CV:飯塚昭三
概要
さいとう・たかをのマンガ「バロム・1」及びそれを元にした特撮番組「超人バロム・1」に登場する悪の魔人。
平和と正義の象徴であるコプーとは宇宙で長きにわたり戦い続けた後、地球に到達。地球を悪の星にせんと行動を開始する。
「ルロロロロロ~」という唸り声が特徴。
原作での設定
巨大な脳のような本体を持つ円盤状の生物で、魔人のような立体像を投射する。(特撮版のデザインはこの魔人像がモデルになっている)
同族が複数存在し、宇宙から呼び寄せようとするが、コプーが張ったバリヤーの働きで到達できるのは日本に限定されている。
特撮版の設定
一体のみの存在で、地底にドルゲ洞という拠点を持ち、配下のドルゲ魔人やアントマンに命令を下す。人間界では世界的な富豪ミスタードルゲという顔を持つ。
ミスタードルゲ
演:室田日出男
世界で五指に入る「ドルゲ財閥」の当主で、世間では慈善家としても知られる。
この姿ではドルゲ探知機にもなるボップに反応しない模様(第4話で木戸猛と白鳥健太郎を一緒に車に乗せていた。ただし第3話で近づいた際には反応があったりもする)。
2~11話までの登場で、登場しなくなった理由は現実に同名の人がいて問題視された(下記のドルゲ事件を参照)と言われているが実は関係なく、平山亨Pによると「物語のスケールを狭めるから」というのが本当らしい。
配下
召使
演:花巻五郎
ミスタードルゲに仕えるターバンを巻いた男で、ミスタードルゲを「ご主人様」と呼ぶ。
アントマンの変身らしいがドルゲ魔人より立場は上らしく、主に代わって命令を下すこともある。
ドルゲ魔人
「〇〇〇〇ゲ」と呼ばれる悪のエージェント。
アントマン
ドルゲや魔人の力で人間が変身させられた下級の魔人で、渦巻きのような模様を持つ戦闘員。模様がカラフルなリーダー格が存在し、五人一組で行動する。
初期はナイフを武器としていたが、ゲジゲルゲ以降は指揮する魔人に合わせて毎回異なる武器を装備する。(ホネゲルゲ配下のアントマンは武器だけでなく、頭部も魔人に合わせて骸骨になっている)
ドルゲ事件
特撮版が放送された1972年当時、朝日新聞によって報道された事件。
日本に在住していたドルゲ性を持つドイツ人が、息子がいじめられる原因として「ドルゲ」及び「ドルゲ魔人」の名称使用差し止めの仮処分申請をしたという。
これ以降「このドラマにでてくるドルゲはかくうのものでじっさいのひととはかんけいありません」というテロップが表示されるようになった。
よみうりテレビの佐野寿七プロデューサーよれば、当時の報道の一部に誇張があったとのことで、裁判には至っていない。
テレビ東京の番組「やりすぎ都市伝説」では、伊集院光が「このドラマはフィクションです」の発祥がこのドルゲ事件であると語り、日本在住のドルゲ性を持つドイツ人は実在せず、誰かのいたずらから始まった「噂からできた放送業界のルール」という趣旨で放送されているが、この説はデマを多分に含んでいる。
日本在住のドルゲ性を持つドイツ人とは、当時音楽大学の教授を務めていた音楽家アルント・ドルゲ(Arnd Dolge)氏のことである。
「兵庫県に在住していたドルゲ姓の音楽大学教授のドイツ人」が抗議をしたことは、当時の新聞でも報道されている。
また「実在の人物とは関係ない」という趣旨のテロップは超人バロム・1が初出ではない。
デマを広めて超人バロム・1への風評被害を助長したためか、やりすぎコージーのDVDでもこの説は未収録となっている。