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死銃

ですがん

「死銃」とは、『ソードアート・オンライン』に登場するキャラクター。「デス・ガン」と読む。
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CV:保志総一朗

概要編集

ガンゲイル・オンライン(GGO)で起きた「銃撃されたプレイヤーが現実でも死に至る」事件の犯人。

ソードアート・オンライン作中では「ゼクシード」「薄塩たらこ」「ペイルライダー」「ギャレット」を殺害した。


武装は狙撃銃L115A3 サイレントアサシン」、拳銃の「五四式 黒星」、GGO最硬の素材である「宇宙戦艦の装甲板」を銃剣作成スキルで加工したエストックの三つを使用する。特にエストックは素材故の異常な頑丈さを誇り、GGO中のオブジェクトの殆どをあっさり溶断する光剣のエネルギー刃と打ちあってもビクともしない。


プレイヤースキルも極めて高く、GGOでのバトルロワイヤル大会「第三回バレットオブバレッツ(BoB)」ではペイルライダー、シノンへカートIIのスコープを狙撃したり、刺突剣でフォトンソード装備のキリトと渡り合うなど遠近両方の戦闘で「ファントム・バレット編」のラスボスとして相応しい活躍をした。


というよりもキャラが揃いも揃って能力やシステム面で特別性を有している中でただ一人、特殊な技能や管理者権限に頼らず「通常のプレイヤー」としてキリトを追い詰めた唯一の存在である。


フェイタル・バレットでは編集

下記のリンク先は本作の重大なネタバレにつき、プレイ予定の方は要注意!

世界線の違いから活動時期や展開にアレンジが入ってるものの、本作でもキリトとの激闘を繰り広げる。

……が、本作と原作には極めて大きな違いが存在する。

死銃の活動が原因でもう一つの悪夢の幕が開いてしまったことである。


ゲーム上の性能は攻撃手段が対物ライフルとソードの二択という非常にピーキーな仕様(トレードマークの死銃はイベントのみの使用)。中距離が穴なのでキリトモードでの対峙など1VS1の時は比較的御しやすいが、BoBsモードなどで乱戦になると他のプレイヤーとの戦闘中に痛烈な横槍を喰らうこともある。PvPなど自分で使う際は常に間合いを意識しよう。

また使用しているL115っぽい対物ライフルは本作最強クラスのスナイパーライフルで、純粋な威力こそヘカートⅡに劣るものの、重量やクリティカル性能などで総合力は上、ヘイトがたまりづらいというオマケまでついてくる。その分最高ランクの物を手に入れるのは至難の業で、ドロップする敵はザコ敵でこそあるが鬼のようなエイムでほぼ確実にこちらの脳天をブチ抜いて即死させてくる…というかぶっちゃけ狙撃専業な分死銃より強いのであった。

正体 (ネタバレを含みます)編集

死銃は複数犯である。

VR空間内部で銃撃を行うデスガンこと「Sterben(ステルベン)」のアバターを操るプレイヤー1名と、銃撃されたアバターのプレイヤーを銃撃を合図に現実世界で薬殺する2名で構成される。

「Sterben」のメインプレイヤー。

SAO生還者であり、当時のプレイヤーネームは「ザザ(XaXa)」。殺人ギルド「ラフィン・コフィン」の三幹部の一人「赤眼のザザ」として恐れられていた。

昌一の弟。普段はアバター「シュピーゲル」を操る。

死銃事件構想の発案者。兄と共に暗躍していた。記事参照。

こちらもSAO生還者で、当時のプレイヤーネームは「ジョニー・ブラック(Johnny Black)」。

昌一と同じ元ラフコフメンバーであり、SAO時代は彼といつも行動を共にしていた。


トリック解説編集

上述の通り、事の真相は「GGOにダイブしているメンバーがステルベンを使ってターゲットのアバターへ銃撃し、それを合図に予めプレイヤーの住居に侵入していた現実世界の実行犯が寝ているプレイヤーにサクシニルコリンを注射して心臓麻痺に至らしめる」というものである。


Q.ターゲットの住所はどうやって手に入れたのか

A.街の中で「メタマテリアル光歪曲迷彩」というレアアイテムを使用してアバターを透明化し、BoBの景品にモデルガンを選んだプレイヤーがゲーム内で住所を入力するのを盗み見ていた。


