概要
初代ライダーはご存知の通りバッタがモチーフである。その設定はあまりにも革新的であり、スポンサーも「虫をヒーローにするとか本気かよ! 弱そー!!」と至極当然な疑問を抱いていた。
そんなわけで、バッタが最も得意なジャンプを生かしたトランポリン・アクションが、あまり予算も無かった『仮面ライダー』のアクションを大いに活かすこととなった。
それ以降、いかなるモチーフであろうとライダージャンプは仮面ライダーの伝統的なアクションとして使われ続けることとなり、今もなお画面の中を所狭しと仮面ライダーは跳び続けている。
…と書けば箔がつくが、実際の所昭和ライダーは
怪人「仮面ライダー! 勝負だ!」(とか言いつつ跳躍)
ライダー「行くぞ! トウ!」(続いて跳躍する)
ライダー「かかって来い!」(何の説明も無く戦闘開始)
などという強引な場面展開が多く、仮面ライダーの異常な跳躍力設定もそれの説明付としての一翼を担ったのは残念ながら事実である(仮面ライダー2号など、ムササビードルという飛行する怪人を追ってジャンプし、400m位先までひとっ飛びしたシーンがあるほど)。
このことはパロディコント『仮面ノリダー』でも幾度となくネタにされており、リアル志向を追及した『仮面ライダークウガ』以降はこのような「特撮ワープ」が行われることは激減し、また、スーツアクターや俳優への無茶ぶりも減り、とてつもない距離や高さのライダージャンプは減りつつある。
とはいえ、仮面ライダーV3の反転ジャンプや仮面ライダースーパー1の大回転ジャンプのような超カッコいいバンクジャンプシーンにも未だに根強いファンが多く、近年の劇場版などではこういった昭和ライダーのトランポリンアクションが現代の特撮技術でリファインされる事もある。
余談だが、歴代ライダーには「ジャンプ力」という数値があり、最高記録は仮面ライダースーパー1・仮面ライダーアーク・仮面ライダーオーズスーパータトバコンボの「無限大」。要は地球の重力を振り切れるということである。最低記録は仮面ライダーG3MILDの5m。
平成ライダーの場合は基本的に、跳躍力に長けたフォームチェンジをした場合、パワーが下がる傾向が見受けられる。
メイン画像にある仮面ライダーキックホッパーだが、彼(と仮面ライダーパンチホッパー)はライダーキックを放つ予備動作としてわざわざ「ライダージャンプ」を必殺技として加えている。これについては初代(1号・2号)がちゃんと「ライダージャンプ」を技として認知していた(初代のOP「レッツゴー!!ライダーキック」でもサビに『ライダージャンプ!! ライダーキック!!』と歌詞にある)ことへの踏襲と思われる。
ちなみに『仮面ライダーカブト』46話では、ワームに密着した状態で使用して相手を天高く吹き飛ばすという応用もやってのけている。