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仮面ノリダー

かめんのりだー

1988年から1990年にかけて放映されたフジテレビ系バラエティ「とんねるずのみなさんのおかげです」のコーナー(パロディ)ドラマである。 当時の子どもたちから圧倒的人気を博したのだ。 グッド!グッダー!グッデスト!
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「やめろジョッカー!ぶっとばすぞぉ~」


ストーリー編集

仮面ノリダー・木梨猛は改造人間である。

彼を改造したジョッカーは、世界征服を狙う悪の秘密結社である。

世界平和を守るため、仮面ノリダーは戦うのだ!!


概要編集

バラエティ番組・とんねるずのみなさんのおかげです内で放送されたコーナードラマ。

その名の通り、『仮面ライダー』のパロディコントである。子供達を中心に人気を博し、当時社会現象にまでなった。ライダーへのリスペクトや小ネタが随所にあり、その高いクオリティから今なお根強い人気を誇る。

言い換えると、仮面ライダーへの憧れと金と手間と人員を惜しみなくかけた大掛かりな大人の仮面ライダーごっこである。

ライダー直撃世代のとんねるずを含め、番組スタッフも仮面ライダーを見て育った世代がやはり多かったらしい。

本家仮面ライダーにおいて現在見ればツッコミ所ある部分を誇張してコメディに昇華させた、といった方が近いか。


特撮パロディ故の困難編集

実際に特撮形式のほぼ毎週かつ大掛かりのパロディであり、現在のバラエティ製作現場の台所事情を考えても毎週のようにやるのは現在ではほぼ困難といわれている。実際に特撮番組並の費用が(しかも費用をシステマティックに管理していた元ネタ側ではなく、職人がノリと勢いで金をブッ込んでいた時代の光の国のレベルで)かかっていたらしい。


ノリダー役の木梨憲武に対して「日本一の着ぐるみ師」を自称した石橋貴明はノリダーV2の頃には既に毎週のように動きにくい着ぐるみを着て動き回るのは「重くて暑くて死にそう…」と非常に辛い状態だったという。

特撮によくある爆破シーンも至る所に仕掛けられ、本家顔負けの迫力であった。これについては、当番組のプロデューサー兼チーフディレクターであった港浩一が爆破シーン用の火薬を適当な目分量で仕掛けており、想像以上の大きな爆発が繰り返されていたことが、とんねるずの2人から後日談として暴露されている。

ノリダーV2の頃には木梨と石橋のモチベーション低下とマンネリ、スケジュールの関係もあった為、V2はノリダーに比べ短命に終わった(いわば打ち切り的オチで終了)。

仮面ライダーアマゾンのパロディである「仮面ノリダーガンジス」の制作計画もあったらしいがこちらも制作されることなくお蔵入りになった(但し、V2終了後もノリダーが生きていたことが判明したことで特別編である「恐怖ゴキブリ男」の回、真の最終回である「最後の決戦」が製作された)。


バラエティ番組におけるパロディ特撮の先駆けであったが、制作費用の関係でノリダー程の大掛かりなものは少ない。


登場人物編集

仮面ノリダー編集

仮面ノリダー

「びぃ~や~おう!」

世界平和のためにジョッカーと戦う正義のヒーロー。28歳。動物&植物大好き。血の色は緑。

戦闘員相手には「ノリダーカーニバル&フェスティバル」という全体攻撃を使い、怪人相手には必殺のキックやヘッドバットを決めるのがお約束。

ちなみに、80年代or「完結編」は「旧2号」風、90年代は「新1号」風のコスチューム。

「すーパーNORIだー ぼんよよよ~ん」

放浪の旅で修行、その成果でパワーアップした姿。金色。5万馬力!

