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新人類

しんじんるい

1980年代のサブカルチャーを主導した、概ね1960年代前半生まれの世代。1950年代後半のしらけ世代後期、1960年代後期のバブル世代も含むことがある。
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新人類(世代)編集

新人類とはもともとクロマニヨン人に代表される現代型ホモ・サピエンスを意味する言葉だったが、ここでは1980年代若者文化を担った世代の人々について解説する。


命名者は栗本慎一郎。1986年(第3回)流行語大賞の受賞語である。


世代的にはしらけ世代の後にあたるが、しらけ世代の幼少期はまだ高度経済成長期に差し掛かったところで、戦前以来の貧しい時代の価値観が残っていたのに対し、新人類は豊かさが当たり前になった時代に育ち、それまでの世代とは価値観が大きく異なっていた。


世代的特徴として、しらけ世代にもみられたノンポリ・個人主義が一層深化し、社会参加を拒否する傾向(社会的無気力)があるとされた。先行世代の学生運動の失敗に由来する上記の「個人主義」「社会的無気力」の風潮から、若者は非政治的存在と見なされ、シリアスな問題に目を向けることが嫌われていた。


したがって、この世代はシリアスな政治性を拒絶し、底抜けに明るい消費社会文化の全盛期を体験することができた。1970年代〜80年代のマーケティングでは「マス(大衆)からスモールマス(個衆)の時代」が叫ばれていたが、新人類はまさに「みんな同じ」ことより「(他人の言葉など耳を貸さずに)好きを極める」事に対して最大の価値を置いた世代である。西武百貨店をはじめとするセゾングループが最も輝いていた時代に青春期を送った。


また、原宿系ファッションアキバ系オタクのそれぞれ大元である竹の子族おたく族もこの世代のものである。1980年代前半は社会にコンピュータが浸透しはじめ、VTRや、FAXパソコン通信などの「ニューメディア」、コンピュータゲームの登場や、音楽でもテクノポップ流行など、新しい時代の到来を感じさせる時期だった。


ただしオタク(当時の表現では「おたく」)に関して言えば、1989年の某事件後と比べれば軽いものの、イメージは微妙だった。当時は、「明るさ・軽さ・外向性」が過度に尊重され、インドアな趣味は「ネクラ」として差別される風潮があった。この傾向は「オタク」趣味が一般化するポスト団塊ジュニアゆとり世代まで続いた。


もちろん消費文化に馴染めない人も多数おり、学生運動の代替的に勃興した新興宗教自己啓発セミナーといったカルトにハマって、身を持ち崩す若者も少なくなかった。オウム真理教に加担した教団幹部の中核もこの世代であった。新人類世代の思い描いた高度消費文化の未来はバブル崩壊を経て暗転していき、1995年のオウム事件はその象徴的な事件であった。


子世代は概ね昭和60年代から平成前期にかけて生まれた「ゆとり世代」だが、親子の葛藤は少ないと言われている。新人類はすでに高度経済成長後の「豊かな時代」に育っており、子世代との価値観の断絶が比較的少ないためである。


関連人物編集

創作の新人類編集

  • イナズマン:石ノ森章太郎による特撮・漫画作品。超能力者を新人類と呼び、「新人類帝国」を名乗る敵組織が登場する。尚、本作は70年代初頭の作品であるため、新人類世代そのものは既に生まれていたが、彼等がそう名付けられるのは本作の十数年以上後である。
  • コーディネイター(機動戦士ガンダムSEEDおよびその続編):遺伝子の組み換えにより、生み出された人類。逆に遺伝子操作をせずに産まれた人類(現実世界のような)をナチュラルと呼ぶ。コーディネイターはナチュラルよりも身体能力や頭脳全てにおいて上回っているが、それに伴いナチュラルを軽蔑や人種差別をする。そのことが引き金となり、物語の根幹を成す関係性となっている。尚、本作の監督などをはじめとするメインスタッフは新人類世代が中心である。本作が(上記のような設定や背景があるにはあるが)それまでのシリーズに比べ、あまり政治性などのリアリズムやメッセージ性に物語としての重きをおかず、キャラクターの掛け合い等の娯楽性に徹する傾向が強いのも世代の反映とも見做せる。



関連世代編集

しらけ世代:前世代 バブル世代:後世代

ゆとり世代:子世代


同名の楽曲編集

まらしぃじん(自然の敵P)堀江晶太が共同製作した鏡音リンオリジナル曲


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