ゴルディオンハンマー
ごるでぃおんはんまー
全高:37.0m
重量:300.0t
最大出力:計測不能
重力場活断ウェーブ発生範囲:機密
殴打命中精度:±0.05cm
正式名称「グラビティ・ショックウェーブ・ジェネレイティング・ツール」。
「重力場の中に活断ウェーブを創り出す、地上最強の大発明である」(19話ナレーション)
重力場を伝播する重力波に活断面を作ることで、前面が垂直に立ち上がった活断ウェーブ=衝撃波とするツール(グラビティ・ショックウェーブは「重力で、または重力場に衝撃を与える波」ではなく「重力波の衝撃波」である点に注意)。
この垂直面に触れた物質は光子となって消滅する。
重力場とは、質量の周囲の空間の歪みのこと。
重い球を乗せて窪んだゴム膜などに例えた図を見たことがある人もいるだろう。この歪みの勾配は球の重さと小ささ≒密度で決まり、同じ質量なら密度が大きい=体積が小さい方が急になる。この歪みはあらゆる運動に影響を与えるため、直進する物体もこの歪みに沿って中心を回る周回軌道となる。惑星の公転がいい例だ。
この空間の勾配の急さが重力の強さ=重力加速度である。
重力波とは、重力の強さの変化が波の様に広がってゆく重力場の状態のこと。
上記のゴム膜を窪ませた球が(自転以外の)運動をすると、ゴム膜全体に波紋の様に波が広がってゆく。重力場の変動=重力加速度の変化もまた、空間の伸び縮みという波の形で光速で伝播する。
強力な重力波は、物体に極近距離での重力の差異を与え破壊する。現に木星の衛星イオは木星と他の衛星から受ける重力変動により加熱され、活発な火山活動を起こしているのだ。しかしながら、強力な復元力を持つゾンダーロボにはそれでも十分とは言えず、より強大な破壊力が求められた。
ゴルディオンハンマーは、発生させた重力波に活断面を作ることで伝播する空間の勾配を見かけ上垂直にしてしまう。空間の勾配の急さ=重力加速度であるから、垂直になるとその重力加速度は無限大となり、光速を越える。この異様な加速は進行方向の物質の分子結合力(電磁気力)どころか原子核内の素粒子の結合力(核力)をも上回り、質量を順次(垂直方向への無限大の加速が重力波の伝播速度である光速を上回る為)光子としてーこの宇宙で最も速い粒子として伝播方向に対し垂直に放出させてゆく。
つまりブラックホールの中心、特異点の様に物理法則が破綻した現象が起きているのだ。
理論的に防御は不可能。ただし、そのエネルギーが散逸し活断面が乱れると、この無限大の加速は失われる。
如何にゾンダーといえども、物理的実体を光子に変換されてしまって光速で撒き散らされてはどうにもならない……が、続編の『勇者王ガオガイガーFINAL』において他のハイパーツール共々、三重連太陽系のテクノロジーで生み出した対ゾンダー戦用地球製ツールではなく、対ソール11遊星主用に徹底的な破壊力を持たされたジェネシックガオガイガーの機能の一つを地球の技術で再現したものと設定された。オリジナルは両手の指全てに備わる「ゴルディオンネイル」で掴んだ対象を分解する補助的な装備だが、小型化できなかった分逆に大型大規模化して決戦ツールとしている。
その発動に当たってはGGG長官が所持する「日本内閣総理大臣承認(後に国連事務総長承認となる)」と刻印された鍵と、それにより出現する専用コンソールにオペレーターが所持するゴールドカードを読ませることでセーフティーが外れるという厳重さ。
更に万が一、その制御が不能になった場合に備えたエマージェンシーツールまで後に開発されている。
かくも強力なメカニックだが、見た目はどっからどう見ても“ピコピコハンマー”である。いや、打撃の衝撃を吸収する際に波打つ蛇腹構造が縮んで山折りと谷折りの角度が垂直に近づいてゆく様は重力波が重力衝撃波に変わる様を表している……のかもしれない。
ゴルディオンハンマーを運搬するマルチロボ・ゴルディーマーグの首から下が変形した「マーグハンド」を装着することで可能となる、「ヘル・アンド・ヘブン」に代わるガオガイガーの必殺技。
ゴルディーマーグの超AIが頭部ごとハンマー側に移動して直接グラヴィティショックウェーブ発生装置を制御し、体が変形してガオガイガーの巨大な右腕マーグハンドとなる(これ以降、ゴルディーマーグの超AIはツール制御に専念するため多くの場合会話機能などを省略=無口になる)。