  • ノリダージャンボ

ヒゲゴジラ細胞を使って巨大化したノリダー。ある意味1号ライダーJの先駆け。


仮面ノリダーの関係者編集

立花藤兵衛

おやっさん。歴代仮面ライダー達を支援したおやっさんと同一人物。

「最後の聖戦」では既に小林はこの世を去っていた為に遺影と過去のアーカイブで出演していた。

ちなみに、1度だけ、『ウルトラマン』のムラマツキャップもやった(但し、初回では普通にパロディをやってくれた)。

渡辺満里奈

木梨猛の恋人。喫茶アミーゴでバイトをしている女子大生で他にも孤児院である「ちびっ子ハウス」で先生をやっている。

行く先々でジョッカーやゲロジョッカーの作戦に巻き込まれる(特に初期は頻繁に攫われていた)。

  • チビ太

孤児院ちびっこハウスにいる少年、猛の親友。V2では一回のみゲスト出演した。

  • ジュンコ&モモエ

孤児院ちびっこハウスにいる双子の姉妹。カップラーメン男の回で多忙の父親がいることが明かされてる。「最後の決戦」では成長した姿で登場し、猛の経営するアミーゴのバイトをしていた。

ノリダーをサポートする小さい仮面ノリダー。ウルトラセブンのカプセル怪獣に近い。

おならじゃないのよ、おならじゃないのよ、空気が入っただけなのー。」

後述の完結編では、13歳の姿で登場するが成長しすぎてスーツのサイズが合っていなかった(ラッコ男演じる石橋から「ちょっとデカすぎねえか?」と言われ、憲武からも「サイズが合っていない」と言われてしまった。

ちなみに伊藤本人曰く、チビノリダーを演じていたころのことはあまり覚えていないらしいが顔面にバンとやられていたことは覚えていたらしく、「引っかからん」と対応して二人に成長を褒められていた。


ジョッカー編集

  • ジョッカー怪人・○○男or○○女(演:石橋貴明

ぶっとばすぞぉ~

ファンファン大佐指揮の下、世界征服を実行に移す悪の改造人間。

○○の中には改造のモチーフ名が入る(ラッコ男など)。

そのモチーフは動物・植物の有機物や無機物・果ては行事など多岐に渡る。

ファンファン大佐

ジョッカー幹部。5番アイアンを愛用している。

最終回で実は洗脳されていたことが判明し、ジョッカー壊滅後は何処かへ姿を消した。

しかし、完結編では記憶が戻ったのか、復活したラッコ男を中心に再生怪人軍団を作ろうとするがノリダーに野望を阻止され、世界征服を諦めた(その際、アイアンも放棄している)。

キングジョッカー男

ジョッカー総帥かつ、最強の恐怖○○男。続編『V2』では生き延びていたが、ノリダーも生きていた。

  • ジョッカーのみなさん(倉田プロモーションの皆さん)

いわゆる戦闘員

多彩なバリエーションで綺麗にやられてくれるが「ノリダー海」だけはやめてほしいと思っている(実際に溺れたらしい)。

実は若き日の坂本浩一監督もジョッカーのみなさんだった。


その他編集

  • アミーゴの観葉植物

木梨猛がことあるごとに水をやるもんだから凄く育った。「植物よ、でっかくなーれ!」

  • 留守番電話男(演:石橋貴明)

ジョッカー秘密訓練基地で猛の同僚で親友だった男、石橋文字隼人が改造された怪人。

戦いの後は、修理されアミーゴに置かれる。

仔馬

うま男(うま女)から生まれた仔馬。ノリダーに引き取られたのちにアミーゴで飼われる。

  • アラシ隊員 (演:毒蝮三太夫)

毒蝮三太夫 as フルハシ隊員 in ウルトラセブン

本名、アラシ・ダイスケ。台風の目男を作ったらしく、ノリダー打倒のために手を貸すがムラマツキャップとなったおやっさんの拳で目を覚ます。

あご

本物。突如ノリダーの世界に現れた明らかに世界観の異なる雰囲気の怖いアゴ、いや男。

帝都破壊を目論んでいる様子。

こちらも本家ライダーと同じ、ツッコミを入れる場面もあった。実は本編にも一回出た(すぐに猛に突っ込まれたが)。


仮面ノリダーV2編集

「ノリダーは本当に死んじゃったの?」(目黒区6才男子)

「もうノリダーは帰って来ないんですか?子供に聞かれて困っています」(横浜市31歳主婦)

全国からの熱いアンコールに応えて、愛のドラマがよみがえる…


ストーリー編集

1990年12月、度重なる群発地震により、東京は廃墟と化していた。

その原因は新たな敵ゲロジョッカーの仕業だったのだ!


