人物
1965年生、東京都出身。「特捜最前線」、ドラマ版「スケバン刑事」、「宇宙刑事ギャバン」などの東映ドラマ作品に多大な影響を受け、東京大学文学部第三類卒業後東映に入社。
「鳥人戦隊ジェットマン」でプロデューサー補として特撮に関わり始め、「恐竜戦隊ジュウレンジャー」の途中からサブプロデューサーに昇格、超光戦士シャンゼリオンでメインに昇格した。
その後も平成ライダーシリーズの初期の多くの作品に関わるが、近年では関連会社の社長等、経営陣としての活動にシフトし、2023年7月1日付で東映が新設したキャラクター戦略部の部長に就任。それでもなおライダーの関わりは深くデザイン決めまで毎年関わっている。
後にメインプロデューサーの1人に昇格した武部直美は彼の下でサブ時代を送り、事実上の弟子格となっている。
作風
特撮ヒーロー作品において古くから描かれてきた勧善懲悪的要素や善悪二元論に対して懐疑的な立場を取っており、登場するキャラクターが持つそれぞれの正義や信念が交錯するドラマを盛り込むことが多い。
「ライブ感を重視したい」とし、多少整合性が合わなくても勢いやノリを重視する面もあり、時にファンの間でも賛否両論を巻き起こすこともある。特に仮面ライダーディケイドの最終回などは大きな波紋を呼んだ。特に夏未完はファン内の賛否両論で終われるはずもなく、BPO案件にまで発展してしまった。
一方で、話題性のある作品作りには定評があり、シリーズに残した功績も大きい。
以下、白倉氏がプロデュースした作品での話題を述べる。
- 従来のシリーズではゲスト扱いだった新戦士をレギュラーとして投入する(恐竜戦隊ジュウレンジャー)
- 従来の正義VS悪の構造を取っ払い、異なる「正義」を掲げた仮面ライダーが殺し合う衝撃的な内容を展開(仮面ライダー龍騎)
- それまではゲストとしての趣が強かった怪人をドラマに本格的に組み込む(仮面ライダー555)
- 最終回を先行公開するという触れ込みで劇場版を制作する(EPISODE_FINAL)
- テレゴングや投票で物語の結末を決める(13RIDERSと仮面ライダー大戦)
- それまでバイクが主流だったライダーに電車、果ては飛行機という異例すぎる乗り物を導入(仮面ライダー電王と仮面ライダー4号)
- 東映からはタブー視されていた伝説のヒーローやタイアップ企画のヒーローを登場させる(Over_Quartzer)
- それまでは世界観が独立していたヒーロー達を総登場させ、歴代ヒーローに変身できるヒーローを特撮史上初めて主人公に据える(仮面ライダーディケイド)
- 物語の本筋などにメタネタを絡める(仮面ライダーディケイドと仮面ライダージオウ関連作品)
- リーダーがレッドという様式美を脱却し、メンバーそれぞれのデザインが全く異なる戦隊に仕上げる(機界戦隊ゼンカイジャー)
- ピンクは女性という様式美を脱却し、メンバーそれぞれの頭身や体格等が全く異なる戦隊に仕上げる(暴太郎戦隊ドンブラザーズ)
- 昭和ライダーのそれとは異なる多人数の仮面ライダーが織りなす群像劇を定着させる(仮面ライダーアギト以降)
- シリーズが異なる仮面ライダーとスーパー戦隊が共演する(スーパーヒーロー大戦シリーズ)
- 大人のファン層に向けてリメイク作品やリブート作品を展開(仮面ライダーTHEFIRST&THENEXT、キカイダーReboot、仮面ライダーアマゾンズ、シン・仮面ライダー)
また講談社キャラクター文庫では『仮面ライダー電王』関連の小説二作品を執筆。
TVシリーズとは基本設定が変更されている部分はあるものの評価が高い作品となっている。
逸話
- 今でこそ東映特撮の重鎮の一人として顔が知られているが、幼少期好きだったヒーローは円谷プロの「ジャンボーグA」だった。
- 趣味はインド映画の鑑賞であり、中でもお気に入りなのは「バーフバリ」らしく、その映画だけで10回見たこと。本人曰く「あまりにも真剣に作っているあまり、泣いてしまう」。インタビュー等によればジオウへの影響も少なくない様子である。
主な担当作品
- 超光戦士シャンゼリオン
- 仮面ライダーアギト
- 仮面ライダー龍騎
- 仮面ライダー555
- 仮面ライダー響鬼(後半)
- 仮面ライダーカブト
- 仮面ライダー電王
- 仮面ライダーディケイド
- 仮面ライダーアマゾンズ
- 実写版 美少女戦士セーラームーン
- 仮面ライダージオウ
- 機界戦隊ゼンカイジャー
- 暴太郎戦隊ドンブラザーズ
- シン・仮面ライダー