「何笑ってるんですか…人が亡くなったんですよ!?」
「世界中の皆が幸せなら、俺も幸せなんで」
演:佐藤瑠雅
変身する仮面ライダー
概要
『仮面ライダーギーツ』の登場人物。
2000年8月25日生まれの22歳。
デザイアグランプリに仮面ライダータイクーンとして参戦(※2話以降)している就活中の大学生で、現在は姉の桜井沙羅とアパートで2人暮らしをしている。幼少期に両親を交通事故で亡くしており、それ以来沙羅と二人三脚で生きてきた(なお、後述するが後に本当の死因が判明する)。
1話では、同じDGPの参加者である平孝人/仮面ライダーギンペンが人事部長として勤務するIT企業の面接を受けていた。
元々はなんて事の無い(理想主義のお人好しが過ぎる)一般人であったが、1話にてデザイアグランプリに巻き込まれたことを切っ掛けに2話以降の新世界においてタイクーンの変身者に選ばれ、自分も戦わされる羽目になる。
1話の履歴書によると堀ノ塚大学情報学部メディア学科所属で現住所は「東京都文武区石刻2-15-44 ガーデン石刻203号室」。
高校卒業が2019年3月とあるのに対し、大学入学が2020年4月とあるため浪人していたようである(つまり1話時点で大学3年生)。
立ち位置は2号ライダーだが、作中の世界観について何も知らない視聴者と同じ目線に立っており、ある種の狂言回しや実質的な主人公とも言える立場になっている。
そのためか邂逅編では、自身のスマホへの映像記録という形で番組冒頭のナレーションをしていた。昼間に自宅の自室ですることもあるため2回姉にバレそうになっている。その度に必死で隠すので2回目には●●サイトを漁っているのを目撃したかのような反応をされてしまった。
沙羅「いいんだ弟よ。思春期だもん」
景和「違うわ!」
なお、一般的には男性の思春期は12~17歳ごろまでである。22歳の思春期とは何ぞや。
性格・人物像
趣味はボランティアで、世界平和を望む極度のお人好し。
デザイアグランプリに参加した際の願いも、デザイアカードに「平和な世界。」とだけ書いており、これに対しツムリは、「壮大な願い…」と呟いていた。
沙羅曰く、「お金があったら恵まれない野生動物の為の募金に回している」と言う程、奉仕精神に溢れており、演者からも、何事にもまっすぐで、第一に他人のことを考えるキャラクターであると評価されている。
上記の台詞からも、『世界を救うのは自分の願いを叶えるついで』と嘯く英寿とは対極のスタンスであることが窺える。
ただし、平から「入社後何をしたいか、あなた自身の考えを教えてほしい」と問われて「世界平和です!」と答えるあたり、「何をどうしたいのか」という具体的な願望というものが定まっていないことがうかがえ、就職面接で苦戦している原因もこの辺りにある模様。自室にはSDGsのポスターが飾ってあり、如何にも就活生という印象を受けるが、上述の考えから却って就職に対する意識の向け方が間違っているのではという意見もある。また後述の通りこの奉仕精神=ギラギラを失ってしまった時には、スクラッチくじで一攫千金を狙ったり、姉に寿司を奢ってもらおうとしたりと主体性が薄れ他力本願な面が強く出る(それでも姉や周囲の人物に命の危機が迫るなど、危機的状況に陥ると反応し動き出す)という極端な精神構造の持ち主でもある。
また、そんな人の好さ故に単純で騙されやすく、貧乏くじを引きがちな不運体質であり、実際邂逅編のデザイアグランプリでは、ブーストレイズバックルを何度も手に入れた(サポーターが大盤振る舞いで提供したもの)にもかかわらず、使わずにみすみす手放す羽目になっている。
平たく言えば「自分の本当に求めている事や、言っている事をどう実現するのか」の分析や言語化が出来ておらず、自己分析が不足しており漠然とした夢を手探りに模索している、という就活難民にありがちな言動を見せている。
その代わり目の前や手の届く範囲の人々の危機には非常に敏感であり、その善性を如何なく発揮し、時に死に物狂いで立ち向かう。このことから彼が求める「『世界』平和」のスケールは実はそう大きい物ではないのだが、それに本人は気付いていない。
またそうした性分故か目の前の危機には敏感である一方、物事の本質を捉え大局的に考えることを苦手としているようで善性を伴いつつも深く考えずなりふり構わない言動に出ることが時々あり、こうした一面は劇中でも英寿や祢音から看破・指摘されている。
基本的に常識人でもあるが、初めてデザイアグランプリに巻き込まれた際には、終始混乱しっぱなしであった。
そして2話のミッションでは大勢の参加者がジャマトとの戦いに挑む中、「命懸けで戦うなんて無理でしょ…」と呟き木の影に隠れたりと人間臭い一面も見られた。
物語序盤では「命を懸けて戦う覚悟」や「叶えたい願いのために他者を犠牲にする」ことに理解できずにおり、消滅する参加者を間近で二度も見てしまったこともあって割り切れないでいたが、戦いを通して善悪を越えた願いに理解を示すようになる。
そして自身の「世界平和」と曖昧模糊だった願いも、参加者の想いやデザグラの裏側を知るにつれて「退場した人の復活」→「デザグラで犠牲になった全ての人を救う」とより具体的になるとともに当初は見せなかった熾烈な覚悟と信念をもってデザグラに臨む精神的成長を遂げていく。
一方、上記の台詞の通り、その戦いの中で死者が出ても平然とするどころかそれがライダーであれば嫌味を言う吾妻道長の傲慢な言動に怒鳴る等、確かな芯の強さや正義感も持つ。
ただ、唯一の肉親である姉・沙羅の身に危険が及ぶ事態となると周りが見えなくなり言動が若干粗暴になってしまうこともあり、20話では「そのバックル貸せ!」と我那覇冴/仮面ライダーロポが装填していたゾンビレイズバックルを無理やり強奪する形でゾンビフォームに変身している(続く21話で「ゾンビバックル返して!早く!」と冴に詰め寄られた際には素直に返している)。
最もその後、ロポも家族を救うために景和からフィーバースロットレイズバックルを強奪しており、この行動自体は愛する家族が危険に晒されれば誰しもが取りうるものであり、なおかつこの選択肢がこの時、最も合理的な行動だったことも確かである。
他にも缶蹴りゲームでは姉を救うために無茶な単騎特攻をするのではなく、仲間の協力を頼み、それが拒否されると即座に頭を切り替えて自身を囮にして他の誰かをクリアさせる方向にシフトとするなど冷静さを失いつつも、行動自体は目的達成のために手段を問わず極めて合理的な選択を取っている。
総じて「願いや正義感は人一倍であるが、それを自分の望むように実現できるだけの地力を持ち合わせていない」タイプであり、良くも悪くも「一般人」らしい人物と言えるだろう。
割と過去のことは水に流すタイプなのか、3回戦でデュオを組むことになった道長とも積極的にコミュニケーションを取ろうとするなど距離の詰め方が独特だったりする。
大好物はたぬきそばで行きつけの蕎麦屋まであり、大将とも仲が良いようである。その縁で就職が決まるまでバイトとして働くこととなった。しかし、世界平和を願う心を失った謀略編の序盤では沙羅に食べたい物を聞かれた時に何故か寿司と答えており、沙羅も困惑していた。
1話の履歴書によると、特技は料理・マッサージ。
このうち料理に関しては何度か描写があり、3話では自宅で手際よくチャーハンを炒めていた他、18話冒頭ではデザグラ参加者に向けて朝食を作っており、前々からこども食堂のボランティアに出向いていたことも明かされている。
また16話の沙羅の台詞(「”今日は”自分が食事を作る」という旨の発言、そして選択肢として「作る」に入るかすら疑わしいカップ麺が浮上する)から察するに、家の炊事も普段は彼が請け負っている様子。
更に景和が乖離編で家を空けた際は、17~20話の僅か4話(劇中時間にしておそらく数日)で自宅が若干散らかっており、全般的に生活力が姉より高いようである……。
DGP参加者との人間関係
騙されたり邪険にされたり軽んじられている節はあるが、誰に対しても自然体で接しており、祢音や英寿のような有名人だからと色眼鏡で人を見ることはしていない。
当初から、その英寿には完全に振り回されており、彼の独特且つ自信に満ち溢れすぎた言動を理解しきれず、困惑してばかりいる。何回も化かされた際は、流石に堪えたのか「もう信じないよ…」と言い放っており、一時的に険悪な状態となるが、景和の覚悟を見た英寿が考えを改めたことで関係が改善する。その後は抜群のコンビネーションを魅せることもあり、英寿の秘密を知った際でも「英寿は英寿」と1人の人間として受け入れている。
しかし、慟哭編の最終戦で英寿が創世の女神の子だと知ってからは関係性が急変。女神、ひいてはデザグラそのものに対する怒りを英寿にぶつけてしまう。その後の慕情編では34話で英寿に窮地を救われたことに感謝を述べつつも、デザグラの存続を巡って本格的に対立することとなってしまった。
道長とはかなり仲が悪く歪み合っていたが、3回戦で組むことになった彼に面倒を見てもらったので根っからの悪人でないことを理解し、積極的に話しかけているものの、当の道長からはウザがられている。
乖離編から道長がジャマト陣営に加わってからは完全に敵対、慕情編では互いの覚悟と本心を理解しながらも、分かり合えないライバルとして(大きな力の差がありながらも)食らいついていった。
一方、祢音とはお互い参加者の中では比較的一般人寄りな感性を持ち、祢音と沙羅が親しくなっていったこともあって良好で、たびたび共闘してジャマトを撃破している。
後述のイス取りゲームでは協力してジャマトからデザイアドライバーを奪還することに成功している(項目冒頭3行目のセリフはこの時のもの)。
