オーラ「今日からあなたが、仮面ライダー×××よ」
スウォルツ「今日からお前が、仮面ライダー×××だ」
ティード 「平成ライダーの歴史が、今……終わりを告げる……」
フィーニス「全てのライダーの力をもらうよ」
概要
ライダーか?いやアナザーライダーだ…
【平成仮面ライダー】シリーズ最終作【仮面ライダージオウ】に登場する未来人で構成された時間犯罪者集団『タイムジャッカー』がアナザーウォッチを使って第三者を(例外はあるが、)強制的に怪人にして生み出した異形の存在。
誕生目的
アナザーライダーが誕生する意味として、基本的に『常磐ソウゴ』が2068年に『オーマジオウ』になり王になる事を阻止する為に『タイムジャッカー』達が誕生させているが、中には傀儡の為、ライドウォッチを生成させる為、各『タイムジャッカー』が自身の目的の為に生み出す事もあった。また、『タイムジャッカー』が絡んでいない個体もいた為に複雑な背景がある。
変身シーケンス
- ブランクウォッチを当事者か『タイムジャッカー』が起動させアナザーウォッチを生成する。
- アナザーウォッチが起動し、パネル部分が発光し秒針の様な針が時計回りに動く。
- アナザーウォッチから紫色と白色の光が放射状に広がる。
- アナザーウォッチを体に埋め込まれるまたは、埋め込む。※1
- 黒い幕の様なものが変身者の体を包みこみ、アナザーライダーへと変身。※2
- 該当するライダー名が低音ボイスで呼称される。例:クウガァ・・・。
※1:【RIDER_TIME_龍騎】のアナザー龍騎は、体内に埋め込まずにアナザーウォッチを掲げた状態で、アナザージオウは腰のベルトに装填する様な形で変身をしていた。
※2:この時、元ライダーと同様の変身エフェクトが挿入される個体が見られ、変身後には元ライダーの仕草や癖も真似る様な動作も取る個体も存在した。
例外として、変身する場面が映されなかったアナザーライダーもいた。
この他、痛がって呻く者や自ら雄叫びを上げて変身する者が散見された。
また、特徴として誰一人として「変身」と言った事は無い。
アナザーライダーは仮面ライダーである〇か×か
名前に『ライダー』と言う名称がある為に勘違いされやすいが、厳密に言えば『仮面ライダー』(以下ライダー)では無く「仮面ライダーと酷似した姿と能力を持った怪人」である。
つまり、本当のライダーになった訳では無く「仮初めの仮面を付けてライダーになった者」に過ぎない。存在なのである。
ただ、媒体によっては擬似ライダーの様な扱いもしている所もある為、見方によっては怪人であり、仮面ライダーであり、疑似ライダーと言う見方もある。
各アナザーウォッチには「対応するライダーの力」を宿しているものの、本来ならば「変身者としての資格が無い(≒そのライダーとなる運命を背負っていない)人間」が概ね変身する為、『仮面ライダーシン』やS.I.C.のライダー等を思わせる「元の仮面ライダーが怪人化したような歪な姿」へ変貌してしまう作用がある。
今日からアナタが仮面ライダーだ!…
各アナザーライダーには種類があり「変身者自身の意思で動く存在」と「見境なく暴れる暴走状態の存在」が確認されているが、『タイムジャッカー』は「とある事情で、後が無くなり追い詰められた人間」を基準に第三者を選んでアナザーライダーに変身させる事が多く、例え異形の怪人に身を堕としてでも、叶えたい願いを抱えて戦っているのには違いない為に他者が説得して止めるのはほぼ不可能である。
また、変身者達の特徴として元ライダーの変身者にとって皮肉とも取れる背景や反転した様な人生や似た境遇を送った人達である事も分かっている。
悪になりて歴史を破壊する。誤った力の使い方をする者だからな!~特殊な事例~
EP06にてアナザーウォッチを複数個使う事で、別のライダーの力を同時に保持が出来る事、EP09では失われた正史における元ライダーだった者であってもアナザーライダーになってしまう事が明らかとなった。こちらは後にEP21のアナザーリュウガ、EP37のアナザーカブトも同様の事例で登場している。
またEP17では(本来のあるべき)未来で『仮面ライダーシノビ』となる筈の『神蔵蓮太郎』が現代(2019年)でアナザーシノビに変貌しており、その時点ではまだ変身資格を有していなければ、本来の変身者であってもアナザーライダーになってしまう事実が示唆されている事となった。
これらの事例からアナザーライダーとしての異形の姿や資格の不足は、「変身ベルトとの適合や本人の技量」、「変身者の資質によるもの」では無いと思われる。
その様な意味では、「アナザーウォッチで強引にアナザーライダーに変身した(されられた)為」とも考えられる。(後述)
大半のアナザーライダーは平成仮面ライダーから奪った力を持っているが、未来のライダーの力を持つアナザーライダーや、元のライダーが歴史から消滅しもはや存在しないはずの者もおり、この事から「力を奪う対象は平成仮面ライダーに限らない」模様である。
EP44で、遂に平成ライダー主役20人の力を持つアナザーライダー達が揃った。
また、未来のライダーや存在しないはずのライダーの件もある為、昭和ライダーや令和ライダーのアナザーライダーが生まれる可能性もある(実際、【令和 ザ・ファースト・ジェネレーション】で初めてこの2体登場した。)が、別の作品ではとあるライダーの歴史改変を敵組織が試みた結果、そのライダー(達)が元凶を未来から全力で潰しにかかってきた例もある為、下手に作れない可能性すらある。
評価について
一見すると大まかなシルエットは元ライダーを歪めた様なデザインをしているが所々に元ライダーには無かった造形や意匠等が散りばめており、全く違ったフォルムとなっている。
また、ライダーファン達からはその皮肉めいた要素やデザインが散りばめられた容姿と変身者の背景から(ライダーが怪人化したという要素を抜きにしても)歴代仮面ライダー作品の敵怪人の中でも高い人気を誇り、【仮面ライダージオウ】の見所の1つでもある。
アナザーライダー一覧
本編(再生怪人を除く)
名前 | アナザービルド | アナザーエグゼイド | アナザーフォーゼ |
---|---|---|---|
イラスト | |||
演/CV | 森大成 | 児玉貴志 | 水石亜飛夢 |
備考 | |||
名前 | アナザーファイズ | アナザーウィザード | アナザーオーズ |
イラスト | |||
演/CV | 水石亜飛夢 | 粟島瑞丸 | 岩永徹也 |
備考 | かつてのゲンムの変身者 | ||
名前 | アナザー鎧武 | アナザーゴースト | アナザーシノビ |
イラスト | |||
演/CV | 友常勇気 | 堀池直毅 | 多和田任益 |
備考 | |||
名前 | アナザークイズ | アナザーリュウガ | アナザーキカイ |
イラスト | |||
演/CV | 斎藤陽一郎 | 須賀貴匡 | 板垣李光人 |
備考 | かつてのリュウガの変身者 | 憑依時のみ | |
