概要
お菓子におまけとして玩具を付けたもので、日本では1923年に江崎グリコがキャラメル菓子にカードを付けたのが最初らしく、歴史あるものとなっている。近年、ガシャポン等のクオリティが上昇している事もあり、「これ、本当に食玩で元が取れるのか?」と思う様な物も存在する。「お菓子の方がおまけ」(1%未満の可能性があるケースだってある。後述事例参照)と言われることも。
流通上は食品に分類されていて、主にスーパーやコンビニのお菓子売り場で売られている。また、当然のことながら賞味期限(消費期限)が存在する(ただしガムは除く)。それに加え、アニメ・特撮などのテレビ番組とのタイアップ商品の場合、その番組の放送期間というもう一つの商品寿命も持っている。そうではないオリジナル商品も含め、売れ残りが倉庫や売り場を圧迫するなどすれば、商品入れ替えと言う名のワゴンセール(バーゲン)が展開される事がある。コンビニでは滅多に考えられないが、賞味期限間近の場合は行われるので、諦めてはいけない。特にウエハースタイプはこの傾向が顕著で、それを狙ったかのように大量入荷するようなディスカウント系スーパーが存在する位(リアルタイム放送時では集めづらい&予算が足りないと考えている方は、こうしたバーゲン等を狙うと良いだろう。人気作品の場合は争奪戦も不可避であるが……)。
仕入れた側も食品ロスを防ぐ意味合いもあるのだが……需要と供給を間違えると、発売数カ月で見切り品として売られるのもファンにとっては心境が複雑なので、商品を見かけたら購入してコンテンツ流通という意味でも買い支えをして欲しい物である。
(場合によっては、最初から食品ロスを防ぐ意味合いで在庫品を大量仕入れて、見切り品として販売する店舗もある事にはある。しかし、こうした店舗を見つけるのは至難の業だが…)
人気作品の場合、フルコンプセットがヤフオク!等で出回る場合もあるが、転売に関しては利用しない方が良いかもしれない。この辺りに関しては自己責任で。
(転売目的の購入を防ぐ為、店側で購入個数を制限する場合がある。過去にはビックリマンでも行われていた伝統の販売方法だが、近年では本当にオークションの転売目的で購入というケースもある。「良い子のみんなは真似しちゃダメだぞ!」)
また、あろうことか人気シリーズによっては消費期限や在庫処分も絡んでか模型店やホビーショップで抱き合わせまがいのセット販売が横行することもある。
それに加えてポテトチップス系でカードが袋と一緒についているタイプの物で、カード目当てで商品を買い菓子は捨てるという行為が社会問題になったことがある(下記の仮面ライダースナックが代表例。詳しくはWikipediaの当該項目を参照)。他にも稀にあるのだが、おまけのカードだけを会計前に抜き取る行為は窃盗に該当する為、これもやってはいけない。
(店側としては、おまけなしとして投げ売り状態で売らなければいけないので、店側にもダメージがある)
なお、2019年10月からは消費税が10%になったが食品は8%据え置きのままである(酒と外食を除く)。お菓子と玩具の割合的な部分で8%か10%なのか計算されるようだが、ビックリマンチョコが8%扱いの一方でプロ野球チップス系が10%扱いになる為、申し訳程度にガムが付いているタイプの物は全て10%になると考えていいだろう。
(こうした関係もあり、店舗によってはレジやPOPなどの都合もあって食玩を仕入れない店舗もある)
余談にはなるのだが、様々なメーカーがコンビニにおけるタイアップやコラボと似たような手法でリリースしていることもある。しかし、食玩のノウハウを知らないような会社による乱造品は在庫になる事がある様子。それに加え、人気IP作品の食玩ばかりで食玩オリジナル作品が置かれないというようなケースも散見されている。
(2023年1月27日には、オリジナル作品であるアニマギアDEとガオロードGが2作品同時に完結を発表。食玩オリジナル作品が減っているという証明にもなってしまった)
なお、実在アイドルの食玩と言うのもまれに存在(バーチャルYouTuberとは更に別物)するのだが、その値段は入っている量に反してリッチ系お菓子が買えてしまうのでは…と言うケースも存在している。
(この問題は一番くじなどのくじ系でも存在し、いわゆる肖像権の使用料が理由かもしれない。)
食玩と言うと、入っているのは小袋のお菓子やチョコレート、ウエハースなどをイメージする人も多いかもしれないが、近年はプロテインバーも食玩に殴り込みを行っている。食玩の定義とは一体……。
主な食玩
江崎グリコ |
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カルビー |
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カバヤ |
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ロッテ | |
フルタ製菓 | |
バンダイ | - |
など
特例として
- ネオ・ジオング:機動戦士ガンダムUCに登場するMA。超大型サイズの食玩がアサルトキングダムブランドでバンダイからリリースされた事がある。どう考えても値段が1万円のフィギュアクラスだが、おまけとしてガムが付属するという「どっちが主役なのか?」と言う現象を生み出した。しかし、これもバンダイにとっては氷山の一角にすぎない。詳細はプレミアムバンダイ等で各自検索をすべし。
- バンプレイオス:スーパーロボット大戦OG(厳密には第3次スーパーロボット大戦α)のオリジナルメカ。その大きさやボリュームは、何とガンプラのMGやPGに迫るようなものとなっている。値段もネオ・ジオング以上であり、ガム1個の付属が「どっちが主役なのか?」を認識する展開となった。
