概要
団塊の世代(1947年〜1949年生まれ)の後に続く数年間の間に生まれた世代。主に1950年代生まれを指す。別名としては「ポスト団塊の世代」のほか、「断層の世代」がある。
学生運動の迎えた顛末(特に赤軍派や革共同などが起こした各種テロ・内ゲバ事件)を反面教師として、団塊の世代に比べて政治的無関心(あるいは政治や社会行動に対する恐怖と不信。下手をすると嫌政感に至っている人もいる)の気風と個人主義の雰囲気が強く「しらけた」を連発していたことに由来する。
成長過程
この世代の幼少期(昭和30年代)は、テレビ(白黒テレビ)放送の普及と重なっている。1953年のテレビ本放送開始後しばらくは、『ヒッチコック劇場』『奥さまは魔女』に代表されるアメリカ製テレビドラマや『スーパーマン』などのアメリカ製特撮ヒーロー、『ポパイ』や『恐妻天国』といったアメリカ製アニメが盛んに輸入され、人気を博した。その中にあって、1958年には和製特撮ヒーローの元祖『月光仮面』が放送開始、1963年にはテレビアニメ第1作となる『鉄腕アトム(テレビアニメ第一期)』(当時はテレビまんがと呼ばれていた)が放送開始された。そのため、ある意味では「初めてテレビ特撮・テレビアニメに触れた、日本の子ども世代」とも言える。「横山光輝世代」(鉄人サリーちゃん世代)「藤子不二雄世代」(怪ハッパー世代)「赤塚不二夫世代」(おそ松ア太郎世代)、「円谷ヒーロー世代」(ウルトラQ世代)の「第1期」(あるいは「草分け」)とも言える。
この世代の青春期である昭和40年代は、「第1次SFブーム(怪獣ブーム・変身/怪人ブームなど)」の時代であり、「四畳半フォーク」の最盛期。昭和50年代に成人を迎えたこの世代の後期は「おたく第一世代」に重なる。
一方で、1973年に起こったオイルショックにより高度経済成長期が終わりを告げ、1974年の日本は戦後初のマイナス成長へと転じている。そのため就職戦線は(高度成長期の基準において)困難なものとなった(のちの就職氷河期からは比べようもないくらいに軽いものだが)。
もっとも、オイルショックの混乱は短期で終わり、早くも1975年にはプラス成長を回復して安定成長期に移行した事から、第2新卒として、なんとかリカバリーを果たした者が多かった。こうしたこともあってか、しらけ世代は前後の世代と比べると全体的に堅実・慎重で冒険を好まない傾向があるとされる。もっとも、オイルショック後はバブル期まで一部業界(炭鉱、製鉄、造船など)を除いて日本の景気は基本的に右肩上がりであり好消費世代と呼ばれるようにローンを組んででも自動車などの耐久消費財や、服飾、マイホーム購入、海外旅行といった散財に積極的な傾向もあったことから、旺盛な消費で日本経済を下支えした。
しらけ世代の子供世代
しらけ世代の子どもは氷河期世代からキレる17歳世代に相当する。
この子どもたちが1990年代に陥った苦境に対しては、上述したオイルショックの経験が仇となった。自分達が、なまじっか「不況があっても長続きしない」を経験していただけに、バブル崩壊後の不況も「数年待てばなんとかなる、若者は頑張れ」と考えてしまったのである。気付いた時には「失われた10年」(のち20年、30年とも言われるようになった)と言われるほどの長期不況となり、取り返しのつかない事態を招いた。
関連項目
団塊の世代:前世代
新人類:次世代
Z世代(ジェネレーションZ)/α世代:孫世代