仮面ノリダーV2登場人物編集

  • 一文字マモル/仮面ノリダーV2(演:木梨憲武)

キングジョッカーとの戦いの末に消息を絶ってしまった仮面ノリダー1号の代わりにゲロジョッカーの野望に立ち向かう正義のヒーロー。

V2コンパクトで「だーいじょーV!」と掛け声で仮面ノリダーV2に変身し、本家『仮面ライダーV3』と同様、26の秘密が存在するも、コント打ち切りにより最後まで26の秘密が全て明かされる事はなかった。背負っているギターにはノリダー刀が装備されている。愛用するバイクはノリダーV2サイクロン。

最終回では、帝京蜂男に対してお花畑爆弾を仕掛けるが脱出に失敗して爆死してしまった。


ゲロジョッカー編集

  • ゲロジョッカー怪人(演:石橋貴明)

ジョッカー怪人よりも能力が高い怪人。

初期は本家、仮面ライダーV3と同様、機械合成怪人等がメインで占めていた。

終盤では旧ジョッカー怪人と同様の動物系の怪人のパターンに戻った。

  • 猩々右近(しょうじょううこん)(演:ボブ市川)

キングジョッカーを救助したゲロジョッカーの最高司令官だったが、第7話で失敗続きのため戦闘員に降格された。最終話で誤ってゲロジョッカー基地の自爆を押してしまい、爆死した。

  • バンバンビガロ大佐(演:クラッシャー・バンバンビガロ)

V2第1話に登場したゲロジョッカーの大佐で、猩猩右近をノックアウトさせた。デモンバズーカを開発し、ノリダーV2を倒そうとした。第2話以降では登場しておらず、その後の彼の消息は不明。

演者の関係上、普段は英語で会話をしている(そのため彼の会話シーンには対訳テロップが表示される)。但し一度だけ「何カ文句アルノカ?」と日本語で会話するシーンがあった。


  • クローンマリナ(演:石橋貴明)

V2第2話に登場。ゲロジョッカーが開発したマリナのロボットで、一文字マモルを毒薬入りのビールで抹殺させようとしたが、本物のマリナが現れた上に一文字マモルにニセモノだとバレてしまい、その後の消息は不明。本物と比べて横暴でおやっさんを呼び捨てした。

  • ゲロジョッカー戦闘員(倉田プロモーションの面々)

ジョッカーのみなさんと同様の戦闘員だが、ヘルメットと黄色いタイツを着用。掛け声は「ゲロゲーロ!」

夏休み特別企画「INマウイ」編集

1992年7月30日に放送された夏休み回。正式なサブタイトルは「仮面ノリダー IN マウイ「キング・ジョッカーの息子 恐怖ヤシの実男 〜ハワイだマウイだワーイワーイの巻〜」。時系列はV2最終回の一年後でゲロジョッカー残党であるヤシの実男が登場する他、猛がマリナさんとおやっさんに再会するエピソードとなっている。


恐怖ゴキブリ男編集

1993年11月4日に放送された特別編。サブタイトルは「恐怖ゴキブリ男 〜女ノリダー登場〜」。小林昭二が生前立花藤兵衛として最後に登場した回でレギュラーであったマリナさんの代わりに紺野美沙子が演じる石橋美沙子/女ノリダーが登場する。


完結編編集

1997年3月27日に放送された完結編。サブタイトルは「恐怖ラッコ男 〜よみがえる怪人達 ノリダー最後の決戦〜」。この時、立花藤兵衛役の小林昭二が亡くなっていたが回想シーンとして生前のシーンが流用され、クレジットにも記載されている。

V2の後日談に当たるがアミーゴの中が初期の物に戻っている。

ストーリー編集

火星から飛んできた隕石の落下により復活を遂げたラッコ男。時を同じく、舞い戻ってきたファンファン大佐の手によりジョッカーは再び再結成される。

その頃、木梨猛こと仮面ノリダーは亡くなったおやっさんの後を継いでアミーゴを経営していた。そんなアミーゴで働いていたマリナの下に高校の同級生であり元恋人である石倉健が訪れる。