名前 | アナザージオウ/??? | アナザーブレイド | アナザーアギト |
イラスト | |||
演/CV | 佐久間悠 | 梶原ひかり | 無し |
備考 | |||
名前 | アナザー響鬼 | アナザーキバ | アナザーカブト |
イラスト | |||
演/CV | 野田理人 | 釈由美子 | 徳山秀典 |
備考 | キックホッパーにも変身している | ||
名前 | アナザー電王 | アナザードライブ | アナザーディケイド |
イラスト | |||
演/CV | 後藤大 | 紺野彩夏 | 兼崎健太郎 |
備考 | 映画とは別個体 |
劇場版
仮面ライダー 平成ジェネレーションズFOREVER
※後に、別個体が本編で登場。
仮面ライダー令和 ザ・ファースト・ジェネレーション
その他
RIDER TIME 仮面ライダー龍騎
演/CV:石田隼
※後に、別個体が本編で登場。
Vシネマ NEXT TIME ゲイツ、マジェスティ
ファイナルステージ
※後に、別個体が小説で登場。
小説仮面ライダージオウ
容姿と能力
姿は、元のライダーを歪めて有機的な形になっているのが特徴。
また、元のライダーから単に歪め有機的なデザインになっただけではなく、明らかに大きさが変わっている者、本家には無かったディティールやパーツが増設されている者やパーツやアイテムが削除されている者、体色ががらりと変更されている者、本家の武器デザインからもだいぶ変わっている者、本家には無かった技も披露する者、専用のライダーマシンを所持している者等、多種多様なアナザーライダーが確認出来ている。
そのボディには、共通して「英語表記の該当するライダー名」と「西暦(該当ライダーが本来の時代で活躍していた年代、または2019)」が体の何処かに刻まれてまれており、顔には元のライダーの造形にかかわらず歯や牙が存在する。
また、上述の小説版の『ウォズ』の説明によると、西暦に関しては「オリジナルのライダーが確実に存在した時空」のものと言うのが正確な様である。
この他に、涙ラインの様なギザギザとした模様が刻まれたレンズの奥には瞳が存在し、さながら「仮面」を被っていない「素顔」の様であり、この顔のデザインは大元の作品を生み出した原作者が手掛けた作品に登場する骸骨をモチーフにしていると思われる(出典)。
見た目とは裏腹に、身長と体重は(アナザークウガとアナザー1号を除き)本来の仮面ライダーと同一である。
また、本編や劇場版の描写から見るにフォームチェンジや変身アイテム、武器が使用出来る個体もその存在が確認出来る。
デザインについて
デザインを担当する出渕裕氏・篠原保氏の両名は、過去に平成仮面ライダーシリーズ制作スタッフ陣においての「怪人専任デザイン」、「クリーチャーデザイン」の肩書きを初めて与えられたツートップ。
(※両名の作品の関わりは、出渕氏は【アギト】、篠原氏は【龍騎】からである。因みに【クウガ】では「デザインワークス」として、複数のデザイナーが分担して怪人等のデザインを担当していた。)
即ち、怪人側から平成ライダーの歴史を見てきた両名であり、アナザーライダーの作製コンセプトを表現する事に適役な人選と言える。
尚、アナザーライダーに似ていると言われる『シン』の生みの親である雨宮慶太氏(【ディケイド>仮面ライダーディケイド】にてリ・イマジネーション『ライダーマン』のデザインを担当された方)と、S.I.Cの原型師として有名な竹谷隆之氏(【ドライブ】にて『ロイミュード』をデザインされた方)は篠原氏とも縁や交流が深く、この点でも平成ライダーの重ねて来た歴史を感じる事が出来る。
また、アナザーライダーには各ライダーと対峙した敵怪人や組織の要素も見出せる。
「アナザーライダーの誕生と同時に敵勢力の存在も消える=アナザーライダーは怪人でもある」為、仮面ライダーの役割と同時に消えた敵勢力の役割も引き受けるからなのかもしれない。
アナザーライダーのデザイン要素
そして、その悪役を倒すヒーローこそがこの番組の主人公達である。
アナザーライダー | 主な敵の要素 |
---|---|
アナザービルド | スマッシュ同様、変身すると変身者の人格は失われ自由な変身解除も行えない。また人間を封じ込めたボトルの形状がスマッシュボトル。 |
アナザーエグゼイド | 病気に汚染されたかのような斑紋がウイルスを、全体の刺々しい造形がゾンビゲーマーレベルXを想起させる。 |
アナザーフォーゼ | ゾディアーツを思わせる彫刻の様な複雑なレリーフを持つ身体に、ロケットのウィングや全体的な容姿は劇場版で対決した敵の要素が見られる。 |
アナザーファイズ | 中身のオルフェノクがファイズのスーツごと怪人化したかのような容姿 |
アナザーウィザード | ゲートからファントムが生まれ出る様に似たひび割れた容姿。 |
アナザーオーズ | オーズの各部分がグリード化したような容姿。屑ヤミーを作り出す様はグリードのそれ。胸のマークが春の劇場版で戦った組織のシンボルに酷似。 |
アナザー鎧武 | ヘルヘイムの森に通じるクラックを開く事ができる。オーバーロードインベスのような外見をしており、大剣を振るう姿はフェムシンムの王のよう。 |
アナザーゴースト | 人間の魂を吸い取る様が、眼魔世界の幹部が使用していた「吸魂器」を彷彿とさせる。また、白髪が眼魔世界長官のもう一つの姿に酷似。 |
アナザーリュウガ | 基となったリュウガ自体がミラーモンスターが変身した存在。 |
アナザージオウ/??? | ジオウの敵は文字通りアナザーライダー。 |
アナザーブレイド | ブレイドが戦ってきたアンデッドやジョーカーの特徴など、様々なアンデッドを寄せ集めたような容姿。 |
アナザーアギト | アギト本編に登場した同名のアナザーアギトに姿も酷似しており、エルロードの意匠がある。本編でも風谷真魚から「アンノウンみたいなの」と言われている。 |
アナザー響鬼 | 両肩の鬼瓦らしき鎧など、デザインの一部が劇場版の裏切り者の鬼を思わせる。その魔化魍に近い姿は轟鬼にも道を外した鬼が変貌した魔化魍と勘違いされた。 |
アナザーキバ | ステンドグラスのようなボディがファンガイアの様であり、その王のような意匠はファンガイアのキングや闇のキバを彷彿とさせる。 |
アナザーカブト | カブトの姿をしたワームの様な姿をしていて、頭部の意匠がサナギ体を、甲殻類のような鎧がワームを率いていたボスを彷彿とさせる。 |
アナザードライブ | ロイミュードの能力である重加速を使用可能であり、プロトゼロやサイバロイドZZZを思わせる容姿を持つ。変身者からは「人間の悪意から悪しき存在に歪められた」というロイミュードのルーツも読み取れる。 |
アナザーディケイド | 頭部はスーパーアポロガイストやキングダークの姿を連想させ、大ショッカーの双頭の鷲のようにも見える。 |
アナザーシノビ | シノビと対峙する闇忍と似た姿(時系列的にもメタ的にもあちらが後なのだが)。 |
