「冥黒に染まれ……!」
「我は冥黒王ギギスト。『かつて世界を闇に閉ざした悪魔』などと、不名誉な名で呼ばれているようだが……」
「貴様の心に渦巻くのは、隠しきれない恐怖とそれでも揺るがぬ信念。私はあらゆる人間の理解者だ」
データ
身長:240.3cm
体重:126.0kg
特色/力:空間錬金術
概要
『仮面ライダーガッチャード』の登場人物。
ウロボロス界にある暗黒の扉の最奥から現れる災厄・「冥黒王」の1人。
120年前に暁の錬金術師が封印したとされる「悪魔」の正体であり、グリオンが暗黒の扉を開いたことで解放され、彼を連れ去った後は冥黒の三姉妹の新たなる主として活動を再開した。
尚、グリオンが成し遂げようとした悲願・エルドラドはあくまでも彼の力を利用した先にある自らが目指した理想郷のことであり、ギギストそのものを指す名前や異名ではない模様。
マルガムとも仮面ライダーとも異なる姿の持ち主で、黒い衣装や帽子のような尖った頭部は錬金術師というよりは魔導師を連想させる。
身体には冥黒王共通の金色の装飾が施されており、胸元には眼球のような三つの球体が埋め込まれている。顔部分に冥黒王の金色の仮面を着けている。
胴体部分はマルガムのベースとなる銀色の身体と酷似しているが、全身が無数の腕で構成され不気味な雰囲気を併せ持つ。よく見ると両脚部分も二対の両腕でできている。
人物像
おぞましい姿とは裏腹に、落ち着いた威厳のある若い男性のような声色の持ち主であり、その言動から高い知性を持っていることが確認出来る。
「全ての人間の理解者」を自称し、他者の精神を図ったような言動(場合によっては、何かしらの試練を与える)の後「褒美」と称して相手に望み通りの力を与えるものの、それをどう扱うかはあまり強制しておらず、例え世界が消滅しようとも全く意に介さないなど、人間の価値観では計り知れない独自の視点を持っている。
ただ、冥黒の三姉妹に命令を下す立場なものの、今も尚グリオンの事を慕い続け、蘇生できないかと相談したアトロポスに「その心も、取るに足りぬ紛い物に過ぎん」と断じていたり、作戦が思い通りにならない苛立ちから進言してきた彼女達に当たり散らすなど、人間を模造したホムンクルス故に辛辣で乱雑に扱う場面も少なくない。
能力
これはグリオンや冥黒の三姉妹が使用していた禁術である空間操作と同じ系統のものだが、彼らはケミーや錬金具を媒介としていたのに対して、人間を超越しているギギストは詠唱すら行わずに異なる空間を生成して対象を閉じ込める、一部の空間に限定して重力を操る、空間転移で宇宙空間にまで干渉するなど、規格外の力を秘めている。
空間錬成以外の能力も秀でており、かつて始祖のケミーたるガイアードとドラゴナロスを創り出した、謂わばこの二体を基に人間が模造した他98体を含めた、計100体のケミーの創造主でもある。
それ故かマルガムの錬成すら人智を超えた技術を持ち、属性を超えた四重のミクスタスを実現出来る他、ケミーそのものの悪意を増幅させて人間やホムンクルスといった依代も抜きで冥黒のマルガムへと変貌させることも可能。生みの親ではあるが「ケミーの本質は悪」「マルガムになる事こそケミーに必要な進化」だと考えている為にマルガム化させるのに一切の躊躇いを見せず、やはりこれまでの悪意ある者達と変わらずケミーを道具扱いしている。
この他にもパーツの一部から一人分の生命体を錬成して擬似的な蘇生を行ったり、原理こそ不明(万物に疑似生命を与える応用?)なものの他者に力を与えたりと、生命そのものにいとも簡単に干渉することすら可能としている。(元々持っていた再生錬成能力の応用?)