また、誰かのための利他的なスタンスを貫いてきたために終盤の変貌には、周囲の者達は景和を打倒や批判の対象にするでなく、彼を救うために行動し、省みずを貫いてきた道長も自身の過ちを振り返るキッカケとなり、姉の復活と謝罪に至り、ついに和解を果たした。
黎明編/邂逅編での活躍
- 1話「黎明F:仮面ライダーへの招待状」
平孝人の担当する集団面接において前述のように答えたために落ちてしまい、姉の沙羅に慰めとしてたぬきそばを奢ってもらうことになる。
ところが彼と沙羅の机を丁度両断するような位置にジャマーエリアの壁が出現、沙羅はエリア外に、そして景和はエリア内…ジャマト達の跋扈するゲームエリアに隔たれ、目の前でそば屋店主が殺されてしまう。自身に標的を変えた和装ジャマトから辛くも逃げた景和はそこで祢音に出会い、再びジャマトに見つかるも現れたシロー/豪徳寺とバッファ/道長が撃破したことで一応は難を逃れ、助けてくれた豪徳寺に礼を述べた。
だが当然状況整理はついてないので、思わず二人に「あなたたちは何なんですか!?一体、何がどうなっているんですか!?」と聞くものの、道長から返ってきた「……この世界はじきに終わる」という一言に祢音共々戦慄する。
しかし直後にスラグフォートレスジャマトが出現、シローが瞬殺され、それを見て喜ぶ道長に「何笑ってるんですか……人が亡くなったんですよ!?」と抗議するも、「他人の心配をしてる場合か」とはぐらかされ(状況的には正しいが論点は大きくずれている)、二人でビルから逃げようとするが祢音が落下してしまい、景和は咄嗟に祢音の元へ駆けつける。
そこへ颯爽と現れ祢音を助けた英寿に「彼氏いたのかよ」とからかわれつつも「諦めなければ世界は変えられる」と言われ、「そんなわけないじゃないですか」と思わず一蹴。なんとなく幸せに向かうと思っていた世界も一瞬で壊れてしまう現実に嘆く。
だが英寿はそんな彼に世界のやり直しを宣言、ギーツとなってスラグフォートレスジャマトを撃破、デザ神になった。
その後は吹っ飛んでいくブーストレイズバックルに驚きつつも、彼の「世界のやり直し」を目撃しーー
「……あれ。どんな夢だったっけ?」
自宅で、その時の記憶が抜け落ちた状態で目覚めた。
だが、その後再度訪れたそば屋で、ツムリからドライバーとコアIDを与えられ、コアに触れた瞬間全てを思い出すのだった。
「今のは…? 夢じゃない……!?」
- 2話「邂逅Ⅰ:宝探しと盗賊」
夢の話……英寿による世界のリセットの話を沙羅にするもまともに取り合って貰えず、代わりに見たのは超有名人と化した英寿のテレビニュースだった。
その後、デザイアドライバーをたまたま装備しうっかり装填、エントリーしてしまい、デザイア神殿にワープ。ツムリから説明を受け、そのままミッションエリアに放り込まれる。
盗賊ジャマトに襲われる中、同じく参加者の平に再会。二人でアローとブーストを手に入れる。そして彼に自分の理想の世界である「平和な世界」について話し、「世界が幸せなら自分も幸せである」旨を明かす。
休憩に神殿のサロンを訪れた際に祢音や英寿、道長と再会。険悪ムードに終始困惑気味だった。
そしてルークジャマト出現により招集、バックル未取得の参加者が一斉リタイアさせられると、先の戦いを思い出し脱落しても世界が新生すれば生き返ると言うが、英寿に「仮面ライダーはそうはいかない」と即刻否定され大きく動揺。エリアへ再度ワープさせられ、エントリーフォームに(強制)変身するも「命懸けで戦うなんて……どう考えても無理でしょ!?」と隠れまくっていたが、そのせいで目の前で今度は平が死んでしまう。
彼の息子の病が治っている世界という願いを聞き、形見となったアローレイズバックルと家族写真を前に呆然としていると、英寿に「戦わなきゃ世界は変えられない。だったら戦うしかないだろ」と問われる。何のために戦っているのかを問い返すと恵まれない世界中の子供のためと言われ、心を動かされてブーストバックルを託し、ルークジャマト撃破に貢献することになる。
が、これが化かすための嘘だと発覚。
ミッションクリアこそしたもののせっかくのバックルを失くしてしまうハメに。
英寿「キツネは昔から人を化かす動物って、相場が決まってんだよ」
…とはいえ上記の話は半分本当であり、英寿は直人に「名無しの狐」名義で多額の寄付をし治療費を援助。治療可能にこぎ着けた。
しかし景和は知る由もなかった。
- 3話「邂逅Ⅱ:ゾンビ狩り」
第2ゲームはサバイバルゲームを兼ねたゾンビ狩り。敵に噛まれるとゾンビ化するというとんでもないルールに戦慄するも、平(そして同じく眼前で倒れた豪徳寺)の形見であるアローバックルでアームドアローへ変身。レイズアローを駆使して撃破と救助を両立し高得点を獲得、また6人の中で最初に3人救助するシークレットミッションを達成、幸運にも再びブーストバックルを手にする。
そんな中最下位の祢音の育った環境を知り、諦めなければ願いは叶う、と励まそうとするが「気持ちだけで何とかなるって、本気で思ってるの?」と真顔で返されてしまい、言葉を失ってしまう。
第2ウェーブも凌ぐが、祢音が奏斗の罠もあってゾンビジャマトに噛まれていたのを知り、大きく戦慄するが、そんな彼女に英寿は「まだ、ゲームは終わってない」と告げ……。
- 4話「邂逅Ⅲ:勝利条件」
ゾンビジャマトによってゾンビ化が進み、希望を失いかける祢音をなんとか励まそうとするがうまく行かず、その日の夜こっそり自宅を抜け出してきた彼女に英寿と共に会いに行く。
ゲーム終了までにゾンビ化せず生き残ればダメージはリセットされるという英寿にあわせて「まだ終わったわけじゃない」と励まし、あるものを託す。
迎えた第3ウェーブはブーストではなくアームドアローで奮戦。
道長の拘束を抜け出し暴走する奏斗を止めるべく、予め自分が昨夜託しておいたブーストバックルの力でアームドハンマーブーストにデュアルオンして戦う祢音/ナーゴを英寿のゾンビフォームと共に援護し、遂に全てのゾンビを撃退することに成功。リザルトではなんとか祢音が奏斗の得点を上回り彼女は生き残るのだった。
- 5話「邂逅Ⅳ:デュオ神経衰弱」
次のミッションはデュオ(タッグ)で挑むこととなり、様々な点で正反対である道長とペアに。
バッファのIDコアとマグナムレイズバックルとの相性から本調子でない彼のために再度入手したブーストレイズバックルも差し出して英寿からゾンビレイズバックルを受け取り、そのまま道長に譲渡した。
その事に対し道長は「お前ホントお人好しだな」と呆れられた。
- 6話「邂逅Ⅴ:逆転のブースト」
ゲーム参加者の1人である小金屋森魚に目をつけられ、「デュオ交代チャンス券」によって仮面ライダーパンクジャックとのデュオに変更されてしまう。そんな災難にあってもなお、パンクジャックとコミュニケーションを取ろうとしたが、言う事を聞いて貰えず、苦労していた。そのままミッションを続行することになったが、道長がミッション再開前の土壇場で「デュオ交代チャンス券」を使用し、元のペアに戻していたことが発覚。まぐれとはいえ、2人でハートスートのトランプジャマトを撃破し、200ptで2位となり、生き残った。
- 7話「邂逅Ⅵ:ラスボスと缶けり」
自らラスボスのサボテンナイトジャマトを撃破しようとブーストレイズバックルを使用し、ブーストフォームに変身。ブーストの特性を使いながら徐々に近づいていったものの、寸前のところで見つかってしまい、光弾を立て続けに受け、変身解除。その後、英寿がニンジャレイズバックルを入手するために自身を焚き付けていたことを知る。流石の景和も「もう信じないよ…」と怒りをぶつけるも、ダメージは大きくそのまま気絶し…
- 8話「邂逅Ⅶ:切り札ニンジャ」
前回のゲームで重傷を負ってしまった景和。携帯に姉の沙羅から電話が掛かり、街中で襲われている事を知る。ツムリに今すぐ現場に送るよう指示。焦りに焦ってしまい、冷静に宥めるツムリに「そんなのどうだっていい!」と強く当たってしまう。後に姉から、「過去に両親をジャマトの襲撃によって失ってしまった」事実を聞かされる。
その言葉を聞いた後、3人を集めてナイトジャマトの撃破の作戦を立て、みんなで力を合わせて倒そうと促す。その作戦に道長と祢音も乗らなかった為、「自分さえ良ければ、他の人が犠牲になっても構わないのか」と発言。しかし、英寿に「自分の姉さえ守れれば、他の人の幸せはどうでもいいのか?」「誰よりも傲慢なのはお前の方じゃないのか?」と言い返されてしまう。
「叶えたい事があるなら戦え」という英寿の言葉に、今までDGPのルールに流されるままだった景和の中で、譲れない願いと為すべき戦いが遂に像を結ぶ。
「皆を助け出すまでは倒れない」…ギーツ達にゲームクリアの望みを託し、満身創痍を推して不屈の決意でラスボスを煽り立て囮に徹するタイクーン。追い詰められあわや絶体絶命のその時、タイクーンの闘志に共鳴したニンジャレイズバックルがひとりでにギーツの手を離れ、その窮地を救う。果たすべき大願の為なら我執など斬り捨てる刃の心、それこそが世界を救う切札に相応しき仮面ライダーの証だとでも言うかのように。
そしてタイクーンニンジャフォームはラスボスさえ単身で圧倒、さらにニンジャブーストフォームにデュアルオンし撃破に近い形まで追い込んだ上に姉達が囚われていた敵の拠点も壊滅させる程の大殊勲を上げる。缶も蹴られ、一時はラスボスの脅威から姉を護る事が出来たのだが……。
ツムリ「桜井景和様。これ以上の戦闘は大変危険な為、ここで脱落となります」
