「君は本来存在していない退場者…リアリティーを汚すフィクションだ」
「よって…私が抹消する」
『GAZER, LOG IN』
「変身」
『INSTALL』
『INNOVATION & CONTROL, GAZER』
CV:北村諒
スーツアクター:小森拓真
変身者
・ニラム
概要
『仮面ライダーギーツ』に登場する、運営のプロデューサー用仮面ライダー。第21話より初登場。
デザイアグランプリ運営幹部であるニラムがヴィジョンドライバーを用いて変身する。
変身
変身ポーズはかなりシンプルだったギロリとは異なり、『ギーツ』の仮面ライダーとしてはタイクーンに次いで動きが多い華麗かつ凝ったポーズを取る。
まだ新米プロデューサーであった頃の『ギーツエクストラ』ではポーズはほぼ取らず単にカードをスキャンして変身している。
変身の際に出現するエフェクトはギロリが変身する仮面ライダーグレアのそれとほぼ同じだが、色が金色になっている。
外見
見た目そのものは色違い版グレアといった所で、装甲は金と白、下地のスーツは紺色をベースとした気品のある明るいカラーリングになっており、電子回路のような幾何学模様のラインが施されている。そのため、元のグレアよりも更に機械的な印象を受ける。
スペック
身長 | 213.0cm |
---|---|
体重 | 92.7kg |
パンチ力 | 43.8t |
キック力 | 88.7t |
ジャンプ力 | 118.7m(ひと跳び) |
走力 | 1.8秒(100m) |
ヴィジョンドライバーにおける最上級装備であり、グレアを更に上回る脅威的な身体スペックを持つ。基本的に後述のレイに防御や攻撃の補助を任せ自身は片手及び両手を殆ど腰に当て、防御で相手の動きを制限しつつ必要に応じてカウンターアタックをおこなう優雅な動きで敵を倒すファイトスタイルを取る(37話では浮世英寿を警戒し自身でも積極的に接近戦を試みている)。
『ギーツエクストラ』ではまだ古代の人間の肉体にニラムが慣れていなかった影響からTVシリーズの頃よりガムシャラかつ泥臭いファイトスタイルであり、本編での華麗な立ち回りは最初から会得していた訳ではなく、彼がプロデューサーとして経験と努力を積んできた賜物であることも示唆されている。
グレアのヒュプノレイと同等の役割を持つ肩や胸部・膝に装着された「ドミニオンレイ」を分離して飛ばしてグレア同様攻撃を防いだり、そこから金色のスクリーン型ホログラムバリアを展開して敵の攻撃を防ぎつつ格闘戦やカウンターを織り込み、攻守隙のない戦闘を展開する。
また、劇中では未使用だが対象のライダーの頭部に被せて操ることもできるようで、この辺りもグレアと共通。
バリア抜きのドミニオンレイ自体の強度も高く、ギーツバスターQB9の通常攻撃(それも上位互換たるリガドΩをも怯ませたレールガンモード)でも完全には破壊できないレベルの高い強度を誇る(比較として、グレア2のヒュプノレイはマグナムシューター40Xの通常攻撃で全基破壊されている)。
現時点でドミニオンレイを機能停止に追い込んだのは、ブーストフォームマークⅢの空間破壊能力と「ブーストタクティカルビクトリー」を発動したギーツバスターのみである。
ホログラムバリアを応用すれば、空飛ぶ絨毯の如く空中を自在に移動することも(ただし、足場作りに使っている都合上飛行中はドミニオンレイを4つ常時展開していなければならない)。
なと、細かい性能もグレアから分かりやすく向上しているようで次元観測範囲が半径30kmまでだったグレアに対し、ゲイザーは半径70kmを瞬時に観測可能と2倍以上に膨れ上がっている。
実力
その強さに関してはジャマト側にとっても警戒対象の様で、以前グレア2に対しては強気に出ていたベロバがヴィジョンドライバーと仮面ライダーの力を同時に持ちながらゲイザーを見た途端即撤退を決め込んだ(そして、その上でジャマト達にニラムを消させる事を選択した)程。ジャマト陣営がどれだけゲイザー(とニラム)を脅威に見ていたかが分かる(実際にニラムはゲイザーに変身しなくともジャマトを重い甲冑を着たまま余裕で倒せる程強い)。
出番は全4話と少ないが、その中でも劇中では圧倒的な実力を見せ付けており、ブーストフォームマークⅡを殆ど寄せ付けなかったばかりか、その上位互換とも言える上スペック上は格上のレーザーブーストフォームにも互角以上に張り合える程の実力を見せた。
第37話では創世の女神が崩壊していく姿を目の当たりにして冷静さを失った英寿にも勝利している。
劇中では「冷静さを失った君に勝ち目はない」、公式WEBサイトでは「冷静さを失っている荒々しい戦いかたではゲイザーの牙城は崩せない」と解説されている辺り、今現在においても『ギーツ』においてトップクラスの能力を持つ実力者と言えるだろう(ただ、この時のゲイザーは、接近戦を自ら積極的に挑んでいた事から、ニラムも本気で英寿を警戒していた事が窺え、逆に言えば「冷静であれば英寿にも勝機はあった」とも取れる)。