アナザークイズ | 仮面ライダークイズの敵勢力が用語に関しても一切登場しない為厳密な詳細は不明だが、描写から推測するに他者の知識を強奪して奪った相手を気絶させる点が関係していると思われる。 |
アナザーキカイ | 基となったキカイ自身がヒューマノイズである。キカイには人間をヒューマノイズ化させる能力があるのではないかと推測されており、寄生対象をアナザーキカイ化させる性質で共通する。 |
アナザーW | サイクロンサイドのカラーがミュージアムの幹部ドーパントのカラーと似ている。また、元の変身者の1人はミュージアムの首領の息子だった。 |
アナザー電王 | 山羊の角のような複眼はイマジンの由来である「魔神」やイマジンのように対象を操る寄生虫を連想させる。劇場版の変身者も劇中でとあるイマジンと契約している。 |
アナザークウガ | 人型からかけ離れた体型が漫画版クウガのグロンギを思わせる。その最終目的は世界を究極の闇で包む事で、自分だけが笑顔であればいいと考えている。 |
アナザー龍騎 | 原典の黒幕と同様の目的で他者の命を弄ぶゲームを繰り広げた。 |
アナザーゼロワン | アンダースーツにバッタの意匠が取り付いたゼロワンとは逆に、バッタを素体に人間の顔や骨が張り付いた様な姿をしている。変身者はヒューマギアであり、マギアと同じく4つの目を持つ。 |
アナザー1号 | 下半身が巨大なバイクと化しているため足が無く、仮面ライダーの代名詞というべきライダーキックができない外見。まるでショッカーの生物兵器の様。言うなればあの仮面ライダーの名を語る怪物にそっくり。 |
アナザーディエンド | かつて本家からディエンドライバーを奪った外道衆のとあるアヤカシに容姿がそっくり。 |
3つのルール
【仮面ライダージオウ】の番外的な物語【ジオウ補完計画】の第2.5話にて、以下の「3つのルール」が語られている。
第1のルール:「同じライダーの力は同じ時間には共存は出来ない」
ソウゴ「いや、あれはビルドに似てたけど、ビルドじゃないよ!」
同じライダーの力は同時に存在する事が出来ず、過去でアナザーライダーが誕生すると歴史改変によって本来のライダーは徐々に力を失い、最後には「自分がライダーであった事実を忘れてしまう」。
これは改変された歴史内では、「アナザーライダーこそが正真正銘「本物」のライダーである」のを意味している。そして歴史の改変により、アナザーライダーに取って代わられたライダーの物語そのものさえもなかった扱いになってしまう。
この影響は存在を乗っ取られたライダー変身者本人だけでは無く、2号ライダー等のサブライダーや、関係人物、怪人達にも大きく影響する。サブライダー達もライダーとしての力と記憶が失われ、怪人達に至っては殆どが消滅してしまっている。
しかし、アナザーライダーが倒されるとその存在が一時的に消える為に現代の変身者達が変身能力とライダーに関する記憶を取り戻せられるがその時間は限られている。
その一方でライダーの力が奪われたとしても、変身者の居場所や活動地域等は変わっていない為、歴史がライダーの力が奪われた時点から「ライダーの力が奪われた歴史」に書き換わってしまう模様である。
その結果、『桐生戦兎』が『葛城巧』(後述の第3のルールにより顔は『佐藤太郎』)として、『乾巧』が『オルフェノク』にならず普通の人間としてそれぞれ現代に生きている状態になる。
消滅するのは「ライダーである歴史」だけである為、『宝生永夢』は原典同様に「小児科医」且つ「天才ゲーマーM」であり、『如月弦太朗』も(内容こそ変わってしまったが)「仮面ライダー部」に所属した後に同部の顧問になっていた。『乾巧』の夢や『火野映司』のネクタイと赤い羽根等、改変前の歴史の繋がりのようなものが微かに残っている者もいる。
一方、『草加雅人』や『駆紋戒斗』の様に物語が原因で死んだ者はその生死まで変化し、細かい所では『檀正宗』の経営する会社が「幻夢コーポレーション」では無く「檀コーポレーション」になる等、物語そのものが失われてしまう影響は少なくは無い。
変身者周りの記憶関連は「過去でのアナザーライダーの誕生による歴史改変による結果」であり、現代でアナザーライダーが誕生した場合やライドウォッチが生成された場合は、変身能力を失っても記憶は残っている。
また、あくまでアナザーライダーの誕生は「歴史の改変」による間接的な乗っ取りであり、ライダーの力を直接奪っている訳では無い為(例外有り)、「特異点」や歴史改変に耐性を持つライダーなら問題は無く共存が可能と思われる。
更に
- EP29からは新たなパラドックスが発生しているらしい事。
- オリジナルライダーとアナザーライダーが同じ時代に共存している。
- アナザーライダーに刻まれた年号=元のライダーが戦っていた時代=その番組の放送開始した年代が「2019」で固定されている。
これらは素直に考えれば「元のライダーの戦っていた年代が2019年に書き換えられている」と取れる。
また、サブライダーや怪人の存在、関係者の記憶もアナザーライダー発生後も存続している。
尚、カメンライドをはじめとする『ディケイド』のライダーカードは、カードで他のライダーの力を使う「ディケイドの力」である為か、ここで奪われる「ライダーの力」には含まれていない。これを加味すると元ライダーと共存していたレジェンドライダーアームズやレジェンドライダーガシャットと言ったレジェンドアイテム群も同様と思われる。
ライドウォッチも同様に「ライダーの力」を宿すものであるが、アナザーライダーの影響は受けていない。
ライダーが力を失うのはあくまでも「アナザーライダーの誕生」や「ライドウォッチ等で直接力を奪われる」、「力を宿したライドウォッチを他人に渡す」事が原因であり、『ビースト』や『ゴースト』等の事例を見ると、「変身者自身がライドウォッチを持っている分には変身が可能」なのが窺える。
後に、『ディケイド』の変身者である『門矢士』は「ライドウォッチにディケイドの力を半分だけ宿す」芸当によりライドウォッチ継承後の変身を可能にしていたのが判明しており、その特異性が窺える。
また地味に勘違いされがちだが、過去で誕生したアナザーライダーはレジェンドの存在を番組ごと乗っ取ってしまうが、自分が誕生するより前の歴史まで遡及して乗っ取る事は出来ない。
例え「番組をその時点で打ち切りにする」事は出来たとしても、「放送されなかった歴史にする」のは無理な事なのである。
論理的に言えば「ライダーの存在を乗っ取った怪人」である都合上、アナザーウォッチを作るには元のライダーの力が不可欠=その時点でまだ存在しないライダーのアナザーライダーを生み出すことはできない。どこまでも仮面ライダーの歴史ありきの怪人なのである(だからこそ、タイムマジーンで過去に行けば「力を奪われる前のレジェンド」に出会う事が出来る)。
正しく「過去の意志は嘘では欺けない」と言えよう。
