アークワンマルガム
あーくわんまるがむ
『仮面ライダーガッチャード』第35話に登場。
冥黒王ギギストの錬金術で蘇生されたハンドレッドのサイゲツ/仮面ライダーアークワンが、エンシェントケミー「ナンモナイト」「ギガロドン」・オカルトケミー「セイゾンビ」・コズミックケミー「ゴキゲンメテオン」の四体のケミーと結合し、マルガムと化した姿。
4体のケミーを掛け合わせ多重錬成を果たした姿でもあるため、テレビ朝日の公式ホームページでは「アークワンマルガム 4タイプミクスタス」の名で紹介されている。
冥黒王の力によって強制的に錬成されて誕生したライダーとマルガムのハイブリッドともいえるイレギュラーな存在。人格こそアークワンの力を借りていたサイゲツだが、パワーアップした己の禍々しい姿と力に魅了されたことで荒っぽい本性が剥き出しになっている。
レジェンドを倒した後はガッチャードの世界を滅ぼし、残りのケミーを全て取り込もうと画策していた。
これまでのマルガム共通のミイラのような素体ではなく、仮面ライダーアークワンのボディがベースになっており、腰に装着されたアークドライバーも残っている。
元より禍々しい容姿が、憎悪や怒りが入り雑った邪悪で怪物然としたものに強調され、頭部もクラッシャーが剥き出しになったおぞましい造形になり、左目の「アークワンフェイスビジョン」から青い炎と共にアーク由来の赤いエネルギー体が漏れ出している。
本来の腕もクロスを描いて胸部と結合し、本来の「デウスエクスパイト」に刻まれた赤いバツ印が浮かび上がっている。
ボディに走る二本のラインはドロドロと溶解したような造形になり、装飾の一部になっている。
代わりとなる腕部分は結合した四体のケミーのモデルで構成され、両肩には凶悪な顔つきをした紫色の古代ザメと地面から這い出るように右腕を伸ばす溶けたように腐敗したゾンビの頭部、両腕は巨大なアンモナイトと先端が青く光った隕石になっており、バンドの役割を果たすように全身から漏れる赤いエネルギーが絡みつく形で拘束されている。
ゴキゲンメテオン以外は全て冥黒の三姉妹が捕獲・所持していたものだが、ギギストが独断で持ち出したと思われる。
ケミーが変化したマルガムと異なり、仮面ライダーがマルガムの力を得た要素が強く、極めて異質な存在であることが分かる。
総じて、仮面ライダーの力をリスペクトせずに兵器として利用するハンドレッドとケミーの意思を無視して悪用するマルガムの悪意が混ざり合った冒涜的な姿になっている。
予測演算を初めとするアークワンが持っていた能力に加え、ナンモナイト由来の触手、ギガロドン由来の飛び道具になる牙、セイゾンビ由来の緑色の溶解液、ゴキゲンメテオン由来の隕石落下といったそれぞれのケミーの力を行使する事で、強烈なエネルギーの弾幕を利用した圧倒的な戦闘力を誇る。
加えて直接的な格闘戦も大幅に上昇しており、正面からの攻撃が困難になっている。
度重なる敗北から前話のラストに粛清されて命を落としたサイゲツ、及びアークドライバーを介して出現・起動したドゥームズクロックがカウントダウンを始める中、その悪意に興味を持ったギギストが残った肉体とアークワンプログライズキーを媒介に人形として再錬成させる。
生き返ったことに動揺するも新たな主となった彼に唆され、仮面ライダーレジェンドへの憎悪をさらにふくらませながら再びアークワンに変身する。
ドゥームズクロックを単身で止めようとする鳳桜・カグヤ・クォーツを襲撃するも、感情任せの戦闘スタイルでは叶うはずもなく、再びレジェンドに圧倒されてしまい、必殺技を叩き込まれる寸前にまで追い詰められる。
しかし、もう一つの思惑で動いていたギギストが妨害に入る。ナンモナイト、ギガロドン、セイゾンビのライドケミーカードをアークワンに取り込ませると、最後の仕上げとして宇宙空間をご機嫌に流れていたゴキゲンメテオンを捕えて錬成させたことで四重錬成を経たアークワンマルガムが誕生した。
「お前の動きは全て見切った!この力があれば、お前には負けねぇ!」
様々な力が入り混じった圧倒的な戦闘力で追い詰めるも、仮面ライダーヴァルバラドとマジェードの介入によって逃げられてしまう。
それでも自らの勝利を確信し、自身を生き返らせただけでなく強化まで施してくれたギギストに世界が滅びる事実を笑いながら伝えるも「作り直せば良い」と、当たり前のように答える彼の言葉には閉口するしかなかった。
