世代区分のひとつ。日本において団塊ジュニアの直後に生まれた世代。
概説
概ね1975年4月2日(昭和50年)から1982年4月1日(昭和57年)までに生まれた世代を指す。
いわゆる東西冷戦の中弛みの時期に生まれたため、各世代が培ってきた文化が国内で変容し花開いた時期に少年期から青春期を過ごした世代。
平成不況(失われた10年/20年/30年)と就職氷河期と自殺者数が最悪の水準を迎えた頃に世に出ざるをえなかった世代でもある。いわば「ロスジェネ・オブ・ロスジェネ」(最悪のロスジェネ)とも言える世代。
子ども世代はジェネレーションZ(日本Z世代)にあたる。
親世代は1940年代〜1950年代生まれの焼け後世代、団塊の世代〜しらけ世代が中心である。
ポスト団塊ジュニアの名は「ポスト団塊世代(しらけ世代)のジュニア世代」という意味と「団塊ジュニア世代のポスト世代」という2つの意味を持つダブルミーニングの呼称である。また、団塊ジュニア世代と同じく平成不況の苦境の果てに自らのみが生きるに手一杯となり結婚や子づくりを諦めるに至る人を量産させた少子化の先導世代でもある。
文化的には後述の理由から前世代とは断絶があり、1970年代前半生まれの団塊ジュニア世代はバブル世代の延長線に近い。なので団塊ジュニアとは氷河期世代として一緒くたにされ易くはあるものの、その特徴は大きく異なっており、纏めて扱ってしまうと確実に対応を誤るので注意を要する。
オタク界隈において1980年前後生まれはおたく第3世代と定義される。
また、学校学習の履歴や就職動態においては、1977年(昭和52年度)生まれに区切りを置く事が多い。
これは後述するように、この年度の生まれの就職戦線こそが就職氷河期最悪の水準であった事、なおかつ、この1977年生まれと1978年以降の生まれでは高校の学習指導要領が異なる(1977年生まれまで旧要領)ためである。(そのため1977年生まれは大学浪人が許されず、またそれでも浪人した者には新要領に合わせるための余計な苦労がつきまとった。当然、当時には救済措置など無い。)
1978年度生まれは学習指導要領が変わり、第二土曜日の休みを経験した世代である。それに関連して「分数のできない大学生」といった著作が1999年に出るなど、一流大学でも分数や二次方程式ができないと学力の低下が指摘された世代でもあるが、この「分数のできない大学生」という著作はその調査内容についてたびたび問題点が指摘される著作である。(参考)
若者叩きの一環として行われた偏向報道に基づく謬説と考えるのが妥当である。
各種の異名と文化
この世代はとにかく異名が多い事が挙げられる。
異名があまりにも多過ぎて、これらの異名が全て同義である(前後こそするが、おおむね同じ世代を指している)事に気付いていない人も多い。
ある意味では令和まで続く平成文化の担い手として様々な立場(とはいえ特には消費側)から中核を成した世代であり、異名が多い事は、この事に由来している。
鳥山明世代
この世代はジャンプ黄金期の後半期に位置する。
最初期に生まれた者はDr.スランプ(Dr.スランプアラレちゃん)の頃に幼児期から小学校低学年期を過ごし、ドラゴンボール(無印)の頃は小学校高学年から中学生、ドラゴンボールZの頃には高校生から大学生となった。
さらには小学生の頃にファミリーコンピュータが登場。スーパーマリオブラザーズとドラゴンクエストシリーズに最初に触れた世代でもある。
これらの(アラレちゃん、ドラゴンボール、ドラゴンクエストに触れながら育った)事からポスト団塊ジュニア世代は(第1次)鳥山明世代の異名を持つ。
コロボン世代
一方でこの世代の幼少期に『コロコロコミック』『コミックボンボン』が登場。両雑誌によって子ども雑誌の覇が競われ、世代は「コロコロ派」と「ボンボン派」に分かれる事もままあった。そのため「コロコロポンボン世代(コロボン世代)」とも呼ばれる。
また『コロコロコミック』は基幹連載として『ドラえもん』(藤子不二雄作品)を、『コミックボンボン』は基幹連載に赤塚不二夫作品と水木しげる作品を、それぞれに敷いていた。
この事が、この世代の親となるしらけ世代(モノクロ藤子赤塚世代)にダイレクトアタックする事となり、結果これらの作品は「自分も見たから安心して子どもに見せられる作品」と認識され2度目の黄金期を迎えた。これら作品は、そこから日本文化における安定した定番作品へと移行する。