そして黒鋼スパナと同じ冥黒の炎の力を持っているが、その火力はスパナを遥かに超えており、受けたスパナも消滅こそ防いだもののギリギリ自我を耐えるのがやっとの状態だった。
活躍
第31話の終盤にてウロボロス界の扉から突如として出現。その後は第32話にてクロトーと宝太郎を並行世界からの侵略者もろとも異空間に閉じ込めた。
この時、ギギストの錬成した異空間は扉を開ける度に別の場所へ転移されるもので宛ら迷宮のような構造となっていた。
「お前が望む物を与えよう」
その後はアトロポスを引き連れて戦闘を終えた二人の前に現れ、自ら生成した異空間の迷宮を突破したことを称賛。有無を言わさずにクロトーの望みを曲解して彼女に新たな力と姿を与えると、呆然とする宝太郎を捨て置いて撤退。
第33話ではクロトーの報告から超兵器の存在に興味を持ったのか、当たり前のように彼女達を自分の部下として扱うと、クロトーに対して探って来るように指示を出していた。
第34話では、超兵器が金色の仮面ライダーに渡ったことをアトロポスから伝えられるが、本人は全く意に介しておらず、何かを察知して「これは……!」と呟いてその方向へと立ち去って行った。果たして、ギギストが察知したものとは……。
「世界の終末、それも面白いが……」
第35話では、アークワンプログライズキーを媒介にハンドレッドのサイゲツを錬成して復活させる。
その後も暗躍を続け、仮面ライダーレジェンドの戦闘で劣勢となっていたサイゲツの変身する仮面ライダーアークワンを自身の錬金術で助けると、冥黒の三姉妹が所持していたセイゾンビ、ギガロドン、ナンモナイトに加え、宇宙に漂っていたゴキゲンメテオンを空間錬成で強制的に捕獲し、詠唱と共に彼をアークワンマルガムへと変異させる。
圧倒的な戦闘力でレジェンド達を撤退に追い込んだサイゲツからは、世界が滅びても良いのかと問われるも「壊れたら作り直せば良い」と破滅を受け入れていた。
アークワンマルガムの撃破後、宝太郎の中に謎の卵が眠っていることを察知した。
実はこの卵こそギギストの狙いであり、超兵器に興味を持ったのも自分が探していた物である万が一の可能性を考慮して探らせたのが真相。
「見つけたぞ……!」
第36話では自ら錬金連合へと姿を現し、自分に臆せず挑んできた幹部の一人の蛮勇を讃えると、人間には到底制御できない力を無理やり与えて呆気なく消滅させた。
その後、スパナ/仮面ライダーヴァルバラドと交戦。
「貴様の魂も、思考も、動きも、全て理解できる。だから貴様の攻撃は……届かない」
スパナ「化け物が…!俺を分かった気になるなっ!!」
「我は超越者。故に人間の考え得る事は全て理解する。決して消える事はない、その悲しみも……全て」
スパナの全てを見透かすような発言を交えつつ圧倒的な実力差で一捻りにし、自身は全くダメージを受けないまま変身解除へと追い込んだ。しかし、自身の攻撃を以てしても人の形を保っていられた黒鋼スパナや"仮面ライダー"に興味を持ち始めた。
その後、狙いを本来の目的である宝太郎の中にある謎の卵に狙いを定めた。ギギスト曰く「砕かれた我が身体の一部から成る分身」とのことで、その力を取り戻すために敢えて覚醒の兆しが出る機会をうかがっていた。
新たな創作料理のために食材を買いに外出していた彼を襲撃し、自覚なく自らの力を体内に保管していた宝太郎を「盗人」と称して強引に奪い取ろうと手を差し込む。
「120年前に我が身より砕かれた我が分身よ。再び主の元へと戻る時が来たのだ……!」
しかし、その卵は拒否反応を起こして跳ね返されてしまい、直接奪取ができないと判断するや否やスケボーズとアントルーパーが封印されている二枚のカードを強奪。そして、ケミーの起源についても上述の真実を語り「ケミーの本質は悪」と断じた。
