『X WIZARD!』
『ナンバー10!ガッチャー!』
『マスタージョブ!クロスウィザード!』
「じゃあ、始めようか!」
「この扉の先には、レベルナンバー10のケミー達がいる。全て捕まえたら君達の勝ち。ケミー化の魔法を解いてあげる」
データ
概要
『仮面ライダーガッチャード』に登場するケミーの一種で、魔法使いがモデルのジョブケミー。
各属性のケミーの頂点に君臨するレベルナンバー10のケミーの一体。
複眼はイエロー。矢印は胸の宝玉と各種アクセサリー、Xは魔導書に刻まれている。
呪文でスゴイ魔法を発動するミステリアスな大魔法使い。
映画『仮面ライダーガッチャード&ギーツ 最強ケミー★ガッチャ大作戦』では今作の鍵を握るケミーとして登場。
他のケミーたちと違い人語を話すことができ、無邪気な少年の様な人格をしている。笑い方は「ウィ~ッヒッヒッヒ!」。
自身の魔法で桜井景和、鞍馬祢音、吾妻道長の3人をケミーの姿に変えた上で、クリアすればケミー化を解くという条件を与えて最強のケミー捕獲ゲームを仕掛ける。
ケミーに性別の概念があるのかは不明だが公式サイトの記述に「彼」と書かれており、一人称も「僕」であるため性別は男性である可能性が高い(ちなみに "wizard" という単語は英語では基本的に男の魔法使いを指す)。
しかし劇中に登場する実際のスーツではある部分が膨らんでいるようにも見え、ボディラインが女性っぽくも見えることから性別については未だハッキリしていない。雄雌の概念がないが故に両方の特性を持つのか、もしくはこれなのかは不明。
先行登場
「ウィ~ッヒッヒッヒ!さぁて、何して遊ぼうか?楽しみだなぁ…!」
第15話にて映画に先駆けて登場。
戦いを終えた一ノ瀬宝太郎たちの様子を物陰で釘宮リヒトと共に窺っており、映画に登場するレベルナンバー10のライドケミーカード5枚を楽しそうに見つめていた。
能力及び冬映画での活躍(ネタバレ注意!)
上記のケミー化の能力に加えて、対象者に「対象者の願いを叶えた幸せな夢」を見させることも可能。劇中ではその能力で宝太郎達を夢の世界へと引きずり込んだ。
このような行為に及んだのは彼の過去に起因する。彼はもともと人間好きなケミーであり特に子供好きな性質を持っていた。イタズラっぽい無邪気な少年のような性格をしているものの、本質は非常に素直であり、悪意は一切持ち合わせていない。
その昔(明治〜大正時代頃と見られる)、子供たちと仲良く様々な遊ぶ日々を送っていたが、ケミーの掟がある以上人間と関わる事は許されないため、陰から錬金連合の者によって子供達の記憶が消され、子供たちは何事もなかったかのように立ち去って行った(この描写は "人間はいつかは成長して大人になり、そして年老いて死んでいくもの" という暗喩とも取れる)。
それを理解できなかったクロスウィザードは「ひとりぼっちになった」と認識してしまい、孤独感を募らせていくようになってしまう。その結果「ひとりぼっちになりたくない」という思いが強くなっていったのであった。
一連の事件を引き起こしたのも宝太郎達と夢の世界でずっと一緒に過ごし孤独を癒そうとした結果であり、その根底にあったのは「ひとりぼっち=孤独になることへの恐怖」であった。
そんな孤独を抱えたまま、どこかで1人寂しく遊ぶ日々を過ごす中で訪ねてきた釘宮と出会うこととなった。
そして現代。釘宮の指示で浮世英寿をおびき出すために自身の魔法でジャマトをけしかけ、レベルナンバー10のケミー達を確保するために宝太郎たちを利用したのだった。
ケミー回収後、宝太郎たちを夢の世界に引きずり込み「ずっとここにいろよ」と宝太郎に求めるが、宝太郎の説得を受け彼を「変な人間」と評しながらも自分の求める「楽しさ」が宝太郎たちにはあること、彼らと一緒にいればひとりぼっちじゃなくなることを理解し、和解した(同時に彼の作り出した世界も、英寿の創世の力による能力で破られ取り込まれた人達も解放された)。