しかし、彼女にやけにアプローチする石倉の様子に不審を感じた猛は調べてみたところ石倉は既に死亡していたことが発覚、更に感づいた直後に倒したはずのプードル男がジョッカーの皆さんを連れて襲い掛かってきた。

猛は急いで石倉とデートをしているマリナの下へと急ぐ。

新たな登場人物編集

小豆の売り買いが成功して外国で活動する青年実業家。マリナとは高校の同級生で恋人でもあり、仕事途中でアミーゴへ立ち寄ったところでマリナと再会する。実は本物は既に死亡しており、その正体はかつてノリダーに敗北したラッコ男。新たに得た力で秘かにカルガモ男、ウサギ男、プードル男と着々に復活させ怪人軍団を再結成しようとしていた。小泉今日子(すっぴん顔)の声援でノリダーをピンチに追い込むが、天からのおやっさんの激によって奮起したノリダーの「おやっさん急所ダイナマイト」によって敗れ去った。着ぐるみは新調で、オリジナルより顔が大きい。

  • 再生ウサギ男 再生カルガモ男 再生プードル男(演:石橋貴明

ラッコ男によって復活した怪人。しかしカルガモ男以外は実は倒されていない。初登場時は全員石橋が演じていたが集結の際はお面で代用。ノリダーとの戦いでは石橋が全て声を充てていた。

チビノリダーの後にノリダーが召喚した分身。しかし、身長差がありすぎてラッコ男に突っ込まれた(「チビノリダーじゃないのか?」と言われた際にはノリダーが「似ているけど違う!」と否定した)。再生怪人たちを倒した後はノリダーに帰ってもいいと言われていたが素人の時から出たかったと本音を言い最後まで戦おうとするが高い場所に移動した直後に滑り落ちて爆発して見事に死んでしまった

因みに岡村は自身が着用したノリダーのスーツを宝物として大事にしており、Twitterでもノリダーのメットを被っているところを投稿していた。




公式か否か?編集

仮面ノリダーは東映および毎日放送仮面ライダーシリーズの放映局)に対しては非公認である。

そして企画自体が東映・石森プロそのものに対して「無断」で始まったものであった。


画像使用とメディア化編集

現在「仮面ノリダー」は、とんねるずでもフジテレビでもなく、東映の登録商標となっている(2013年登録)。これ自体は「東映がノリダーで何かする」という事を目的とした類のものではなく、逆にこの頃に有名人による「ノリダー談義」が持ち出されるようになり出したので「東映と離れたところでノリダーを持ち出されないようにする(事ある毎にノリダーがメディアに出てくる事を抑制させる)」ための予防措置の向きが強かった。

そのため現在において当時の映像を放送で使用する場合は「協力 東映・石森プロ」のテロップが表記される。


一世を風靡した人気作ゆえにソフト化を望まれることが多いものの、メディア化に関しては上述したように元々が非公認スタートで、公式に対しては無断で始まった企画であった問題や、とんねるず自身の版権管理が厳しい、など諸々の事情があることから、ソフト販売(DVDBlu-rayオンデマンド配信、もちろんかつて主流だったVHSでも発売されていない)や有料チャンネル等での再放送は極めて難しいと言われている。


2018年、『おかげです』の映像を収録したDVDが初めて発売されるが、「仮面ノリダー」は版権が東映に移っているためやはり収録されていない。


様々な評価と見解編集

石ノ森章太郎は「うちの息子が好きなんだよ」と、笑って許したと言われ、1989年のTVガイドの取材に応じた際にフジテレビのプロデューサーに「(いち視聴者として)楽しく見ている」旨を伝えたとコメントした(もともと石ノ森は自身が面白いと思えばセルフパロディも容赦なくブッ込み、それをメインにした作品も描き、さらにはファンの「ごっこ遊び」にも寛容な姿勢を持っていた)。


また昭和初期ライダープロデューサー平山亨ノリダーを笑って観ていたようである。平山Pのもうひとつの代表作東映不思議コメディシリーズでは以前から特撮ヒーローパロディが恒例だった。


一方で当時のライバル番組(?)である仮面ライダーBLACKを「作る側」であった東映プロデューサー陣、特に吉川進スーパー戦隊メタルヒーローシリーズの生みの親。ライダーはBLACKJまでを担当)は関連書籍、BLACK・RX超全集のインタビュー(同書p.103)にてさりげなくノリダーについて触れ、パロディに対しての批判を以下に述べている。


Q.ヒーローの作劇で大切にしていることは何ですか?