実はあまりにも重傷を負ったまま戦い続け過ぎた為、ドクターストップ扱いでツムリから「脱落」判定を受けていたのだった。しかし、彼は脱落について「自身が死んで姉を一人にしてしまう」心配がなくなったため逆に安堵していた。英寿にニンジャバックルを返却し今まで通りの調子で語らい(英寿の優しい労いを耳にし、「また化かしてる?」と言うと英寿は「ああ、そうかもな」と笑って返している)、ゲームから脱落した。
「世界の平和を守るのも簡単じゃないな…」
“RETIRE”
だが、世界平和を志願し、最後まで「お人好し」と言われながらも主人公として駆け抜けた男は立派な人間であったと言うべきだろう。
謀略編での活躍
- 10話「謀略I:新世界のビート」
ツムリの言葉通り元の日常に戻ったものの、脱落の影響により理想を願った心を失い、「すぐそばで行われている募金の呼びかけを無視してスクラッチくじを削る」、「沙羅からの食事のおごりでたぬき蕎麦ではなく寿司を希望する」など、再エントリー前の鞍馬祢音同様、普段の彼の人物像が大きく変わってしまった。
- 11話「謀略II:ジャマトの迷宮」
乗っていたバスごとジャマトが作り上げた異空間に落下。1話の様に一般人としてDGPに巻き込まれ、仮面ライダーケイロウ/丹波一徹と脱出ゲームペアを組む。
腰を痛める一徹を気にかけるなど、お人好しな本質までは消えていなかった。
他の一般人・小&中学生の葉山姉弟と共に迷宮屋敷内を護送されていたが階段でジャマト達に囲まれる。「世の中には、順番ってもんがあるよな…!」「こんな年寄りより先に、若い子達を死なすわけにはいかないだろ」歳若い景和達を守る為、参加当初の弱腰から心機一転、鋼の覚悟で敢闘するケイロウ。しかしジャマトライダーのジャジャジャストライクで変身解除に追い込まれるほどのダメージを受けてしまう。
その場は英寿がフィーバースロットレイズバックルで強化したブーストの力で切り抜けるが、使用期限を迎えて飛び去っていくブーストバックル、そして若い未来のために倒れるまで戦った年長者の意地、景和の脳裏で既視感が沸き上がり始める…
忍の狸・再臨
- 12話「謀略III:スロット★フィーバー」
自分たちを庇い傷ついた一徹はとうとう動けなくなるほどに疲弊。それを見て自分の無力を嘆いていたが、ジャマトから姉を守る良樹少年の姿を見て、自分にもなにか出来ないかとライダー達に問いかける。
そこで英寿に促され、彼のコアIDに触れたことで邂逅編の記憶を取り戻し、その行為を咎めるため連絡してきたゲームマスターに自身の再エントリーを直談判。英寿の口添えもあり、本人の了承を得て一徹からエントリー権を譲渡される。
英寿達と一旦別れ、ジャマトを掻い潜りながら送られてきたドライバーとIDコアを回収し再エントリー、付随してきたボックスのマグナムレイズバックルと、バッファが取り落としたニンジャレイズバックルを(変身してもいないのにエントリー時点で持ち前の運からか)回収しジャマトライダーに変身解除させられた祢音を救う形でついに変身、タイクーンとしてデザイアグランプリに舞い戻った。
その後、マグナムバックルは記憶を取り戻させてくれたお礼としてギーツに譲渡し、自身はニンジャバックルとジャマトから手に入れたフィーバースロットレイズバックルを併用して戦い抜き、10人全員でエリアから脱出しゲームをクリアする。
結果として、自身の再エントリーにより一徹の願いを叶えるチャンスを奪う形となってしまったことに気後れしていたが、当人から戦いを通して願う必要が無くなったと前向きな言葉を受け取り、リタイアを見届けた。その後はツムリから手渡されたデザイアカードに新たな願いを記入する。それは
「退場した全ての人たちが蘇った世界」
という、またしても壮大なものだった。
ただし、漠然と願うだけだった前回のエントリー時とは違い、『理想を叶えるために出来ることから始める』という具体的な行動を起こすことを決意、再び理想の世界のために戦い始めるのであった。
- 13話・14話
「イス取りゲーム」と称したデザイアドライバー争奪戦において、祢音とともにプレイヤーの中では真っ先にドライバーを確保。ニンジャフォームでポーンジャマトやジャマトライダーと交戦していたが、戦闘中にジャマトライダーが発した「ワタシハ、カタナキャナラナインダ…!」というとある人物が以前言っていた言葉を聞いて驚愕した。
その後、英寿から自身の所持しているバックル全ての譲渡を条件にドライバーを渡すように頼まれ、承諾。ギーツ・レイジングフォーム及びコマンドフォーム・キャノンモードの活躍に感嘆していた。
その後、英寿を心配してドライバーを渡そうとするものの、道長から止められ、英寿からも断られた。
その後もジャマトたちと交戦していたが、ついにミッションのボスであるかくれんぼジャマトが出現。ナーゴ、バッファとともに交戦するものの、幻覚作用、爆破作用のある粒子に苦戦し、逃走を許してしまう。
その後、再びかくれんぼジャマトやジャマトライダー、ポーンジャマトたちと交戦。英寿から貰ったコマンドジェットバックルを使用し、レイジングフォームでポーンジャマト、ジャマトライダーを撃破していき、コマンドフォーム・キャノンモードでかくれんぼジャマトを圧倒し、「コマンドツインビクトリー」で撃破した。
一方、その頃英寿はギロリが変身した仮面ライダーグレアの襲撃を受け、デザイアドライバーの確保を妨害されていた。
そして、景和がかくれんぼジャマトを撃破したことでミッションクリアとなり、英寿はそのまま脱落することになってしまった。
- 15話「謀略Ⅵ:仮面ライダーの資格」
前回のミッションで脱落した英寿を心配しながらも、「自分たちが世界を守らなきゃいけない」と覚悟を決めていた。しかし、ポーンジャマトの数の多さや以前よりも強化されたルークジャマト、ラフレシアフォートレスジャマトの攻撃に苦戦し、道長が脱落していく様子を目の当たりにしてしまい、苦悩する。
その後、ジャマト達を復帰した英寿が撃破している間に、デザイア神殿のサロンにて、ギロリに対して以前のジャマトライダーの発言について言及し、「デザイアグランプリで脱落していった人とジャマトは何か関係があるんじゃないんですか!?」と問い詰めるものの、返答して貰えず、そのまま戦意喪失してしまった。
用意されたブーストバックルを見ても以前のように喜ぶことはなく、結局再エントリーした英寿が使うことになった。
- 16話「謀略IR:キツネ狩り」
ギロリの独断で「英寿の脱落」が目的のキツネ狩りが始められ、祢音と共に抗議するも、自分の願いを捨てきれずますます苦悩するハメに。
更にそのギロリからコマンドジェットバックルを渡され、これを使ってギーツもとい英寿を倒せと揺さぶりをかけられる。
そして、追い詰められながらもなんとか生き残っていた英寿の前でレイジングフォームへ変身、ギーツとの激しい決闘を繰り広げる。
コマンドフォーム同士の戦いにもつれ込むも流石に押され始めてしまうが、そこへギロリが現れギーツに直接手を下すためグレアへ変身し乱入してくる。
そんな状況の中、景和は無慈悲にも砲撃を放つ……
が、その青白い光が向けられたのは、ギーツではなくグレアだった。
実は、最初からギロリの企みを阻止するために景和は敢えて英寿と戦い、彼が現れるのを待つため芝居を打っていたのである。
不正を父経由で伝えられたニラムを伴った祢音がナーゴ・ビートフォームとして加わり、一気に3対1に持ち込んでグレアを攻撃。トドメを英寿が飾って大ダメージを負わせるが、諦めの悪いギロリは(同じフォームの必殺技を2度も食らったにもかかわらず)尚も抵抗しようとする。
しかしニラムがそれを指パッチンで変身解除させて阻止し、ゲームプロデューサーという権限で彼を強制消滅させ、このデザグラの結果も不問となった。
こうして悪行に走ったゲームマスターを、狸らしく「化かす」ことで撃退した景和は、英寿や祢音と笑みを交わし、新たなゲームに臨むこととなる。
この企みは他者を動かす策謀を得意とする英寿ですら見抜けず、景和が理想の為に本気で潰しに来たと信じ込んでおり、全てが終わった後に「まさか俺まで化かされるとはな」と苦笑していた。
また、ファンの間では「いつか景和も化かす時が来るだろう」と予想されており、イラストも製作されていた(一例↑)。実際、白の化け狐を緑の化け狸が化かしたのだった(黒の化け猫の協力も大きかったが)。
乖離編での活躍
- 17話「乖離Ⅰ:ようこそ!新しいシーズンへ!」
前回のカッコイイ大活躍から一転し、『冒頭で自分の紹介をスルーされる(他のメンバー同様紹介されていたが、視聴者の画面には祢音が他のメンバーと会話するシーンが映されており、景和の紹介シーンがただの音声背景と化していた。その後の人数確認でも景和だけスルーされていた)』『電話している間にサロンが仕切られ自分の居住スペースがなくなる』『支持率が1%しか取れなかった(今回は特に目立った活躍が無く、他の参加者が全員有名人であるため妥当な評価ではあるが)』等、どこぞの未来人みたいな不遇キャラと化した。
なお他の参加者から多少邪険に扱われているものの、祢音や冴とババ抜きをしたり、お互いに情報交換をしたりと特に嫌われている訳でもない。
- 18話「乖離Ⅱ:ブラボー!ジャマーボール開幕!」
第2回戦「ジャマーボール」にて順調に点を稼ぐも、現れたジャマトが唐突に豪徳寺の台詞を喋ったばかりか豪徳寺の姿になったため動揺。結果として動きが鈍くなってしまい、ジャマトチームの大量得点を許してしまう。
前半戦が終了し、自身を心配した大智に悩みを打ち明け、周囲のために秘密にしようという彼の提案を受け入れる。しかし大智はこの秘密を伏せたまま景和がテザスターであると疑いをかけ、他のプレイヤーからも同調されたことでニンジャレイズバックルを没収されてしまう羽目に。
