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CV:子安武人

概要編集

ソードアート・オンライン』の本編第2章にあたる「フェアリィ・ダンス編」に登場する人物。

総合電子機器メーカー『レクト』のフルダイブ技術研究部門研究員で、その子会社であるALO運営体『レクト・プログレス』のスタッフ。明日奈の父結城彰三の腹心の息子で結城家とも関係が深い。また、東都工業大学重村研究室の出身で、同研究室の茅場晶彦は先輩にあたる。


表向きには眼鏡をかけた好青年を装っているが、その本性は冷酷な野心家で、自分よりも優秀な茅場に対しては嫉妬憎悪を抱いていた(懸想していた神代凛子が茅場の恋人であったこともその一因であった)。

自分自身の行いは絶対に正しいと考え、決して非があるとは認めない。


人間の感情や思考を意のままにコントロールする方法の研究という非人道的な目的のため、SAOのサーバーに細工を施し、SAOがクリアされログアウト処理が始まった途端、アスナを含む一部のプレイヤーの精神を現実世界ではなくALOに移動させた。そしてアスナ以外にはアバターを与えず云わば強制的な睡眠状態を維持しつつ、外部から意図的に刺激を与え、その反応を調べる等して研究を重ね、最終的には会社毎研究成果をアメリカの軍需関連企業に売り渡そうと考えていた。


一方で、ALO内ではゲームマスター(GM)権限を持つ『妖精王オベイロン』(オベロンが元ネタ)として暗躍し、プレイヤー達の目標として君臨するが、その陰ではクリアすることが100%不可能なトラップを幾つも仕掛け、ゲームを永遠にクリア不可能なものとしていた。


自らの野望の達成のためには会社を掌握すべきと考え、結城家の財産目当てに明日奈と結婚することを企む。しかし、その裏には明日奈個人に対する独占欲もあったようで、ゲーム内でキリトと対峙した際にはその欲望を隠そうともしなかった。

もっとも、明日奈とその兄の浩一郎だけでなく母京子からも余り好意的には見られておらず(京子からは学校成績等で酷評されていたらしく明日奈からは性格が歪んだ原因の一つではないかと思われている)明日奈との結婚は彰三との間で勝手に進められていた(彰三的には娘の為に良かれと思って+須郷本人の硬い意思を好意的に受け取ってのつもりだった)ものである。


しかし、野望の成就を確信していたがために、慢心から以下のような悪手を打っていたことが彼の首を絞めることになる。

  • 明日奈の見舞いに来ていたキリトを「所詮子供だから何も出来ない」と断じ、彰三が席を外した隙に敢えて自分の本性を教えた。目論見通りキリトを絶望させることは出来たが、義妹仲間の言葉で立ち直ってALOに乗り込んでくることまでは予測出来なかった(初対面時に勤務先をキリトに明かしていたことに加え、ALOでのアスナ監禁場所の視覚的隔離状態が不完全だったこと、そしてヘビーゲーマー達の飽くなき探求心とそれに費やす根性をナメていたことも原因)。
  • ALO内部で拘束していたアスナに面会した際、上記の見舞いでのキリトの様子を話し彼を嘲笑するが、逆に「キリトはSAOから生きて現実世界に帰還した」という貴重な情報と共に「彼ならばきっと助けに来てくれる」という希望をアスナに与えることになった。
  • 仮想世界の事物やシステムへの認識の甘さから、キリトのSAOステータス引継ぎ・通信回線混線がきっかけとなるリーファとの遭遇、ゲームシステムにある程度干渉出来るユイの復活・SAOでの2年間によって逞しくなっていたアスナの牢破りといった事態を引き起こす。

つまるところ、「自分が優れていると疑わず、他人を侮り過ぎた」のである。


結果、キリトはALOダイブ開始から3日足らずでアスナの監禁場所に辿り着くという事態になり、現実世界からのモニタリング情報でこれを知った須郷は自らALOに赴き、GM権限を行使してキリトとアスナを徹底的に痛め付ける。

ところが、今度は精神をデータ化していた茅場がキリトに助力し、GM権限を奪われる。死んだ筈の茅場にまたしても虚仮にされた上、「(SAOという)世界とそこの住人(プレイヤーの精神)を盗んだ泥棒の王」とキリトに断じられたオベイロン=須郷は、キリトがGM権限で出した「聖剣エクスキャリバー」を投げ渡され剣で勝負を付けることになる。

茅場との違いを指摘されて激高し剣を振るう須郷だったが、ゲーマーですらない彼とSAO攻略組トップだったキリトとの差は歴然であり、アスナを苦しめたことへの怒りで煮え滾っていたキリトに全身バラバラにされた挙句、最後は右眼から頭部を貫かれる形でアバターを殺害された。


戦闘前、キリトによって「ペイン・アブソーバ」(痛覚制限)を解除されていたため、現実世界に強制排除された須郷の身体には、仮想の痛みと共に、自分の野望を悉く潰したキリトへの殺意が満ち溢れていた。彼がこの後明日奈の無事を確認するであろうことを察した須郷は、鎮痛剤を過剰摂取した上で病院に先回りして待ち伏せ、和人をナイフで襲うも、大人と子供の体格差以前に、SAOで生存本能を磨いていた和人の強い意志に敵う筈も無く、またしても返り討ちに遭い、涙・汗・鼻水・涎を垂れ流し、股間を濡らして気絶したところを警察に逮捕された(明言されていないが、和人に対する殺人未遂または傷害、銃刀法違反)。

更に、覚醒した明日奈の告発により違法実験の件も明らかになり、計画は完全に破綻することになった。


逮捕直後(アニメ版では過度のストレスと恐怖からか白髪化した)は、黙秘・否認・挙句に茅場に責任転嫁する等醜い足掻きを続けていたが、ALOの違法実験に関与していた部下が摘発された際に全てを白日のもとに晒され、社会的に抹殺されるという自業自得の末路を辿ることになった。