宝太郎「お前がケミーを?だからってケミーを苦しめていい理由にはならない!」
「貴様は何も理解していない。ケミーは本来、人に害を為す存在だ。現にそのケミーも、全てのものを喰らい尽くし飢饉をもたらす『害虫』を本質としているではないか」
宝太郎「違う!ケミーは純粋だ!たくさんのケミーが人の幸せを願ってる!」
「貴様がケミーを変えたのだ。哀れなケミーよ、苦しみから解き放ってやろう」
宝太郎の反論にも耳を貸さず、手始めにスケボーズをスケボーズマルガムへと変貌させて襲撃。
駆け付けたりんねの変身する仮面ライダーマジェードを黒装したクロトーに任せ、静観を決め込む。
スケボーズマルガムはプラチナガッチャードに撃破されてしまうが、冥黒のマルガムにされた影響でスケボーズは白色化し、一切の活動を停止してしまった……。
「理解するぞ その悲しみ」
狼狽する彼等を嘲笑うように、ギギストはクロトーを引き連れてその場から立ち去った。
第37話では、ガッチャードライバー及びライダーシステムの起源が宝太郎の中にある卵であることをアトロポスとクロトーに明かした上で、スケボーズの件で心傷している宝太郎を更に絶望させ、卵ごとマルガム化させるという悪辣過ぎる作戦で卵の奪取を画策。
手始めにアントルーパーをマルガム化させ宝太郎をあぶり出すと、宝太郎にとってもっとも大切なケミーであるホッパー1を冥黒の力で包む。
ホッパー1は1度はクロスホッパーへと自らを錬成変身して脱出するも、「光が眩い程に冥黒も濃くなる」というギギストの弁の通り、抵抗むなしくホッパー1はホッパー1マルガムへ変貌。満身創痍ながらも対処にあたった仮面ライダーヴァルバラドを退けると何とか自我を保とうとしながらも宝太郎を襲いかけ、その場に通りかかった親子に標的を変える。
宝太郎は咄嗟にアイアンガッチャードへ変身、ホッパー1マルガムをアイアンナックルで抑える。マルガムの撃破には成功するがやはりホッパー1はスケボーズやアントルーパー同様白色化し、事実上の死を迎えてしまう。
図らずも大切な相棒であるホッパー1を手にかけた事実に絶望し、慟哭する彼の姿を見て嘲笑い、自らの錬金術でマルガム化させようと企てる。
「貴様の絶望、理解する。さぁ冥黒に…染まれ…!」
しかし、その直後卵が顕現。宝太郎を匿って瞬間移動してしまったため予想外の事態に困惑しつつも、卵の場所を特定するために一時退散。
第38話で宝太郎を匿っている卵を見つけるが、スパナに遭遇。
宝太郎を助けようと行動に移した彼の心を素直に理解しつつも「貴様がまといし黒い炎、それは我から受け継がれたものなのだ、同胞よ」と、スパナと自身の力は元々同じものだという真実を暴露。
自身の元へと引き込もうとするも案の定スパナは仮面ライダーヴァルバラドに変身し拒否。これに臆する事なく、黒い炎の力を見せつけんと各地に散らばる5体のファンタスティックケミーを空間錬成で強制的に捕獲し、ファンタスティックマルガムを錬成して、ヴァルバラド及び駆け付けたマジェードと含め自身以外の全員を別の場所に転送。邪魔者を片付け、とうとう卵に冥黒の力を注ぎ込み、破壊しようとする。
「ついに……我が手に……!」
しかし、宝太郎と卵=タマゴンは眩い虹色の光を放ちながらりんね達の元へ飛び去ってしまい、卵は101体目のケミー・ニジゴンとして孵化を果たし、仮面ライダーレインボーガッチャードの誕生を許すことになった(もっとも、ギギストが破壊しようとした卵は「ケミーカードと同じようなもの」であり、タマゴンが「ここは安全」と発言していた事、卵にヒビが入ったのは宝太郎とタマゴンが外に出る決意を固めたからという可能性がある事から、ギギストが自力で卵を破壊及びヒビを入れる事ができたかどうかは怪しい)。