後半戦ではケララが設定したシークレットミッションをクリアしコマンドジェットバックルを使用するも、ルークが豪徳寺に擬態したことで混乱。ルークを始末しようとする大智/ナッジスパロウを止めようと揉み合った結果攻撃力が上だったコマンドフォームなのが災いし、うっかりレイジングソードで斬り付けて変身解除させてしまう。
- 19話「乖離Ⅲ:投票!デザスターは誰だ!」
ギーツの活躍により何とか後半戦をイーブンで乗り切ったものの、上述の件で完全に孤立し、どうしようもなくなったタイミングで運営に呼び出され、自身のサポーターであるケケラと初対面する。そこでブーストレイズバックルが自分の元にばかり来たのはケララの計らいであるということを教えられ、更に大智に上手く利用されている現状に渇を入れられることに。
更にその夜、英寿に牛ステーキを振る舞われながら脱落したはずの道長が生きていたことを知らされる。
翌日、遂にジャマーボールの延長戦がスタート。周りから警戒されながらも、ジャマーエリアに巻き込まれた子供食堂を守るためにエントリーフォームで必死に戦う姿を見せたことと、ギーツの攻撃によりジャマトが退場したプレイヤーに擬態する姿が暴かれたことにより自身の言葉が嘘ではなかった事が示される。
そしてタイクーンを完全に信頼したロポから没収されていたニンジャレイズバックルを受け取り、ニンジャフォームへと変身。ギーツの後方支援やナーゴ、ロポのアシストを受けつつ、自分の大切な子供たちの笑顔を守るため、マスク割れを起こしながらも決勝点を決め勝利に大きく貢献した。
最後のデザスター投票では、本人以外の四人が大智に投票したため、大智が脱落。ケケラに大智はデザスターではなかった旨を話され、驚きつつもケケラの言葉でデザスターを探し出すことに対し覚悟を決めたようで…
- 20話「乖離Ⅳ:ジャマトからの宅配便!」
姉の沙羅がまたしても配達ジャマトと爆弾魔ジャマトにより人質に取られ、「缶蹴りゲーム」の時と同様に焦る一面が見られた。
英寿と共にパイナップル型の爆弾を持つ配達ジャマトを捜索していたが、その最中でジャマトになりかけていた道長と遭遇し、バッファ・ジャマトフォームと交戦。途中で英寿/ギーツがバッファの相手を引き受けため、冴や祢音と共に捜索を続行し、ついに発見。しかし、廃工場へと逃げられてしまい、ニンジャデュアラーではシャッターを破壊できなかったため、冴のゾンビレイズバックルを強引に抜き取り、ゾンビフォームへと変身。ゾンビブレイカーでシャッターを破壊し、普段と打って変わったラフプレーで配達ジャマトを撃破。その際に、青色の導線をドロップしたため、パイナップル型爆弾の青い導線を切断し、無事に姉を救い出すことができた。
- 21話「乖離Ⅴ:ゲイザーの鉄槌!」
今度は冴の家族がターゲットとなったため、英寿とメロンの爆弾を捜索。途中で配達ジャマトの奇襲に遭うものの、難なく応戦。
その際に英寿がシークレットミッションをクリアし、ブーストバックルとフィーバースロットレイズバックルを入手。ブーストはそのまま英寿が所持し「もう一つは恵んでやる」とフィーバースロットを渡された(この時ミッションを設定したケケラは英寿に先を越されたことに憤慨していた)。
その後は爆弾魔ジャマトの本拠地が見つかったことで再び戦闘開始。爆弾によってジャマトに近づけない状況を打開するため、フィーバースロットレイズバックルを使おうとするが、ロポに奪われてしまう。
- 22話「乖離Ⅵ:追跡!チラミ鬼をつかまえろ!」
ジャマトが出現しないことを受け、チラミが自らゲームに参加することを宣言して仮面ライダーグレア2に変身し、ツムリから「鬼ごっこゲーム」の説明を受けた際には何が起こったのかわからず困惑して状況を呑み込めないままゲームに参加。だが、爆発に巻き込まれるわ檻に入れられて顔に落書きされるわ、トラップにことごとく引っかかってしまっていた。
その後はカフェで自身に嘘をついた祢音に文句を言う中、英寿からは祢音と共に「夫婦漫才」とからかわれるなどこちらでも散々な言われようだったが、デザスターの件に関しては祢音が「英寿がデザスターだと思う。」という主張に疑問を覚えていた。
その後、ゲームが再開し、3人でチラミ/グレア2を追跡した。今度はトラップに引っかかってもニンジャデュアラーをスイッチの上に置くなど対処していたが、ヒュプノレイに翻弄され、英寿/ギーツの銃弾が祢音/ナーゴに直撃した(というより、祢音が自ら当たりに行った)ことでチラミの逃走を許してしまう。
変身解除後、祢音は英寿がデザスターであることを必死に主張していたが、「英寿は完璧主義者だからこんなミスをするはずがない」、「なぜ自分をデザスターだと思わないのか」と考えたことから、祢音がデザスターであることを見破った。
- 23話「乖離T:いざ!推しのためなら」
チラミがベロバ達によってヴィジョンドライバーを強奪されてしまったため、ニラムから奪還を依頼されるが、英寿と共にヴィジョンドライバーの必要性、チラミが発した「創世の女神」という言葉、デザイアグランプリと運営が抱える更なる秘密に疑問を持ち問い詰めたが、ニラムはしらばっくれたままであった。
その後、ヴィジョンドライバー奪還のためジャマーガーデンへと向かい、ニンジャブーストフォームに変身してジャマト達と交戦。途中でブーストニンジャフォームにリボルブオンし、ナーゴのフィーバービートフォームと息の合ったコンビネーションを見せていた。
しかし、秘密を知られた上分が悪いと判断したベロバが仮面ライダーベロバに変身、「レーザービクトリー」でジャマーガーデン周辺を破壊したため、その爆発に巻き込まれてしまう。
- 24話「乖離SP:緊急特番!デザグラのすべて!」
どうやら無事だったようで、「緊急特番!デザグラスペシャル」をケケラと共に鑑賞。ケケラから自分を推すことになったきっかけを語られ、感謝していた。しかし、ベロバが突如電波ジャックし、「ジャマトグランプリ」を緊急開催。
街中にジャマトが出現したため、英寿、祢音と共にジャマト達と交戦した。
慟哭編での活躍
- 25話~26話
第1回戦「かみなりジャマト祭り」では、ベロバ達の戦略によりジャマト側も強化されたため祢音とともに大苦戦。櫓による攻撃で負傷してしまい、戦線離脱する羽目になったが、英寿に頼まれて「かみなりおこし祭り」の運営を祢音、ツムリ達と行った。
- 27話~28話
第2回戦「戦国ゲーム」では、ブーストフォームマークⅡの副作用により眠気が常時襲ってくる英寿を心配し、彼を全力でサポート。英寿がベロバとジャマトライダー2体に強襲された際には祢音とともに駆けつけ、彼の窮地を救った。
- 29話~30話
第3回戦「闘牛ゲーム」では、ルークジャマトとの一騎打ちに臨むが、謎のジャマトとの2対1という不利な状況に持ち込まれ敗北。そのまま牢屋に入れられてしまった。その後、ギーツが勝利、ナーゴが引き分けに持ち込んだことで、一勝一敗一引き分けとなってゲームは終了し、解放されることとなった。
そして……。
ネタバレ注意!
世界の平和と幸せを願う青年の最期
- 31話『慟哭VII:天国と地獄ゲーム♡』
最終戦「天国と地獄ゲーム」では、巻き込まれた一般人を助けようと姉と共に奔走。ダンクルオステウスジャマトとルークジャマトとの交戦では、2対1という不利な状況であるにもかかわらずコマンドフォーム・ジェットモードで奮戦した。しかしその後、
「俺たち家族は…只家族で暮らせればそれだけ幸せだった。なのに、創世の女神がそんな幸せすらも奪ったんだ!」
自身を含め人々が平等に持っていたはずの「幸せになる権利」を奪った創世の女神及びそれを利用するデザグラ、及びジャマグラ関係者に対して、怒りを露わにする。そして、その怒りは英寿にも向けられ、何も言い返す事が出来なかった(英寿自身に非は無いが、上述の事実から後ろめたさを感じたのであろう)。
そして怒りを抱えたまま、「人々の幸せを守るため」に再びルークジャマトと交戦し、ニンジャフォームで撃破。しかし、その直後に自身が助けたはずの女子高生が自己保身の為にサラリーマンを突き落とし殺害する場面を目視。
平等な幸せを掲げた己の戦いを根底から崩されて動揺する。そこにバッファが乱入し、混乱している事もあり手も足も出せないまま追い詰められて穴に落とされてしまい、泡となって邪神に吸収され、消滅した。
「俺は諦めない…いつか…必ず…!この世界の…幸せを……」
その一部始終を見ていたケケラは、
「こんな最期は笑えねぇ…桜井景和…!」
と、無念に満ちた様子で嘆くのだった。
慕情編での活躍
運命を仕組まれた青年、迷いの中で再び戦場へ
- 34話「慕情Ⅱ:ギーツの矛先」
ジャマ神決定による世界改変の結果、世間的には英寿同様行方不明となっていたが、グレア2のヴィジョンドライバーを手に入れたケケラがベロバと組み、彼女が持つプロデューサー用のヴィジョンドライバーとの併用で創世の女神にアクセスしたことで復活を果たした。(なお、この復活劇により、少し毛色が違うものの景和もまた祢音と同じように「女神に創られた存在」として復活することとなってしまった。)
その後は、かつてのように記憶を失った状態で姉が自分のためにデザイアロワイヤルにエントリーするという取引を行ったことも知らずに自宅でまた宝くじにふけっていたが、そこにケケラが姿を現し、テレビ画面に映し出された「姉がデザロワで戦う様子」を見せられる。そしてタイクーンのIDコアを渡されたことで記憶を取り戻すと、姉を守るため、デザグラで犠牲になった人たちを救うため、そして、世界の平和を守るためにデザロワにエントリーした。
