『VISION DRIVER』
CV:松岡禎丞
概要
デザイアグランプリの運営が仮面ライダーに変身する際に使用する。
単なる変身ベルトではなく、ゲームマスターが所有する物はデザイアグランプリのあらゆるシステム管理を一手に担う超重要アイテムでもある。作中ではゲームマスターが所有するものと、プロデューサーが所有するものとの二本存在しており、詳細不明ながら創世の女神へのアクセスに必要なアイテムという事が明かされている。なお、ゲームマスター用のベルトでプロデューサー用ライダーに変身できるかどうかは不明(逆の場合も同様)。
DGPのゲーム性を著しく毀損or暴走したプレイヤーが一般人や他プレイヤーに危害を加えるといった、非常事態が起きた際の緊急鎮圧を目的に、変身機能が備わっているものと思われる。
なおギロリはゲームの勝敗を操作する目的で、一般人に危害を与えてないプレイヤーを相手に使用。これにより没収の措置を取られた。
チラミはジャマトが現れなかった際に、一時的に敵役として使用。この際はあくまでゲームの一環ということで特にペナルティは無かった。しかし…
…本来は先述の通り、DGP運営のゲームマスターとゲームプロデューサーが持つものなのだが、乖離編の終盤にてゲームマスター用のものが部外者であるベロバに強奪。慟哭編におけるベロバ一味によるジャマトグランプリ開催という形でのゲーム乗っ取りという事態が発生した。ジャマグラ進行の果て、吾妻道長/仮面ライダーバッファの活躍によって更にプロデューサー用のものも奪われてしまう。最終的に2本ともが運営の手を離れたまま、ジャマ神となった道長により願いが叶えられるという事態にまで至った。
慕情編にて、ゲームマスター用のドライバーは道長の手で一旦チラミに返却されるも、その後当の道長/バッファがチラミを消滅させたことで再び運営の手を離れ、その場に置き去りになっていたところを自らの思惑を進めるべくケケラによって回収された。ケケラはジャマグラから引き続き所有していたベロバと結託したことで、再び2本ともが運営の手を離れた状態になる。
しかし37話、スエルによる制裁を恐れた2人はジーンを介して2本とも運営へ返却。スエルとニラムの管理下に戻ったが、38話ではサマスがニラムを粛清。彼からドライバーを剥奪した。
創世編では、おそらくスエルに全権を託されたサマスとジットが保有。変身に使用する事こそ無いものの、あるシーンにて二人が装着している所が映される。
最終回でスエルが倒された後は二本のヴィジョンドライバーはそのゴタゴタで行方不明になっていたが…。
運営側の最重要アイテムかつ最高戦力と思われていたが…。
機能・動作
正面バックルと左腰のユニットが繋がっており、装着後に残りのベルト帯と右腰のホルダーが出現するという仮面ライダーの変身用ベルトの中ではほぼ唯一無二の仕様となっている(正面バックルからベルト帯が自動的に出るタイプは、ユニットも帯と同様に出現するケースが一般的なため)。
変身
起動装着後、上部の生体認証装置「バイオメトリクサー」に親指を直に触れて指紋認証させ、変身者のログイン及び権限を認証し変身待機状態へ移行。
超薄型変身認証カード「プロビデンスカード」を「ヴィジョンリーダー」へスキャンする(一昔前のクレジットカードのように上から下にスライドさせてスキャンする)ことで変身が実行され、内部のヴィジョンドライバーの縮退炉「ヴィジョンリアクター」によって疑似的なブラックホールからダークマターを抽出しクリーンエネルギーに変換、装甲が装着され変身が完了する。
同時に前面のディスプレイ部では炉の稼働状態を示す概念モデルが可動するが、その動き方はさながら眼のようである。
変身が完了すると、グレア時は眼が開くようなアニメーションが表示され瞳に相当する部分がぐるりと回って正面を向き、ゲイザー時は既に開かれた眼がただ表示されまるで睨んでいるかのような画面になる。グレア2時はグレアと同様に開眼のアニメーションが表示された後、瞳が赤から紫に入れ替わるように変化して結膜に相当する部分が紫色に染まる。
変身するにはドライバーに登録された変身者の指紋が必要であり、ベロバはチラミの指紋をレーザーレイズライザーでコピーすることでグレア2への変身権限を得た。
必殺技
『DELETE』 『SHUT DOWN』
プロビデンスカードを再度読み込ませることで発動。読み込み回数に応じて変化する。本編ではどのライダーも1回(音声:DELETE)の方を使用している(ゲイザーが一度SHUT DOWNを発動しているが、不発に終わっている)。