アナザーライダー誕生段階でのオリジナルのライダー
状況 | 該当ライダー |
---|---|
変身できるが、維持が困難 | ビルド、エグゼイド |
変身解除され、変身アイテムは残存 | ファイズ、ディエンド |
変身解除され、変身アイテムは消失 | フォーゼ、ウィザード、鎧武、ゴースト、シノビ |
変身解除され、変身アイテムは詳細不明 | オーズ、ディケイド |
変身アイテムを維持している | クウガ |
影響を受けていない | 電王、クイズ |
そもそも力を奪われていない | ジオウ、ブレイド、アギト、響鬼、カブト |
現代に存在していない | リュウガ、キカイ、龍騎 |
詳細不明 | ダブル、キバ、ドライブ、1号 |
ルールその物が存在していない? | ゼロワン |
この内『クイズ』、『リュウガ』、『ブレイド』、『アギト』は力を奪われアナザーライダーが倒された後も、ライダーであった時の記憶を保持している事が確認出来る。『ゴースト』も明確では無いがその可能性がある。『響鬼』や『カブト』、『電王』、『キバ』も怪人の存在や関係者の記憶が失われていないから力を奪われておらず、継承による歴史改変も起こっていない模様である。
結果的に「アナザーライダーに対応するオリジナルのライダーの変身者の変身能力が無くなった以外は、アナザーライダー発生前と変わらない」となっている。
この事から「アナザーウォッチ生成時の『力を奪われた』状態と、アナザーライダー誕生による過去改変で『存在が奪われた』状態は厳密に言えば別物である。」と見る意見も挙げられる。
※以下は特殊な例についての注釈及びアナザーライダー誕生による影響。
- ビルド・エグゼイド、オーズについては
製作陣の白倉チーフプロデューサー(以下、白倉TP)が「分かりやすさより画として面白い方を優先した『グレー』なゾーン」、「アナザーライダーを倒すと、歴史が急に元に戻ったりするが、そこに少々オーバーラップの期間が生じる為、アナザービルドと『ビルド』が戦うビジュアルが実現する。」と語っており、番組開始直後故の演出だった模様。
また、アナザービルドが出現した際も交戦するまでは普通に『万丈龍我』が『スマッシュ』の事を話し『クローズ』に変身、『桐生戦兎』も『ビルド』へ変身が出来たがアナザービルドと交戦中に変身維持が困難になり最終的に変身解除されてしまう。
『エグゼイド』の場合、アナザーエグゼイドが誕生した際に『宝生永夢』の体バグが発生した様な演出がなされ『バグスター』の存在共々歴史が抹消されてしまうが、お決まりのセリフは健在していた。
『オーズ』も含めると基本的には変身アイテムも力を失っていると思われる。また『ネコヤミー』との交戦の真っ只中だったのだが、アナザーオーズの誕生で強制的に変身解除がされてしまう。この事から『グリード』の封印が解かれていない歴史となった。
その際に腰の部分が映っていなかった為に変身アイテム類がどうなったかは不明。
そして『火野映司』と『泉比奈』の出会いも【ジオウ】本編からとなってしまった。
- ファイズは
変身解除と共にファイズギアの戦闘機能を起動するミッションメモリーのみが消失しており、『ファイズ』の存在を失い変身機能を失ったツール群となったとも考えられる。
ただ、クリムゾンスマッシュ発動時だった為に、ファイズポインター側にミッションメモリーをセットしていたのでそちら側に残存していた可能性はあるが、肝心の足が画面に映っていなかった為、不明である。ただ、『オルフェノク』は「人類の進化体」である為、【ファイズ】本編には登場しなかった個体が【ジオウ】で発生している可能性が考えられるが詳細は不明である。
- フォーゼ、ウィザード、鎧武、ゴーストにおいては
『フォーゼ』の場合、『スコーピオン・ゾディアーツ』と交戦中のすぐ側でアナザーフォーゼが誕生したのだが、その瞬間に変身の解除や『スコーピオン・ゾディアーツ』も消滅してしまう。この際『如月弦太朗』は何が起こったのか分からず狼狽える様な描写がある。またその他の『ゾディアーツ』も同様に消えてしまった可能性が考えられる。
『ウィザード』ではアナザーウィザードが誕生する場所とは別で『フェニックス』戦が行われており『ウィザード』がトドメを刺そうとした瞬間に変身が解除され『フェニックス』も消えてしまう事態が発生。その後『操真晴人』が腕を確認するが特に気にする素振りも無く何処かへ行ってしまう。他の『ファントム』も存在が無かった事になった様である。
アナザー鎧武の誕生時には『鎧武』の変身が解除されたが、『インベス』は消失していない。(その後の世界は大丈夫だったのだろうか……。)ただ、【ジオウ】で『葛葉紘汰』が生存していたので『フォーゼ』等とは違いラグで『初級インベス』が消えた可能性が不明である。
アナザーゴーストが誕生した際は『眼魔』は消滅するが、『天空寺タケル』は【ゴースト】本編同様に一度死亡し蘇生した様な事が言及されていた。
- クウガでは
元凶である『スーパータイムジャッカー』の『ティード』は『五代雄介』が力を手にする前に『先代クウガ』から力を奪っており、後に『ゲイツ』も同様に『先代クウガ』からクウガライドウォッチを生成している。(『クウガ』の変身アイテムであるアークル自体は残っている。)
だが、ライドウォッチはライダーの力の残滓を宿せるようなので、『クウガ』の力が本当に維持されていたかは不明。また『ン・ダグバ・ゼバ』の封印が解かれた様な場面(【ジオウ】EP31の新聞上にて)があるが、これによって他の『グロンギ』も復活していたのかは不明である。(その後の言及無し。)
- シノビ、クイズは
『シノビ』の場合、本来の登場するはずだった2022年では無く2019年に『神蔵蓮太郎』がアナザーシノビになってしまう事態が発生する。ただ敵組織『闇の忍者軍団・虹蛇』の存在も消えているかは謎である。
『クイズ』は未来からやってきたライダーの為、アナザークイズの存在が逆に『クイズ』の存在を保証する結果となった。その後、『堂安主水』は難無く変身もして戦いに参加している。(詳細はアナザークイズを参照)
- ジオウは
オリジナルとの共存の理由を「まだ歴史にはなっていない現在進行系のライダーだから。」と推測されており、白倉TPによると「クイズの時とは微妙にロジックが異なる」模様。
更に言えばアナザーライダー自体が『ジオウ』の敵キャラな為、メタ的な話で「ジオウを消してしまえばアナザーライダーが存在する事が出来ない=ライダーの歴史を奪う物語が無くなる」可能性が考えられる。
現行ライダー(2019年時点)である『ゼロワン』は歴史が書き変わっている為、この説により一層の信憑性を持つ。
- ブレイド、アギト、響鬼、カブトは
傾向が異なり、オリジナルとアナザーが共存している。アナザーブレイドは『ブレイド』の存在を利用する、アナザーアギトはアギトライドウォッチを奪う為に生み出されており、公式ではこの共存を「新たなパラドックスが発生している」為としている。