自らも戦いの場に赴くと、姉にトドメを刺そうとする大智/ナッジスパロウを止め、タイクーンに変身して交戦。これまでの経験からナッジスパロウに食らいつくものの、バッファの攻撃をナッジスパロウ共々喰らってしまい、満身創痍となる。バッファにトドメを刺されそうになるものの、ブーストフォームマークⅡに変身した英寿/ギーツに救出された。
その後、「デザグラのない世界」を望む英寿に対して「まだ救えてない人達がいる」「女神が犯してきた罪を女神自身に償ってもらう必要がある」とデザグラ存続派としての意思を宣言した。
- 35話「慕情Ⅲ:姉の願い 弟の願い」
姉がデザロワにエントリーしている件についてケケラに問い詰めるが、「本人がその気になっちまったからなぁ…。」と言いくるめられてしまう。しかし、ケケラから姉の真意を聞くこともできたため、ケケラに対して「俺がデザロワにエントリーしていることは内緒にしてほしい」と提案し、ケケラも疑問に思いながらも渋々了承した。
IDコア回収ミッションが始まると、祢音と組んで行動する沙羅をギリースーツを着て風景に紛れつつ尾行する。途中で2人が道長/バッファと遭遇すると、自身もこっそり変身し、ニンジャフォームの「隠れ身の術」で存在を隠しつつ援護した。
既にタイクーンとしての姿を邂逅編で晒している都合上、変身後でさえも彼女の前に出ることができないことを理解していたため、どこから調達したのか巨大なタヌキの置物をサロンに持ち込み「沙羅のサポーター」・ポンチッチと称して助言する形をとっている。
運営に関する知識があまりない沙羅はあっさり信じたが、このとき居合わせた大智と祢音には速攻でバレており、景和自身も沙羅を時々「姉ちゃん」と呼んでしまうなどボロが出まくっていた。
翌日もブリーフィングで2人を送り出したと見せかけて尾行を続けていたが、そこに大智が道長に倒されるであろうことを告げに来た英寿も現れ、2人に忠告した後さりげなく景和にも「そこの誰かさんにもな。」と呟いたため、小声で「姉ちゃんは俺が守る。」と彼に向かって改めて宣言した。
- 36話「慕情Ⅳ:かりそめの共闘」
サロンにてポンチッチとして沙羅と祢音の会話を盗み聞きしており、自身の存在意義について思い詰める祢音に対して 「それが祢音ちゃんの願いなの?」「帰るところがないならウチに来ればいいじゃん!」「俺たち仲間っていうか…、俺は勝手にだけど、友達だと思ってるから。」と言葉を掛け、励ました。
その後、デザロワのミッション3日目でも引き続き2人を尾行していたが、その途中でダンクルオステウスジャマト/アルキメデルがポーンジャマトを引き連れて出現。沙羅が襲われるという非常事態にいてもたってもいられず、ついにタイクーンに変身することで自身の存在がバレることも厭わず姉を救出し、3人で撤退した。その後、沙羅からデザロワ参加の件を問い詰められたことで自身も姉の参加の件を問い詰めたため喧嘩になるが、祢音に諌められていた。
- 37話「慕情Ⅴ:純白の破壊」
デザイアロワイヤル延長戦にて、祢音、沙羅とともに道長/バッファと交戦するが、為す術なく圧倒され、祢音と沙羅はナーゴとハクビのコアIDを砕かれ脱落してしまった。
しかし、それでも犠牲になった人達を救うべく抵抗したが、結局太刀打ちできずにそのまま変身解除に追い込まれ、道長に自身の願いや思想を否定されながらコアIDを奪われてしまう。
「知ってしまったからにはもう引き下がれない。もう諦める訳にはいかないんだよ!」
「アイツに、創世の女神に償わせる…! 今まで奪ってきた大勢の人達の、命と幸せを取り戻すんだァァァ!」
「諦めてたまるか……!アイツがめちゃくちゃにした世界を取り戻すんだァァァ!」
叶えたい理想を叫ぶその姿は、デザイアグランプリに翻弄された人間そのものだったが、道長の言葉を受けてもなお願いを諦めず、全力で反論した。その言葉に苛立ったバッファがコアIDを砕こうとしたものの、パンクジャックに変身したウィンに阻止され、難を逃れた。
その後、道長、英寿とともにデザグラの文献に基づいたウィンの推測を聞き、創世の女神の誕生経緯が悪意によるものでは無いことを知るも、家族を奪われ大勢の不幸が蔓延る現在の状況に納得出来ず「女神のせいで犠牲者が出ているのは事実だ!」と反論する。
しかし、ウィンからは「女神自体に罪は無い。その能力を利用できるようにシステムを構築したのは運営側だからな」と冷静な意見を言われ、言葉に詰まってしまう。
創世の女神が悪なのか、それともそれを利用していた運営こそが本当の元凶なのか…………その言葉に何も言い返すことができず、その場から立ち去ってしまった。
- 38話「慕情F:九尾の白狐!」
自宅に帰り、姉の生存を確認して安心していたが、自身の願いを叶えるため今一度立ち向かう覚悟を決めた。
その後、グランドエンドが迫る中でタイクーンに変身しようとするものの、変身の間もなくグランドエンドの影響で記憶も装備も失ってしまい、未知の現象で慌てふためいてしまう。
創世編での活躍
- 39話「創世Ⅰ:俺のデザグラ」
英寿の創世の力により、記憶を取り戻したことに困惑していたが、道長が自宅を訪れたことで事態を把握。その後、道長とともに英寿の元を訪れ、この状況・事態について問い詰めていた。
道長とエントリーするかどうか話し合う中、「女神が居なくなった今、罪を償わせることもできない…。」と行き場のないもどかしさを露わにしていた。
その後、創世の女神の力で現代に居座るケケラと再会。彼の不気味な笑顔から、何か企んでいることを察して嫌悪していたが、目の前で暴れるポーンジャマトを見て見ぬふりはできず、再び「ライダー」として生きるかどうか苦悩していた。
- 40話「創世Ⅱ:タイクーン覚醒」
ベロバやケケラの暗躍を知り、道長とともに再び仮面ライダーになることを決意。
沙羅から「大智からジャマトの寄生について聞いた」と連絡を受けたが、沙羅は一晩たっても帰ってこなかった。大智が何か関与していると思い、サロンのツムリに強力なバックルは無いかと尋ねるがこれ以上は無いと返されてしまう。
英寿と大智の所へ赴き、沙羅に何をしたかと問い詰めるが突如大智が三葉虫ジャマトに変貌し戦闘になる。2人で追い詰めようとするも戦いの中で大智は「きっと今頃は、君のお姉さんは最早手遅れさ」と意味深な発言をする。
ギーツに戦いを任せ沙羅を探しに行くが、道中でジャマトと交戦中のバッファを発見。バッファの猛攻撃にジャマトは撃破されるが……。
この先、重大なネタバレ注意!
ジャマトがバッファに撃破され、寄生が解けると同時にある髪飾りが落ちる。
景和の前に現れたのは沙羅だった。
大智の陰謀によりジャマトに寄生された彼女は既にステージ2に達しており、助からない身体になってしまっていた。
倒れ込んだ沙羅は「私も景和みたいに、誰かを守るために頑張らなきゃって……」「ごめんね、景和……」と言い残し、彼の目の前で消滅してしてしまう。
「お前が姉ちゃんを……!?」
道長「……」
姉がジャマトにされたことは分かる。それでも、聞かずにはいられなかった。
「答えろォ!!」
道長「……ああ、俺が殺った…!」
近くにいた道長に問い詰めるも、(事情を知らなかったとはいえ)自分が手にかけたと肯定した彼にすぐさま殴りかかり、行き場のない怒りをぶつけてしまう。
「許さない…許さない!!!」
姉の形見である髪飾りを握り締め、豪雨の中、家族を全て喪った男の目には、世界平和を望む心優しき青年の面影は残っておらず、不幸を理不尽に押し付ける世界への怒りと憎悪に満ちていた。
そして、横には漆黒のタイクーンの幻影が。
まるで彼の心情や未来を暗示するかのような姿の戦士は…。
- 41話「創世Ⅲ:漆黒の将軍」
自宅で一人、唯一の肉親を失った悲しみに暮れていたが、そこにケケラが現れ、「見てらんねぇな、一番大切な家族を守れねぇなんて…。」と慰めとはとても言えない皮肉をぶつけられたが、彼は「姉ちゃんのためだったんだ…。」「姉ちゃんがいなかったら、世界平和を願う意味もない…!」と返答する。今まで願っていた世界平和の根幹は姉である「沙羅の幸せ」であり、姉を失った今の彼には世界平和を願うだけの理由は失われてしまった。それすらもケケラから「とんだ偽善者だな」と罵倒され、そんなケケラを追い返そうとするが、ケケラから理想の世界を作るように吹き込まれる。
そしてジットの襲撃を受けた英寿たちの元に現れ、ツムリを連れ去る。そこで姉を喪い行き場のない思いを彼女に吐露する。ツムリも彼に同情し「あなたにも幸せになれる世界があるはずです」と激励を受けるが、突然彼女に「誰にも負けない力」「世界を守れる力」と頼み込む。
そして人間に戻れないジャマトを駆逐し続ける道長の元に現れ、「姉ちゃんだけでは飽き足らず、また誰かを犠牲にする気か…!」「姉ちゃんの命を奪った事さえも!正当化する気か…!」「犠牲者を出してるのはお前だろ!」と皮肉をぶつけ、彼と激しい格闘戦をくり広げる。そしてツムリに叶えさせた新たなバックルを取り出し、
「姉ちゃんの仇だ…」
新たな姿ブジンソードに変身し、強大な力でバッファを圧倒(しかも変身直後には変身しようとする生身の道長に攻撃を仕掛けている)。
最愛の姉である沙羅を失ったことで影や憂いを帯びた表情や声音となり、その変貌に対し道長は「変わったな…お人好しのタイクーンは何処に行った!?」と投げかけるも、
「何も変わってないよ 俺は俺だ」
そう答えると、武刃で彼を突き刺した。
そう、実は彼の心は最初から何も変わっていないのである。
邂逅編にて英寿による「自分の姉さえ守れれば、他の人の幸せはどうでもいいのか?」という指摘は実に的を射ており、以降も姉の幸せに関わる危機や理不尽に対してなりふり構わず暴走する場面が何度もあった。