A.強さ、やさしさ、正義を愛する心を真剣に描くことがヒーロー番組には不可欠です。

そしてヒーローは「必ずどこかに絶対にいるんだ」そう感じるような存在でなければいけないのではないかと思います。そういう意味においては昨今のスーパーヒーローのギャグ・パロディ化はヒーローの否定につながります。それにより数多くのヒーローが消滅していったことを銘記すべきです。高倉健クリント・イーストウッドと、『とんねるず』は同居できないのです。


と、ギャグである仮面ノリダーとはそもそもが相容れないものとして名指しで非難している(仮面ライダー大百科では「とんねるずがくだらないパロディばかりやるから、真面目に制作するのが馬鹿馬鹿しくなった」というコメントもあるという情報がある)。


実際、後述もするように当時の子供達からの人気は本当に凄まじく、その上無許可で始まり、予算の厳しさをネタにする作風まであったとなっては上述した東映(特に撮影や制作の現場に携わる者たち)の怒りも仕方ないと言えるだろう。

これだけ聞くと「人気があるならいいじゃないか」「本家が好きな人達が作った作品なのにあまりにかわいそうではないか」と感じる方もいるかもしれないが、当時においては「ライダーは知らないけどノリダーは知ってる」という子供達や、オリジナルのシリアスな描写や、その時代から見ると決して高いとは言えない撮影技術などから「本家」であるはずの仮面ライダーに対して「笑いどころがない=質の悪い&つまんない作品」「仮面ノリダーの劣化、パロディ」ととらえてしまう(さらに、その「誤解に基づく不満」を深く考える事もなく直接、東映側へとぶつけてしまった浅慮な)子ども達も少なからずいたようであり、結果的にとはいえ深刻な風評被害を被っていたようだ。

またかつては特撮マニアの間でも、新作であり尚且つ攻めた作風の『仮面ライダーBLACK』より初代をなぞらえたノリダーの方が好きだったという層も少なからず存在したらしく、各方面からお株を取られていたことは確かと言える。


そもそも当時、特撮のような子供向け番組は「ジャリ番」(「ジャリ」は子供の隠語)と呼ばれており、他の番組と比べて格下に見られていた。

例えば現在でこそ特撮出身の俳優が活躍し、ニチアサは若手俳優の登竜門的な存在としての地位を確立しているが、当時は「ジャリ番は所詮ジャリ番、1年やろうが俳優としての実績には入らない」と思われていたのである。

一方、とんねるずと言えば押しも押されもせぬお笑い界のビッグスターであり、『とんねるずのみなさんのおかげです』もバラエティ年間視聴率において6年連続トップの怪物番組であった。

つまり「圧倒的強者が、弱者をイジって笑いものにしている」と取れる構図でもあったのだ(もちろん、ノリダーの側には一切そういうつもりはなかっただろうが)。


同じく東映のプロデューサーである白倉伸一郎は「90年代、仮面ライダーは古臭いと思われていたコンテンツで、東映から毎日放送さんに、もう一度ライダーをやりましょう、と何度もアプローチするもいい返事は得られなかった」と語っている。実際、本作の存在そのものが、この白倉の言葉を肯定する傍証だと指摘される事がある。かつては古臭く陳腐化されたコンテンツと認識されないと大っぴらなパロディーなどされなかったためである。

髙寺成紀も「10人ライダー登場もRX後にライダーは製作しないという決定を受けていた」と話しており、東映側にも後番組を制作するような動きはなかったとも述べている。


また当時『仮面ライダーBLACK』で主演を務めた倉田てつをは、『ノリダー』側のオファーに「大好きだから出たい」とプロデューサーにまで懇願したものの、OKが出ず断念した、と後年のインタビューで語っている(東映サイド、殊に吉川は、倉田だけでなくフジテレビのこの行動に激怒したという)。実際に撮影現場では「ノリダー」の言葉は禁句だったとのこと。