そもそもALO自体、SAOのデータを模倣した代物である。

即ち、思考操作の研究成果そのものが超えるべき対象である茅場の発明ありきのものという、本末転倒な状況に気づけなかったことが、須郷の敗因と言えるだろう。


キャラとしては、神を名乗って憚らないその傲慢や、アスナの服を剥いでリアルにペロペロするといった数々の悪行から、作品のファンにはネタキャラとしては愛されている。

また、アニメにてをバラバラにされた時の喘ぎ声、

『『オワァーーーーーーーーーーー』』

は、放送当時、伝説の台詞となった。


が、一方で、変態キャラや外道キャラに定評のある子安氏の名演技がハマったのか、『ネタキャラとしては最高レベル』等と、一部で称賛する声もある。

また、アリシゼーション編まで読み終えると目的や行動はともかくとしてとある人物に比べればまだしっかりした目的があるだけまともに見えるとの声もある。


その後編集

諸々の罪で起訴され、裁判が始まってからも、自分から精神鑑定を申請する、妥当な判決にも不服を申し立て控訴する、海外逃亡しようと保釈申請を出すが直ぐに見抜かれて却下される等、手段を選ばず足掻き続けている。


後々、その置き土産が度々騒動を引き起こしており、

と間接的に足を引っ張り続けている。


他作品において編集

インフィニティ・モーメント/ホロウ・フラグメント編集

ある妖精の名を冠したプレイヤーとして暗躍。原作と同様の企みに加え、オベイロンから引き継いだスーパーアカウントの力を利用し、自ら死地に飛び込みSAO事件を解決した英雄として凱旋する事を目論む。本当に自ら飛び込んだかは全く別の話であるが

彼の活躍(笑)によって

  • ALO事件は未然に防がれる
  • VRMMOの更なる名誉失墜は回避
  • ユイにができる
  • 茅場のラスボス願望を(結果的に)打ち砕く

と原作以上に多くのキャラクターが彼に足を向けて寝られない結果になっている。どこかの戦闘機に変形する金属生命体同様、見方によっては英雄と言えなくもない。

特にヒースクリフの100層のフロアボスになるという目論見を頓挫させたことは、須郷本人にとっても人生で初めて茅場に一泡吹かせたと言える。まぁ、簡易牢獄にブチ込まれた彼がそれを知ることは永遠に無いか、知るとしても恐らく現実の牢獄の中でのことだろうが。

因みにレクトの被害は原作に比べると軽微ではあるがALOの権利を手放さずに済んだだけで本社経営陣は退陣、レクトプログレスは解散している。


本当にどうしてこうなった。

因みにゲーム上での交戦時、レベル200と表示されるが実際のレベルは104である。


千年の黄昏編集

当初は原作通りALO中に《光妖精族アルフ》の名を轟かせていたようだが、中の人がお縄になったのは上記の通り。リーファが一行を引き連れてALOに帰還した際にはすっかり妖精王様は過去の人となっていた筈だったが、何と今になってスヴァルトエリアに現れ、女性プレイヤーに手当たり次第セクハラを働きながら妃を求めて自身の存在をひけらかし始める。


その正体は、カーディナルがクエストの自動生成の際にクエストNPCに他のアバターデータのAIを流用・アレンジしたことで強い意志を持ってしまったNPC(とユイとストレアは推測している)。

噂を聞き付けたキリト一行を見るやアスナに変態的に迫り、邪魔をされた結果襲い掛かってくる。

設定を上書きされても尚素体となった誰かさんの妄執が残留しているようで、アスナに執着し、邪魔をするキリトには激しい憎悪を見せてエクスキャリバーまで持ち出してくる。

撃破後にキリトは正体に気付いたが、アスナの気分を考え敢えて黙殺することにしたのであった。

尚、撃破後は僅か1BPでプレイアブル化可能。専用魔法を持っている。


中の人がいなくなったせいかその変質者っぷりは原作の度を越しており、「ヘンタイ」「女の子の敵」「キモい」「NPCなのにキモ過ぎ」「クライン以上」と女性プレイヤーからの評判はモブを含めてとにかく最悪の一言。

アスナに至っては「怖い夢を見る直前の気持ち悪さ」「嫌いな食べ物を前にした感覚」と具体的で生々しい嫌悪感をコメントしている。


比較対象にされてしまった壺井さんは泣いて良い。


フラクチュアード デイドリーム編集

スマートフォン向けタイトルを除き、千年の黄昏から7年ぶりのプレイアブルキャラとなった。

しかも発売前のCBTではヒロインであるアスナを差し置いて先行体験できるキャラとして登場するという謎の優遇っぷり。

 

ロールはメイジ。

公式紹介によると、安全圏から範囲攻撃魔法で敵の一網打尽を狙う狡猾な妖精王とのこと。

 

運動には慣れていないのか、走りモーションは何とも情けない走り方となっている。必見。


いざ始まってみると、ありそうでなかったような気がするヒースクリフ(電脳茅場)とのSAO事件後の対面というレアな場面を披露。

茅場にお前が黒幕だ!と食って掛かるも

「現象から結論を導くのではなく、結論に現象を合わせようとする悪癖がある(意訳」

と指摘されぐぬぬしてしまった。

以後、渋々ながらも先輩後輩の二大エンジニアとして活躍することになる。

ヒステリックながらその知見も披露し、一応エリートであったことを思い出させてくれる。

関連タグ編集

小物

ライオス・アンティノス ウンベール・ジーゼック: 後に登場する同類。

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