そして、機能停止に追い込んだホッパー1達もレインボーガッチャードの力で復活を果たし、自身の目論見は失敗に追い込まれている。
第39話では予想外の結果に苛立ちを露にし、アトロポス達に当たり散らすと遂に実力行使に出る。
空間錬成で宝太郎をホッパー1ごと転移させ、ニジゴンを捕えることに成功。
「相変わらず貴様は理解が足りぬようだ。ケミーは我が生み出せし物。生かすも殺すも、自由自在だ!」
「ケミーにとっては、大いなる悪意に触れ、マルガムとなることこそが正しき進化。貴様はその偉大なる進化を妨げているに過ぎない!」
そう言い放つと、オジーラカンスとパクラプターを引き寄せてマルガムに再錬成しようとするが、ニジゴンの放つ「レインボーブレス」によって失敗しただけでなく、ケミーカードの状態で宝太郎の手に渡ってしまう。
「なぜだ……ケミーの本質は悪。なぜ我の波動を受けて、悪意に染まらない!?」
宝太郎「それが……俺とニジゴンのガッチャだから。最初にケミーを作ったのはお前かもしれないけど、ケミーには命がある。生きてるんだ! それを踏みにじる奴は、誰であろうと許さない!」
「何だ……何なんだ“ガッチャ”とは!? 理解できん……貴様のことは何一つ理解できぬ!」
自ら「あらゆる人間の理解者」と嘯くギギストだが、それは彼自身の価値観に基づく一方的な見方に過ぎない。
「ガッチャ」の一言に集約される宝太郎の在り方、仮面ライダーに脈々と受け継がれる「命の自由と尊厳を守る」という使命は、そんなギギストには到底理解できないものだった。
「ケミー如きが……創造主に盾突くな!!」
空間移動でレインボーガッチャードを別の場所に引きずり込み召喚した瓦礫で圧し潰すが、あっさり脱出された上に自らが直接生み出した原初のケミー2体にさえ攻撃され、さらにガッチャーブラザーズによりアッパレスケボーとゴルドメカニッカーが錬成されたことでいきなり窮地に立たされる。
空間掌握で3人のガッチャードを捕らえんとするも、間断ない超高速移動に翻弄され全く命中せず、アッパレスケボーとレインボーガッチャードの連続攻撃で転倒。
反撃に放った冥黒のエネルギー波もゴルドメカニッカーにあっさり打ち払われ、砲撃とガッチャージガンの追撃で膝をつく。
「そうか……やっと理解したぞ。貴様は悪意を抱く賢さも持たぬほど、愚かな存在なのだな……!」
宝太郎「違うな! 俺はケミーも人も守る“仮面ライダー”! そして、未来の大物錬金術師だ!」
かつてのグリオンと同じく、宝太郎の「ガッチャ」は、悪意とエゴしか見えない「愚か者」には決して理解は及ばない。
そのまま3人のガッチャードによる「ガッチャーレインボーフィーバー」を受け、
「やはり貴様だけは……理解…できん……!!」
最後の最後まで一ノ瀬宝太郎という存在を理解できないまま、ギギストは爆発四散した。
しかし、第40話では自力で再生して自らを錬成し復活。新たに降臨した二人の冥黒王・ジェルマンとガエリヤから「抜け駆けした罰だ」「こうなることは読んでいました」「君は玉座に就く器では無い」等と散々いびられていた。
その後、ジェルマンの意見に賛同し3人で九堂風雅を襲撃。救援に来た宝太郎達仮面ライダー達と交戦することとなり、自身はスパナと再び交戦し、圧倒。
宝太郎達の撤退後、他の2人に「玉座は渡さぬ」と宣言したが、ジェルマンからは「まだ傷が痛むだろ?大人しくしてろよ〜」と押し倒されて煽られた上に反論もできず、ライバルの登場にかなり肩身が狭い立場に追いやられる羽目になった。
第41話では、辛酸を舐めさせられたジェルマン打倒のためにクロトーレビスに痛めつけられていたスパナを助け、「我が元へ来い。力の使い方を教えてやる」とこれまでとは違う形で勧誘するが、再三の勧誘に痺れを切らしていたスパナからは当然拒否された。