また、アナザー響鬼、アナザーカブトも響鬼ライドウォッチ、カブトライドウォッチを確保する為に生み出されており、直接的な描写は無かったが別の関連人物達がオリジナルのライダーに変身した為に少なくとも、ライダーの力はアナザーライダーと共存している模様ではある。
『アンデッド』や『アンノウン』、『魔化魍』、『ワーム』は存在が消えておらず言及や直接登場を果たしている。
- リュウガは
「既にその存在が現代では失われており、力を奪う対象が存在していない。」
アナザーリュウガには『リュウガ』同様に『鏡像の城戸真司』がそのまま変身しており、記憶を失っている様子も見られない。また、彼自身がミラーワールドの存在だからか、もしくはミラーワールドと物語に直接的な関係が無いのか、ミラーワールド自体は消失していない。
また、イレギュラーな形ではあるが『鏡像の城戸真司』は『ミラーモンスター』でもある為に他の『ミラーモンスター』も存在している可能性が考えられるが不明である。
- キカイは
オリジナルのライダーが遥か未来に存在しており、『タイムジャッカー』が一切関与していないにもかかわらず、突如現代にアナザーキカイが発生した。(詳細は『真紀那レント』を参照)
- 龍騎も
『リュウガ』同様その存在が現代では失われていたが、アナザー龍騎の誕生後にオリジナルの『龍騎』も復活した。(詳細はアナザー龍騎を参照)
ただ『ミラーワールド』は【龍騎】の歴史が無くなっても存在はしていた様で、アナザー龍騎が誕生する前から『ミラーモンスター』がいたと思われるが詳細は不明である。
- ダブル、キバ、ドライブ、1号は
オリジナルの変身者の描写が無い為に詳細は不明である。
しかし、ダブルライドウォッチやキバライドウォッチ、ドライブライドウォッチは、周辺人物達に託されている。
また、『ドーパント』や『ロイミュード』が存在したのか消滅しているのかも不明だが、『ファンガイア』は存在していた様であり『アームズモンスター』がアナザーキバの取り巻きとして登場していた。
1号に関しては、アナザー1号が唐突な形で登場したので歴史が奪われているかは不明である。
- 電王、ディケイドは
『電王』の場合、「特異点」だった為に歴史改変の影響を受けておらず、『モールイマジン』や『フータロス』が普通に活動していた。
『ディケイド』は難無く変身が出来ており、アナザーライダー軍団や『ジオウ』一行と交戦していた事がある。が、アナザー軍団を相手にしていた時に『ディエンド』の横槍を受けて『スウォルツ』に『ディケイド』の力を奪われてしまう事態となったが、『門矢士』の記憶自体は残存していた。
- ゼロワンは
アナザーゼロワン誕生後の行動により歴史が書き換えられたものの、とある理由から『ゼロワン』への変身や記憶には影響が無かった。但し、本編に於ける『ビルド』や『エグゼイド』の様に力が発揮出来ない描写が見られた。
第2のルール:「アナザーライダーは同じライダーの力でしか倒せない」
ソウゴ「効いてる……同じライダーの力じゃないと倒せないんだ!」
「アナザーライダーを倒す」には以下の2段階の手段がある。
- アナザーライダーの変身を解除させる →(一時的な撃破)
- アナザーウォッチを砕く →(完全撃破)
仮面ライダーと同様に、必殺技等で大きなダメージを与える事でアナザーライダーを変身解除させる事は可能だが、タイムジャッカーがアナザーウォッチを再起動して第三者の体に埋め込み直すと、アナザーライダーは何度でも復活してしまう。
アナザーライダーを完全に倒す為にはアナザーウォッチを砕く必要があり、これには基本的にそのアナザーライダーと同じライダーの力が必要になる。
その意味では本体(核)はアナザーウォッチの方とも言えよう。
但し、本来のライダーとアナザーライダーが両立出来ている場合は、本来のライダーが倒しても完全撃破が出来る。
一方、アナザーウォッチが存在しない傀儡としてのアナザーライダーや増殖個体は対応したライダーの力を使わずとも撃破が出来る。
但し、同じライダーの力を使っても、アナザーライダーの完全撃破に失敗するの事例もある。
これは『ジオウⅡ』等の「アナザーライダーを撃破が出来る」能力を持つ形態でも同様の件見られ、「条件としては必要だが、必ずしも破壊が出来るとは限らない」のだろう。
上述した様に、同じライダーの力は原則として同時に存在できない為にアナザーライダーに対処するには、「ライダーの力を継承したライドウォッチの使用」が必要不可欠である。
穴としてアナザーライダーを倒してから再生するまでの僅かな時間(数十秒~長くて数分)はアナザーライダーの存在が消える為、その間だけは記憶を奪われた変身者たちがライダーとしての記憶を取り戻せる。
この間に本来のライダーの変身者達から該当ライダーの力を宿したライドウォッチを『ソウゴ』らが託され、『ジオウ』・『ゲイツ』がアーマータイムを駆使してアナザーライダーを撃破するのが、序盤の基本的な流れとなっていた。
尚、公式サイトのアナザーライダーの項目には復活能力に関して「一定の条件下で撃破しない限り、何度でも復活する」と明記されているが、復活を繰り返していないアナザーリュウガとアナザージオウにはこの記述が見られない。
現在、アナザーウォッチを砕く条件は以下の通りになっている。
が該当する。
上述の通りの基本的なルールである。
『オーマの日』前後を含め、『ジオウ』一行の力を借りずに単独でアナザーライダーを完全撃破が出来たライダーは『カブト』と『電王』(劇場版)の2人のみ。
『グランドジオウ』は全ての平成(主役)ライダーの力を手に入れた為、平成ライダーを元にしたアナザーライダーについては、完全撃破が出来る模様である。
後にアナザージオウと『ジオウⅡ』は、お互いの攻撃が相互に相手へ有効である事が判明しており、厳密には「オリジナル・アナザー問わず同じライダーの力が特効」と言う可能性が高い。(アナザーとオリジナルが戦った際に決着がつかないパターンも多い。)
公式サイトの「ジオウ+ビルド、2人分のライダーの力に、アナザービルドが敵うはずもありません」との文面を考慮すると、アーマータイム、フューチャーリング形態は相手からの特効的な効果を受けずに、自分だけが相手への特効的な能力を持つ形態と言えるのかもしれない。
『ディケイド』はカメンライドによりそのライダーの力を扱えるようなセリフもあり、アナザーライダーを倒すのも可能と思われる。
- 「撃破が出来る」能力を使用する。
が該当。
『ジオウⅡ』は特殊フィールド「マゼンタリーマジェスティ」で、『ジオウトリニティ』は変身者3人の力の合力で圧倒的な破壊力を生み出す「アローインテグレーター」により、『ウォズギンガファイナリー』は太陽光から取り出した純度の高い力「ピュアパワー」により、アナザーライダーを撃破する力を得ている。
- 圧倒的な力によるゴリ押し
が該当。
エネルギーを圧縮、延伸して生みだした「超エナジー」により、アナザーライダーを撃破する程のとてつもない怪力・高速の連続攻撃を発揮が出来る能力。