仮面ノリダー対てつを

BLACK RX』の後、仮面ライダーのTVシリーズは再び終了となる。

当初は3部作の構想として企画予定されていたが、結局実現には至らなかった(『RX』の続編に小林良平が主役で内定だったとの話があるが、キャスティングを担当していた髙寺は記憶にないと語っている)。本家仮面ライダーシリーズは漫画やゲーム、OVAや映画で続いたものの、TVシリーズとしての再開は2000年テレビ朝日系列に局を移して放送される仮面ライダークウガまで待つ事となる。


前述の吉川の発言記事からRXの続編が作られなかったのはノリダーが原因なのでは?という憶測、または当時の宮崎事件の影響という憶測等も立つがこれらは正式な情報ではない(元ネタは2chに現れた自称東映関係者の発言なので要注意。詳細はこちら)。


主題歌・挿入歌編集

  • 「仮面ノリダーぶっとばすぞのテーマ」唄/木梨猛「そこら辺にいた子供合唱団」
  • 「ノリダー・ジョッカー仲良し音頭」
  • 「仮面ノリダーV2のテーマ〜愛〜」 唄/一文字マモル「そこで見っけた子供合唱団」

※作中で流れるBGMには重戦機エルガイムやArt of Noise等の楽曲も使用されている。実はV2ではRXの楽曲まで使われた事もある。


その他・補足編集

  • ラッコ男が初めて登場した事でもお馴染みの初回放送日は1988年3月8日で、翌日は憲武26歳の誕生日というタイミングだった。そのため、初回OPに限り憲武の誕生日を祝う歌詞がある。
    • 実は初回はシリーズ化する前のプロトタイプ的なものだった。そもそも「みなさんのおかげです」がレギュラー放送化する前のスペシャル番組だった頃だった為である。その為、OPの歌い方が若干違ってたり、ファンファン大佐が「ジョッカー将軍」という名称だったり「完」で締めくくっている。ちなみにこの初回でノリダーが技を出す際何故か「ライダ~、投げ」と言ってしまっている。第2回以降の放送は同年10月からと半年以上のブランクを開けることとなる。
  • 本家起用された小林昭二氏は立花藤兵衛をもう演じないとノリダーが始まるまでオファーがあっても頑なに断っていたという。ノリダーでの出演はスタッフの熱意あるオファーがあっての事だった。パロディとはいえ、氏が立花藤兵衛を演じた最後の実写作品は仮面ノリダーV2と云える(後にOVA「仮面ライダーSD」ではアニメ化された藤兵衛の声を演じている)。
  • ミュージックステーション』の過去名場面でもよく取り上げられるとんねるずの「炎のエスカルゴ」で旧テレ朝社屋の屋上でやりたい放題する回、実はノリダー第一回放送からわずか3日後(1988年3月11日)の出来事だったため、曲冒頭から憲武が「ぶっ飛ばすぞぉ~!」と叫び、曲中でも名乗り口上や変身ポーズを何度も取るなど他局なのにノリダーネタを容赦なくぶっ込んで来ている。曲最後の「出来れば撮り直しにしてくれ!」の部分で足を開いていたのは曲の最後でもノリダーのポーズを取っていたため。
  • 放映当時は人気ゆえに様々な場所でパロディのネタにされ、子供達からさらに評価を得ていった。早い話が「パロディーのパロディー」いうカオス状況が起こったのである。
    • コロコロコミック』においては「かっとばせ!キヨハラくん」(河合じゅんじ)にてクワタ扮する「仮面クワダー」が、「おぼっちゃまくん」(小林よしのり)にて御坊茶魔がドクターモーに改造された「仮面チャマダー」が登場した。
    • また上述した「仮面チャマダー」に関しては『おぼっちゃまくん』のアニメ化に引きずられる形で同作におけるエピソードのひとつとしてアニメ化されている。放映日は1990年5月19日、第56話Aパート。製作はシンエイ動画であり放映はテレビ朝日。もはや東映グループも毎日放送フジテレビもま~ったく関係なく作られており、ある意味スタッフのクソ度胸がハンパないメディア化と言える。
    • コミックボンボン』の本山一城コミカライズによる「スーパーマリオシリーズ」ではマリオによる「マリダー」が登場。さらにノリダーとラッコ男が出ている場面もあったりする。
    • あかほりさとるによる小説版『NG騎士ラムネ&40EX・ビクビクトライアングル愛の嵐大作戦』では、Dr.カタストロフの部下である鉄仮面(正体はカタストロフに洗脳されていたダ・サイダー)が「やめろジョッカー!ぶっとばすぞぉ~!」を披露した。
    • SNKの迷作「クイズ迷探偵NEO&GEO クイズ大捜査線パート2」にて木梨猛風の男、常連客Bが登場。
    • 同じく「みなさんのおかげです」のコーナードラマであった、新巨人の星(実は同名のアニメがあるが関係はない)の第2話で、徳永善也演じる星一鉄が、勝利のテーブルひっくり返し、勝利のVサインをしながら「だいじょうV!」と言った後、「仮面クロダー」に変身した。その際、仮面ノリダーV2のテーマ曲が流れた(ちなみにこのコーナーの後は本当に仮面ノリダーV2だった)。早い話がセルフパロディである。
  • やがて2010年代になると、いわゆるノリダー世代が様々な会社に入ったのちにアラサーアラフォーとなり社会の中核を担うようになり「子どもの頃に好きだった」事を公言する有名人も増えた。するとノリダーのギャグは時代(世代)を代表するものとして「懐かしのネタ化」するようになり定番パロディ(鉄板ネタ)となっていった。それはノリダー世代が入社して中核を担うようになった東映においても同様であった。
    • 仮面ライダーとは異なるが、ルパンレンジャーVSパトレンジャーでは第8話でジム・カーターが敵に捕まった際に「ぶ…ぶっとばすぞ~」と発していた。
    • 仮面ライダージオウのよみうりランドのヒーローショーにて巨大な耳の生えたアナザーすぎるライダーが出現した。胸には「NO RIDER」の文字があり、ライダーキックの際に腕をぐるぐるしながら腰を左右に振っていた。なお、一応の設定上は司会のお姉さんに不完全なプロトタイプのアナザーウォッチを埋め込んで作られた「ノーライダー」とされているため(まだアナザーライダーの着ぐるみが出来ていなかったという「大人の事情」もある)、ノリダーとの関係性はあくまでも不明である。ちなみにだが、正確には「NO RI DER」と微妙に空白を開けて書かれており、そのまま読むと…?
    • ノリダーは、当時放送されていた「オリジナルの仮面ライダー」に勝るとも劣らない存在感で活躍した。オリジナルの仮面ライダーから力を奪い存在を上書きするアナザーライダーとは妙な親和性があるかもしれない?

