に抑える為に『GGG研究開発部』が初陣一ヶ月前の2005年3月に『モレキュルプラーネ』と同時期に完成させた。プロテクトシェードと同じ空間湾曲エネルギーを利用するため、必ず左腕に装備して使用する(装備形態のガオガイガーはD.Dモードと呼称される)。半径数十キロの土地を一定時間凝縮異動させ(解り易く言えば、地面に突き立てた一点を中心に空間を押し広げ、広げた分だけその周りの空間を圧縮させる)戦闘フィールド「ディバイディング・フィールド」を形成。
フィールドを維持できる時間は約30分で、それを過ぎると空間はフィールド消滅と共に自然修復される。
但し、その際に内部に異物があった場合、ブラックホールに匹敵するエネルギー量により圧壊。フィールド形成していたエネルギー自体もバランスを失い崩壊し、町だけでなく下手をすれば地球とその周辺をも壊滅させる可能性も持ち合わせる。
空間湾曲の方向には融通が利くようで、海上から水のない空間を作り出し、機体の潜航限界を超えた深海に潜む『EI-11』を引きずり出したり、『EI-16』の零距離で放たれた砲弾の有効射程を相殺、無力化するなど、本来の使用目的とは異なる運用方法で使われる事も多い。
基本的に単発式であり、一度使用したら機体の回収、綿密な整備と調整の工程を経ないと再使用は不可能である。原種大戦では宇宙空間用の『ガトリングドライバー』が開発されて共に活躍、原種大戦での経験が結果的に後継機『ガオファイガー』用のハイパーツール『ディバイディングドライバーⅡ』へと昇華する。
元々は宇宙メカライオン『ギャレオン』のブラックボックスから解析された概念図から『ジェネシックガオガイガー』用のガジェットツール『ボルティングドライバー』を再現しようと開発されたが、地球側の科学技術での完全再現が困難だった為にオプション装備という形式になった。
釘を刺すようだがこれは武器ではなく道具である。OPで毎回(※)勇ましく叫び必殺技と思われがちだが、ガオガイガーの必殺技はヘル・アンド・ヘブンであり、こちらは戦闘時の被害軽減に必要な専守防衛用である。
それでも放映当時は左腕に装着して使用することから「防御を司る左腕で使ってあの効果なら、攻撃を司る右腕で使えば攻撃に使えるのでは?」という考察がされていたが、劇中で実現はない。
※尤も、原種編で使用された歌詞は「ゴルディオンハンマー」、『FINAL』で使用された神話バージョンでは「ブロウクンファントム」「ゴルディオンクラッシャー」と、他のバージョンでは悉く必殺技名を叫んで誤解されても無理はない。スーパーロボット大戦X-Ωでも設定を無視して攻撃方法にされて、連続で繰り出される始末である。
余談だがスパロボシリーズでは前述のX-Ωを除くと本来の用途である防衛用としての仕様を極力徹底し、その分当初はシナリオイベントでの単発使用ばかりで出番が非常に少ない(逆にガトリングドライバーは採用率が高いものの、こちらは元来の用途と異なり普通に攻撃武器として扱われることが多い)。しかしBXではガトリングドライバーと共に「ダメージを与えない代わりに敵を弱体化させる」特殊仕様のMAP兵器となり、初めてガオガイガー及びスターガオガイガーの基本装備として実装。Tおよび30では普通の攻撃武器となったものの、戦闘アニメの内容が「ディバイディング・フィールドを発生させて敵機と1対1で対峙し、ドライバーを外してから格闘戦闘を仕掛ける」本来の戦闘スタイルを忠実に再現した流れとなる。
このツールが登場したのは、ロボットアニメを製作したらお決まりの武器(剣やら重火器)ばかりで面白味が足りない、防衛組織だから道具で対処すると言う監督の意向から。同時に街中で戦闘すると背景を描くのが面倒だからと言うメタ的なもの。要は特撮ワープと同じ理由である。