今の所、『ゲイツリバイブ』単体でのライダーの力を必要とするアナザーライダーの撃破は無い。(但し、アナザーアギトの増殖個体は『フューチャーリングシノビ』も撃破しており力は不要な様子である。)
力のゴリ押しの意味では『ジオウトリニティ』・『ウォズギンガファイナリー』もこちらに該当すると思われる。
第3のルール:「オトナの事情にツッコむ奴は馬に蹴られる」
ある種の免罪符である。本編じゃないとは言え公式が言うか。
【ビルド】の物語によって変化したはずの『戦兎』の顔が、物語が消えた後も変わっていなかった原因はコレとされている。
「【ジオウ】しか見ていない人にもネタバレ無く物語を成立させるには、同じ人物の顔が突然変わったり、消えたりされると困るから」なのもあるのだが…。
尚、EP33で変身解除された際に本来なら全裸なはずの『トドロキ』に衣服が残っているのも(変身技術の開発等と考察されているが、)メタ的に言えば、おそらくコレによるものではないかと思われる。(【響鬼】本編では変身時に衣服が破れてしまう為。)
また『乾巧』の人間としての生存は遠因が怪人にあった為、改変により生存が出来たとの理由付けがされている。
派生ルール
- 【平成ジェネレーションズFOREVER】で判明した特殊ルール。
平成ライダーの歴史の起点である【クウガ】の存在が消えると、芋づる式に平成ライダーの存在が消えてしまう。
但し「歴史とは記憶である」との『ウラタロス』の言葉通り、改変の影響を受けない「特異点」の記憶があれば、『クウガ』と言った平成ライダーの歴史は維持されることになる模様である。
厄介な点
前述の第1・第2のルールとの兼ね合いから、ジクウドライバーを持つライダーが、ライドウォッチでレジェンドライダーの力を継承する以外に、アナザーライダーを倒す方法は無いのである。
しかし、「同じライダーの力は同じ時間には共存出来ない」為、アナザーライダーが倒されるとライドウォッチを除いて、そのライダーの存在は歴史から消滅してしまう。
即ち、アナザーライダーを倒してその存在を消した瞬間、未来から持ち込まれたライドウォッチに該当するライダーの力が宿されたウォッチが唯一のそのライダーの力となってしまう。
つまり、アナザーライダーが出現した時点で、ライダーが力を奪われるのは確定しており、それを託す相手がアナザーライダーか『ジオウ』達かの違いでしかない。ライドウォッチにより奪われた力を戻せる描写はあったが、ほとんどの元ライダーの変身者達は記憶を失ってしまっている。
しかし、時代が2019年になってからは、アナザーライダーが出現しても、ライドウォッチによる『ジオウ』への継承や力の強奪が行われても、そのライダー怪人が消滅、変身者やその関係者の記憶は失われていない。(云わば、オリジナルの変身者が変身能力を失ったのみである。)
先述の通りアナザーライダーは同じライダー或いは特殊な力でしか倒せない為、過去で生み出されたアナザーライダーは現代に至るまで、野放しで事件を起こし続ける事態になる。
例えば、2002年において『仮面ライダーアギト』がアナザークウガに遭遇したとしても、完全には倒せない。
また、明確な意思を持ったアナザーライダーは己の目的の為にその力を使い、自身がピンチになればその場から撤退するだけの頭脳も持ち合わせている為に生存率も上がる。
特にアナザーウィザードの変身者は変身態を隠し続けて、長らく「マジックショーの演出」と無害な形でしか能力を使っておらず、単なるマジシャンとして有名になっていた為、アナザーライダーとしての存在を認識されていなかった可能性が高い。
先述の通り、ライドウォッチの力以外で対処が出来たのは変身者が歴史改変の影響を受けず、アナザーライダーの誕生後もライダーとしての記憶と力が保持されていた『電王』くらいである。
残された謎について
新たなパラドックス
そもそも、第1のルール「同じライダーの力は同じ時間には共存が出来ない」のは、ライダーの力が1つしかない為であった。
物語序盤はオリジナルのライダーから力を奪ってアナザーウォッチが生成され、アナザーライダーが生まれていた。故にオリジナルとアナザーライダーは共存が出来なかった。
だがアナザージオウの登場以降、エピソードが始まった時点で既に『タイムジャッカー』がアナザーウォッチを手にしており、オリジナルとアナザーライダーが共存する事例が発生している。
公式サイトでは「新たなパラドックスが発生している為」とされており、様々な考察がなされている。
- 1.原典世界とジオウの世界が融合した説
『カブト』編辺りから考察が多くなった説。
今までは『ジオウ』世界での出来事だったが新たなパラドックスが発生してからは、「『ジオウ』世界のライダー達の力がアナザーライダーが誕生した事で、『ジオウ』世界と融合してしまい原典世界のライダーの力をオリジナルライダーがそれぞれ有する状況になっている説」である。
つまり、『ジオウ』世界側にいるキャラAと原点世界側にいるキャラAが融合している。
【カブト】編における渋谷隕石の有無に関する齟齬(『ジオウ』側では渋谷隕石等の歴史に存在しないが、【カブト】側からやってきた加賀美新らはその存在を認知している。)についても「『ジオウ』側から見ればアナザーライダーの影響で歴史改変されているが、原典世界と融合した影響でレジェンドの記憶は残っている」とすれば辻褄が合う。
しかし、EP48での『士』の発言(要約すると「元々の【クウガ~ビルド】のライダーはそれぞれの時間軸に別々にいたが、『ソウゴ』の影響で全ての時空(世界)が融合してしまった」)により若干この説得力が弱くなってしまっている。
- 2. リ・イマジネーションライダー世界から奪ってきた説
別世界のリマジライダーズから力を奪い、それを『ジオウ』世界に持ち込んだとする説。
しかしこの場合、「時間を縦軸」とするならば「世界線と言う横軸」(つまり、パラレルワールド)の移動を可能とする事は『ジオウ』勢には不可能であり、どの様に移動するのかと言う疑問点が残ってしまう。
- 3.アナザージオウ発生の影響説
アナザージオウの登場により「『ジオウ』が平成ライダーの力を継承し、『オーマジオウ』に至る未来」と、「アナザージオウがアナザーライダーの力を集め(アナザー)オーマジオウに至る未来」の結果こそ同じでも過程が大きく異なる時間軸(が生まれる可能性)が同じ世界に出来てしまった為、イレギュラーが発生した説である。
【ジオウ】本編に出てきた『レジェンドライダー』は殆どが基本形態または派生形態であり、中間形態や最終形態があまり出てこなかったのも、両方の時間軸を維持する為に『レジェンドライダー』の力を別けているとすれば辻褄が合う。
しかし、アナザーウォッチが残っていようがアナザーライダーを撃破すれば、一時的ではあるがライダーの歴史は元に戻るハズであり、アナザージオウだけ不完全ながら、撃破後も歴史に影響を与えているのか謎である。