世界平和の願いも実際は姉の幸せのためであり、1話で彼が望んだ「世界平和」の本質は「姉が平和に暮らせる世界」だったのだが、姉を失った今ではそんなものを願う理由はなくなり、お人好しという化けの仮面を被る必要もない。
もはや偽善者と復讐者という2つの肩書きを背負った漆黒の将軍に成り果ててしまった景和。
バッファに武刃を鳩尾に突き立て、彼を倒したかに思えたが……
- 42話「創世Ⅳ:女神完成 闇の刃」
バッファは執念と闘争心で粘っており、その一撃に耐え切っていた。しかし、その後も何度も攻撃を浴びせた後、ブジンソードビクトリーでバッファを変身解除させて勝利を収める。
「流石ゾンビ……しぶといな」
その際に彼からは「俺を倒して満足するなら好きにしろ…!」と実質的に自らの敗北を受け入れる発言を鼻で笑う。
「楽になんてさせない。姉ちゃんを奪った苦しみを、一生掛けて味わえ……」
そう言い残しその場を去った。そして願いを叶えるためにツムリを監禁していたことが判明。彼女を創世の女神にするべくジットたちに引き渡す。
その後もう一人の仇の大智のもとへ潜入しようとするが祢音と会い彼女と沙羅の約束について聞かされていた所に英寿もやってくる。
「女神になってもらうんだよ、俺の理想の世界を叶えさせるために」
「君がミツメに罪を償わせようとしないからこうなるんだ」
37話の時点でウィンから創世の女神の真実を知らされているにもかかわらず、なおもミツメへの怒りは収まらず、挙句は彼女を救おうとした英寿にまで、八つ当たり同然の怒りをぶつける景和。
それでも英寿は「ツムリに罪はない」と返した上で、ツムリを創世の女神にしようとする所業を「運営と同罪だ」と言って景和を説得しようとするが、景和はこれを聞き入れない。
「デザグラで失ったものはデザグラで取り返す。何も間違ったことはしてないだろ」
そうしてツムリを巡っての口論の末に、景和は「俺に構うな」と言い残し、バックルの力でその場から消え去った。
ケケラの策略と姉を奪った者達の復讐心に支配され、かつての“お人好し”の面影はすっかり失われてしまった。
さらに、散々憎んできたミツメの代わりにツムリを創世の女神へとしようとする所業に関しては、正に英寿の言う通り「多くの人々の幸せを弄んできた」デザグラ運営と同じ穴の狢でしかなく、それでも上記の発言で正当化している点からも分かる通り、ミツメへの八つ当たりや「女神に償わせる」という発言の諸々は、いわば「願いを叶えることができる創世の女神に縋って、自分の幸せを取り戻したかった」という一種の現実逃避にも取れる(もし「創世の女神に罪がない」と認めてしまえば、「自分の幸せを取り戻す」という手段を失って「幸せを奪ったこと」への怒りを誰にもぶつけられなくなるため)。
「五十鈴大智……お前がいなければ、姉ちゃんはジャマトにならずに済んだんだ。お前が姉ちゃんを奪ったんだ……」
その後は再び大智の元へ潜入。彼に激しい憎悪をぶつけるも、「沙羅さんはこんな君を望んでいなかった」と彼の挑発に、「お前が姉ちゃんを語るなぁ!!」と怒りを爆発させる。
ジャマトを蹴散らしながらブジンソードに変身し、マーレラジャマトと一対一の決戦へと突入。そして強大な戦闘力でマーレラジャマトを圧倒し、必殺技のブジンソードビクトリーを喰らわせ彼を撃破する。
人間態に戻った大智から命乞いを受けるも、当然許すはずもなく彼にとどめを刺そうとするが、駆けつけたギーツⅨに止められてしまう。「こんなやつを庇うのか!」と激しく抗議するも、英寿からは「目を覚ませ、お前はそんな奴じゃない筈だ」と諭された。しかし、今の彼に英寿の声が届くことはなく「世界を創り変えるのは俺だ…」と言い残しその場を去った。
そして、創世の力を宿したツムリのもとに現れ、「デザイアグランプリの全ての犠牲者が蘇った世界」を叶えさせ、新たな世界を前に今までの彼からは考えられない不敵な笑みを浮かべていた。
「これが…俺の世界だ……」
こうして12話から願い続けていた退場した人達の復活を叶え、家族を含む犠牲者達を蘇らせることができた景和だったが…?
- 43話「創世Ⅴ:その名はギャーゴ!」
新たな世界になって早々阿鼻叫喚となった周りの様子に困惑。そんな中蘇った沙羅から電話がかかってきてかつての優しい笑顔が一瞬戻るが、この世界では復活した極悪人達が何者かからライダーの力を授かりギャングライダーズを結成して暴れ回っており、なんと両親を含めて復活した彼の家族は程なく死亡。理想の世界を叶えたはずが、再び家族を失う悲劇に見舞われる。
最悪な状況に動揺し、ジットのもとへ乗り込み激しい憤りをぶつけるも、彼からは自らが蘇らせた犠牲者には極悪人達も含まれていた事実の指摘とともに一蹴されてしまう。ジットからは「再び世界を作り直すためにはギーツを倒さなければならない」、ケケラからも「幸せの総量は決まっており、家族を生き返らせたければ誰かの幸せを奪うしかない」と唆される(ただし、英寿とツムリは限度こそあるものの幸福を対価にせずに願いを叶えている描写もあり、またジットがバッドエンド請負人のGMである点も考慮すると、ジットやケケラの言い分を鵜呑みにはできない)。
結局、かつての創世の女神であったミツメの代わりに償わせようとして、無理矢理ツムリに叶えさせた「デザイアグランプリの全ての犠牲者が蘇った世界」は、「同時に復活した極悪人達によって、姉や両親を含めた家族だけでなく、多くの犠牲者を出してしまう」という形で、全く意図せず「多くの人々の幸せを奪う」という、自分が憎んだ創世の女神以上に凄惨な結果を招いてしまったのだ。
その後は蘇った家族の命を奪ったギャングライダーズの元へ乗り込み、ブジンソードに変身して仮面ライダーターボンを瞬殺。ケケラの手引きで変身者の生命を奪うことはなかったものの、ヘッドの首を取った彼はなんと自らがギャングライダーズのヘッドへと祀りあげられ、その事実は彼の名とともにニュースで報道されることに。
こうして、自らの願いを最悪の形で叶えられてしまった上に(半ば強制的かつ不本意な形とはいえ)「普通の一般人」ですらなくなってしまった景和は、ギャングのヘッドとして「家族だけを生き返らせる為に、ギーツを倒して誰かの幸せを奪う」という、本末転倒な行動へと走らざるを得なくなり、後には「他はどうでもいい」とまで言い出してしまう始末(この43話で祢音が誘拐された事を知った際にも、ケケラに詰め寄りはしたものの、後に道長からこの件を追及された際は「下っ端が勝手にやったこと」と言って責任転嫁している)。
※ちなみに自分が償わせようとした創世の女神ことミツメは、「運営の道具」として無理矢理利用されながらも、多くの人間の人生や幸せを踏みにじる行為への罪悪感に苦しみ続けており、最終的には「自らの消滅を受け入れる」という形で自らの償う意思を示しており、この点でも景和と対照的になっている。
そんな悪循環の暴走を極めた景和の行く末やいかに…。
- 44話「創世Ⅵ:ネオン、かがやく」
説得のためギャングライダーズのアジトにやってきた道長と再び戦闘。覚悟を決めたからなのか、道長もそれなりに奮闘したが、ブジンソードの前には叶わず変身解除に追い込む。その際道長から「そうやってまた誰かを不幸にする気か?」と正論ながら彼の過去の行いを棚に上げたような問いには「お前にだけは言われたくない。」と返すも、今度は「自分だけが幸せになれればそれでいいのか!」と邂逅編で英寿に問われた事と似たことを言われるが「家族の幸せを願って何が悪いっ!」と逆に訴えた。
その後ツムリが幽閉された部屋へ行く。景和の次の願いは家族を蘇らせる事であり、ジットから「女神を完成させるためにギーツを倒せ」と言われる一方、まだ意思の残っているツムリからは「貴方はその願いで本当に幸せになれるのですか?」「なんでそんな悲しい目をしているのですか?」と心の葛藤を見透かされるが「俺自身の世界が平和じゃなきゃ、意味が無いんだよ……!」と自分に言い聞かせるように、その場を去った。
その後、ケケラからナーゴがライダーに復帰し、ギーツの仲間が増えたことを知る。そこで改めて、「俺がギーツを倒す」と決意を固めた。
- 45話「創世Ⅶ:願いのゆくえ」
ベロバの手によってライダーに復帰した墨田奏斗と再会を果たす。彼には変わり果てた姿から、当たり前の日常がなくなった者同士として仲間意識を持たれるが、「一緒にするな…お前みたいに人類滅亡を願ってるわけじゃない」と一蹴するも、「善人ぶんなよ…!あんたは失った家族を取り戻すためなら他人を犠牲にしてもいいと思ってんだろ!」と今の自分に対する図星を突かれ、何も言い返せなかった。
そしてとうとう英寿と対峙。ブジンソードに変身し、ギーツⅨとの一騎打ちに突入する。
オーディエンスから様々なレイズバックルを転送され、ギーツⅨと互角の勝負を繰り広げるが、英寿が自らに対し戦意を持っていなかった事もあり、ギーツⅨはわざと必殺技を喰らって変身解除する事で、戦闘は中断する。
わざと変身解除した英寿に対して「何で戦おうとしない!」と激しく抗議するも、彼からは「力じゃお前を変えられない」と真意を告げられ、同時に駆けつけたツムリからの必死の説得を受け、「俺だって信じられるなら信じたいよ…!」と自身の本音を吐露する。
そして英寿から「必ず叶うと信じるからこそ叶うんだ。沙羅さんだって必ず取り戻せる」と説かれるが、「お前が創生の神だって言うなら…!この世界を変えてみせろよ!」と叫びながら武刃を彼に振りかざす。
その瞬間、突如英寿・景和・ツムリの3人が光り出し、ツムリと入れ替わる形で英寿は白髪の変わり果てた姿に変貌。ギーツⅨに変身し、3人の願いを軸に世界を作り変え始める…
英寿「タイクーン、信じろ…!誰もが幸せになれる世界を…!」