リモートコントロール
『HACKING ON』『CRACK START』
変身後に再度バイオメトリクサーを操作し発動。
この際ディスプレイが乱れるように不規則に点灯し「CRACK START」はノイズが掛かっており、最後に眼が赤く、怪しく光る。また、最後の眼は焦点が合わずブレるような動きをしておりバンマニでも「機械のバグを再現している」と言及されている。
デザイアドライバーを使用するライダーをGMライダーとして強制的に制御下に置くことができる。
このハッキング能力自体は変身前でも使え、MOVIEバトルロワイヤルでは変身してない人間の洗脳も行なっている(両者ネタバレ注意!)(玩具版では手順的に不可能)。文字通り、ハッキング・クラッキングの名に違わない能力である。
また、異世界の組織が複製した物はプレイヤー以外のライダーも洗脳可能な模様。
アップグレード
『SET UPGRADE』
『REMOTE CONTROL』 『○○(バックル名)』
下記のアップグレードアセンブルにレイズバックルを装填して操作、自身ないしはGMライダーに強制的にレイズバックルの装備を展開させる機能。
GMライダーのデザイアドライバーには、アセンブルに装填されたバックルが自動で装填される。
デザイアグランプリのシステム管理
上記の通りゲームのあらゆるシステムを管理する権限を持ち、ゲームのルールを自由に設定することや、逆にその場で元通りに修正する規格外な力の行使が可能。
つまりこのドライバーをゲームマスターが所持している限りゲームは守られるが、この機能自体は変身権限を持たないものでも使用可能である。
また、「世界を作り換える力」の根源である創世の女神へのアクセスが可能であるが、これにはプロデューサー用とゲームマスター用の双方のヴィジョンドライバーが必要である。ニラム曰く「以前にも同じ様な輩が居たためにセキュリティを強化した」とのことで、この一件をきっかけに乖離編からこの条件に変更したと思われる。
さらに『真実の目』という歴代ゲームマスターの記録が保存されており、創世の女神の真実をも見ることができる。ベロバが鞍馬祢音の秘密を暴露出来たのも、この記録を閲覧したため。
他にも創世の力を宿す存在を創世の女神に作り変えたり、四次元ゲートを開いて未来との道を構築可能。
変身可能な仮面ライダー
仮面ライダーグレア
『DOMINATE A SYSTEM, GLARE』
ゲームマスターのギロリが変身する。
「DOMINATE A SYSTEM」は「支配するシステム」を意味する。
仮面ライダーゲイザー
『INNOVATION & CONTROL, GAZER』
ゲームプロデューサーのニラム、及びエグゼクティブプロデューサーのスエルが変身する。
「INNOVATION & CONTROL」は「革新と支配」を意味する。
仮面ライダーグレア2
『I HAVE FULL CONTROL OVER, GLARE2』
ゲームマスターのチラミ、及び彼の指紋をコピーしたベロバが変身する。
「I HAVE FULL CONTROL OVER」は「私は全てを支配できる」を意味する。
仮面ライダージャマトゲイザー
『INNOVATION & CONTROL, JYAMATO GAZER』
四つ葉のクローバージャマトがコピーしたヴィジョンドライバーで変身する。
『ファイナルステージ』に登場。
アップグレードアセンブル
ヴィジョンドライバーの拡張スロット。ベルト左側の帯共々最初から取り付けられている。
セットした各種レイズバックルの機能を引き出して仮面ライダーのアップグレード、リモートコントロールにて制御下に置いた仮面ライダーへの拡張武装の展開を行う。
プロビデンスカード
カード型特殊記憶デバイス。
非常に薄型でありながらヴィジョンドライバーのカスタマイズデータを保存するための3ゼタバイトもの記憶容量と約0.03秒と超高速データ転送速度を誇る。
立体物
プレミアムバンダイから発売。2022年12月12日予約開始、2023年3月発送。プロビデンスカードが付属。
劇中の変身ギミックや必殺技発動の再現に加え、アップグレードアセンブルにバックルをセットする事で強制武装遊びや必殺技発動遊びが可能。正面とアップグレードアセンブルが通常のベルト帯とは別の帯で最初から連結している形状も再現。ゲイザーへの変身は上面のバイオメトリクサー2回タッチ、グレア2への変身は3回タッチで可能。また、裏技的仕様として、グレア/ゲイザーの変身待機音作動中にアップグレードアセンブルにレイズバックルをセットし、再度外して変身待機音をキャンセルすれば、その直後はバイオメトリクサー1回タッチでゲイザー/グレア2に変身できるとのこと。