これについては上述した「アナザーライダーが現れるより前の歴史は乗っ取れず無かった事には出来ない」という制約を踏まえると、該当するアナザーライダーが誕生したのが2019年である事が理由と考えられる。
(メタ的な話)アナザーライダーは誕生した時点でオリジナルのライダーの存在を乗っ取り、そのライダーが主役となる番組を打ち切りにしてしまうが、2019年の段階で放送されているのは【仮面ライダージオウ】であり、他の平成ライダーの番組はとっくに放送が終わっている。
つまり、『ブレイド』以降の2019年製アナザーライダーがオリジナルと共存しているのは、
- 現れた時点で、オリジナルのライダーの番組が終わっている。
- アナザーは過去へ遡及して歴史を乗っ取る事は出来ないので、結果としてオリジナルの歴史はアナザーライダーの影響を受けない。
- 乗っ取り先の無いアナザーライダーは「オリジナルに成り代わったアナザーライダー」では無く「オリジナルを模倣したアナザーライダー」になる。
- これにより、アナザーライダー自身が「2019年の仮面ライダー(のような存在)」になり、「2019」の数字が刻まれる。(再生アナザーライダーと同じ理屈。)
- 当然オリジナルは力も記憶も残り、ライドウォッチをジオウに譲渡しても歴史が消える事は無い。
- 但し、ジオウ世界はアナザーライダーの介入によって歴史がキャンセルされる事で次のライダーが出現する為、2019年製の個体が作られるとそのライダーの歴史が「キャンセルされなかった事」が確定し、ソウゴ達のいる現在にレジェンドライダー達が現れる(アナザーライダーが出現するまで、そのレジェンドライダー達がどうなったのかは不明で、出現した瞬間に歴史を乗っ取られた、または乗っ取られなかったと言う結果が確定する。)
- 加えて番組は、あくまで【仮面ライダージオウ】なのでその舞台設定が優先され、【カブト】の渋谷隕石等、レジェンドライダーそれぞれの背景設定はそのレジェンドライダー達の周辺および彼らの記憶にしか存在しなくなる。)
- この結果【ジオウ】の舞台に、【剣】、【響鬼】、【カブト】、【キバ】、【電王】等の歴史がリセットされる事は無く併走している事が確定する。
と言うロジックが働いているからだと考えられる。
「時空の歪み」の原因は、推測だが『ソウゴ』の持つ「時空を操る力」の肥大化に加えて、これらによる歴史の矛盾が原因と見られる。
尚、【ディケイド】については独自のロジックが働いており、
- 【ディケイド】の物語は【仮面ライダーディケイド】本編では無く「本編終了後に士が歩んでいる旅路そのもの」と言う明確な定義がある。
- 例え、アナザーディケイドが出現しても「アナザーライダーの制約である現れるより過去の歴史は乗っ取れない」に引っかかり、士の過去の旅路は否定される事は無い。
- これに加えて、アナザーライダーが乗っ取るべき「ここから先の歴史」は士が現在進行形で作っている=まだ歴史になっていない為、乗っ取り様がない。
- 更に言えば、スウォルツが力を奪ったのは「ジオウのサブライダーとしての『ディケイド』」=『ネオディケイド』の方であり、「レジェンドライダーとしてのディケイド」はそもそもジオウの世界に現れていない。(同時に、ソウゴもまた「レジェンドとしてのディケイド」の力を継承していない)
と言う事になる。非常にややこしい話ではあるが…。
また、『クウガ』については【FOREVER】においてティードが暗躍した結果、『五代雄介』がアークルを入手する前にアナザークウガが出現した事で歴史自体が抹消されてしまったが、アナザーライダーの制約により、『先代クウガ』である『古代の戦士』の存在は消せていない。(『リクと表記しないのは、HEROSAGAとTV本編の設定で、それぞれ別人である可能性がある為。)
ゲイツが古代の戦士のアークルから、直接クウガライドウォッチを生成が出来た=ブランクウォッチに『クウガ』の力を継承が出来たのはこの為である。
(番組としての【クウガ】は放送自体がされなかった歴史になってしまったが、本来はその前日譚である【先代クウガ】の歴史が残った為。)
- 4.そもそも敵は歴史から消えてないため説
アナザーライダー誕生時、戦闘中のライダーとともに敵も消えているため、一見すると、歴史のその前後の時点からライダーも敵も消えたように見える。
- 例として、アナザーフォーゼが誕生すると、フォーゼの変身がとけ如月弦太朗が現れるとともに、戦闘中のスコーピオン・ゾディアーツも消えてしまっている。
この描写から、歴史からライダーも敵も消えたように見えるが、考えてみてほしい…
その少し前から…(アナザーライダーの誕生年が、そのライダーの物語放送開始年であれば、おそらくライダーになった第1話時点から…)その存在が消えたのであれば、本来ライダーだった者とはいえ、敵と戦っているとは限らないことになる。
- 先のアナザーフォーゼに話を戻すが、弦太朗は目の前で生徒が怪人に襲われていれば戦うかもしれないが、スコーピオン・ゾディアーツからすれば戦う理由が無い存在になってしまうのである。
- あのアナザーフォーゼ誕生の描写からわかるのは、アナザーフォーゼが誕生した歴史では、あくまでフォーゼの力が消えた事実と、あの時点のあの場所にスコーピオン・ゾディアーツはいなかった事実のみである。
まあ、一部公式サイトや公式本では敵も歴史から消滅したことが公式的になっているのだが…
仮に敵まで消えていなかった場合、
一部の…いや、多くの仮面ライダーの力は、敵の力と表裏一体…
- ファイズやブレイドなど一部の敵の目的のためには必要な存在もいれば
- ビルドなど敵サイドに所属する主人公とは別個体の存在もいれば
- カブト・電王・キバなど、敵サイドに同質の力を持つ存在もいる
つまり、敵サイドさえ消えてなければ、(敵由来の力でなくても)再現可能であり、
テレビシリーズの主人公がそのライダーに変身する歴史(その作品の歴史)が消えただけで、ライダーは作り出されていたなんて可能性すらも見えてくる。
バタフライ効果
アナザーライダーが誕生すると「その仮面ライダーの歴史」(=メタい話視聴者がみた【平成ライダー】)が消えるのだが、その物語の黒幕自体は消えない事になる。
特に【ジオウ】の序盤に登場したレジェンドライダー達は歴史改変の影響を受けてライダーや怪人達が消滅はしているが「物語が消えた」だけで、「物語の開始が延期した」だけの可能性が考えられる。例として、2013年に【ウィザード】の物語が開始したが、2018年や2019年に【ウィザード】の物語が開始する事もあり得た話なのである。
事実、【ジオウ】では(パラレル軸では無いか?と囁かれているが)【龍騎】の『ライダーバトル』が再開されており、この事を踏まえると新たな『オルフェノク』が復活、新たな形で『バグスター』が誕生する可能性もあった為、視聴者が見た物語とは別の【仮面ライダー555】や【仮面ライダーエグゼイド】もあったのかもしれないが、詳細は不明である。
