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錬金術……それは金属や鉱石、更には人間の肉体や魂をも精錬し完全なる存在を練成しようとする秘術のことである

【下にあるものは上にあるもののごとく 上にあるものは下にあるもののごとく ただ一つたる、奇跡をなさん】

【万物はこれなる一者(ひとつもの)の改造として生まれうく】

概要

仮面ライダーガッチャード』に登場する秘術にして、今作のテーマ

冒頭のような様々なモノを錬成する秘術のことであり、作中では特殊な指輪「アルケミストリング」を媒介に呪文の一節を唱えることで発動する。なお、これらの錬金術の原理を作り出したのは冥黒王の一人ことジェルマン

「無から有を、死から生を生み出す」(公式曰く命なきものに仮初めの命を与えること)を基本理念とし、擬似的な生命エネルギーを与えることで質量の交換だけでなく物質を宙へと浮かばせたり、異なる性質へと変換させる。

疑似生命を与えられた物体は錬金術師の意のままに操れるようになり、自由に動かせたり形態変化や重量の変動(あくまでも質量保存の法則内)などの錬成が可能となる。

一見すると魔法のようで便利だが簡単に無から有を生み出せるわけではない。実際に第1話では自転車や瓦礫などの実際にある物質を使って錬金術を行使しているので、万能ではあるが完璧ではない模様。また、第4話ではりんねが錬金術の使い過ぎにより終盤で使用不可能になったりと、無制限に使用することはできない。

また、アカデミー出身の錬金術師は専用の指輪(アルケミストリング)が必要となるため、紛失や破損をしてしまうと使えなくなることも。

一般人からすれば不可思議な力だが、りんね曰く「科学に近い」学問なので、才能の無い者でも原理を理解さえすれば誰にでも学べることが窺える。

実際に現代の科学技術とも相性が良いらしく、劇中では電子機器で撮影した写真や映像を消去したり、高度なAIの錬成を可能としている。

また、本作の敵たる冥黒の三姉妹も錬金術を使えるが、指輪を使わずに発動している。彼女らの場合はそれぞれの詠唱によって人間とケミーを融合させたマルガムへと錬成させている。三姉妹は「暗黒に染まれ」、グリオンは「金色に染まれ」、冥黒王は「冥黒に染まれ」という詠唱を用いる。

使い手次第で錬成したマルガムの体色や能力、力量は大きく変動する模様。

ガッチャード世界では錬金術の「金の錬成」とは「命の精製」と同義であり、ざっくり言えば実験や様々な物体を通して魂や命という目に見えない非科学的なものを発見・造り上げることが錬金術の命題である。

その錬金術を行使する者……即ち錬金術師によって造られたのが奇跡の人工生命体・ケミーである。

錬金術の系統・派生

多重錬成

「錬金素材の混合ベクトルによる完全融和再構築」を用いた錬金術で、「仮面ライダーへの変身」がこれに該当する。第24話などで解説されているが、『仮面ライダーガッチャード』の世界における仮面ライダーは「120年前に現れた暁の錬金術師が名乗ったとされる名誉ある称号」という位置付けであり、各仮面ライダーが初変身時には必ずと言っていい程登場人物達に固有の字(あざな)を与えられる。基本的にはケミーの力を複数同時に使いこなす必要があるため、ケミーカード1枚の使用では仮面ライダーとして認定されない様である。

超高等多重錬成

従来の多重錬成に強力な力を持つレベルナンバー10を上乗せした高等錬金術。レベルナンバー10は本来何者も支配してはならないという掟があるが、変身者である宝太郎とレベルナンバー10のケミー達が信頼関係を築いたことで変身可能となった。

仮面ライダースーパーガッチャードがこれに当たる。

多重混合錬成

超高等多重錬成の一種で、通常の多重錬成にレベルナンバー10のケミー5体と融合した極めて異例なタイプの錬金術。なお、明言されたのは仮面ライダースターガッチャードに対して釘宮が言及したのみとなっている。ちなみに「混合」と言及されてはいるが、後述の混合錬成とはそもそもの技術が根本から異なるため、ほぼ無関係。

鉄鋼化錬成(強化錬成)

仮面ライダーの持つ多重錬成とは異なり、ケミーカード1枚の力で使用者の肉体を強化するタイプの錬成方法。肉体に錬金術師装甲ヴァルバラドを身に纏い、通常の人間を大きく上回る力を発揮することができる。使用には特殊錬成具「ヴァルバラッシャー」が必要不可欠。

強化型錬成(◯重錬成)

仮面ライダー以外の錬金術師が複数のケミーを使用する際に用いられる錬金術の一種。本来普通の人間は一体のケミーとしか融合することができないため、相応の実力を持つ錬金術師以外には使いこなせない術である。ただし、劇中ではスパナが「二重錬成ごときで良い気になるな」と苦言を呈していることから、ベテラン錬金術師の域に達した者からすればあまりニ〜三重錬成は高等な技術という訳でもない様である。

本編ではヴァルバラドのカスタム形態、マルガムのミクスタス形態などがこれに該当する。仮面ライダーの多重錬成とは異なり後付けでベースとなる素材に追加要素を取り付けた形となるので、理論上ケミーの相性を度外視した使い方も可能となっている(そのケミーの力を最大限に発揮できるかは別問題だが)。

ベースとなる素材に追加要素を取り付けるという性質上、一応多重錬成体である仮面ライダードレッドにもこの呼び方は使用されており、第30話ではミナト先生がドレッド参式に対して「三重錬成タイプ」と呼称する場面もある。