しかし、そこに本性を表した釘宮の魔の手が迫ってしまい…
事件解決後は完全に宝太郎の仲間として迎え入れられ、エンドロール内のエピローグではキッチンいちのせで宝太郎の創作料理を口にするも、「宝太郎の未来に期待、って味だね」といつもの面々同様に微妙な反応を見せた。また、宝太郎から「クロっち」と呼ばれるようになった。
冬映画後の活躍
てれびくん超バトルDVD「仮面ライダーガッチャード どうする!?宝太郎とりんねがいれかわっちゃった!!」
時系列的には冬映画直後の物語で"15.75話"に当たる(仮面ライダーWEBより)。
劇中では、りんねに対抗心を燃やすあまりファイヤマルスとインフェニックスのカードに無闇に手を触れようとする宝太郎をクロスウィザードがカードから飛び出して止めようとするも時すでに遅く、2体の力により宝太郎とりんねの身体が入れ替わってしまった。
2人を元に戻すために『心を一つにする』ということの参考例としてミナトとアルプス一万尺を踊ってみせたりと、2人に全面的に協力する。
また、冬映画で倒し切れなかった魔法使いジャマトが合体して生まれた別個体のウィザードマルガムが現れた際には、宝太郎とりんねが変身するまでの時間稼ぎのために自らの魔法でウィザードマルガムを拘束するという活躍を見せる。
第18話「駆け抜けろ!進化のファイヤーロード!」
宝太郎がタイムロードの力で10年前の過去(宝太郎の幼少期)に飛ばされた先のウロボロス界で、現れたグリオン、冥黒の三姉妹と交戦する九堂風雅によって召喚され戦いに加勢。グリオンらからの攻撃を防壁の魔法陣を出して防いだ。
当時は風雅に所有されていることから、彼もまた第1話での出来事で世に放たれ、そして釘宮に出会ったものと思われる。
第27話「ガッチャ!クロスホッパー!」
「ホッパー1!ボク達レベルナンバー10の力を君に託す!」
グリオンにより他のレベルナンバー10のケミー達と共に捕まっていたが宝太郎の呼びかけに応じてホッパー1をクロスホッパーへとパワーアップさせ仮面ライダープラチナガッチャード誕生へ導いた。
「ウィッヒッヒッヒ!ガイアードとドラゴナロスも宝太郎の頑張りを認めてくれてたよ、流石宝太郎だね!」
戦闘後他のライドケミーカードと共に宝太郎達の手元に戻り宝太郎を褒め称えた。
最終話「キミと僕のCHEMY×STORY」
他のケミーと共にグリオンが変身した仮面ライダーエルドに立ち向かい、アルティマスチームホッパーを援護した。
ちなみに、その際の攻撃が冬劇場版にてウィザードマルガムが携えていた大剣だったため、あの大剣がクロスウィザード由来のものだったことが発覚している。
グリオンとの最終決戦から数ヵ月後、宝太郎が作った新たな地球で他のケミー達と暮らしており地質調査で宝太郎達がやって来たときは嬉しそうに「宝太郎〜!!」と声をかけている。
亜種
レプリクロスウィザード
冥黒の三姉妹が作ったレプリケミーカードに封じられているレプリケミーの一種で、クロスウィザードを模造したレプリケミー。
レベルナンバー10のケミーの模造品だからか、裏面はレベルナンバー10の『X』の文字をベースにドレッド仕様のカードデザインにアレンジされている。
テレビ本編ではドレッド参式が必殺技に使用する。
ライドケミートレカPHASE:EX02より登場。
カード発表当初はクロスウィザードが人気のケミーだけあり、X(旧Twitter)ではかなり反響を呼んでいた。
このレプリケミーによって10のケミーは全て仮面ライダーに使用された。
デイブレイククロスウィザード
仮面ライダーガッチャードデイブレイクが使用するデイブレイクケミーカードに封じられているデイブレイクケミーの一種。全体が炎のような赤色になっており、炎のエフェクトが追加されている。
ライドケミートレカ
デイブレイクガッチャファイル&デイブレイクケミーカードコンプリートセットに収録。
レインボークロスウィザード
