概要
「仮面ライダー同士の戦い」は初代ライダーにもすでに見られ、昭和ライダー作品でも「誤解」「洗脳」「暴走」などが原因でライダー同士が戦う場面は時折見られた。意見は分かれるがシャドームーンを仮面ライダーに含めるなら、『仮面ライダーBLACK』はこれを主題にした作品といってもよい。だが「ライダーバトル」が頻繁に見られるようになったのは平成ライダーになってからである。
その主たる要因としては、平成第2作『仮面ライダーアギト』から定着した「仮面ライダーの複数化」がある。放映時間が連続するスーパー戦隊シリーズとの差別化の意味でも、最初から「複数の仮面ライダーが一致協力して敵に立ち向かう」構図は描きにくい。「ライダー同士の立場や思惑の違い」を前面に出した「群像劇」の形に向かうのはほぼ必然といってよいが、そのなかで「ライダー同士が戦う」展開まで含まれるようになるのは、無理からぬ帰結である。
そして平成ライダー第3作『仮面ライダー龍騎』ではライダーバトル自体が作品のテーマとなった。これ以降、明確な「悪の仮面ライダー」もしばしば登場するようになるなど、『龍騎』が後続作品に与えた影響は非常に大きい。
昔からのファンには苦言を呈されたこの「ライダーバトル」だが、本来の視聴者である子供たちからは決して不評ではなく、次回作『仮面ライダー555』以降も時折ライダーバトルは勃発することとなった。『555』では有資格者であれば誰でもベルトを使って変身できるという設定だったため、「ベルトを奪った敵オルフェノクが、自らライダーに変身して他のライダーに襲いかかる」という場面も多々見られた。
ほか、正義のライダーの正体が怪人だったという事実に衝撃を受けた別のライダーが襲いかかってくる、主人公の破天荒な行動が理解できない別のライダーが主人公を否定するために戦いを挑む、といった事態からライダーバトルに発展するなどの事態が起こるようになっている。
平成二期以降はラスボス自身が仮面ライダーであるという作品も多くなっており、「ライダー同士の戦い」自体は完全に定着したものとなっている。劇場版限定の仮面ライダーも主人公と敵対して戦うことになるパターンは多い。
ライダーバトルを主軸に描いた作品
仮面ライダー龍騎
本作では仮面ライダーはミラーモンスターと呼ばれる怪物と戦う…のだが、ライダーバトルで勝ち残った最後の一人は願いが叶うという設定があり、そのため他のライダーをぶっ殺して自分だけ願いを叶えようとするヤツが後を絶たなかった。中には自分の契約したモンスターに一般人を襲わせて強くなろうとしたり、ライダーバトルを永遠に長引かせるために参加したヤツまでいた始末であり、苦言を呈すオールドファンも多かった。
仮面ライダー鎧武
本作では仮面ライダーは鎧を模した姿の「アーマードライダー」と呼ばれ、インベスという怪物と戦うのだが、序盤ではライダー同士でもダンスステージの使用権を巡ってバトルしたり、中盤以降は「黄金の果実」と呼ばれる伝説の果実を巡って争ったりした。
仮面ライダーエグゼイド
本作では「医療」をテーマに、人々に感染するコンピューターウイルス・バグスターと戦い患者を治療するべく奮闘するドクター達を描いているが、その一方で様々な思惑を抱いた仮面ライダーによるガシャットの争奪戦や死のゲーム「仮面ライダークロニクル」が繰り広げられた。だが、最終的には対立していた多くのライダー達が共闘することになった。
仮面ライダーギーツ
本作では「デザイアグランプリ」という謎のゲームにてライダーバトルが行われているが、今までのライダーバトルとは異なり、敵ライダーを直接攻撃するようなことは滅多にない。(というより、攻撃すること自体ルール違反で減点対象となる。)その代わりに様々なゲームが行われ、ジャマトの討伐数や一般人の救助等でポイントが加算され、そのポイント数を競ってデザ神を決定する。そのため、『ギーツ』は「競争」という意味でのライダーバトルともいえる。
しかし、第11話からはジャマト側も仮面ライダーに変身するようになったため、本作でも他作品同様のライダーバトルが行われるようになった。その後、ジャマトだけでなく運営側のライダーやジャマトに協力するライダーとも敵対するようになり、より従来のライダーバトル要素が強くなっていった。そして、ついには全てのライダーを倒すゲームが始まってしまった。
関連項目
仮面ライダーシリーズ MOVIE大戦 仮面ライダー大戦
仮面ライダーSPIRITS ガンバライド ガンバライジング
バトライド・ウォー クライマックスヒーローズ
天下分け目の戦国MOVIE大合戦
プリキュア同士の戦い、戦隊同士の戦い:ニチアサのヒーロー同士の衝突繫がり。
ウルトラマン同士の戦い:円谷プロダクションのヒーロー同士の衝突。