とはいえ、もしゲームが行われているエリア内にいた場合は、「ゲームのルール」という強制力には逆らえないという穴も存在する。
最終的にバッファがゲイザーを撃破できたのは、ニラムにチラミ以上の慢心があったことと、「浮かんだ街から落下すると消滅する」という天国と地獄ゲームのルールを押し付けることに成功したのが大きい。
また、バリアによる高い防御力も何かしらの手段でドミニオンレイを封じれば普通に攻撃は通るため、ブーストマークⅡにはエネルギー弾によって4基のドミニオンレイを展開させられた上、残り1基も奪われて投げ付けられた所を狙われて一撃を喰らわされることもあった(ダメージ自体は小さかったが、明確に軽いガードで済ませるニラムの性格上の油断を突かれた形となる)。
運営の想定を超えたブーストフォームマークⅢに対してはドミニオンレイを1基消された時点で即時撤退しており、空間破壊能力に対処する術はなかったようである。
とはいえバッファの件はほぼ暗殺、対マークⅢもほぼ戦っていないことより、ファンからは往々にして『無敗』とカウントされている。
無論英寿/ギーツが真っ向勝負で戦った相手としては唯一1度も勝てなかった相手であり、ニラムの退場後もその圧倒的な戦績は存在感を放っている。
第38話の活躍(ネタバレ注意!)
『GAZER, LOG IN』
「………変身」
『INSTALL』
『INNOVATION & CONTROL, GAZER』
「創世の女神よ…グランドエンドを実行せよ!」
CV:松岡禎丞
スーツアクター:高田将司
変身者
・スエル
身長 | 216.0cm |
---|---|
体重 | 98.4kg |
パンチ力 | 56.9t |
キック力 | 115.3t |
ジャンプ力 | 148.3m(ひと跳び) |
走力 | 1.6秒(100m) |
第38話では組織に逆らったニラムからドライバーを没収したエグゼクティブプロデューサーのスエルが自らのヴィジョンドライバーで、グランドエンド決行のために変身した。ニラムとは異なり頭部に血走ったかのような赤いラインが入っているのが特徴。この赤いラインは「ブラッドショットオーバー」と呼ばれる仮面ライダーゲイザーに元々搭載されていた警告信号であり、グランドエンドの実行に必要となる膨大なエネルギーを得るためヴィジョンドライバーのリミッターをカットしたことによる過負荷状態を表示する物である。
リミッターカットの恩恵によりステータスもニラムのゲイザーよりも大きく上昇しており、数値だけならばブーストフォームマークⅢにも追随する高水準の能力を誇る(事実、パンチ力に至っては、作中半年以上という長い期間にわたって最高スペックを誇っていたフィーバーブーストフォームを上回っている)。
劇中では敵にコンクリートへ身体を埋め込まれても自力で脱出しており、ライダーそのものの地力も高いことが窺える。
ベロバの変身したグレア2と違い特に指紋を奪うという描写もなかったため、元からスエルが変身用に自身の指紋データをヴィジョンドライバーに登録していたものと思われる(運営トップなので当然とも言えるが)。ただし劇中で指紋認証を行った明確な描写はなく、更にジリオンドライバーの設定(余談の項を参照)から、別の認証を行った可能性が浮上している。
華麗な立ち回りを得意としていたニラム版と比べるとやや荒々しい動きが多く、防御よりも遠距離からの攻撃に重きをおいた戦闘スタイルをとる。また、ドミニオンレイ5機を使ったビーム攻撃、レイ全機を電撃で繋げた鞭、レイを5重に重ねた多重バリアなど、ドミニオンレイをフル活用した戦法を得意とする。この辺りはDGP創始者としてシステムを熟知したスエルらしい戦闘スタイルと言えるだろう。
戦闘能力はニラムの変身したゲイザーと比べても決して引けを取る物ではなかったが、よりによって相手がヴィジョンドライバー系のライダーと多数交戦経験のある上に新しい力を手に入れた英寿であり、最早相手にならず完封に近い形で敗北した。
この敗北により大きいダメージを受けたスエルは一時的に戦線を離脱し配下のジットに任せざるを得なくなり、結果的に運営の対応が遅れる遠因となった(スエルの再来は最終盤に持ち越されることとなる)。
その後は本来の変身者であるニラムが消滅、スエルも別のドライバーを使用したために本編では出番がなかったが、ファイナルステージで僅かに再登場を果たした。
使用アイテム