Q.どうやって忍び込んだのか

A.作中世界では住宅の鍵の多くが電子錠に置き換わっている。父が大病院の院長であった昌一と恭二は救急目的の電子錠解除用マスターキーをくすねて使用していた。


Q.薬品をどうやって手に入れたのか

A.サクシニルコリンは筋弛緩剤、即ち医薬品でもある。すなわち上記と同じく、親の職業につけ込んで薬品を盗み犯行に利用した。


Q.なぜ毒殺だとばれなかったのか

A.サクシルニコリンは体内で分解される性質を持っているが、詳細な検査をすればすぐに事実は明らかになる。しかし事件当時、VRにダイブしたまま飲まず食わずで衰弱死するプレイヤーが散見されていた。そのため死銃の被害者もそのケースを疑われ、詳細な司法解剖がなされなかった。また遺体の腐敗や無針注射器を使っていたことで注射痕も見つからなかった


動機編集

「死銃」計画を発案したのは恭二だった。(詳しくはこちらの記事で)

新川家長男の昌一は虚弱体質かつSAO生還者だったので、親は彼を早々に見限り、恭二が後を継ぐ事を望んでいた。だが恭二は学校での苛烈ないじめと家庭での両親からの過度なプレッシャー、自らも兄のように見限られるのではないかという不安等で不登校状態になっており、親の期待に反して成績も芳しくなかったのも相まって、現実逃避的にGGOに耽溺していった。親に黙ってプレイしていたため接続料はGGOで稼ぐしかない状況だったが、ゼクシードの「AGI(敏捷値)優先型が隆盛を極める」という嘘に恭二は騙され、バランス調整によって彼がAGI特化で育てたアバター「シュピーゲル」は接続料を稼げない程に弱体化してしまう。

恭二が元殺人プレイヤーの昌一にそのことを相談していく中でこの計画が生まれた。

(もっとも、第2回BoBでゼクシードに敗れたとはいえ、キリトでも勝てないだろうと言われているAGI特化型プレイヤー・闇風の存在、何しろ彼自身が第3回BoBで優勝寸前までいったことを考えると、決してAGI特化も間違ったステ振りというわけではなかったようであるが…)


元々は只の嫌がらせをする程度で済むはずだったが、連日議論する内に実際に殺すという計画に発展してしまう。また、直接的な恨みがあるゼクシードをはじめとしてターゲットが一人暮らしである以外にも狙われたシノン本人もSTRよりのビルドも標的とする理由に含まれていたと分析している。


顛末編集

昌一が操作するステルベンはターゲットのシノンを撃つことができなかったので、現実世界の犯人はもう来ないだろうと安心していた詩乃は「BoB優勝を祝いたい」とのたまう恭二を部屋に入れる。

しかし恭二の様子が一変。筋弛緩剤の入った無針注射器を片手に詩乃を脅し自分のものにしようとし、詩乃を心配して駆けつけた和人とも取っ組み合いになる。恭二は和人の胸部に注射をしたが、心電図計測用電極版に阻まれ和人を殺し損ね、更に隙を突かれ詩乃のオーディオコンポによる殴打で気絶した。


恭二の逮捕をきっかけに昌一も逮捕されたが、金本だけはサクシニルコリンの注射器を持ったまま逃亡した。


補足編集

  • 「Sterben(ステルベン)」とはドイツ語で「」を表す言葉であり、医師の一家に生まれた昌一はその意味を知っていて付けたものと思われる。キリトとシノンは「スティーブン(Steven,Stephen)」のスペルミスだと勘違いしていたため、物騒な名前とは露ほども考えていなかった。
  • ステルベンがターゲットを殺害する目的で銃撃する際には必ず黒星を使用するが、これは詩乃の過去を調べた恭二が「悪(=ゼクシード)を殺すのにピッタリだ」と考え選んだものである。

余談編集

死銃達に共通して言えることは、皆現実世界に希望を見いだせず、仮想世界に異常にのめりこんでしまっていたということである。特にザザの方は未だに自分がラフィン・コフィンだと思い込んでおり、一連の殺人自体もゲームと供述し、『SAOで標的の情報を集めて、装備を調えてターゲットを殺すのと変わらない』、警察もまた聞き込みをして犯人を逮捕するのを『NPCから情報を集めてターゲットを捕縛する』のと同じと供述していた。