そして、ドゥームズクロックが起爆するまで数時間まで経過した所で今度こそ決着をつけるためにやってきたカグヤと宝太郎を待ち構え、
「死にに来たか……レジェンド。お前如きが仲間を求めたことで、この世界を滅びに導いた!」
と、自分らがガッチャードの世界に来たことをカグヤを理由に糾弾するも、
「そんなことない!悪いのは・・・、カグヤを理由にして世界を襲うお前たちの方だ!」と宝太郎に反論され、
「確かに貴様の言う通りだ。カグヤ様の輝きは敵を引き付ける。故に、友も仲間もいらない。・・・だが、2人ならもっとゴージャスに輝ける…らしい。カグヤ様に並ぶ者がみな宝石ならば、共に戦うのも悪くない。覚悟しろハンドレッド。俺たちの輝きは・・・世界をも越える!」
と、当のカグヤにも啖呵を切られ、「お前のそういうところが・・・気に食わねえんだよォっ!!」と吐き捨てて再び変身したレジェンダリーレジェンド・プラチナガッチャードと戦闘に入る。
再び絆を紡いだ両者の結束の前にケミーの力に酔いしれつつ優位に立とうと「何人来ようが、今の俺は最強だ!ケミーの凶悪な力が思うがままだ!この世界が滅びたら、俺が使ってやるよ!」と息巻くも、ケミーを仲間と信じる宝太郎の怒りに触れてしまい、絶対にケミー達を助け出さんと奮起したプラチナガッチャードのエックスレックス、ユーフォーエックス、ガイアードの力を用いたプラチナシュートフィーバーで攻撃を相殺されて反撃を許してしまう。
そこからレジェンダリーレジェンドがファイナルケミーライドしたゴージャスゼロツー、召喚された仮面ライダーゼロワン ライジングホッパーと仮面ライダーゼロワン メタルクラスタホッパーによる高速な連続攻撃とゴージャスグランドジオウが召喚したレジェンドライダーと歴代武器やプラチナガッチャードの連携攻撃に翻弄される。
最後は空中に打ち上げられてプラチナガッチャードのプラチナシュートとゴージャスグランドジオウ、召喚された仮面ライダージオウと仮面ライダージオウⅡ)のレジェンドファイナルアタックライドによる四人同時のライダーキックでケミー達が解放され、アークワンに戻ってしまう。
そこから、奪還されたケミー達の力を上乗せしたプラチナシュートフィーバーでさらに威力がブーストされ、そのままドゥームズクロックに叩きつけられる形で貫通し、巻き込むように爆散した。
スーツは下半身とベルトのみ仮面ライダーアークワンからの流用だが、上半身及び頭部は新規造形と思われる。
異なる作品の要素と融合した怪人や仮面ライダーをモチーフにした怪人は、妖怪ブルブルやビースト・ドーパント(ロイミュード077)、アナザーライダーなど、何度か前例があるが、作品の垣根を超え、別作品の要素を混ぜつつ仮面ライダーそのものを素体にした怪人は初となる。
結合している四体のケミーはスタッフが意図したものか不明だが、全てアークワンの変身音や概念に取り入れられた「死」「絶滅」にまつわるものになっている。
- ギガロドン:モチーフのメガロドンは絶滅種。
- セイゾンビ:モチーフのゾンビは「生ける屍」。
- ナンモナイト:モチーフのアンモナイトは絶滅種。名前の「ナンモナイ」は「何もない」、つまり無を意味する。
- ゴキゲンメテオン:モチーフの隕石は、恐竜が絶滅した原因とされるものの一つ。
総じて、モチーフを揃え、マルガムの語源である「アマルガム」の原義たる「混ぜ物」をこれほどまでになく体現しつつ、アークライダーとマルガムに共通する「悪意」という設定を最大限活かして“ガッチャンコ”していると言える。
ちなみに、上記の通りメガロドンをモチーフにしたギガロドンが取り込まれているが、アークワンの大元のゼロワンにはサメをモチーフにした形態が存在する。
また、スパナは4体のケミーと錬成したアークワンマルガムを目の当たりにし、「バカな!属性を超えた四重錬成だと!?」と驚愕した。
宝太郎が「取り込まれたケミーは4体、4人で同時キックすれば倒せるかも!」とカグヤに提案してゴージャスグランドジオウ・ジオウⅡ・ジオウ・プラチナガッチャードの4人で撃破したが、よく見るとゴージャスグランドジオウは19人の平成ライダーを召喚した上でオールトゥエンティタイムブレークを発動しており、厳密には23人同時にアークワンマルガムを撃破したことになる。オーバーキルな気もするが…。
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