これらの事から第2次(カラー)藤子赤塚世代(ドラハッパー世代、第2次おそ松ア太郎世代)とも呼ばれる。
『ゲゲゲの鬼太郎』は3期の世代にあたる。そのため3期を至上と考える者がいる一方、青春期を迎えた頃に4期が始まった事から、この双方両期の鬼太郎に思い入れを持つ者も多い。また『埋れ木悪魔くん』(最新版悪魔くん)の世代でもある。
ゲーム世代/ダンス世代
ファミリーコンピュータのヒットを範としてPCエンジンやネオジオ、メガドライブなどが登場。第1次コンシュマー戦国時代の様相を呈した。(それまでもコンシューマーゲーム機が無いこともなかったのだが一部の目端のついた好事家が買うものという認識であり、それを覆したのがファミコンだったと言える)
そして彼らが中学生・高校生の頃にはプレイステーション、セガサターン(→ドリームキャスト)、スーパーファミコン(→ニンテンドウ64)が覇を競う次世代ハード大戦(第2次コンシュマー戦国時代)が幕を開ける事となった。
携帯用ゲーム機においてもゲームボーイシリーズ、ゲームギア、ワンダースワンなど多くのゲーム機が覇を競った。
アーケードゲームにおいてはストリートファイターシリーズや鉄拳、バーチャファイターなどに興じた格ゲーブームの世代でもある。もちろんこれらの作品もどんどんコンシュマーへと取り入れられていった。
この世代が高校・大学生になるとビートマニアやダンスダンスレボリューション(DDR)などの音ゲーが隆盛を極める。これらの事からダンスミュージックに注目が集まり、のちには日本におけるパフォーマーダンス文化の萌芽へと派生した。
これらの事から(第3次)ゲーム世代、(第0期)ダンス世代の異名も持つ。
第1次ミニ四世代(四駆郎世代)/ビックリマン世代
小学生時代には親世代(しらけ世代)の経済的苦境およびファミコン(コンシューマゲーム)やゲームボーイ(携帯用ゲーム)がその座をとって替わった事から、前世代まで隆盛を極めたスーパーカーモデル(プラモデル)やラジコンやガンプラ(特にハイグレード系)が失速した。
結果、それらよりも安価なミニ四駆が第1次のブームを起こした。この事から第1次ミニ四駆世代(四駆郎世代)とも呼ばれる。
またビックリマンも流行し、これに便乗する後追いの食玩も多く登場した。
ビックリマンブームにおけるロッチ騒動の被害者となったのも、ビックリマンチョコの食べ残し問題を引き起こしたのも、この世代である。
少年サッカー(キャプ翼)世代
同じく小学生時代にJリーグが開幕。この時期の少年サッカー漫画ブーム(『キャプテン翼』『がんばれ!キッカーズ』『俺たちのフィールド』)の中核を担ったのもこの世代である。
また、アトランタオリンピック日本代表(いわゆるマイアミの奇跡)は最初期のこの世代の選手が中核であり、この世代以降、日本サッカーのレベルが急上昇していくことになる。
スラダン世代(アメカジ世代/ジーンズ世代)
高校生時代にはジャンプ黄金期も後期を迎え『幽遊白書』『SLAM DUNK』の時代に突入する。『SLAM DUNK』に端を発するバスケットボールブームからNBAにも注目が集まりアメカジやストリートカルチャーのブームに派生した。
これによってマウンテンバイク(MTB)やスケートボード(スケボー)やメッセンジャー(自転車便)や3on3などか注目され、ナイキエアマックスやジーンズ(デニム)のブームが起こる。そのためアメカジ世代・ジーンズ(デニム)世代とも呼ばれる。
このストリートカルチャーのブームは後に競技スケボーに代表されるエクストリームスポーツ(XGAMES)への注目にも派生・発展した。
ジェネレーションZ世代の一部においては「ジーンズ=おっさん」というイメージを抱く者がいるが、おおよそはこの事が原因と思われる。
野球離れ世代
上述したサッカーやバスケットボールなど、多くのスポーツに世代の注目が集まった一方、前世代まで子どもたちのスポーツの主流であった野球は相対的に人気を落としていった。
特に、この世代の幼少期は黒い霧事件の余波を引きずった上でドラフト会議の矛盾が露呈したり、あるいは一部のプロ球団による横紙破りにも等しいスカウト合戦や進学志望者への翻意のための圧力(進学希望者の希望先大学の野球部などに対して、もしも選手を進学させるなら対象大学野球部からの指名は行わない、などとした)や、逆に本来プロ野球志望の高校球児に対してドラフト指名を条件にあえて進学希望を表明させたりする(そうする事によって他球団からの指名を排除させる)などの裏取引が問題視されたりした(KKドラフト事件など)時期であり、野球業界に対して、あまりにダーティーなイメージがついてしまっていた。