アナザーライダー風

  • 主題歌「仮面ノリダーぶっとばすぞのテーマ」は「レッツゴー!ライダーキック」をパロディにしたもの。ただし似ているとはいえ「レッツゴー!ライダーキック」ではそのまま歌えない
    • 一方「仮面ノリダーV2のテーマ~愛~」は「戦え!仮面ライダーV3」を若干アレンジしたようなものなので、こちらではほとんど歌詞さえ知ってれば合ってたりする。両方とも特徴的な歌い方をするが、どうやら子門真人の独特の歌い方をオーバーにしたものらしい。ただし、ノリダーの初回に限りやや藤岡弘、っぽく歌っている。
    • テレビ朝日開局30周年記念の生放送番組で、とんねるずが登場した際は各ゲストが登場時にオーケストラの演奏に合わせて歌う「開局30周年おめでとうの歌」を木梨は仮面ノリダーぶっとばすぞのテーマで歌い出し、場を盛り上げたことがある(その後、芳村真理の要望で歌い直すが、こちらも即興のアドリブソングであった)。
  • とんねるずが「タカアキ&ノリタケ」だった頃のネタの一つに仮面ライダーのライダーキックというネタがある。ある意味ノリダーの前身といえるだろうか。
  • 石橋は自らが演じるジョッカー怪人のネタ探しに動物図鑑をよく見ていたという。
  • 「とんねるずのみなさんのおかげです」時代はとにかく時間とお金を使ってド派手に豪華に作り込むというのがスタンスであったという。
    • 当時フジテレビの赤字番組1位は海外ロケ中心の「なるほどザ・ワールド」であったが、この番組はそれを開始一年で凌駕する赤字を出した。石橋は「ほんとに大丈夫なんですか?」と当時番組ディレクターの港浩一に尋ねると「俺の金じゃねーからな(笑)」と返したそう。
    • 前述通り、事実上の完結作「最後の決戦」でノリダーの「分身」としてゲスト出演した岡村隆史は、素人時代からのとんねるずファンだった為、憧れの「みなさんのおかげです」はおろかそのノリダー出演は本当に夢だったとの事でオファーが実現した事に感激しており、使用した衣装を貰い受けて宝物にしているという。
  • 2019年4月26日、木梨憲武のインスタグラムにて伊藤淳史が20年ぶりにチビノリダーに扮した。
  • みうらじゅんはノリダーを愛するがあまり、ザ・テレビジョンにて「仮面ノリダー解剖図」なる図解を載せていた。それが認められ、一時期「とんねるずのみなさんのおかげです」のブレーンに誘われ、番組用のコントのネタをいくつか書いていた。