- 46話「創世Ⅷ:さよなら、ミッチー」
創世の神となった英寿によって世界は元に戻った。
かつて創世の女神が鎮座していた場所で英寿と会話を交わしていたが、世界を創り変えた代償として英寿が有刺鉄線に拘束されてしまう。その後、英寿からジット一派がバッドエンドゲームを始めたのと同時に仲間達が沙羅を救おうとしていることを聞き、ついに景和も覚悟を決める。
その後、ベロバとの激戦に打ち勝ってボロボロの道長にトドメを刺そうとするケケラの変身を止め、道長を救った。道長からは不本意とはいえ姉を斬ったことを謝罪され、自身も「みんなを信じられなくてごめん」と今までの行いを謝罪しつつ姉のために戦ってくれたことを労い、40話から続いた蟠りが遂に解けて道長と和解した。
そして、それを見ていたケケラから「お前は悲しき涙を仮面で隠す戦士だろ」と、彼にとっての「理想の仮面ライダー像」から離れてしまったことに苦言を呈されるも、「それはお前が考えた単なる妄想だろ!」と反論し「もうお前の思い通りにはならない…!!」と決別を宣言。ケケラは激しい怒りを露わにし、その場から去っていった。
その後、知恵の樹を取り返した一同は大智からジャマトの侵食を防ぐ血清を受け取り…
「姉ちゃん!」
「景和…痛いよ…」
沙羅は帰ってきた。いつもの天然な姉が帰ってきたのだ。
こうしてまた1つ誰もが幸せになる世界が叶い、英寿と仲間たちの尽力によって景和は失った心を取り戻したのだった。(尺の都合上、描写こそされていないが、公式サイトのあとがきによると、この時他の被害者も救出されている模様。)
- 47話「創世IX:ホンモノの仮面ライダー」
姉が無事復活し、道長への敵意も消えた彼は、3人でお茶をしていたのだが、突然道長がバッファローの置物に変化してしまった。
その原因たるケケラが現れて交戦しかけるが、そこを五十鈴大智が止めに入り、ケケラと交戦、しかし彼は敗北を喫してしまい、そのまま「日曜のお茶の間の笑いものにしてやる」と大智とともに囚われてしまう。
囚われた先で大智に何故姉を助けたのかと問うと彼曰く、「本当の幸せはつまらない人生にも転がっていた」とのことで、ジャマトに魂を売った彼にもまだ人の心があることを理解し、そんな彼にも幸せになる権利がある、と優しい言葉をかけた。
程なく、ケケラが仕掛けた「仮面ライダーゲーム」が始まり、プレミアムケケラと交戦するが、終始圧倒されてしまう。もう一度創世の神に願うか?と挑発されるが、「人間の力 舐めんなよ…!」と返し断固として拒否。やがて時間が来てしまい、ジャマトが解放されてしまうが、すべて大智の作った個体であったため、難を逃れた。
「仮面ライダーかどうかなんて関係ない、俺たちがこの手で世界を守るんだ」と決意し、もう一度ニンジャフォームに変身。再び交戦する。
戦いの中で彼の仮面ライダーとしての気迫を感じたケケラに、それでもなお「仮面ライダーである限り、いずれまた己の願いに支配される」と言われたが、そうなった過去を振り払うがごとく「力をどう使うかは自分で決める」と覚悟を決めブジンソードに変身。
その目に真紅を紛らせながら…
「推しと直接やり合うのも悪くねえな」というケケラに
「お前の道楽に付き合う気はない」と一蹴。
ブジンソードビクトリーを放ちなんとかプレミアムケケラ相手に相打ちに持ち込んだ。
ケケラ「気ぃ抜くんじゃねぇぞ…仮面ライダーの人生は生半可なもんじゃない。その運命を覚悟しろ…」
「あんたに一つだけ礼を言っておくよ。」
ケケラ「あぁ…?」
「俺を仮面ライダーにしてくれた事だ。これで俺は世界の平和を守れる。」
ケケラ「ハハハハハハ!天晴れだ!桜井景和!」
こうして戦いで致命傷を負い、さらに結果的に自身の願いを叶えることとなったケケラは、遂に完全消滅した。今まで彼の策略のせいで一時的とはいえ姉を喪い、自分の人生を狂わせてきたケケラであったが、そんな彼との別れ際に景和は、「彼の存在があったからこそ仮面ライダーになれた」と、僅かな恩義を抱いてもいた。彼との邂逅、そして決別を経て、彼はホンモノの仮面ライダーになれたのであった。
だが程なく、スエルが「終幕のデザイアグランプリ」開幕を宣言し…。
- 48話「創世X:ツムリの鎮魂歌」
ケケラとの決戦を経て「ホンモノの仮面ライダー」として歩みだした彼は、取り戻した姉と平凡ながら幸せな生活を送っていた。再び蕎麦屋のバイトとして働き始め、姉に蕎麦を振舞っている中、前話でのスエルの宣言を思い返していた。
そんな中、突如として蕎麦屋の客が仮面ライダーに強制変身してしまうものの、変身した客は恋人らしく戦うことを放棄する。しかし、これを許さないオーディエンスの退場要望を承諾したスエルが無数に配置されたゲームマスターの1人に彼らの退場を命じたことで、二人がゲームマスターによって爆発退場させられるのを目撃してしまった。
その後、このゲームの詳細を知ったあとは道長と共に戦いを止めようと奮闘。しかし相手があくまで一般人だったことから「戦いはせずに止めるだけ」だと道長に促し、「反撃はダメだからね!」と念を押していた。
最終回での活躍
- 49話(最終話)「黎明Ⅰ:ここからがハイライトだ!」
英寿が凶弾に倒れた後、まるで全てがなかったことになったように英寿を忘れた平和な世界になっており、その世界で景和は沙羅と福男の店で食事をするなど平穏な日常を過ごしていた。
一方、ツムリとジーンは神社の祠へ赴いており、そこでのツムリでの回想という形で、ここに至るまでの経緯が明かされた。
前話に続いて変身させられた一般人を止めていた中、英寿を消去したスエルに襲撃される。祢音や道長とともに最高戦力で挑むも、彼の変身した仮面ライダーリガドΩの持つリバース能力によってブジンソードを手に入れる前の状態まで戻されてしまった。
しかし、仮面ライダーになって願い続ける限りきっと叶うことを知った3人は願い続ける。
すると、それに答えるように「神」へと転生した英寿が駆けつけた。
彼から願いを問われるも、誰もが幸せになれる世界を願う3人にとって答えはいらないようで、それを悟った英寿が3人の力を復活させたことで再変身。リボルブオンの活用、ロックファイアの共有、ポイズンチャージの補助などこれまでにない連携を見せ、見事リガドΩを倒すことに成功した。
そして、英寿は誰もが幸せになれる世界を創造する。
その際、「自分のことを忘れた世界」へと世界を作り替えてゆく英寿に対し、彼の幸せをも願う言葉を発していたものの、最終的には彼の「神として世界を見守る」選択を尊重した。
こうして世界は皆が英寿を忘れたものの、幸せの総量の限界もなく、誰かが願いを叶え幸せになることで誰かが不幸になることもない、確かに誰もが幸せになれる世界に生まれ変わったのだった。
その世界で景和とかつての戦士たちは今日という日を謳歌していた。そんな幸福な世界で、漠然とした願いを抱いていた以前と異なり、明確な目標に向かって勉強に励む景和。仮面ライダーの証であるIDコアを握りしめ、新たな世界で彼はこう願うのであった。
「世界平和。」
『ギーツエクストラ』
本作の外伝作品である『ギーツエクストラ 仮面ライダータイクーンmeets仮面ライダーシノビ』にて、同じ忍者ライダーである神蔵蓮太郎/仮面ライダーシノビと共演を果たした。
また、ケケラと同じ「喋るカエル」であるガマノ師匠と対面した際には、「ケケラ!?」と驚いた反応をしていた。
劇中では、ガマノの頼みから忍者パワーを使い果たした上に幼なじみで友人でもある今生勇道が自身を庇って犠牲になってしまったことですっかり元気が無くなった蓮太郎を励まし、共に生身で姉の沙羅と蓮太郎の妹・神蔵紅芭を救うべく天草四郎時貞に立ち向かった。
村雨良/仮面ライダーゼクロスの助力もあり、洗脳されていた仮面ライダー剣斬、仮面ライダー風魔を救う事に成功。忍者パワーが戻った際には、シノビからシノビの力を授かった。その後、5人で時貞が変貌したジェロニモを圧倒した。
残念ながら完全撃破には至らなかったもののかなりの深手を負わせることに成功し、後のことは蓮太郎達に任せ、沙羅とともに元の世界へ戻っていった。
なお、景和がケケラのことを既に知っていて、景和がタイクーンであることについて沙羅は知らないため、時系列はおそらく乖離編以降で慕情編以前(一番可能性が高いのは、景和が復活した34話のデザイアロワイヤル開幕前の時系列と思われるが、同話の描写では間髪入れずに行われているように描写されているため定かではない)と思われる。
因みに本作で共演した村雨良/仮面ライダーゼクロスとは忍者ライダーで敵に姉を殺されて復讐を誓う繋がりがある。
本編終了後の活躍
『4人のエースと黒狐』
ギターを背負った路上ミュージシャン風の服装をしていることがうかがえる。
ただし、四つに分かれた世界でマイペース過ぎるオカリナ吹きの英寿(リンク先ネタバレ注意!)に振り回されてるようで、戦闘の足を引っ張る彼に「足引っ張っんないでよぉ~」とボヤき、とても困った様子を見せていた。
結局、あまりにも戦力にならないためジャマト軍団と交戦しながらデザグラ神殿に撤退。
その後は仮面ライダークロスギーツに苦戦している道長の元にもブジンソードの姿で加勢。クロスギーツの必殺技を喰らいかけるものの道長が間一髪必殺技で伸ばしたバーサークローで防御し、その隙にブジンソードストライクに繋げるという連携で喰らいつくも、あと一歩及ばず敗北し世界滅亡させるためにクロスギーツが起こした超必殺技から道長と共に英寿を護り、「最後に勝つのは英寿!君だ!」と叫び、後を託した。
その後、新たなギーツとクロスギーツの最終決戦にて道長達と共に復活。英寿の勝利に貢献した。
『ファイナルステージ』
ネタバレ注意!