具体的な例では、前述のアナザーライダーが仮面ライダーと捉える事が出来るのならば、【仮面ライダーシノビ】の主人公・神蔵蓮太郎が2022年に登場し仮面ライダーシノビとなるはずが、2019年にアナザーシノビとして登場しておりこの時点で新たな【仮面ライダーシノビ】と言う物語が誕生しているのである。
余談
- 所謂、「今週の怪人」枠であるが、公式サイトではアナザーライダーについて「怪人」と表記している個所と「仮面ライダー」と表記している個所の両方が存在する。
- 「怪人」且つ「仮面ライダー」なのだろう。今までに歴代のライダーをモチーフに採用しているライダー怪人は多かったが、歴代仮面ライダーそのものを怪人として、解釈したライダー怪人は今までに前例が無い。
- 仮面ライダーは「敵勢力と同じ力を使い正義や人類、戦えない者の為に戦う=クロス・オブ・ファイア」を背負う存在だが、彼ら(アナザーライダー)は「仮面ライダーの力を使い悪事を為す」存在であり、そう言う意味でも反転している存在と言える。
- 【仮面ライダー龍騎】の初期構想では、毎話で所謂「怪人」の代わりに違う仮面ライダーが登場して、主人公の龍騎達に戦いを挑む話だったが、多くの仮面ライダーを出すと「仮面ライダーの価値」が薄くなり過ぎると判断されてしまいその構想が却下された逸話がある。
- その為、今回のアナザーライダーはある意味、その企画に対するリベンジだとも取れる。
- 更にアナザーライダーが出現するとレジェンドライダーだけで無く原典作品の怪人も消え、人間の怪人化や怪人による殺害等が起こらなくなる為、特に犠牲者の多かった【クウガ】、【555】、【ウィザード】、【鎧武/ガイム】、【ビルド】等については「結果的に多くの人命が助かっているのでは?」との意見も挙げられる。
- アナザーライダーはある意味、ヒーロー番組としてのフィルターを通さない仮面ライダーの姿であるともいえる。
立体化
に惹かれたファンが多く、ゲスト怪人としては珍しく大きな人気を博した為か、食玩の「装動」で立体化されている。
実際、アナザーライダー自体の立体化の要望はかなり多かったらしい。
だが、造形自体は素晴らしいものではあったが各アナザーライダーの配色が全塗装では無く、シールで済ませてしまっている事を不満に思う購入者が多い。
この様な事になった理由は、唯でさえ有機的なデザインなのに、それに対してシールを貼ると複雑で凹凸が多いデザインが起因し、貼ってもそのうち剥がれてしまう事が多いからである。(一応、トップコートを何重に塗ると言う対策がある)
その為、「高額でも良いからプレバンで全塗装で売って欲しい」との声も挙がっている。
上述したデザインの関係上生産コスト及び技術的な問題により、塗装とシールでも対応が出来ない部分の配色もある為、腕に自身のある方は公式の資料や映像を元に自身で塗装をしてみるのも手だろう。
ラインナップは以下の通り。
ANOTHER1 | アナザービルド・アナザーエグゼイド・アナザーファイズ・アナザー鎧武 |
ANOTHER2 | アナザーフォーゼ・アナザーオーズ・アナザーダブル・アナザー電王 |
RIDE11 | アナザージオウ |
AI10 | アナザーゼロワン・アナザーディケイド |
因みに、アナザージオウを発売して1年以上経過しているが、それ以降のアナザーライダーの立体化及び発売の目処は立っていなかった。
一応、アナザーライダーをキッカケに、他作品の怪人等の非ライダーキャラの立体化が装動で現在でも励んでいるのだが……(尚、別ブランドの「掌動」ではガラガランダやドラス、一つ目タイタン等がラインナップされている)。
但し、上記の通り登場順から見るとかなりすっ飛ばしているものの、ゼロワンAI10弾でアナザーゼロワン、アナザーディケイドがラインナップ化し、更にSHODO規格にてサブライダー及びダークライダー、主要怪人をメインにしたSHODO OUTSIDERが発売されている事もあり、可能性はまだ残っている……かに思われた。
アナザーゼロワンの立体化の発表から程なくして、「バンダイキャンディスタッフblog」にて、アナザーディケイドを持って「ジオウ補完計画」=アナザーライダーの立体化の終了が告知されてしまったのだった……。
まぁ、装動……どころかS.H.Figuartsでないと、到底不可能な個体が存在するので、仕方ないのも事実だが……(ブレイキングマンモスやタイムマジーンのような巨大ロボも、通常の装動よりも大きめに商品化されてはいるが、前述したアナザークウガ以外のアナザーライダーはあまりにもデカ過ぎるので、それは不可能だろうと思われる)。
尚、本編でアナザークウガが銅像として登場した際には、他のアナザーライダー達と同様に通常の怪人並みに小さくなっていたので、やろうと思えば立体化は可能だと思われる。無論ブンドドする際のバトルの完全再現は不可能ではあるが(仮に一般の装動規格で立体化したとしても、既出のSHODO OUTSIDERで発売されたゲルショッカー首領のように、可動域0のフィギュアになる可能性が高いと思われる)。
但し、バンダイキャンディの商品購入で行えるネットアンケートでは、商品化希望枠でアナザーライダーがまだ残っている為、可能性は未だに残っている。
…時代は令和、もはや立体化も厳しいと思われていたが、10月9日、止まった針が動き出す。
なんと、装動にて宿題投票と銘じて未立体化キャラの商品化キャンペーンが始動。そのラインナップの中には商品化されていなかったアナザーライダーたち(しかも、おおよそ難しいと思われていたアナザークウガやアナザー1号といったものも)が入っていた。しかし、投票で選ばれた上位のキャラが商品化される上、アナザーライダー以外にも数多のライダーや怪人がラインナップされているため、必ずしもアナザーライダーのどれかが商品化されるとは限らない。
その為、どれかひとつでも欲しいと思った人は、是非投票してみてはいかがだろうか?(10月23日〆で、それまでならば一日一回投票が可能である。)
https://www.bandai.co.jp/candy/sodorider/vote/
関連イラスト
関連タグ
アナザーウォッチ:アナザーライダーの変身アイテム。
ライドウォッチ:上記の対を成すアイテム。
ノーライダー:アナザーライダーのプロトタイプと言える怪人。
ショッカーライダー:敵組織で誕生した本家ライダーと同等の姿や力を有する者。
鏡像の常磐ソウゴ、仮面ライダージオウ(ミラーワールドバージョン):常磐ソウゴのアナザーと言える存在。
ライダーワルド、ハッタリ闇、ギーツキラー:いずれもアナザーライダーではないが仮面ライダーを歪めた敵達。余談ではあるが、ギーツキラーは公式にアナザーギーツと呼ばれたことがあった。
二次創作関連
オリジナルアナザーライダー、アナザーヒーロー、アナザープリキュア:二次創作タグ。