湊陽祐
みなとようすけ
1988年6月26日生まれ、群馬県出身。東映に所属するプロデューサーの一人で、主に特撮テレビドラマを担当することが多い。元はアニメ畑出身の人物でもあり、マッドハウスでアニメの制作担当を経験した後、東映へと入社したという経歴を持つ。
子供時代に『鳥人戦隊ジェットマン』や『絶対無敵ライジンオー』、『ウルトラマンティガ』、『黄金勇者ゴルドラン』など、中高生時代は『仮面ライダークウガ』や『機動戦士ガンダムSEED』を見て育った。当初は俳優になりたかったが、大学での映像制作活動の際にロケハンやスケジュール表の作成をするうち、自分が撮られるよりも映像をつくる方が面白いと感じて、アニメ業界の就職活動を経てマッドハウスに入社したという。マッドハウスでは2015年放送の『ワンパンマン』から、2019年放送の『ちはやふる3』の制作デスクまで関わった。
2018年、東映が「特撮専任プロデューサー」を募集していることを知る。大学院進学とアメリカ留学が重なり、東映の新卒応募は年齢制限で受けられなかったため、再び採用試験に挑戦しキャリア採用という形で2019年に入社した。
東映入社後は『仮面ライダーゼロワン』(2019年)のアシスタントプロデューサーを経て、『仮面ライダーセイバー』(2020年)『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』(2022年)のサブプロデューサーを担当。『ドンブラザーズ』では東映公式サイトの各話ブログ記事の執筆も白倉伸一郎P、松浦大悟APと共に担当している。
2023年放送の『王様戦隊キングオージャー』にも、当初プロデューサーの一人として参加することが発表されており(参考リンク)、実際に後述の5大国のコンセプトアートの制作などにも関与していたが、塚田英明からの指名により同作から離れ、同年9月より放送される『仮面ライダーガッチャード』の企画に参加、自身初となるメインプロデューサーを務めることとなった(参考リンク)。
前述の通りアニメ畑出身だったこともあり、手掛けたドラマにおいて複数のアニメーター・監督を紹介したこともある(イシャバーナのコンセプトデザインを担当した小嶋慶祐、トウフのデザインを担当した佐藤利幸など)。
初のチーフプロデューサーを務めた『仮面ライダーガッチャード』のレギュラー女性陣からは、「優しい人」と評されており、昼終わりの現場に訪れた際に「みんなでご飯食べたいよね。」と撮影所の食堂にキャストを連れて飯を奢り、スタッフとキャストのコミュニケーションの場を積極的に作るなど、演者の意見をたくさん取り入れてくれる人と好印象なイメージを持たれている。
ウラ仮面ライダー企画での男性陣の自己紹介ギャグに対しての審査はスベったらイベントに出れないというのもありかなり辛口めの審査をしている。
また、第16話から第25話までのミナトの闇堕ち期間に際して、ミナト役の熊木陸斗氏に事前に「ミナトならこういうこと言わないだろうと思うものがあったら言ってください。」と事前に擦り合わせのためにヒアリングをした上で脚本に反映させている。
スーツ関係では、松浦AP共々スーツ改造を指摘してくるオタクを快く思っていないのか、次回のガッチャどころでわざわざトワイライトマジェードとヴァルバラド黒鋼のスーツ流用の狙いとそのデザインの意図を説明している。
また終盤では、メインライターの長谷川圭一氏が心残りにしており、ファンからも初登場なのにまともな活躍の場に恵まれず改造されていたその不遇さ故に同情の声が多数あったヴェノムマリナーの見せ場を作っている。ヴェノムマリナー以外にも終盤になるにつれ敵のインフレにあわせて出番を失われがちな序盤の派生フォームも最強フォームの作り出した分身という形で見せ場を作っている。本人曰くどうしても気にしてしまうようである。
また、ファンから絶大な人気を得ている仮面ライダーエターナルを『ガッチャード』本編に別の変身者が変身する存在として客演させる際、ファンからの批判を少しでも和らげるため、ハンドレッドの設定でそれを補完しており、事前に正規変身者である大道克己を演じた松岡充氏にエターナルの客演に関する意向を説明して彼の了承を得ている。
自身が初めてAPとして担当した『ゼロワン』でコロナ禍により実現できなかった仮面ライダーゼロツーVS仮面ライダーアークワンが本人曰く「心残り」だったようで、『ガッチャード』では変則的な形になったとはいえその構図を実現させた。