その事に遅まきながら気付いたNPBは、この世代に向けて『ミラクルジャイアンツ童夢くん』を企画するなど若年層ファンの維持を画策するが、それらは結局、野球が全盛であった頃の企画の焼き直しにしかならず、どの企画も決定的な「野球離れ」の歯止めには至らなかった。(松坂大輔を中心とした松坂世代はこの世代であるが、これ自体は「まだ野球が全盛であった親世代の価値観」や「タッチ社会現象化の影響が強かった兄貴分の世代」による影響の残り香によるものである)
そして、野茂英雄の登場や『SLAM DUNK』(バスケットボール)ブームに伴うアメリカンカルチャーの流入により、この世代以降の野球の興味のメインはメジャーリーグへと移ってしまい、以降、日本のプロ野球はファン人気と世代人気の維持のため苦闘の時代を迎えた。
90年代ラノベ世代(ライト文芸世代)
また世代最初期が中学に上がる頃には、角川スニーカー文庫、富士見ファンタジア文庫、電撃文庫といった初期ラノベ三大レーベルの創刊が相次いだ。
そのため青春はラノベとともにあった世代でもあり『ロードス島戦記』(フォーセリア・サーガ)『スレイヤーズ』や『魔術士オーフェン』、またあかほりさとる作品などに代表される、初期ラノベの勃興と隆盛を支えた世代でもある。ゆえに90年代ラノベ世代(第1次ラノベ世代/ラノベ黎明世代)の異名もとる事がある。
2010年代後半からのライト文芸の勃興も、この世代の成長が大きな要因のひとつと指摘される事がある。
ただ、この時期にこのジャンルに嗜好を向けた者は文庫本に対して特別な強い思い入れを持つ者も多い。
武者ガン世代(SD世代/ガンダム空白世代)
ガンダムに関しては世代最初期がVおよびガンダム平成三部作の世代に当たる。特に幼少期においてはVの作風にドン引きにドン引いた挙句にガンダムから遠ざかっていった者も多くガンダム空白世代(正しくは宇宙世紀空白世代)の異名をとる事がある。一方でその空白を埋めるようにSDガンダム(特に武者頑駄無)が最初の隆盛を極めた。そのためガンダム界隈ではSD世代や武者ガン世代とも呼ばれる事がある。
ライダー・ウルトラ空白世代
ノリダー世代/BLACK世代
仮面ライダーシリーズでは昭和ライダーの後期にあたるが、ぶっちゃけ子ども時代にはライダーは見てなかった人が多い。
と、いうのも、この世代の幼少期は『仮面ライダースーパー1』から『仮面ライダーBLACK』の間隙(空白期間)にあたり、また「ライダーや戦隊を卒業してもいい頃」の小学生になって、ようやく「BLACK」が登場するという状態だった。(ZXは雑誌展開+ファン向け特番のため、もともとこの世代にとっては遠い存在である)
さらに、その「BLACK」すら原点回帰を掲げた暗い作風であった事から、当時のこの世代からは好評も得ていたが批判も受けるという、いわば賛否両論状態であった。
そして、そんな彼らの受け皿となるようにバラエティのコーナードラマである『仮面ノリダー』が登場し一世を風靡。本家ライダーは完全にお株を奪われる羽目に陥った。(詳細は作品の項目を参照)
そのため、仮面ライダーがらみの話題においては、この世代は本来はBLACK世代である一方でノリダー世代と呼ばれる(人によっては名乗る)事もある。
一応ネオライダーの世代でもあるのだが、それら作品は媒体が媒体ゆえに人を選んだ。
ウルトラマン空白世代
上述したガンダムおよびライダーが間隙となり、ウルトラシリーズも『ザ☆ウルトラマン』『ウルトラマン80』と大コケを起こした(ただしウルトラマンキッズで辛うじてシリーズの命綱は保った。しかしライダー同様、この世代ではウルトラシリーズにハマったのはティガから、という人も結構いたりする)ため、この世代に対しては現在に言う各種ビッグネームは総じて空白期間を演じる羽目に陥った。
運良く再放送でハマった人もいるが、ライダーやウルトラにハマったのは大人(大学生・社会人)になって平成ライダー(クウガ以降)、TDG三部作(ウルトラマンティガ以降)からだ、という人も珍しくはない。
