曖昧さ回避
1:仮面ライダーストロンガーの強化形態。本稿で解説。
2:『カミワザ・ワンダ』の作中用語の一つで、プロミンの強化を指す。
概要
「チャージ、アップ!」
第31話で仮面ライダーストロンガーがブラックサタンの科学者であった正木博士の再改造を受け、改造電気人間から改造超電子人間にパワーアップ。
「チャージアップ!」の掛け声とポーズで体内に埋め込まれた超電子ダイナモを起動させてパワーアップした姿。
超電子ダイナモを起動させると胸のカブテクターに白いラインが入り、角のカブトショックが白銀となる(角自体のサイズも増大している)。
同様のパワーアップは、パワーアップして体色が変化した仮面ライダー1号(桜島1号、新1号)や風見志郎にマーキュリー回路を埋め込まれた仮面ライダーXで見られるが、劇中で二段変身を遂げるのは初めて。
平成ライダーで定番化した強化形態(フォームチェンジ)の元祖といえる。
なお、スーツが用意されない事もあって後年の映像作品ではこちらを使用することはない。
貴重な形態変化としてゲームや玩具展開などでは逆に重宝されている。
劇中ではこの姿について具体的な名称は特に定まっておらず「超電子エネルギーを得た新パワーの改造超電子人間」や「超電子の力」と呼んでいた。
なので媒体によっては「超電子ストロンガー」や「ストロンガー(超電子)」と呼んでいたが、近年は掛け声のチャージアップを名称とし、仮面ライダーストロンガー(チャージアップ)と表記する傾向にある。
データ
身長 | 183cm |
---|---|
体重 | 78kg |
ジャンプ力 | 90m(ひと跳び) |
キック力 | (※) |
電気エネルギーに耐性をもち、通常時では歯が立たないデルザー軍団の改造魔人をも一撃で倒しうる凄まじいパワーを誇る。
設定ではストロンガーの100倍のパワーを誇り、それ以降は基本形態のパワーもアップしたようで、エレクトロファイヤーや電キックで改造魔人を怯ませられるようになった(と言われているが、実は劇中でこの描写があるのはいかにも電気と相性が悪そうなコイツだけだったりする)。
そんなに強いならさっさとチェンジすれば勝てる、という訳にも行かず、この姿になれる時間は60秒しかないという致命的なデメリットが存在する。
時間切れになって改造魔人を倒せなければ敗北は必至であり、ストロンガーはその姿と弱点を悟られないようにギリギリまで温存しつつ立ち回らねばならない。
制限時間を超えて超電子エネルギーを使い果たすと無防備になってしまう(その弱点を突かれマシーン大元帥等に拉致されてしまっている)。
超電子ダイナモを1分以上使うと自爆を招く欠点がある(クールタイムについては明確な描写がなく、第33話ではAパートとBパートでは夕暮れ→夜更け程度の時間経過で連続変身している)
満月状態でパワーアップした狼長官やジェネラルシャドウのようにチャージアップしても苦戦する強敵も存在する。
ただし大ダメージを負うほどの被弾はシャドウの最期の力を込めた「シャドウ・パワー」による刺突のみ。
(※)『仮面ライダーの超常識』(双葉社刊、2016、P182)ではキック力は100tと記載されていて、wikipediaでもそれを引用して"100t"だと記述されている。もっとも、この書籍は特撮制作サイドの東映の監修はされている一方で、原作サイドの石森プロの監修はなされておらず、"公式に設定された数値"だとは言い難いので注意が必要。おそらくではあるが、通常の100倍のパワーを持つという設定を拡大解釈した結果ではないかと思われる。
必殺技
- 超電子ドリルキック(超電ドリルキック)
最初に使用し、一番多く使った超電子技。爆発のエフェクトからドリル回転のキックを放つ。
ドクロ少佐と岩石男爵の首を一撃で蹴り落とし、ジェネラルシャドウとの最終決戦でもダメージを与えた。
- 超電三段キック
三連続キックと三段跳びからのキックの2タイプがあり、前者は首を落とした岩石男爵の残った胴体を完全粉砕した。
後者は満月状態の狼長官に対して使用した。
- 超電スクリューキック
スクリュー回転で体を捻った両足キック。ドリルキックの両足版。
満月でフルパワー状態の狼長官に対して使用した。
- 超電急降下パンチ
空中からライダーパンチを放つ。
隊長ブランクに大ダメージを与えた。
- 超電ジェット投げ
回転で勢いを付けたジャイアントスイング。
磁石団長をブン投げ、Xライダーとアマゾンライダーに投げ飛ばされたヨロイ騎士と激突させた。
- 超電大車輪キック
空中で大の字を描いて回転し、横蹴りを叩き込む。
ヘビ女を撃破した。
- 超電逆落とし(ちょうでんさかおとし)
敵を抱えてジャンプし、空中で逆向きに引っくり返して敵の脳天を地面に激突させる。磁石団長に対して使用した。
恐らくは反転ブリッカーのチャージアップ版。
- 超電稲妻キック
空中で大の字になり高速回転、落雷を浴びてから放つ最強キック。狼長官を倒し、宿敵ジェネラルシャドウに引導を渡した。
以上の技があり、『仮面ライダーSPIRITS』では「超電ウルトラサイクロン」でプロトタイプZX部隊を殲滅させている。S.I.CHERO SAGAではクロックアップ状態のディケイドとカブトハイパーフォームを破っている。
成井紀郎氏のコミカライズでは「超電ダイナマイトキック」を岩石大首領の体内におけるシャドウとの決闘で乾坤一擲に蹴り込むことでデルザー軍団に引導を渡した。
なお、エレクトロファイヤー系の技は使用していないが、使用できるかは不明である。
成井紀郎氏のコミカライズでは狼長官の口腔で両腕を交差させるやチャージアップを発動させることにより、電流を体内に行き渡らせて撃破する描写がある。
余談
スカイライダーで登場した際には怪人クラゲロンを超電子ドリルキックで葬り去っているが、なぜかこの時には外見の変化がなかった(予算の都合とか言ってはいけない。ライダー図鑑などではチャージアップせずに放ったとする文章がある)。
スーツはシンプルなカラバリ…と思われがちだが角はアルミ板を丹念に貼り合わせサイズが増大、輝く白銀を表現しておりまた角の変化に合わせるためマスク部分も新造されている。
また胸のSマークを回転ギミックのためにモーターを仕込んだりなど一概にそうとは言い切れない一面もある。
2022年にプレミアムバンダイから発売された「CSMライダーカードEXTRA」ではチャージアップ状態のストロンガーが初めてカメンライドカードとして商品化された(フォームライドではなく、平成ライダー以降の作品で言うところの最強フォームと同じ枠にカウントされている模様)…が、使用されている写真をよく見ると角は銀色だが白いラインがない。
当初はミスかと思われたが、開発担当者のブログによるとチャージアップ状態で商品用に使用できる画像素材(正面向きかつ高解像度という条件を満たした写真)が変身途中(Sマークが回転しているカット)のスチール写真しか残っておらず、このカードデザインにせざるを得なかったとのこと。その為、カードの胸元をよく見ると回転するSマークの残像が僅かに写っているのが確認できる。
ちなみにチャージアップの本来の意味は、SEM(走査電子顕微鏡)、あるいはESCA(X線光電子分析装置)などで絶縁体の試料を測定している際に、サンプルが帯電して適切な結果が得られなくなる現象の事で、これを防ぐにはサンプルの通電を良くしたり、電子銃を利用して中和するなどの方法を取ればよい。
関連タグ
最強フォーム:ある意味これの先駆け。