なお、錬金術師の力量次第でこれらの複数錬成の限界は異なり、冥黒王であるギギストは1度四重〜五重錬成という脅威の強化錬成を成し遂げた。

武装錬金術

文字通り武器の錬成や戦闘に特化した錬金術の一種。黒鋼スパナの両親が使用しており、「武装錬金術のエキスパート」と称される程の実力者だったことが語られている。他の錬金術師と同様にアルケミストリングを介して術を発動する。

禁術

その名前通り、本来は使用してはならない禁じられている錬金術冥黒の力を用いた圧倒的な出力が武器であり、その力は通常の錬金術とは比べ物にならない。空間の再錬成による転移や歪曲も得意としているが冥黒の力は人体に多大な悪影響を及ぼすため、特殊体質か強靭な肉体でもない限り生身では術師の身体が崩壊してしまう危険性もある。ワープテラの持つワープ(空間転移)能力もこれの一種とされている。

黒紫炎強化多重錬成

多重錬成の派生術に当たるが、こちらは冥黒の力による「黒い炎」を身に纏うことによりマルガムの力と仮面ライダーの力を併せ持った姿へと変身者を変化させる特性を持つ。

高等多重錬成

光と闇、2つの力を掛け合わせた超高等術式によって実現した錬成。仮面ライダートワイライトマジェードがこれに該当する。変身時にはトワイライトケミーと呼ばれる特殊なケミーも使用する。

白銀炎進化多重錬成

黒い炎が性質変化した「白銀の炎」により、進化型物質錬成機能により人間とメタルケミーによる独自の多重錬成。黒紫炎強化多重錬成の発展系であり、その力は冥黒王をも称賛した。

超多重錬成

アルティマケミーカードを用いてすべてのケミーの力を内包した錬成。「超」と名付けられているだけあってそのスケールもまさに規格外。劇中ではさらなる進化を果たしたガッチャードがこれに当たる。

古代錬金術(混合錬成)

古の時代に使用された錬金術の一つで、公式サイト曰く「冥黒の力に近い存在」。同サイトでは古代禁術という呼称も使用されており、上述の冥黒の力(=禁術)の派生に当たる。人間とケミーの完全融合がこれに当たり、通常の多重錬成を大きく上回る「混合錬成」によって強力な力を発揮することができる。劇中では他にも物体の再錬成を行い、スチームライナーを本来格上の存在であるレベルナンバー10と同格のテンライナーへと再錬成させるなど、現代の錬金術を凌駕する能力だったようだ。

反面、肉体に掛かる負荷も冥黒の力や通常の錬金術の比ではなく、一歩間違えれば使用者の命にも関わる程のリスクを伴う。実際、劇中ではドラゴンマルガム「人間の弱い肉体では古代錬金術は扱えない」という点を指摘している。

黄金を求める術

その名の通り、万物を黄金へと錬成する技術のこと。公式サイトでは、ガッチャード世界の錬金術にも史実や他の創作作品と同じく「卑金属を金に変換する術」があったことが示唆されている。

しかし、各々の基準で万物を無価値なものと判断して有無を言わさず黄金(不変の存在)へと造り替えてしまう思想は危険なものとして打ち捨てられてしまったらしく、発展しなかったとのこと。

実際、作中ではこの思想と錬成方法に魅入られてしまった錬金術師がおり、その悪意によって多くの犠牲者を出してしまった。

空間錬金術

神働術に由来する、禁術を遥かに超越した超常的な錬金術。ギギストの得意とする術であり、特別な詠唱抜きでも物体(というより空間?)に干渉する高度な錬金術である。異なる空間同士を繋ぎ合わせることから一部の空間に限定して重力操作を行うなど神々の奇跡を体現したかのような錬成を得意とする。

ギギスト本人の能力も相まって、ノーリスクで使用することが可能。

占星錬金術

ガエリヤが確立した錬金と占星を用いた独自の術式体系。他の錬金術と比べるとより一層摩訶不思議な魔法じみた錬金術で、よりこちらは人の本質を呼び覚ますことを重要視する。劇中ではかつてマルガム化された人間に残されたケミー因子と冥黒の力を掛け合わせることで人間単体のマルガムを錬成するという離れ業を見せている。なお、応用も効くらしく劇中ではクロトーに与えられた他の冥黒王の力をリセットするという芸当も。

余談

  • 現実や多くの創作の例に漏れず、人体錬成禁忌とされている事が32話にて言及された。
  • 仮面ライダー内で指輪で魔法を使用する『仮面ライダーウィザード』や『ガッチャード』以前に展開されていた錬金術題材とした作品の錬金術と比較されることが多く、上記の概要や余談の項目にある通り、劇中の描写から「錬金術と言うよりかは魔法っぽい」と言われることが多い。
    • ただし、無から有は容易に生み出せないこと、ウィザードたちが難なく使っていた空間転移は錬金術師にとって負荷の掛かる禁術「冥黒の力」として扱われているなど、差別化はきちんとされている。
    • 第27話のあとがきによると、企画段階で史実の錬金術について調査をした上で本来の要素である「化学的調合」のみでは物語や設定の発展性が足りなくなるということから上記の設定が付け加えられた模様。
    • 一応、史実の錬金術、つまり我々一般人が持つ「錬金術」のイメージを想起させる要素を入れることも視野に入れていたらしく、そこでグリオンのキャラ設定が誕生した。

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