右腕をマーグハンドに換装、ゴルディオンハンマーを保持する「ハンマーコネクト」の直後、ガオガイガーはサイボーグ・ガイのハイパーモード同様の金色に発光する高効率駆動状態になり、一時的にだが爆発的な高出力で一気にゴルディオンハンマーのGSライドを臨界に導く。マーグハンド未使用時にこの状態になったことはないので、サイボーグ・ガイやジェネシックガオガイガーのエネルギー・アキュメイター直列状態に類する機構が内蔵されていると思われる。
マーグハンドには車軸にゾンダーコア摘出用の光の釘が計2本とゴルディーマーグの脛部分に釘抜きが計二基装備されており、一回の発動で2個のゾンダーコアを確保できる。
ハンマーヘル・アンド・ヘブンは三段階の技であり、
①釘を打ち込んでゾンダーコアを確保する「ハンマーヘル」
②釘抜きで釘ごとゾンダーコアを引き抜く「ハンマーヘブン」
③ゴルディオンハンマーでゾンダーロボを消滅させる
という流れである。
まずハイパーモード同様の高稼働状態で速やかかつ精密にハンマーヘルを決める。
ゾンダーバリアを(おそらくゴルディオンハンマーの強力な重力波で)破り、ゾンダーコア摘出用の釘をコアに打ち込む。この釘はコアに触れると即先端が四方に広がってコア表面を包み込むようにゾンダーロボとの接合部に浸入するので厳密にはコア周辺に打ち込むというべきか。
(この時ゾンダーロボは硬直していることから、やはり強力な重力波をゾンダーコア周辺に照射、内部を破壊しコアをゾンダーロボから切り離し摘出しやすくしていると思われる。外部からの加圧や衝撃には抵抗する構造であっても、内側からの加圧=ゴルディオンハンマーへの落下に伴う負荷には弱い)
釘が鷲掴みのような形状に固まってコアを傷付けず確保するや、間髪入れずハンマーヘブンでコア周辺を破壊しながら摘出しゾンダーロボの機能を停止、復元を封じる。
釘が摘出後に消滅(釘はミラーコーティング粒子の塊?)、ガオガイガーの手にコアが収まるとゴルディオンハンマーの本領である重力衝撃波でゾンダーロボを消滅させる。
ヘル・アンド・ヘブンと比べると、
・ガオガイガー単独で使えない
・EMトルネードなどで目標を拘束・命中率を上げることができない
が、その反面
・発動までの時間が短い
・コアを失ったゾンダーロボを爆発(または後述のグランド・ノヴァのように仕込まれた機能を発動)させない
という利点がある。
特に後者、ガオガイガーにも周辺環境にも負担が少ない点は大きい。
当初使用されていた必殺技ヘル・アンド・ヘブンは強大な威力の反面機体とサイボーグ・ガイにかかる負荷が余りにも大きく、十数回の使用の末ガイが機能停止に至るとの予測から決戦ツールとして開発が進められていた(後に小説『勇者王ガオガイガー preFINAL』において、EI-02出現(第1話)の前からシミュレーションの段階で判明、類似ツールがディバイディングドライバー共々開発されていたこととなった)。
対EI-18戦(第18・19話)にてヘル・アンド・ヘブンのエネルギーを利用して生み出された地上の太陽『グランド・ノヴァ』とそれが護り育成するゾンダーメタルプラント、双方を同時に消去すべく実戦投入されたが、グラビティ・ショックウェーブを発生させる際の衝撃で保持するガオガイガーの右半身をも半壊させてしまう。
ゴルディオンハンマーの運用に当たって問題点は二つ。
一つはグラヴィティ・ショックウェーブ発生時の衝撃。
もう一つはゾンダーコアを確保する手段である。
この二点が未解決のまま対EI-19戦(第20話)で決行されたのが、当初ゴルディオンハンマーを運搬していたプライヤーズを駆使した「ダイヤモンド・フォーメーション」であった。
ディメンジョンプライヤーによるゴルディオンハンマーの保持・使用、ミラーコーティング状態のビッグボルフォッグを超竜神のミラーシールドで射出してゾンダーコアを回収するという連携攻撃である。ディメンジョンプライヤーの大破と引き換えに、ガオガイガー本体は無事であった。
そして第20話から開発が進んでいたゴルディオンハンマーの制御・運搬・衝撃緩衝を担う新型マルチロボ・ゴルディーマーグが第21話で完成。
保持するものを砕く衝撃が生じる一因は、重力波偏向の計算と制御が簡易AIの能力を超える事であった。頑強なボディで物理的に衝撃の緩衝を行うと共に超AIで直接重力波/重力衝撃波発生装置の制御を担当する事で安定した運用が可能となった。
なお、クロスオーバー限定で別のシリーズではマーグハンドがなくてもゴルディオンハンマーが扱える勇者が存在している。
パイロットは「愛の力ですわ!」とか豪語しそうだが、
