概要
だがそれが転じて集団において潤滑剤のように人間関係を取り持ったり、外部との軋轢を緩和する苦労性の人のことを指すようになった。
人が集まると個性からどうしてもすれ違いや衝突が起きてしまう。
貧乏くじ役の人物はそういった人間関係の問題を解消する、集団行動において必要不可欠な人材である。
ただし、苦労が多い割に顧みられることはあまりなく、またサポート役に徹するため集団でも影が薄くなりがちと、あまり良いことはない。貧乏くじの所以である。
引いた(引かされた)貧乏くじを粛々と処理できるだけの能力は持っているケースが多く、冷静に考えてみると結構有能だったりするのだが、やっぱり作中内外通じてあんまり気付いてもらえない。作者に有能認定されているが故に無茶な仕事ばっかり振られ、四苦八苦している姿ばかりが表に出るため読者・視聴者からの評価が能力と釣り合っていないケースも。
だが目立たないだけでその存在は集団の大事な支柱であり、この役を欠くとその集団は遠くない未来に分解ないし外部との対立によって孤立してしまう可能性が高い。
主に
- 自身を顧みないお節介焼き
- 助力することに苦を感じない控え目な人物
- 犠牲を強いられても自分以外から不満が出ないマイノリティ
- 普段からのだらしなさ、運の無さが災いしその場に居合わせただけで疑われ責任を取らされる
が該当し、1は自ら買って出るものも多いが、2、3、4は気がつけば押し付けられたかのように収まっている場合が多い。
基本的にその気苦労は集団に属する者の個性の強さや能力に比例して大きくなる。
当てはまる人物(一例 50音順)
- 青山圭一郎(地球防衛企業ダイ・ガード):ダイ・ガードのパイロットの中で唯一熱血ではなく、主にメインパイロットの赤木駿介のブレーキ役になる。
- 第2次スーパーロボット大戦Z(および続編)における「貧乏くじ同盟」(半公式)の一人。
- クロウ・ブルースト(第2次スーパーロボット大戦Z):冒頭からとんでもない額の借金を背負っている上、返済した借金が増えて帰ってくるなど、とことん金運がない。しかもとある理由で、借金をかかえていないと機体の性能を引き出せないというジレンマもある。
- 前述の「貧乏くじ同盟」の一人であり、その代表格でもある。
- 直接の貧乏くじではないが、イベントで墜とされる回数も多い。そのせいで、作中通して使える主人公にもかかわらず、養成や機体強化を渋られる場合もある。
- クロウ・ホーガン(遊戯王5D's):チーム5D'sの稼ぎ頭であると同時に子供たちや無職王の保護者。どちらかと言うと苦労人、名前的にも。
- 恋愛フラグは立たないが、死亡フラグは建設する。クロウにまともなフラグなど無い
- 隅野さやか(アホガール):クラスメイト達から見たら、常軌を逸脱したアホである花畑よしこと頑固でよしこに対して暴力的な阿久津明という貧乏くじを自分から引いている様に見えるだろう。
- デュオ・マックスウェル(新機動戦記ガンダムW):ぶっ飛んだ性格のキャラクターが多い中で数少ない常識人であるためか、能動・受動を問わずやたら貧乏くじを引く。
- 前述の「貧乏くじ同盟」の一人。
- 野比のび太(ドラえもん):ジャイアンやスネ夫等に逆恨みされたり、彼らに悪事を擦りつけられる(その場に居合わせただけで揉め事や落書きの犯人として責任転嫁を受け、始末を命じられる、貸したひみつ道具でトラブルを起こすと尻拭いする等)と損な役回りを押し付けられることが多い。
- ハーデス(ギリシャ神話):支配領域の決定のためのくじ引きで、文字通りの意味で「冥界」という貧乏くじを引いている。
- 春風どれみ(おジャ魔女どれみシリーズ):ドジでお節介な性格が災いし、騒動の責任を取らされたり、大好物のステーキを食べ損ねることが多い。
- 藤木茂(ちびまる子ちゃん):臆病な性格故に、過剰な卑怯者扱いを受けるという貧乏くじを引いている。
- 両津勘吉(こちら葛飾区亀有公園前派出所):素行の悪さが災いし、騒動のたびに(自身が無実の場合であっても)部長である大原大次郎や署長である屯田五目須らから叱責・制裁を受けたり、警察庁主催の行事に強引に参加させられるなどの貧乏くじを引かされることが多い。
- 大概は金儲けのためにそれらをも利用しようとして結局自業自得の結末を迎えるが、命に関わる場面においては率先して引き受ける場合もある。
- ルナチャイルド(東方Project):よく転ぶドジっ娘である上、能力の都合でしんがりになる事もあり、悪戯をした後の退却に失敗して一人だけ捕まることがある。
- 自業自得だが、置いて行かれているため一応貧乏くじにカウントする。
- ロックオン・ストラトス(機動戦士ガンダム00):当時は未熟だった刹那などの仲間たちに対する面倒見が良く、機体もサポート向きであるためか、尻拭いなどをする事が多い。(兄のニール・ディランディの方だが)
- 前述の「貧乏くじ同盟」にも数えられ、こちらには弟のライルも入っている。
関連タグ
不幸体質、苦労人:貧乏くじを引かされることに定評のある特徴。不幸体質は本人にも周囲にも特に原因や因果関係は無いのになんか不幸のお鉢が回ってくる人、苦労人は苦労を抱えがちなことを周囲からいくらか慮られている人である。
お人好し:こちらは前述の二つと違って自分から進んで貧乏くじを引きに行く(取りに行く)ことに定評のある特徴。ただし解決のために「唯一にして最善の方法」である場合や、「一刻を争う事態」である場合がほとんど