この事件はVRMMOの負の面の権化と言える事件で、彼らは凄惨な環境からVRMMOにのめり込んだことで現実がますます希薄になり、さらに仮想世界に依存するという悪循環に陥ってしまっていた。

もし彼らが現実と、他人と、あるいは、自分自身ともっときちんと向き合っていれば事態は大きく変わっていたはずである。


キリトやシノン達も、一歩間違えば彼らのようになってしまっていたかもしれない。


新川兄弟の両親の

  • 「エリートコースから外れたために見捨てる」という昌一への態度
  • 「本人の適性や意向を無視して進路を決め、過度なプレッシャーを与える」という恭二への態度

は、七巻に登場した明日奈(アスナ)の母京子をどこか彷彿とさせるものがある。(ただし、京子の場合は結城家の親戚からの出自差別による度重なる嫌がらせに晒されたのが原因で歪んでしまった被害者としての側面があるのと子供たちに同様の差別を受けさせないよう身を案じたが故の彼女なりに子供たちの安否を考えてことであったという点で違いがある)


キリト達と死銃達の運命を分けてしまったのは、

  • 手を差し伸べてくれる人間が誰もいなかったこと
  • 自分達の抱える闇について、理解と共感を持って向き合ってくれる存在が、兄弟しか居なかったことである。

二人の周囲にいるのは

  • 子供たちを見ているようで、本質的には自分のことしか頭にない自己中心的な親
  • 妬み嫉み・金銭目当てで寄ってくる悪党

等、ラフィン・コフィンや死銃へと身を落とした者達に劣らぬ程のロクでもない人間ばかりである。


恭二を家の道具、単なる跡取りとしか見ていなかったり、兄の昌一に至っては、病弱故に後継者たり得ないと見放し、小遣いだけ与えてあとは何もしないネグレクト紛いなことをしたりなど、もはや児童虐待といって差し支えない程の、思いやりを欠いた極端かつ杜撰(ずさん)な教育は、彼らを歪ませた最大の原因といえる。


互いに兄弟以外誰一人、心を開ける相手が居ない中、晶一はデスゲームと化したSAOで殺人ギルドと出会ってしまいその首魁に誑かされてしまい、恭二は唯一心を許せる兄、SAO事件を通して殺人衝動に捕らわれた兄の影響を受けてしまったことによる、悲惨かつ狭い人間関係、殺人衝動に苛まれる彼らを止めてくれる者が周囲には誰もいなかったことが更に悲劇を生んだ。


その意味では、他者への思いやりを欠いていた彼らの周囲の人間が、死銃のような殺人鬼を生み育んでしまったと言っても過言ではない。


なお、この事件に対する新川兄弟の両親の反応は不明だが、実名報道はされないとはいえ、これだけの大事件を息子たちが起こした以上、家の没落を始めとする社会的な身の破滅に見舞われるのは確実であろう。


救いと呼べるかは定かではないが、原作では菊岡を経由して父親が息子達をそれぞれの形で追い詰めてしまったことを悔やんでいる旨がキリト達に伝えられており、両親に自分達がいかに身勝手で子供達の気持ちを考えていなかったかをようやく気付かせることが出来た様子。これが新川兄弟にとって良い方向へ向かうことを祈るしかない。


親から受け継いだ医学の知識を犯罪に利用するなど、明らかに育ての親を冒涜するような行為に出ているが、先に子供たちのことを冒涜していたのは父母らの方であることから、彼らに息子たちを責める資格は無いと言わざるをえず、これに関しても両親の自業自得と言える。


死銃達もそうした温かい心を持った人間が身近に居てくれれば、あるいはキリト達ともっと違う形で出会えていれば、別の未来を選べていたのかもしれない。

関連イラスト編集

死銃死銃

Desu~gan (death gun)死銃

関連タグ編集

SAO/ソードアート・オンライン/ラフィン・コフィン/ラフコフ/PK/ステルベン シュピーゲル/ジョニー・ブラック/赤眼のザザ

フェイタル・バレット/哀しき悪役

サブキャラクターは作中設定の各記事、及び各作品の個別記事を参照。

ネタタグやカップリングはキャラクターの個別記事及び下記のカップリング一覧を参照。

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