昭和戦隊世代/メタルヒーロー世代/ふしぎヒロイン世代
この間隙を埋めるように隆盛を極めたのがスーパー戦隊シリーズ(昭和戦隊)、メタルヒーローシリーズ、東映不思議コメディーシリーズである。そのため特撮分野のファンジンではメタルヒーロー世代(メタル世代)や、ふしぎヒロイン世代と言われる事もある。
りぼん世代
少女漫画雑誌『りぼん』は80年代後半~90年代半ばに発行部数が250万部で少女漫画雑誌の歴代最高記録を達成するなど黄金期であり、『ちびまる子ちゃん』、『姫ちゃんのリボン』、『ママレード・ボーイ』はアニメ化して社会現象になっている。その他にも『ときめきトゥナイト』等、人気作品もこの時代に連載されていた。
エヴァ世代/セカイ系世代
この世代の高校・大学時代においては『新世紀エヴァンゲリオン』の放映と最初のブームが起こった。そのため第1次エヴァ世代として、あまりに濃すぎる考察の嵐を巻き起こし、同時にのちに派生していくセカイ系のムーブも支えた。ゆえにセカイ系世代とも言われる。
つながり世代/ジェネレーションX(X世代)
高校生から大学生にかけてはWindows95がリリース。それまで(PC-98やMacintoshまで)は一部の限られた層に向けたマニアツールだったパソコンが一気に普及し、民生インターネットが供与され、最初の隆盛を迎えた。また携帯電話も安価となり、この世代より学生でも携帯電話を持つ者が増えた。特に携帯電話はEメール(写メール)の登場やサイト閲覧機能も登場。また手打ち着メロが隆盛を極めた。これらの事からつながり世代の異名も取る。
さらに、こうした今までの世代には存在しなかったIT技術・デジタルツールが、社会を未知のものへと変容させていく事、それに最初に対峙していく世代であることから「未知なる世代」という意味により、英語で「未知」を表す「X」を取られ「X世代(ジェネレーションX)」とも称された。
後の世代が「Y世代」「Z世代」と呼ばれるのは、これを起点としたためである。
軽四世代(ワゴンR世代)
自動車に関しては後述する就職氷河期の影響もあり前世代までのようなデザイン性や走行性に優れたスポーツカーへの志向は鳴りを潜め、むしろ「どこでも走れる」走破性に優れたSUV(クロスオーバーSUV)や、あるいはランニングコスト(特に税負担)の軽い軽自動車、特にコンパクトな割に積載力が強い軽トールワゴンへと志向が傾く。
(一部の親世代や新人類・バブル世代が一人でスポーツカーを乗り回して家計を圧迫しながら、それを顧みる事なく悦に入る姿が「祖父母や母親や自分ら家族を蔑ろにしているように見えた」というのも大きい)
いわば自動車というアイテムに対する消費者意識が「ファッションアイテムではなくファミリーアイテムへ」と切り替わった。
この時期のワゴンRの大ヒットは、その象徴とも言える。
将棋冬の世代
この世代の棋士は上に55年組、羽生世代、下に渡辺明や1987~1990年代生まれ軍団(そしてさらに下には藤井聡太)が控えており、どういうわけかタイトルが取れない。
氷河期世代
日本文化隆盛の恩恵を受けたポスト団塊ジュニアも、就職活動期以降はバブル崩壊の残り香すら尽きた事によって一気に苦境に立たされた。
前世代にも言える事だが「(消費者として)もてはやすだけもてはやしておいて、いざ社会に出る段階になると『もうそんな時代じゃない』と見放された」わけで、この世代のほとんどは、まさに何も教えられぬまま、上げられて落とされるを地で経験する羽目になった。
特に1977年生まれが直面した2000年前後の就職戦線は日本の歴史上においても最悪の氷河と化した。
すなわちポスト団塊ジュニアの最も有名な異名こそが氷河期世代(ロストジェネレーション/棄民世代)である。→就職氷河期、氷河期世代を参照。
ロスジェネ・オブ・ロスジェネ / 最悪のロスジェネ
「ロスジェネ・オブ・ロスジェネ」の異名も伊達ではなく、いわゆる「若者の○○離れ」の端緒となった(ないしは本格化を決定づけた)世代とも言われる。(もっとも、その兆候自体は前世代から見えていた)
政治に強く裏切られた世代/お荷物世代/有害世代/日本最弱の世代
大きく花開いた(その中には仇花も多く咲いたが)消費社会の文化を享受し、世界に冠たる21世紀日本の新世代を期待された彼らであったが、1990年代にバブル崩壊。