劇中での変身時に指紋認証を行うバイオメトリクサーはボタンではなくセンサーで再現、ベルト前面に正面方向のLEDを37灯、横方向にLEDを14灯&偏光板を搭載、アップグレードアセンブルは各種レイズバックルを個別認識し専用音声&アニメーションを再生と様々な技術をこれでもかとてんこ盛りにした豪華仕様。
ただし、ビートを除く音声内蔵バックルについては、内蔵された個別音声までは動作せず「GREAT」の共通認識となる。
なお、システム的な操作が可能となるタッチセンサー・カードスキャン・バックルセットは、変身操作後もそれぞれ異なるギミックが発動する関係上、一度変身してから別の仮面ライダーに変身する場合は電源を入れ直すか、変身解除するかの二択となっている。
このためにDX玩具としては珍しく30秒操作しないと変身解除音が鳴る仕様が導入されており、変身状態を維持するにはアップグレードアセンブルのボタンを押す等で操作を行い続ける必要がある。
塗装の関係なのかドライバーの四隅の部分が透けて内部の偏光板の端が見えており、劇中とは違い眼の枠組みの形状の部分だけ光っているようには見えにくい。なお、ゲイザー初登場時から、劇中プロップも玩具版と同様の仕様となっている。また、上記の赤い帯も、形状が当初のプロップと異なる仕様だったものの、こちらはグレア2登場時のものから玩具版と同一の仕様になった。
当然値段もそれ相応になっており、税込13,750円。前作のベイルドライバーと同額だが、あちらがベルト変形用のパーツや発光音声ありの変身アイテム複数同梱に劇中ボイス収録を含めての値段だったのに対して、こちらは変身アイテムが発光・音声無しのため実質的にベルト1つでこの値段と考えると、このベルトが如何に機能と技術が盛られているかが想像出来るだろう。
上記のような豪華な仕様に加え、松岡禎丞氏が音声を担当すること等もあってか、初期のCSMクラスの価格かつグレアの活躍描写が予約開始時点で1話の半分にも満たない短さであるにもかかわらず、1次受注生産分については予約開始から1時間程で在庫切れとプレバン限定ベルトの中でも類を見ない記録を残している。
なお上記にあるように、正面バックルと左腰のユニットが赤色のベルトで繋がっており、その裏側から紫色のベルトを通すという玩具としては珍しい仕様となっている。
この仕様のためか、デザイアドライバー、レイズライザーベルトにハイスペックベルト帯が発売され、本編終了後も断続的にPREMIUM DXレイズバックルが発売される中、ヴィジョンドライバー及びジリオンドライバーには対応商品が発売されていない(単純にプレバン専売アイテム専用の拡張パーツという商品化の難しさも考えられる)。
だったが……
ギーツ本編はおろか、次回作たる『ガッチャード』すら放送が終わり、2代後の『ガヴ』が放送されるようになった2024年9月20日、遂にPREMIUM DX版が予約開始。あらゆる面でバージョンアップがなされており、
- まさかの紫色のハイスペックベルト帯が付属
- アップグレードアセンブル及びプロビデンスカードホルダー土台部分の新規造形により、ハイスペックベルト帯に対応
- 塗装の大幅増加がなされ、ベルトそのものの高級感が増しただけでなく、LEDディスプレイ部分が初期プロップやアクション用プロップ仕様(両端がLEDの発光を透過しない仕様)になった
- 底面にボタンを2つ(※)増設し、モードを増加、細分化。現在商品サイト等で公開されている限りでも
- DX版のバイオメトリクサータッチ回数別の3モードから、グレア2(ベロバ)、ゲイザー(スエル)、さらに玩具初収録のジャマトゲイザーモードを加えた6モードにグレードアップし、さらに任意選択可能かつ、変身解除も時間経過ではなく底面ボタン長押しで可能。
- これら6モード全てに、変身者(ギロリ、ニラム、チラミ、ベロバ、スエル、クローバージャマト)の台詞を追加。また、完全新規追加となるジャマトゲイザーを除く3(5)ライダーの変身音には効果音を追加。更に、各ライダーの通常攻撃時・必殺技時の効果音も収録(しかもこれらは「一例」とのこと)。
※これまでギーツ関連グッズ(=レイズバックル)のメモリアル/PREMIUM DX化に伴うボタンの増設は1つが通例だった。