「ならばジェルマンを倒し、自らの強さを証明してみたらどうだ」と自身の野望に邪魔なジェルマンを倒すように促し、暴走寸前のクロトーと共にその場を去った。
第43話では、撃破されたジェルマンの力が自分達の元に戻ってこないことに疑問を持っていたが、グリオンが姿を現すとすぐにその力が丸々グリオンに乗っ取られていることを察し、「お前達も私の人形にしてやる」と挑発してきたグリオンに対し「身の程を弁えろ。人形風情が!」と憤慨した。
第46話では、久しぶりに姿を現していたが渾沌の世界を嘲笑うガエリヤを物陰から見つめるだけだった。
第48話では、関わった全ての者の心を踏み躙る卑劣な策略を見せたグリオンに対して宝太郎が絶対に許さないと断じた直後、「いや、我が許そう」と突然乱入。ガエリヤ撃破後に飛散した賢者の石をグリオンが回収しようとしたところに横槍を入れ、半分を奪い取る。グリオンに対して先程の許そうに続いて「賢者の石を渡し、再び我が人形となればな」と煽るが、グリオンからは「力を手にし高ぶる気持ち。理解するぞ、ギギスト」と意趣返しの如く自身の決め台詞を用いて煽り返され、何も言い返すことなく撤退した。
最後(ネタバレ注意)
第49話にて破損したドライバーの代わりに新たなライダーシステムを開発するスパナのもとに出現。
黒い炎の力の扱いも不完全で、世界を救うために一世一代の行動も宝太郎に阻止されたスパナに「自分の元に来れば最強の力が手に入る」といま一度勧誘するが、案の定拒絶され、これ以上の対話は無理だと判断したギギストはスパナの排除に方針を転換。
隙をついて背後から攻撃しようとするも防がれ、ヴァルバラドと交戦を開始する。
ヴァルバラドもあっさりと変身解除に追い込み、割り込んだラケシスの鉄鋼を妨害して一蹴。さらにマッドウィールで逃走を図った二人を追いかけると、そこに出くわしたクロトーが「もう一度家族三人で暮らしたかった」と本音を吐露しているところに出現。
「理解するぞ、その悲しみ。人形達の夢、それはただの紛いものに過ぎない」
クロトーが変身したドレッド弐式を苦も無くあしらい、自身の能力で戦闘不能にさせると再変身したヴァルバラドも正面から圧倒し、再び変身解除に追い込んだ。
「お前には失望した。燃え尽きよ」
そう言い放って冥黒の炎を放ち、スパナを完全に焼き尽くそうとするが、宝太郎との決闘を経て意志を固めたスパナはその炎を打ち払う。
スパナ「ギギスト、貴様が言った。光が眩しくなるほど、闇は濃くなると。だが、闇が濃くなれば、そこに差し込む光は、強く、眩く……輝く!」
その宣言と共に、冥黒の炎が白銀の光の揺らめきとなり、仮面ライダーヴァルバラド黒鋼が誕生。
白く輝く炎の力に打って変わって一方的に圧倒された末、オーバーヴァルバラバーストを受けて爆散。
「馬鹿な……何故だ……!……いや、理解した……。これが黒い炎の……更なる進化……!」
「強く、美しき白銀の炎……錬金術の始祖として、貴様に伝える……良き、後継者ができた……!!」
自身の炎よりも強く美しい白銀の炎の力を会得したスパナに称賛の言葉を残し、ギギストは遂に完全消滅。これをもって冥黒王は全滅した。
そして残された賢者の石はエルドラゴンによって回収され、グリオンのさらなる計画に向けて動き出すこととなる。
末路こそ他の冥黒王と同じく戦死という結果に終わったが、身体をグリオンに乗っ取られたジェルマンやキマイラの錬成といった目的も果たすことができず敗北を喫したガエリヤと比べ、以前から度々目にかけてきた同胞が黒い炎を更に進化させるという成長を目にして結果的に後継者と巡り合う形で満足気に敗死したギギストは、ある意味最も恵まれた最期だったと言えるのかもしれない。