新生デザグラに祢音らと共に挑む。
だが新たなジャマトや敵が現れ苦戦する中で、会場のオーディエンスの応援により真紅の力を手に入れる。
『最強ケミー★ガッチャ大作戦』
クロスウィザードの力で道長、祢音共々ケミーの姿に変化させられた。
何とか元に戻るため、クロスウィザードが仕掛けたゲームに英寿達とともに参戦することとなり、自身は一ノ瀬宝太郎とペアを組むことになった。
同じピュアな性格を持つ宝太郎とすぐに意気投合し、てんやわんやではありつつも息の合ったコンビっぷりを見せており、宝太郎にとっては「頼れる兄貴分」的存在となっていた。
クロスウィザードが見せた理想の世界では刑事となっており、取り調べで犯人(演じたのは本作を担当した山口恭平監督)の「おふくろの味」だというたぬきそばを振る舞っていた。(※)
(※)ちなみに、犯人への飲食物等の提供は物品などの贈与が利益供与による自白誘導にあたり、証言の任意性と証拠能力を失わせる可能性があることから現在では禁止されている。ついでに言うと、そもそも取調室で飲食はできない(水くらいは出るが)。
もっともこの一連の夢のシーンはスパナのキャラ崩壊(宝太郎の夢)ドレス姿で追いかけっこ(祢音の夢)等、リアリティの無いものとして描写されてるので一昔前の刑事ドラマ風になった景和の夢もその一環と思われる。
その後、ウィザードマルガムが差し向けたジャマト軍団相手に武刃を振りかざして生身で応戦した後ブジンソードに変身。物量の差と疲労に苦しめられるものの、九堂りんねが新たな力に目覚めるまでの時間稼ぎに大きく貢献した。
『ジャマト・アウェイキング』
クロスギーツとの戦いからしばらく経った後、警察官になるために日々猛勉強している模様。
その数少ない休日のある日、景和は姉・沙羅と祢音のデート(という名のお出かけ)が心配だったようで着いて行っていた。(やっぱりシスコ…、いや、言わないでおこう。)
団地で祢音が買ってきたパンを3人で頬張っていた時、警察官に「10歳くらいの男の子を見なかったか?」と尋ねられたことで、捜索に協力すると申し出た。(そして、その捜索中に道長と合流)その最中、団地内で銃声が聞こえたため駆けつけると、清春が撃たれ亡くなっていた。そして、夫の死がトリガーとなって覚醒した葉月/クイーンジャマトを止めるために祢音、道長とともに変身し、何とか彼女を抑え込むことに成功した。だが、その直後白英寿が降臨し、そのまま仮面ライダードゥームズギーツに変身。ドゥームズギーツの一撃で変身解除に追い込まれたが、英寿が援軍として駆けつけたことでドゥームズギーツの相手を英寿/ギーツⅨに任せて撤退。
その後、デザグラ神殿のサロンで何故か復活したベロバからニラムからの言伝となる映像を見せられ、ゴッドジャマトの存在を把握した。
その後、祢音とともに3人が住んでいた団地を訪れた際に町内会長と副会長の変死体を目撃、その死体から「蒼斗が警察官に扮して清春を殺し、春樹や葉月を利用しようとしている」と察知したことで蒼斗のアジトへ向かい、蒼斗…、もといキングジャマトの計画を看破した。直後、キングジャマトが差し向けたポーンジャマト軍団に生身で応戦しつつブジンソードに変身し、蹴散らした。その後、ナーゴ・ファンタジーフォームとともにキングジャマトと交戦するものの、両者の必殺技を耐え切ってカウンターしたことで苦戦を強いられてしまう。しかし、そこに新たな姿・プロージョンレイジを獲得した道長/バッファが参戦し、キングジャマトを圧倒。最終的にトリプルライダーキックを喰らわせ、撃破した。
余談
- 主人公の英寿が「完成された主人公」であるため、景和はそれとの差別化を図るために過去の作品での主人公のような「世界平和のために初めて変身して運命に立ち向かう男」として設定している。
- 演者の佐藤氏もスタッフから「視聴者目線で進んでいくキャラクターで、普通で一般人の子であることから、普通にしていて」と言われ、視聴者と同様のことを思ったり、ストレートに言ったりするキャラクターであることから、伝わりやすい台詞回しや表情にするよう気を付け、分かりやすさを意識しているという。
- 所々台詞がオンドゥル語になりかけている箇所があったことから一部でネタにされている。→ギードゥル語
- 1話の履歴書によると、コンピューター検定3級・普通自動車第一種免許の他に漢文字検定5級という謎の資格を持っている。もしかしたら『ギーツ』世界における日本漢字能力検定のことなのかもしれない。ちなみに漢字能力検定における5級の対象は「小学校6年生までに習う漢字」である。
- 今まで様々な経歴、職業の仮面ライダーや、学生の仮面ライダーは登場していたが、明確に就活中の仮面ライダーの登場はTV版では初となる(TV版より未来を描いた劇場版で就活中だった人ならいた)。
- なお、39話ではライダーの記憶が戻った影響もあり、無意識に履歴書の職歴欄に「職業:仮面ライダー」と書いてしまっていた。
- 最終話になっても内定は貰えず就職先は決まっていないようだが、これまでの経験から大方の方向性は決まったようで、彼の手元に「警察官 論文面接対策」のテキストが置かれていたことから、警察官志望になったと思われる。
- 上記の通り、成長した彼は英寿をも「化かす」こととなった。同時に祢音の「化ける」発言に関してだが、黒猫は魔女などの使いということや化け猫など、意外と猫も「化ける」「化かす」ことに縁がないこともない。
- 運営やサポーターは未来人。道長は(一時的とはいえ)ジャマト化、英寿も特異体質を持っており、更に祢音も虚構の人間である事が判明したため、普通のホモサピエンスは彼だけかもしれないと思われていたが、上記の通りに「女神に創られた存在」として復活した為、純粋な意味での普通のホモサピエンスでは無くなってしまった。
- 変身ポーズは、根っからの仮面ライダーファンである佐藤氏考案のもの。景和と同じように人助けを性分とするメダルライダーや前作の底抜けのお節介の変身ポーズに似ている。
- なお、佐藤氏はこの変身ポーズの短縮版…というより0.45秒倍速ver.の変身ポーズが得意と自ら豪語しており、主要キャスト4人によるトークインタビューの際に披露し、杢代和人氏や星乃夢奈氏を爆笑させていた。
- 実際、14話にて0.45秒倍速ver.での変身ポーズが披露されたが、非常にキレッキレだったため、視聴者から好評価を得ている。
- 前述の『ジャマト・アウェイキング』では、ブジンソードへの変身時に以前の指ポキ変身ではなくこのポーズで変身している。
- 2023年2月5日にキャラクターソング『I Peace』が配信開始。歌詞は景和らしい内容となっているが、曲調は『世界平和を願うお人好し』のイメージからは想像のつきにくい重くダークなテクノ系サウンドとなっており、「日頃のキャラでその曲なの!?」「まさかキャラソンで化けるとは思わなかった」「予想外すぎてイントロで即死」「バラードとかニンジャバックルから和風かと」と驚きの声が多数。今思えば恐らく創世編の展開の伏線だったのかもしれない。
- 同年2月9日に開催された『超英雄祭 KAMEN RIDER × SUPER SENTAI LIVE&SHOW』ではキャラソン生歌唱のコーナーで佐藤氏がキレッキレのダンスを披露。観客および配信視聴者を更に驚かせることとなった。
- 41話でゴミが散乱した部屋の中に『仮面ライダービルド』に登場した「プロテインラーメン昇竜」の空き容器がある。
- 創世編の展開は『MOVIEバトルロワイヤル』制作時点で決定事項だったらしく、その伏線としてとある存在を登場させている。
- 序盤からの『世界平和』の願いについて、公式サイトでは具体的なビジョンが無い薄っぺらさ・それ故の危うさの伏線だった事が明かされている。
- 実際、それが43話にて最悪の方向で発揮された上(ジットが願いを曲解させていると言われがちだが、ジットの言うことは間違っていない。というのも、景和は「デザグラの犠牲者が蘇った世界」と大雑把にしか書いていないため、善悪問わず復活することを想定していなかった故にそこを指摘する声もある)実際に作中でもジットが指摘しており、作品の枠を超えてしまうが似たようなものでありながらもより詳細に条件を述べ具体的な願いを叶えていた他作品の登場人物の有能さが改めて評価され賞賛の声が集まっている。
- とは言え、デザグラに巻き込まれなかった悪人がいるのも想像に難くないので、その人物のようにしたところで意味があったかと言うとかなり怪しい(また、結果論ではあるが蘇った悪人の影響で別の人物達の状況が好転した面もある)。
- また、「具体的なビジョンがない中での他者のためにとった行動が何もかも裏目に出てしまう」という点からとあるアニメの主人公を思い出す視聴者もいた。
- なお、脚本担当の高橋悠也氏はもっと早い段階でこの展開に持って行きたかったようであるが、姉弟のコミカルな掛け合いが人気を博していたことを把握していたチーフプロデューサー・武部直美女史から創世編になるまで止められていたとのこと。
- 序盤からの『世界平和』の願いについて、公式サイトでは具体的なビジョンが無い薄っぺらさ・それ故の危うさの伏線だった事が明かされている。
- 脚本担当の高橋氏は放送終了後に出演した「仮面ラジレンジャー」で『MOVIEバトルロワイヤル』制作時点では景和をラスボスにする展開も考えていたらしいが、佐藤氏の演技を見て断念した旨を語っており、「景和を瑠雅くんが演じてくれて『景和は"本当の悪"じゃないな、家族を守るという些細な幸せを守るために必死に藻掻いて戦っている一人の青年だ』と思った時に、景和が最後の敵として対峙するのはギーツの世界観として正しい結末じゃないな」という結論に至った模様。
- 景和役の佐藤氏は、憔悴する台本が渡ったタイミングからダイエットを開始しており、減量することでやつれ具合とやさぐれ具合を表現している。これには、現場スタッフも関心する程であった。
- 42話終盤からの黒い衣装は、加古川飛流、アスモデウス人間態の衣装を一部流用したものである。
- 最終回のクランクアップの際、佐藤氏は『ギーツエクストラ』やブジンソード初登場となった41話等景和のメイン回を担当してきた坂本浩一監督より花束を受け取っている。同時にクランクアップを迎えた道長役の杢代氏と祢音役の星乃氏も各々のメイン回を担当した柴崎貴行監督と杉原輝昭監督よりそれぞれ受け取っている。
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仮面ライダーギーツ デザイアグランプリ 仮面ライダータイクーン 2号ライダー
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2号ライダー変身者