と、PREMIUM DXに恥じぬ進化を遂げる。価格は税込19,800円。もはやCSMである(何ならCSMダブルドライバーVer1.5(16,500円)の方が安い)。しかしながら、これまでのハイスペックベルト帯の価格帯が税込5000円台後半~高い物だと8000円になることを考えると、ハイスペックベルト帯付属×キャストボイス6名収録×重塗装×新規造形×発光が透けない仕様(原文ママ)でDX版比+6050円というのは、ハイスペックベルト帯としても、メモリアルアイテムとしてもかなり良心的な価格設定になっているとも言える。
なお、ヴィジョンドライバーがハイスペックベルト帯に対応したことで、同様の機構を持つジリオンドライバーにもPREMIUM DX版が来るのではないかと予想するオーディエンス……もといファンもいる模様。
メモリアルアイテム自体は『エグゼイド』から始まったものであるが、意外にも変身ベルトのメモリアル化はこのヴィジョンドライバーが初である。前例ができたことで、連動アイテムの関係上、メモリアル化するのであればベルト本体でなければならない『ガッチャード』のメモリアルアイテムを期待する声も挙がっている。
余談
- ギーツの商品展開では当初のインタビューで、どのベルトを買えばよいか迷わないよう、「全てのライダーがデザイアドライバーを使用する」とあったため、このベルトの初登場時にはその発言との矛盾も指摘された。最終的に「一般販売された変身(機能のある)ベルト」はデザイアドライバーのみであり、また、デザイアグランプリの「参加者側は全員が」最後までデザイアドライバーとなった。
- 同じくインタビューでは「全てのレイズバックルをデザイアドライバー1本で楽しめる」という点にも言及している。ヴィジョンドライバーもレイズバックルと連動はするが、一部の連動にはデザイアドライバーに比べ制限がかかる。また、「ヴィジョンドライバー等をメイン使用者としたレイズバックル」も登場していない。
- 外見・機能の類似性から2019年に開催された「THE HENSHIN」展で展示されていた、同じく指紋認証ボタンの様な機構を持つ液晶型のドライバーを発展させたモノではないかと考察する声もある。 ただし、後述の理由もあり関連付けてみられるが、公式から具体的に技術的な繋がりの言及は無い。
- 年内には同じく「THE HENSHIN」展での展示である自動変形するドライバーを基にした世紀王サンドライバー(こちらは展示物が元であると明言されている)が発売されている。
- システムボイスを担当する松岡禎丞氏はデスゲームをテーマとした作品においてゲームマスターに抗う主人公を演じた事で有名であり、そんな氏がゲームマスター側の変身アイテムのシステムボイスを担当する事は運命的な様であり皮肉な様でもある。更に松岡氏は後にデザイアグランプリよりも苛烈なデスゲームの創始者を演じる事になり、余計に皮肉が効く事になった。
- また、松岡氏はヴィジョンドライバー以前にも2021年に放送されたドラマ『ボイスII 110緊急指令室』にて劇中の特撮ドラマに登場するヒーロー「ビートルナイト」の変身ベルトの音声を演じており、(劇中の特撮ドラマまで含めると)変身ベルトの音声を演じるのは今回で2度目となる。因みに宇宙船Vol.181のインタビューによると、収録の時にはネイティブの発音で喋って欲しいというオーダーを受けたが、自身は英語が苦手だった為、発音に苦労したらしい。
- バンド部分の名称が「チャージアップライン」となっている。これはデザイアドライバーにX関連の用語が使われているように、ストロンガーのチャージアップが名前の由来である可能性があるが、デザイアドライバーの方も含め理由は不明。
関連タグ
仮面ライダーグレア 仮面ライダーゲイザー 仮面ライダーグレア2
ジリオンドライバー:リデコ先。
デモンズドライバー、ベイルドライバー、デストリームドライバー:前作に登場するLEDディスプレイが用いられたベルト。やはりと言うべきか玩具版は全てプレバン送りとなった。
メテオギャラクシー:指紋認証機能を持つ仮面ライダーの武装。
カリスラウザー:ベルトにカードをスキャンする方法が共通。
ゴーストドライバー:「眼」がモチーフのベルトであり、ベルト中心部が瞳になる点が共通。仕組みこそ違えど変身・必殺技発動時に目が開くギミックがある。
ビヨンドライバー:名称が酷似しているドライバー。放送時にこちらに空耳した視聴者も見られた模様。
仮面ライダーギーツに登場する変身アイテム一覧
デザイアドライバー | ヴィジョンドライバー | レーザーレイズライザー | ジリオンドライバー |