関連タグ編集

とんねるず とんねるずのみなさんのおかげです 仮面ライダー パロディ デュクシ

ウルトラマンゼアス…こちらでもパロディ編を称して木梨演じるゼアスが登場する。


デビルタカマン ゴレンジャイ オカムレンジャー


かまへんライダー: 同じフジテレビのオレたちひょうきん族のコーナー。既に終焉に向かっていたひょうきん族末期であった事とノリダー人気が高かったせいで現在では知名度は物凄く低い。しかし、ノリダーとは逆にこちらは東映と石森プロの許諾を得ている。こちらはある意味ゴライダーを予言してしまったものに…。


仮面レンアイダー:スマスマで放送されていた龍騎モチーフのパロディコント。

仮面ライダーG:こちらはコーナードラマという共通点はあるが公式(石森プロ・テレビ朝日)による正規作。平成から令和に切り替わるころ公式に映画にも客演した。

改造人間哀歌仮面ライダー2号をモチーフにした映画。ノリダーと同じく仮面ライダーの出演経験者が出演している。


ふなっしー:非公認の人気キャラという意味で立ち位置は同じである。




(※) 以下「公式からのプレゼント」にまつわるネタバレ

そして編集

ライダーを見て育ったとんねるず達が一時代を築きあげたパロディだったが、あくまでも非公認であり、知名度は高いにもかかわらず、「最後の聖戦」を最後に、平成時代の流れに埋もれてしまった。


誰しもがそう思っていた・・・。
























しかし、誰もが思いもしなかった展開で、令和の世に帰ってきた・・・!






















「ぶっとばすぞぉ!」

(……誰?)

平成の時代、悪と戦った、改造人間さ…」

(……仮面ライダー?)

「いや、俺は仮面ライダーと認められなかった、だからずーっとここにいる

(俺と、同じ)


「……お前と一緒にするな!!」

(え……いや、でも、俺はたまたま選ばれた普通の高校生で……)


「それでも、選ばれた…仮面ライダーに選ばれたんだよ!! お前は……!!」


「選ばれなかった…選ばれなかった奴はごちゃまんといる!!」


選ばれた者には、その責任があるんじゃないのか!?」


「今平成ライダーを背負っているのは…!お前だろうッ!」







In memory of a Legendary Kamen Hero















誰が想像しただろうか。

劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』に、木梨猛がまさかの逆輸入として復活を果たしたのである。

しかも、モブ役やカメオ出演等ではなく、物語のとても重要な役割を担っている

仮面ライダーではない、仮面ノリダーだからこその彼の活躍に注目しよう。



そして、2020年4月28日、世界の危機彼が帰ってきた…!


関連タグ(ネタバレ)編集

仮面ライダージオウ Over Quartzer

常磐ソウゴ

仮面ライダーゾンジス:直接的な関係はないが没となった続編の「仮面ノリダーガンジス」と名前が似ている。

仮面ライダーバールクス:捕らえた張本人。目的は不明だが、ファンの間では元ネタのブラックRXでTVシリーズを終了させた(という噂話)から、ノリダーはバールクスに特効を持っているのではないかという憶測が生まれている。

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