仮面ライダーレインボーガッチャードとニジゴンの能力でライドケミーカードおよびその中に封じられているケミーが強化されたレインボーケミーの一種。
ガッチャーブラザーズの召喚に使用される。
劇中では未使用に終わった。
演者について
演じる高橋女史はニチアサキッズタイム全体では「魔法つかいプリキュア!」にて主人公・朝日奈みらい/キュアミラクル役で出演していたが、特撮への出演は今回が初となる。
奇しくも両シリーズでの役柄は魔法使いである。
キュアミラクルに限らず、高橋女史は何かと魔法使いに縁がある声優でもある。
ちなみに、高橋女史がリーダーとして活動している3人組声優ユニット・イヤホンズの長久友紀女史もかつては『魔進戦隊キラメイジャー』で魔進ヘリコを演じており、当時の監督も同じ山口恭平氏がメイン監督として参加していたりと共通点がある。
高橋女史は、自身が初めて仮面ライダー作品に触れたのは幼少期で、母と弟が『仮面ライダークウガ』や『仮面ライダーアギト』を見ていたのが始まりだったこと、その後『仮面ライダー電王』で初めて全話を視聴し、時を経て今作に出演するまでの間「仮面ライダーは "出るもの" ではなく "観るもの"」という印象を持っていたが故に、今回のオファーは上述の通り"魔法使いと言えば高橋李依" というイメージから「"魔法が使えそうな声"という役どころで思い出してくださったんでしょうか……(笑)」と映画パンフレットのインタビューで語っている。
また、高橋女史は演じるキャラクターの内面や演じ方の分析には余念がなく、また一人ひとりへの思い入れも強い声優として定評があり、映画パンフレットのインタビューによればクロスウィザードを演じるにあたり『前情報をもとに作った脳内イメージ』と『アフレコ時に見た本編映像のスーツアクターの動き』を擦り合わせ、スーツアクターが表現したいものを最大限汲み取り癖や特徴が合致するように演じたそう。
さらに、特徴的な笑い声である「ウィ~ッヒッヒッヒ!」にも彼女がアフレコ時に気を付けた点があり、『最初の「ウ」をしっかり発音しなければクロスウィザードとしての大事な個性が失われてしまう』という、数々のキャラクターを演じ分けてきた彼女の強いこだわりを見せた。
極めつけは最終話ラストのクロスウィザードが「宝太郎〜!!」と呼ぶシーンについて、この台詞は高橋本人によるアドリブが採用されたものであると自身の冠ラジオ番組で語った。本人曰く「座組の一員として、クロっちとして関われて幸せな気持ちでいっぱい。大好き!」という思いをこの一言に詰め込んだとのこと。
さらに高橋女史は同作の『てれびくん超バトルDVD』にてインフェニックスのCVも担当している。(本編の登場シーンではボイス未使用)
余談
- ギーツ達は夏映画でも偶然ながら「Ⅹ(10・テン)」と「X(クロス)」を掛けた名を冠するヴィランと対峙しており、ファンからは「つくづく“クロス”に狙われる(あるいは縁がある)ギーツ組」という声も上がった。
- 他のレベルナンバー10や通常のケミーとは違い、人語を話せるというかなり特異な性質を持ったケミーである(宝太郎にも人語を話せることを驚かれていた)。
- 公式サイトのケミー図鑑にはデイブレイク、レプリケミーを除いた101体のケミーについて記されているがクロスウィザードのみ変身に使用されていないためかガッチャンコ先が記載されていない。
- 魔法使いモチーフの変身アイテムは魔法使いフルボトル以来。
- ガッチャードライバーに収録されているクロスウィザードの音声は、後に次作『仮面ライダーガヴ』に登場する敵対勢力「ストマック家」の効果音として流用されたと思われる。
- レベルナンバー10では(設定画のみのガイアードラゴンを除き)現状で唯一、変身に使用した場合の形態が確認されていないケミーである。
関連イラスト
関連タグ
仮面ライダーガッチャード ケミー(仮面ライダーガッチャード)
道化師:頭部の形状はこれにも見える。
ズキュンパイア:人型であり、人語を話すケミー繋がり。こちらの演者は男性である。