さらにバブル崩壊・55年体制崩壊・ソ連崩壊といった連続崩壊に前後して台頭した新自由主義(ネオリベラル)・新保守主義(ネオコン)による構造改革や行政改革の皺寄せをダイレクトに喰らった結果、棄民として自己責任の名のもとにブラック企業など多くの社会苦境に摺り潰されるようになっていく。
しかし多くの政治家は、この世代に対して、保守派も改革派も右派も左派も「今の苦境は一時的なものであり、我々の手で改革をすれば、日本は復興し、この世代にもきちんと光が当たる」「何らかの悪しき勢力(抵抗勢力)が妨害しており、それを倒せば良くなる」と喧伝し票集めに奔走した。しかし結果は上述の通りとなりそれを信じた者たちが救われることは無かった。そして約束した者たちは、世代から批判の声が上がる前に高齢を理由に引退するなどして言葉の責任を取る事なく表舞台から引き下がっている。
そもそも、彼らの言うところの「悪しき勢力」とは、右派にとっては左派、左派にとっては右派、保守派にとっては改革派、改革派にとっては保守派、という事になるので、互いにそれぞれを悪者にして攻撃しているに過ぎなかった。つまり団塊ジュニアおよびポスト団塊ジュニアからの非難をかわして問題を反らすため(とても無意味な)責任の押し付け合いと互いに悪者の濡れ衣を着せるレッテル張りに終始し続け、平成大不況という未曾有の出来事を前に国民のみんなが責任を被る事を拒否して逃げた形となってしまったのである。
さらに後に表舞台から引き下がった彼らは、後の世代(ゆとり世代以降の子どもたち)に対して「せっかく自分たちがそれなりに頑張ってお膳立てしてやったのに、それを活かす事なく勝手に潰れていきやがった日本最弱の世代」呼ばわりし、それを真に受けた後の世代の子どもたちも「この国のお荷物」「まさに有害」「生まれるべき世代じゃなかった(なんで生きてるの?)」と手厳しくこんな奴らのために何かをするなんてという評価もまれに聞かれる(下手をすればポスト団塊ジュニア自身からも自虐的に「どうしてわたしたちは生まれてきてしまったのだろう」と涙ながらに発される事もある)。
さらにポスト団塊ジュニアはバブル崩壊時のトラウマから「アンチバブル」の発想を抱きやすく、それはバブルを誇りにするバブル&団塊ジュニア世代、その子ども世代であるゆとり世代、Z世代にとっては自分たちを否定するものであるため、ことさらポスト団塊ジュニアに対する拒否反応は起こりやすく対立は深まりやすい。
が、あえて言えば、その拒否反応こそがポスト団塊ジュニアを苦境に置き、様々な問題を悪化させ、各世代の首を絞めている原因である事は心得ていただきたいところである。これは、ポスト団塊ジュニア側にしても団塊、バブル、団塊ジュニアに対して拒否反応を示している以上同じ事が言える。言わばどっちもどっち、大同小異、五十歩百歩。また、これを因果応報と言うのなら「この国の歴史に身を置いた、あらゆる全ての世代に対しての因果応報となるもの」と言える。
そもそも、こうした言説自体が、前世代が自らの過ちを認めたくが無いがゆえ、また後世代が自分達の責任から逃れたいがゆえ、さらに両世代が「自分たちを絶対的な正義にして安心したい(この世代を見棄てる理由が欲しい)」がゆえに発される、悪質なヘイトスピーチの下に発されるメッセージになる事が多いので受け取りには注意が必要である。
この世代は、ある意味では政治に強く裏切られた世代ともいえ、その結果親世代の嫌政感を強く受け継ぎ、より強化された形で発現されるようになった。
逆に政治の場に留まり続けた層は急進的な方向に向かうようになり、インターネットで左右問わず過激な言説を振りまいていることが多々ある。
総じて
以上に見られるように、この世代が志向するアイテムは大量生産大量消費による技術革新により、より安価かつ長期に楽しめるものになっている一方、大量生産大量消費を実現するために安易に行われたグローバル化による産業の空洞化の被害も強く受けたといえる。
関連項目
団塊ジュニア世代:前世代
プレッシャー世代(狭間の世代):後世代。ただし定義の次第では、これもポスト団塊ジュニアに含まれる。逆に定義の次第でミレニアル世代に含まれる場合もある。
ミレニアル世代・ゆとり世代:プレッシャー世代をポスト団塊ジュニアに含めた上での後世代。
しらけ世代:親世代
氷河期世代:別名。前世代である団塊ジュニア世代を含めた呼称。
Z世代:子ども世代
キレる17歳:定義の次第によって含まれる事がある