- ペットボトル:ペットボトル飲料に、キャンペーンでグッズが付けられる場合もある。こちらに関しては「食玩」というよりも、おまけ付きのペットボトル飲料という意味合いが強い。過去には袋が透明ではなかったのだが、オークションに高額で出品(転売)されるケース等もあり、ガンダムSEED DESTINYのこれについて公正取引委員会がサントリーに行政指導する事案が発生。これが理由で透明パッケージになったらしい。
- ソーセージ:仮面ライダーやスーパー戦隊等特撮やプリキュアやポケモンなどアニメでカードやシールが封入されている状態で販売されるが、一時期はミニモデルという消しゴム人形が付いている時もあった。これらもお菓子ではないが食玩に近いと言ってもいいだろう。こちらは賞味期限的にもワゴンセールに入りやすいので、タイミング良く購入する事をお勧めする。なお、ウインナーも同時発売されるが、そちらにはカード等は封入されないので注意。
- マシンロボ:長い間展開が止まっていたが、食玩として復活した。
- かつて森永製菓がアイスキャンデーの棒の中にプラモデルを仕込んだ「ぷらもで~る」と言う商品を販売したことも。後年のガンプラ付きハンガー(ハンガーと言っても衣文掛けの方)を見て、これを思い出したオッサンも居るかもしれない。
- コラボという意味でコンビニ各社が展開しているシール、マグネット、アクリルスタンドの付いたものも、いわゆる食玩カテゴリーとして言及されることもある。上述にもあるとおり、賞味期限が迫ったものはワゴンセールに入りやすい上、場合によっては数割引き~半額で売られることも。
関連タグ
カバヤ:食玩について語る上で必ず名前が出てくる変態企業。スケールモデルを扱った「ビッグワンガム」シリーズ等が著名。軟質樹脂の耐磨耗性と粘性を上手く活かして、現在でいうABSのように利用しており、特に全盛期(90年代)の頃に発売されたトランスフォーマーシリーズや勇者シリーズ・エルドランシリーズ関連の食玩の技術はマニアからオーパーツと称賛されるほどの「技の1号」。一部商品は童友社からプラモデルとして発売されている。
人曰く「製菓会社の皮を被った玩具会社」。
バンダイ(キャンディ事業部):元々は菓子屋ではなかったため後発だが、現代の食玩を語る上では欠かすことのできない企業。あくまでも数百円以内にこだわるカバヤとは違い、プラモデル屋の技術を生かした数千円クラスの商品をも無理やり食玩として売る「力の2号」(『もじバケる』等の数百円で十分な商品も当然存在する)。可動だの全形態コンプだの彩色再現だの妙なこだわりを発揮し、申し訳程度のラムネ菓子を同梱して売り出す最早どっちがオマケか解らない「食玩」というカテゴリーを何か勘違いしているとしか思えないような商品を多数世に送り出し続ける変態企業。上記の装動、創動が分かりやすい例で、同社のDX玩具に相当するフィギュアであるレベルアップライダーシリーズ(LVUR)やボトルチェンジライダーシリーズ(BCR)を食わんばかりのヒット商品となっている。
森永製菓:「機動戦士ガンダム」が大人気となっていた時期に食玩で扱っていたのだが、チョコボール同梱の商品では本編登場のMSだけでなく設定だけのMSやMSVの機体(中にはガンプラですら発売されていない物もある)や武器セットを発売したり、キャラメル同梱の商品ではMAどころかサブメカまで発売する狂いっぷりを見せていた。また、キャラメル同梱の食玩商品として統一スケールの高品質な鉄道車両を扱ったシリーズも手掛けていた。
ポケモンパン:こちらは食品カテゴリーに当てはまるが、類似案件と言えなくもない。消費期限のリスクも同様。
鬼滅の刃:普段は駄菓子や一般向けお菓子等でしか扱わないスーパーでも、鬼滅の刃のタイアップ菓子の登場後には取り扱うようになった事例も散見される。同様手法は掲載雑誌繋がりで呪術廻戦やSPY×FAMILYなどでも行われており、それ位にスーパーやコンビニで置かれる菓子さえも状況を一変させた(その影響が食玩オリジナル系の衰退につながっているとも)。同時期にはツイステも同じような食玩が展開しているが……。
ばかうけ:こちらは本来食玩ではないが、上述の鬼滅の刃タイアップの物がヒットしたのをきっかけにして、シール付きの小袋版のばかうけが続々リリースされる。鬼滅の刃以前にもタイアップ系はリリースされていたが…。
にじさんじ・ホロライブ(バーチャルYouTuber):YouTuberチップス系統は過去にもリリースされていたが、その流れを変える位には状況を一変させている。
ちいかわ:鬼滅の刃の次にタイアップ系食玩の流れを一変させた事例。こちらは食玩だけでなく、食品類ともタイアップ(チャルメラのタイアップ版のチャリメラなど)も増やしており、スーパーの中でちいかわを目撃しない事例がないのでは……と言うレベルで一変させた。
折紙サイクロン:バンダイの食玩ではあるが、TIGER&BUNNY2でスポンサーになっている。詳細はリンク参照。
食品が絡まない同様の例
食玩の社会問題と本質は同じである。
限定同梱カードが本体扱いで、カードだけを抜き取ってゲームソフト単体を中古送り、ヤフオク!などへ出品する転売ヤーが後を絶たなかった。限定カードが付属する関連書籍も(ry。
リアル「天使の施し」とも揶揄されている。
ゲームソフトや書籍であるため、容易に捨てる行為に走らないだけマシと言えるかもしれないが、やっていることは同じである。
ゲーム内で所持品が本体扱いで、本来の持ち主が追い剥ぎで斬り捨てられる。
二次元(フィクション)で完結する行為なので後述の三次元への深刻な実害が無い分遥かにマシ。(不快に感じるユーザーも居るが)
象牙等々の特定部位が高値で売れる理由で特定の動物ばかり狩られ続けていった結果、その動物が絶滅或いは絶滅危惧種となり、食物連鎖の破綻による生態系の崩壊を招く。
外部リンク
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