プロデューサーが持つ変身ベルト。実装する機能はグレアと殆ど変わらないがディスプレイアニメーションは全くの別物に変化しており、オレンジ色に染まった画面はまるで日の出を表したかのように輝いている。玩具版ではバイオメトリクサー2回押しでゲイザーへの変身が可能(裏技で変身待機音中にアップグレードアセンブルにレイズバックルを装填、取り外しの動作を行った後の場合は劇中通り1回押しで再現できる)。
変身に使用するカード型特殊記憶デバイス。以前グレアが使っていたものと機能は変わらない。
ヴィジョンドライバーの左側(正面から見て)に装備された、プロビデンスカード用ストックアイテム。
ヴィジョンドライバーの右側(正面から見て)に装備された、レイズバックル用拡張スロット。ゲイザー自体の性能の高さからか、劇中では一度も使われていない。
必殺技
- 名称不明
『DELETE』
プロビデンスカードを1回スラッシュして発動。
水色の幾何学模様の軌跡を残してドミニオンレイと共に対象の上空に浮かび上がり、金色の光を纏ったドミニオンレイを射出してぶつけダメージを与える。
バッファにはゾンビジャマトフォームにデュアルオンされたことで致命傷を避けられてはいたが、それでもまともに立つこともできない程のダメージを与えていた。ニラムの言によると完全に殺すつもりで放ったようで、ゾンビレイズバックルの力がなければ道長は確実に絶命していたほどの威力がある模様。
『ギーツエクストラ』ではゲイザーゼロに対してパンチラッシュを放つも、有効打は与えられずに終わるが、ドミニオンレイからビームを連射するタイプは多方面からの攻撃でダメージを与える事に成功している。また、ルークジャマトに対してはカウンターパンチを放って文字通りワンパンを果たした。
- 名称不明
『SHUT DOWN』
プロビデンスカードを2回スラッシュして発動。
ギーツに対し光球を放とうとするも、バッファにより遮られて不発に終わった。『ギーツエクストラ』では脚に金色のエネルギーを纏わせたライダーキックを放ち、ゲイザーゼロを撃破している。
余談
- 「ゲイザー」という名称は「監視者」「睨む」を意味する「Gazer」から来ていると思われる。ある意味「仮面ライダーニラム」とも言える。また、運営用のヴィジョンドライバーを使用していることから、前述の意味もあって変身者はニラムではないかと登場前から予想されていた。
- 「ゲイザー」の英語表記は、テレビ朝日の公式サイトでは名前の由来通り「GAZER」だが、当初のDXヴィジョンドライバーの商品ページでは「GAIZER」と誤記されていた(現在は修正済み)。
- カラーリング以外はグレアとデザインが同一だが、撮影用のスーツは新規造形であることが雑誌などで判明している(似たような例としてはゲムデウスクロノスやアマゾンネオアルファなどがある)。
- 公式サイトによるとニラムの変身ポーズは仮面ライダーファイズのオマージュで、演出側からおおまかな要望を受けた上でニラム役の北村氏自らが考えたとのこと。
- 上記の通りDX版ではバイオメトリクサー2回押しでゲイザーへの変身となっているのだが、初回変身時はよく見ると最小限の動作で2回押しているように見える(ドライバー自体も一瞬グレアの待機画面を経由している)。
- 上述の通り38話でスエルが変身したため、CV:松岡禎丞のキャラクターがCV:松岡禎丞のドライバーで変身するという何とも珍妙な事態が発生した。(ちなみに、前作でも似たような事例があったが、あちらは憑依。)
- 「Gazer」の元の単語である「Gaze」には「見据える」という意味も含まれる。こう見ると、ある意味では「仮面ライダースエル」とも言える。
- スエルはグローブを付けたままドライバーを操作していたが、スエルは他の未来人らと比べ相違点が非常に多いのでヴィジョンドライバーのルールが通常通り適用されるかも甚だ疑問である。
- 同じような機構を持つジリオンドライバーでは、「スエルには実体がないためグレートアセンブルで認証している」という設定があり、ゲイザーでも特殊な認証を行った可能性があるが、詳細は不明。
関連タグ
ウイングフォーム:仕草や佇まい、配色から想起した視聴者がいた模様。
レジェンドライダー関連
ネタバレ注意
- ファイナルステージ
クローバージャマトが擬態した姿として登場。英寿をヴィジョンドライバーへ取り込み、禍々しい姿へと進化する。
- ギーツエクストラ
第二弾『仮面ライダーゲイザー』にて主役として登場。
まだプロデューサーに着任したばかりであるニラムの物語で、仮面ライダーゲイザーゼロと対峙する姿が描かれる。
この頃の『DELETE』はまだ本編程の超火力はなかった(或いはニラムが使いこなせていなかった)らしく、連続パンチを打ち込むもゲイザーゼロの『BURST』に押し負ける場面もあった。
仮面ライダージーンと合わさった仮面ライダージーンゲイザーが登場するが…。