実はマーグハンドはゴルディオンハンマーの使用に必須というわけではない。
現に対機界新種戦ではガオガイガーはマーグハンド無しでゴルディオンハンマーを使っている。ハンマーヘル・アンド・ヘブンが使えない=命の救出ができないので、ゾヌーダロボの戦闘力を奪う目的で使用していたのだろう。逆に言えば、目標を一撃で消し去ろうとしない低威力での継続的使用=決め技ではなく手持ち武器としての使用であらば、最終回までに十分に経験を積んだゴルディーマーグによるグラヴィティショックウェーブ発生装置の制御で持ち主に与えるダメージを大幅に軽減できると考えられる。
前述の通り、ヘル・アンド・ヘブンに代わる決戦ツールとしてゴルディオンハンマーと同時に「モレキュルプラーネ」や「グランドプレッシャー」「スペースチェーンソー」といったハイパーツールが開発されていた。いずれも実戦に耐えるレベルに達していたが、実際にEI-02が出現した際に全く予想していなかった事実が判明する。
ゾンダーコアにされた素体は救出可能であったのだ。
GGGは決戦ツールの運用思想を根底から見直すこととなり、以下の理由からゴルディオンハンマーのみが正式採用されている。
- グランドプレッシャーはアメリカGGGが当時開発中の技術の応用でゾンダーコア確保の目途が立ったため米国へ移管。
- 残り3機の改修は不可能なため、新規開発オプションでコアを確保することが決定。
- モレキュルプラーネとスペースチェーンソーは巨大なため、オプションを追加した際の機動性に難がある。
- ゴルディオンハンマーは発動時の衝撃から機体を護るためのショックアブソーバーとなるオプションが開発中であり、それにゾンダーコア確保用の機能を搭載することができた。
これらのツールはTVシリーズでの登場はないものの、メディア別にて2回ずつの使用が確認されている(ゲーム、ノベライズ含む)。この発展系といえるのが、日本ロボットアニメ史上でも稀に見る超威力巨大ツール「ゴルディオンクラッシャー」である。
同時期に開発されていたスペースチェーンソーは「モレキュルプラーネ同様の理由で開発が中止された」以外の情報しか無く詳細は不明(名前からして空間を切り裂くウィルナイフの拡大版か?)。
前述のウサリンMK-IIはスピンオフとはいえ、関連作品のメカニカルであり、略技の真似事とはいえ、元々本編でも同様の武装(ピコピコハンマー)を使いこなすという事で、ピコピコハンマー自体が脅威の対象となっている…かもしれない…が、Gハンマーのタカラ製合金アイテムは、元来ピコピコハンマーと同様の構造を該当部に持っている。つまり、ピコハン自体、別な意味でハンマーと全く同一のツール扱いしても構わない武装という事である。
この合金アイテムの場合ピコハン部は、実はもう一つ、マーグタンク時にマーグキャノンの弾体射出用のギミックを兼ねている。つまり、ハンマー部を左右からつまむとその内圧が砲身を伝わる事で弾体の発射ガス圧を生み、それによりバネを使わないキャノン砲発射ギミックを構成しているのだ。まさに"一粒で二度美味しい"アイテムがこのタカラのゴルディマーグなのである。
メタ的な話をすると、ガオガイガーのハイパーツールは、全て工具類が外見の由来になっている。これは米たにヨシトモ監督の、「銃や剣といった兵器を使わせるよりも、日用品の凄さを見せつけたい」というヒーローへのこだわりが反映されたもの。しかしこのゴルディオンハンマーに関しては、「これで殴りかかるのは、銃や剣よりも怖い画面になってしまった」と反省しているとのこと。
この画像を見て欲しい。
この画像を見てお判りの通り、あの女児戦隊ともいうべき『魔法つかいプリキュア!』に、同じ様な見た目の攻撃手段を持つ戦士が現れた。その姿から、何時しか彼女達には、「勇者王プリキュア」の輝かしい称号まで与えられている(もちろんネタである。そもそもゴルディオンハンマーは殴っていないのだから)。
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ガオガイガー ハンマーヘル・アンド・ヘブン トドメ時のセリフバリュエーション
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最終章 マゼラジャネンバ撃破!妖魔界を救うゴルディオンウィスパーハンマー!
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