最終話では、グリオンが生み出したコピー体が登場。ただ力を行使をする物言わぬ人形として戦いに赴いたが、ヴァルバラド黒鋼の「オーバーヴァルバラブレイク」を喰らい撃破された。
余談
- 担当声優の置鮎氏は、過去のスーパー戦隊シリーズにおいて怪人・幹部役として出演していたが、仮面ライダーシリーズへの出演は本作が初。また、本作において他にドレッドライバー/エルドラドライバーのシステムボイス、ファンタスティックケミーのドンポセイドンも兼任している。また他局のガッチャードの裏番組でゲームのチャンピオンを演じている。
- スーツアクターの草野氏はスーパー戦隊シリーズの出演が中心な為、仮面ライダーシリーズでネームドキャラを演じるのはギギスト役がほぼ初である。なお、登場から1ヶ月以上経過した第39話のスタッフブログで初めて、スーツアクターが草野氏であることが明かされた。
- 名前の由来は不明だが錬金術と関係があり、且つ数字の「3」を意味する名前ならヘルメス・トリスメギストスが妥当か。
- 公式サイトの怪人紹介にて、ギギストの扱う空間錬金術は神働術に由来するとされている。所説は色々とあるが、簡単に言ってしまえば神々のいる層に働きかける高尚な魔術のことであり、これが事実ならギギストの正体は「明らかに人間、そして錬金術の範疇を超えた存在」ということになる。
- 「理解する」が口癖のようになっているためか、視聴者からは「わかるマン」と呼ばれており、松浦大悟APからは「お気持ちご理解おじさん」とあだ名を付けられた。
- さらに第39話放送後は「貴様のことは何一つ理解できぬ!」という発言もいじられ、(ネタ的な意味で)「理解できないもの」(例:アレやコレ等)をぶつけられるイラストもpixivやTwitterに上げられている。
- 第40話での他の冥黒王2人からの扱いを見て視聴者から「奴は冥黒王の中でも最弱…」とネタにされており、実際公式サイトでも(フォローはされつつも)ネタにされていた。
- 空間を操る能力で宇宙を漂っていたゴキゲンメテオンや行方不明になっていた5匹のファンタスティックケミーといった宝太郎達が確保に苦労するようなケミーを容易く捕まえてマルガムにしており、間接的に宝太郎達のケミー回収に協力していると言われる事もある。
- 物語が進むにつれて、視聴者からは「不憫」だの「影が薄い」だの言われてしまっている。実際、上述の通り初登場直後にハンドレッドとカグヤがガッチャード世界にやって来て出番を食われる、ジェルマン、ガエリヤ降臨後は2人に抜け駆けした件を散々いびられる、グリオン復活後は人形である彼にバカにされ、ガエリヤの独壇場を物陰から見つめるだけ、ガエリヤ撃破後はひょっこり出てきて漁夫の利を頂き、グリオンを挑発するものの逆に自らの口癖を引用した意趣返しを食らい煽り返されて全く言い返せないなど結構ろくな事がない。
- また、公式からも「長いこと外野で動向を伺っていたギギスト、そろそろ本気を出さないとガッチャードも終わっちゃうぞ!」とイジられている。
- こうなってしまった理由としては、置鮎氏が上記の裏番組に加えてそれと放送局が同じ他局の30分後のアニメに出演しているというメタ的な事情等も関係していると思われる(実際、演じているキャラクターは長期に渡り登場するためほぼ出ずっぱり状態だった)。
- スーツは後にウロボロスに改造されたが、『ファイナルステージ』ではギギストが登場していたため、元に戻されたと思われる。
関連タグ
ベイル/スエル:前作と前々作に登場する、声優が液晶型のドライバーのCVと兼任している敵キャラ繋がりで、後者はラスボスを兼任している。
ショッカー首領:仮面ライダーシリーズの元祖黒幕。ギギストの容姿はフードを被っていた頃の首領を彷彿させる。